Wotofo(ウォトフォ)のベイプアトマイザー、Serpent SMM「サーペント エスエムエム」のレビューです。
Wotofoの人気アトマイザー、SERPENTシリーズの最新作はコラボレーションアイテム。
チャンネル登録者15万人以上を誇る、海外の人気Youtuber、Suck My Modの頭文字を冠したモデルです。
特徴は日本でも人気のシングルコイルRTAで、MTLからDLまで対応するドロー、
そして、見た目の良さと、24mサイズで容量の大きなタンクを装備しています。
それでは早速レビューしていきます。
商品提供:ベプログshop
Wotofo Serpent SMM のパッケージと内容品
パッケージのサイズはWotofoアトマイザー定番のサイジング。
底面には製品偽造防止に役立つ、スクラッチ式コード入りステッカーの添付があります。
ありますが、筆者はここを削ってコードを使って製品の真贋を実証したことはありません。
スライド式のパッケージの中には説明書などの内容品が入っています。
内容品一覧
- Serpent SMMアトマイザー本体
- Ultem製ドリップチップ
- 予備パーツ(ガラスタンク2個、ネジ4個、Oリング一式)
- プリメイドコイル(Ni80クラプトン)3個
- コットン
- ビルド用ツール(プラスドライバー)
- ユーザーマニュアル
- GIVEWAYカード
説明書の作りもWotofo定番のもので、基本英語による説明であり、日本語の記載はありませんが、詳細な写真説明が入っており、分かりやすくなっています。
Wotofo Serpent SMM の詳細
Wotofoのベイプアトマイザー、Serpent SMMはその名の通り、人気のSERPENTシリーズの機材です。過去にレビューした同シリーズの機材は以下の通りです。
→ 「SERPENT MINI RTA」(Wotofo) レビュー
→ Serpent Sub Tank「サーペントサブタンク」 (Wotofo) レビュー
→ Serpent Alto RTA「サーペントアルト」(Wotofo ウォトフォ) レビュー
→ SERPENT RDTA「サーペント・RDTA」 (Wotofo ワトフォ) レビュー
→ Serpent BF RDA「サーペント ビーエフ」 (Wotofo/ワトフォ) レビュー
こうしてリストにしてみると、今までの機種は全て22mm。本機は24mmに大型化しています。
そして、シリーズと言いますが、機能的にも外見的にもあまり共通性があまりないため、ただの名前であり、シリーズとは呼べない印象もあります。それに本機の外見はTHE TROLL RTAに似ていると筆者は思います。
Serpent SMMのスペック
リキッド容量 | 4ml |
直径 | 24mm |
全長 | 45.5mm |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510 |
コイル | RBA シングル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー |
素材 | 304スレンレス パイレックスガラス ウルテムドリップチップ |
色 | Silve , Black |
Wotofo公式サイトより
全高は実測約31.5mm(ドリップチップおよび510スレッド含まず)
分解してみました
大まかに分解すると、左からデッキ/タンク/ドリップチップ の構成。
デッキおよびタンクは更に分解可能です。
ドリップチップ
ドリップチップはメーカーサイトにも記載があり、Ultem(ウルテム製)のドリップチップです。
取付部は510規格になっており、汎用品に交換することも出来ます。
メーカー写真では的な質感に見えましたが、艶があり、荒い表面仕上げがハンドメイドのガラス製品のように味のある仕上がり。
高さ8.5mm(取付部含まず)、外径15.75mm、内径5.85→11mm(途中で急激に広がるタイプ)
リキッドはトップフィル
スクリュー式のトップキャップを外すことでリキッドチャージホールを露出させることが可能。リキッドチャージホールは大きく、スポイトボトルなど先が太い注ぎ口でも楽にリキッドをタンクにチャージすることが出来ます。
タンク残量があってもデッキアクセス可
簡易的な設計ながら、タンク部分はチャンバー、チムニー部分とトップキャップ、ガラスタンクで保持されるため、タンク内にリキッドが残っていても逆さまにして注意深く外すことで、デッキにアクセス可能になっています。
このため、リキッドを無駄にすることなく、コイルのリビルドや、コットン交換が容易に行なえます。
そして、ガラスタンクは予備が2つ。合計3つ付属する充実のスペアパーツ!
厚みは十分あるので、割れやすいとも思いませんが、予備が多いのは嬉しい配慮です。
チャンバー部はドーム形状になっており、チムニーに繋がる部分が更に丸く小さなドーム状になっています。製造上のデザインではないので、おそらく何かを狙ってわざわざ加工されていると思われます。
チャンバー外側には”SERPENT SMM”のロゴ文字。
反対側にはSuck My Modのロゴマークが入ります。
エアフローはボトムエアフロー
エアフローはボトムエアフローで、エアフローリングにて無段階に調整可能です。
このエアフローリングはデッキにOリングを介してはめ込まれており、分解することが可能になっています。
デッキ構造
変形型のデッキ。THE TROLL RTAやCoilART/MAGE GTAのようにデッキが宙に浮いているようなデザインのデッキ。2ポール。
上記2つのRTAとの違いはシングルコイル前提のデッキだということ。
シングル前提デッキのため、ウィックホールは2つ。ウィックホール径的に巻径があまり小さいと対応できない印象です。
エアフローはこのようにポール部分に設けられており、アトマイザー全体としてはボトムフロー構造ながら、デッキ的、コイルから見るとサイドフロー構造になっています。
ボトムフローではないので、ウィックから過剰供給されたリキッドがデッキに垂れてしまっても伝い漏れが少なそうに感じます。
コイルレッグ固定部はひとつのポールに対し2つスレッドが設けられており、コイルの巻き方向の対応をデザインした形状になっています。
ポジティブピンは金メッキ仕様です。
ポジティブピンは正ネジで分解可能。絶縁のためのインシュレーターの他に、リキッドリーク防止のOリングも用いられています。
デッキ固定兼用でない(デッキは圧入)ため、多少調整は可能とも言えますが、ネジを緩めての使用は推奨いたしません。
インシュレータの素材が公式には明らかになっていませんが、同メーカーのRDA、VAPOROUS RDAと同様の半透明樹脂素材になっています。
Serpent SMM はTHE TROLL RTAと似ている?
個人的にひと目見たときからSerpentシリーズよりもTHE TROLL RTAに似ていると思い、並べてみましたがやはりかなりにており、TROLLをベースに外見や仕様を煮詰めていったRTAのように筆者は感じます。
デッキ構造の他に、チャンバー部も今の流行りに伴い変更になっています。チムニー径も異なっています。
デッキ部分の仕様が異なるため、そのままタンクを流用することは出来ませんが、チャンバーがそのまま接続可能でした。
Wotofo Serpent SMM をビルドしてみました
ビルドです。空吸いしてみたとこと、全開だと結構ドローが軽く、DL向け。付属コイルもNi80のクラプトンの為、基本的にはミスト量多めでの運用を思い描いてデザインされたアトマイザーだと思いますが、エアフローを閉じると、きっちりタイトフローになるため、MTLでもいけるかどうかビルドしていきます。
実験してみます。
ワイヤーはカンタル26ゲージ、3.5mmで6ラップ巻いていきます。
細線をあまり使わないため、コイルがガタガタです、という言い訳を吐いておきます。
コイル固定は非常に楽ですが、片側のポールはオープンではなく、リング状になっているとより楽だったと思います。
最初はもう少々高めに設置しましたが、セオリー的にこのぐらいの位置が良いのではと思いコイル高を下げました。サイドフローですが、ボトムフロートの中間的な考え方でビルドしていき、両サイドはウィックで埋めてやって、コイル周辺意外からのエアー抜けを防いでいこうと思います。
ウィックはコットンベーコンです。
ウィックは両サイドをふわっとさせてやり、ウィックホールにふわっと乗せる程度に突っ込んでやりました。
抵抗値の実測は1.00ohm。エアフローは1/10程度開き、DLギリギリぐらいのタイトドロー。4.2V、ボルテージ高めで運用。DL派の筆者的には巻き直す前提でのビルドでしたが、予想を裏切りかなり美味しい。DLギリギリいけるぐらいで、味の方向性はドリッパーライク。サイドフロードリッパーをそのままタンクにしたイメージ。ウェットな印象で、程よく粒の揃ったミストと、程よい濃さとダイレクトな味が心地よく感じます。
さすがにドリップチップは若干絞ったものに変えたくなりますが、エアフロー全閉で、若干ワッテージを落とせば(15W以下)MTLでも十分に美味しく楽しめます。全閉でワンタンク吸いきってもウィックが真っ赤になる(熱がこもる)ようなことはありまでんでした。
MTL、タイトドローDLでは楽しめることがわかりましたので、次はもう少々抵抗値低めで組んでみます。
ワイヤーはカンタル24ゲージ、3.5mmで5ラップ巻いていきます。
最初のビルド時はコイルレッグのワイヤーを直線的に固定しましたが、写真のようにワイヤーを曲げたほうが、固定時にワイヤーが逃げずに作業がはかどります。
ファーストビルドの味の趣向からコイル位置はチャンバーの天井に当たらない程度にかなり上げ目に設置しました。
コイル抵抗値の実測は0.55ohm、エアフローは1/3ほど開いてDL向けの軽いドロー。3.8Vの程ボルテージで運用。程よく多いミスト量、より濃い味にダイレクトな味わい。ミストの雰囲気はやはりドリッパーライクで、ウェットかつ荒い粒子も混じる質感、ドリップデザインも味に良い影響を与えているな、と感じます。
このように調整幅が広く、MTLからDLまで運用可能なのが魅力だと言えます。
Wotofo Serpent SMM を使ってみました
Smoant/Charon 218W Box Mod (18650デュアル)
LOST VAPE/THERION DNA75C (18650デュアル)
WISMEC/Reuleaux RX GEN3 (18650トリプル)
さて、暫く使ってみた感想です。
◎価格
定価$39.90とWtofoがリリースするコストパフォーマンスに優れたRTA。提供先ショップでも日本国内でありながら5千円以下の低価格で入手可能です。
◎見た目とクオリティ
いつも思いますが、チャイナオーセンティックと呼ばれるマスプロダクツ製品のクオリティは大変高いと思います。細かい部分で粗が見えるのは致し方ありませんが、精度や仕上がりなど、価格以上の仕上がりで、ハイエンド価格帯製品であってもこれに劣る製品は多々存在します。
塗装の質感は良いのですが、塗装剥がれが散見されるのは残念です。
見た目に関してはコラボレート製品であり、ロゴの主張が好き嫌いでそうです。
◎機能面と運用性
ビルドは相当楽です。シングルコイル前提であり、デッキ的にもコイルの巻き方向などを考慮する必要がなく、ウィッキングも迷いません。
ジュースコントロールを搭載していないため、外部応力、遠心力や気圧差で漏れるのはどのタンクであっても。これは致し方ない部分です。
つたい漏れなどのジワ漏れに関しては、直立させていて、ウィッキングが決まっていればほぼ発生しませんでした。
◎ドロー
エアフローリング回りの精度が高く、全閉だとMTL(タバコ吸い、マウストゥラング)向きのタイトドロー。しかし、超タイトなドローを実現することはできません。
開けるに従ってきちんとエアフローが効き、全開だとDL(直肺吸い、ダイレクトラング)向けのかなり軽いドローで、抵抗感はほぼありません。エアフローがきちんと効くのが好印象ですが、半開から全開までは、ほぼドローが変わらないため、エアホール幅の設計がイマイチであるとも感じます。そして、MTL方向への調整幅はあまりなく、エアフローを開けた瞬間からDL向けのドローになるため、軽めのドロー方向への自由度が高いエアフローデザインです。
◎ミストの質感、味など
ビルドの項目でも述べましたが、RTAにそのままサイドフローRDAを突っ込んだようなデッキデザインから想像がつく、ドリッパーのようなダイレクトな味わいが魅力です。リキッド的には上品、複雑系よりも、濃い味でわかりやすい味わいのリキッドがあっていると思いました。
Wotofo Serpent SMM のまとめ
RTA,タンクアトマイザーでありながら、RDA,ドリッパーアトマイザー、サイドフローのダイレクトな味を楽しめ、タンクによる利便性も兼ね備えたシングルコイル機。
24mmサイズの大きささえ許容できれば、機能的・味的にはハイエンドアトマイザーにも引けを取らない良い機種であると思います。
MLT愛好者には他に良い選択肢があるとも言えますが、DL運用メインの普段使いにもってこいの良RTAでした。
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