KHW MODSのアトマイザー、Dvarw 16 RTA「ドヴァー」
ハンガリー製のハイエンドアトマイザー。
Dvarw 16 RTAは以前レビューしたDvarw MTL RTAのサイズダウン版です。
詳細をレビューしていきます。
Dvarw 16 RTAの詳細
Dvarw MTL RTAは、リリースから1年以上経った今でも世界的な人気を誇る製品。
また、レビュー当時は入手性の良かったアトマイザーでしたが、facebookなどを中心に人気に火がつき、現在では入手困難に。
抽選で当選しないと購入できないほど人気のアトマイザー、16mm版も同様に入手困難です。
22mmサイズのDvarw MTL RTAと同様、シングルコイルビルド専用のデッキと、タイトドロー向きのドローを実現したMTLに特化したアトマイザー。
そして、外見だけでなく、タンクやデッキの構造なども似ています。
詳細を見ていきましょう。
スペック
リキッド容量 | 2ml |
直径 | 16mm |
全長 | 37mm(DT、510スレッド除く) |
重量 | 22.0g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510DT |
コイル | RBA シングルコイル |
リキッドチャージ | ボトムフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー(デッキボトムエアフロー) |
素材 | ステンレススチール |
メーカー公式サイト | https://www.khwmods.com/index.php/product/dvarw-16-rta/ |
パッケージ・付属品
パッケージングは非常にシンプル。
プラスチックケースはコンパクトかつ軽量で、無駄を省いたシンプルなパッケージングが潔さすら感じられます。
ケースには製品名やシリアルナンバーなどのインフォメーションが書かれたステッカーが貼られています。
製品名ステッカーには手書きのシリアルナンバー入り。
内容品一覧
- Dvarw 16 RTA アトマイザー本体
- ドリップチップ
- 予備パーツ(Oリング一式、デッキネジ*1、デッキ固定ネジ*1、ポジティブピン*1)
- エアフローパーツ一式
- 六角レンチ
分解
パーツや構造は22mmサイズのDvarw MTL RDAと同様です。
デッキやタンクなど、構成も同じ作りを踏襲していて、Dvarw MTLをサイズダウンさせたアトマイザーにふさわしい構造を感じられます。
ドリップチップ
テフロン製510ドリップチップが付属します。
もちろん、510汎用品に交換可能。
つるつるとした肌触りで、咥え心地・使い心地にこだわったものですが、残念ながらルックスはあまり良くありません。
ドリップチップのデザインもDvarw MTL似ていますが、側面のデザインだけでなくスペックも若干異なった別物です。
内径が4mmと細く、よりMTLに特化したスペックになっていることからも、Dvarw 16 RTAが、よりタイトドロー向きのアトマイザーであることがわかります。
全長20mm(露出部15mm)、内径4mmストレート
タンク
3つのパーツで構成されるタンクの構造もDvarw MTLと同じ構造です。
タンクはポリカーボネート製です。
耐衝撃性に優れた樹脂素材ですが、リモネン(柑橘系リキッド)やバナナなどを含むリキッドでクラックが入る可能性があります。
これらのリキッドを用いる場合には、オプション品として用意されているウルテム製のタンクを別途購入して運用するのが良いでしょう。
タンクのパーツ構成からも分かる通り、リキッドチャージはボトムフィルで行います。
リキッドをタンクに注ぐたびにデッキからタンクを着脱しなければならないため、煩わしさを感じてしまう構造です。
しかし、Dvarw 16 RTAはMTL向けのアトマイザーであるため、リキッド燃費が良いビルドで運用する場合がほとんどだと思いますのであまりデメリットにはならないでしょう。
また、ボトムフィルのRTAは、リキッドチャージ時およびその後にリキッド漏れしづらいメリットもあります。
そして、パーツ点数が少なく抑えられるため、洗浄の手間がかからない。
また、アトマイザー全長を抑えられるというメリットも。
タンクを外すと大きくリキッドチャージホールが設けられているので、リキッドチャージは楽です。
ユニコーンボトルはもちろん、先の太いスポイトボトルからのチャージももちろん可能。
チムニー内径3.5mm
チャンバー
チャンバーパーツはRTAの構造で用いられているチムニー一体式ではなく、別々のパーツが用いられています。
チムニーとチャンバートップの接続、そして樹脂製スリーブとデッキの接続にはOリングが用いられています。
チャンバーを構成するのは2つのパーツです。
樹脂製のスリーブ(樹脂素材では最高ランクの耐熱性を誇るPEEK素材)と金属製キャップの2パーツで構成されています。
何故2ピースになっているのかというと、ビルド時にウィッキングがしやすいように別れるようになっています。
また、16mmという矮小なサイズのRTAであるため、ポストとチャンバーパーツのクリアランスが狭いために、ショートしにくいように絶縁性の樹脂素材がセレクトされています。
チャンバートップのデザインもDvarw MTLとよく似たデザインです。
トップ部分がテーパードしていて、空気の流れを考慮しているようなデザインです。
デッキ
Dvarw MTLのデッキをそのまま縮小したようなデザインの2ポスト2スレッドデッキ。
当然シングルコイルビルド専用です。
デッキやエアフローパーツの固定方法など、ポストデザインだけでなく基礎デザインもDvarw MTL同様です。
しかし、16mmというスモールサイズのアトマイザー。
Dvarw MTLのデッキデザインをそっくりそのまま用いることはできません。
具体的にはポストとポストの間隔が狭い作りです。
Dvarw MTLでは3.0mm軸のコイルもビルド可能でしたが、Dvarw 16 RTAでは2.5mm軸が限界です。
しかし、このデッキ部分にも工夫があって、このためだけに特殊なネジが使われています。
特殊ネジとは、頭部分が小さくポスト間をできるだけ広くできるように工夫されています。
KHW MODSからのインフォメーションで、『M2×3ネジも使用できますが、内径2mmのコイルしか作成できません。』となっているのはこのためです。
通常のM2ネジの頭を加工(もしくは特注)した特殊な専用ネジが用いられているのもこだわりを感じる部分です。
そのため、デッキのポスト間に2.5mmジグを当てがうとわかりますがポストとの間に余裕があります。
試しに28ゲージワイヤーを用いたコイルをマウントしてみると、この通り問題なく設置できます。
ネット上で「2.5mmビルドは不可」という表記を見かけたのですが、もしかするとファーストロットにはこのネジが使われていなかったのかもしれません。
もしそうである場合は、KHW MODSがリリースしている『Dvarw 16 spare screws 2pcs』という予備部品を購入することで2.5mm軸でのビルドが可能になるでしょう。
デッキの分解
デッキは2つのネジ(エアフローネジ、デッキ固定ネジ)で固定されているので、このネジを外すことでデッキを分解することができます。
なお、このネジにはデッキに使われている特殊ネジとは異なる、通常のM2ネジがもちいられていて、Dvarw MTLのように全てのネジが共通であるしようとは異なります。
そのため、分解時にはネジを間違えないように注意が必要です。
さらにポジティブ側ポストはポジティブピンを外すことで分解可能です。
このポジティブピンは若干長めになっていて、デッキ固定ネジとは異なるネジが使われています。
エアフローデザイン
デッキボトムにあるエアフローホールから空気を取り込むボトムエアフロー構造のアトマイザー。
この部分にはエアフロー調整機能はついておらず、デッキにマウントされている専用パーツを交換することでドロー調整が可能です。
Dvarw 16 RTAには5種類のエアフローパーツが最初から付属します。
バリエーションは以下の通りです。
- 0.8mm
- 0.8mm×2(1.13mm相当)
- 0.8mm×2(1.38mm相当)
- 1.0mm×2(1.41mm相当)
- 1.2mm×2(1.69mm相当)
なお、現時点でオプション品は用意されていないため、エアフローホールのバリエーションは上記の5パターンのみになります。
ポジティブピン
ポジティブピンの出っ張り具合は実測0.43mm。
ピンはポジティブポスト固定ネジ兼用ですが、ポストはインシュレーターでサンドイッチされている構造なので、ピンを緩めて出っ張り具合を調整することが可能です。
また、ネガティブ側(510スレッド側)のトップ部分はインシュレーターでカバーされている構造。
これはメカニカルMOD、特にハイブリッド接続で使う場合に、ピンの脱落によるショート事故を防ぐための仕様です。
Dvarw 16 RTAのビルド
デッキの項目でも触れた通り、作り自体はDvarw MTLと酷似しているものの、デッキサイズだけでなくポスト間のスペックなども異なるので同じようなビルドはできません。
チャンバーサイズも違い、より矮小なので、それに合わせたビルドが必要です。
マウントするMODに何も制約がない場合、上記のビルドがお気に入りです。
Ni80・28ゲージ・2.5mm軸・5巻・スペースド
ウィックをセットする時には、まずコイルにウィックを通してからカット。
そのあと、写真のようにウィックレッグをバンザイさせて樹脂製スリーブパーツに通します。
1Ω以下のビルド
16mmサイズという小型サイズのRTAですので、それに合わせたコンパクトMODで運用する場合のビルドです。
Ni80・30ゲージ・2.5mm軸・6巻・マイクロ
色々試したのですが、カンタルだと立ち上がりが遅くてストレスを感じてしまうため、現時点では二クロムワイヤーに落ち着いています。
本当は28ゲージを用いたいのですが、使用するMODの制限(1.0Ω以上)だと巻き数が増えてしまうため、30ゲージという細線を用いていますが、かなり巻きにくいです。
しかし、味は悪くありません。
リキッドを選ぶ印象のビルドですが、メンソール系リキッドが美味しく楽しめています。
ウィックは万歳させてスリーブパーツに通したあと、Mの字に折りたたむようにしてジュースホールを埋めるのはDvarw MTLと共通です。
まとめ:希少な16mmタンク!
Dvarw MTL RTAのサイズダウン版。
デザインだけでなく、構造もそっくりそのままスモール化されていることからも分かる通り、これで美味しくないわけがありません。
ただし、より小さなデッキ・チャンバーなど、それに合わせたビルドが必要です。
また、運用性もよく、リキッド滲みなどのトラブルもほぼありません。
エアフローパーツを変えることで、重めDLまで対応しますが、最もマッチするのは0.8mmホールのタイトドローに合わせたビルドです。
タイトドロー好きであれば満足できるのではないでしょうか。
個人的には小型ステルスMODで運用するために購入して大満足しています。
16mmサイズのRTAは選択肢が少なく、存在自体が希少ですので他の機種との比較は難しいですが、22mmサイズのRTAと比べても引けの取らない味わいと、使い勝手。
完成度の高い製品です。
現在品薄のため入手困難ですが、KHW MODSの公式サイトにはリストック(再入荷)される日時が告知されるので、まめにチェックするのが良いでしょう。
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