Oumier(オウミヤー)のVAPEアトマイザー、Wasp Nano MTL RTA「ワスプ・ナノ・エムティーエル・タンク」のレビューです。
大ヒットシリーズのバリエーションで、シリーズ共通のデッキデザインや独自のエアフロー構造、そして他のアトマイザーにはないスケルトン仕様のルックスが特徴です。
詳細をレビューしていきます。
商品提供:healthcabin
Wasp Nano MTL RTAとは?
Wasp Nano MTL RTAは、Ouimierの人気シリーズ「WASP NANO」のMTL向けタンクアトマイザーです。
- 直径22mmサイズのコンパクトなショートハイトタンクアトマイザー
- 樹脂素材を使ったスケルトンデザイン
- WASPシリーズ共通のデッキデザイン
- MTL特化型!?重めのDLで美味しく吸えるスペック
名前に「MTL」とついていますが、スペック的にもドローが軽く、重めのDL向けのアトマイザーとなっていますが、その詳細は後ほど。
デッキデザインはWASP NANOシリーズ共通デザインです。
シリーズ最初の製品であるWASP NANO RDAから続く2ポスト2スレッドデザインで、シングルコイル専用デッキなのも共通です。
味に定評のあるシリーズなだけに、最新作にも同じデッキデザインが採用されています。
エアフローデザインはボトムtoサイドエアフローです。
一般的なRTAと同じく、デッキ下から空気を取り込み、コイルサイドから空気を供給する構造です。
このエアフローデザインのメリットとしては
- デッキボトムにエアホールがないので、リキッド漏れのリスクが少ない
というものです。また、スタンダードなコイルボトムエアフローとはまた違った味わいを楽しむことができるのもこの構造の特徴でもあります。
外見的特徴は、樹脂素材を多用したスケルトンデザインです。
タンク部分が透明なのはRTAとして一般的ですが、内側のパーツ(チャンバー)までもが透明なアトマイザーは非常に珍しいですよね。
過去にはタンク部分が全てガラスの製品もありましたが、樹脂素材を用いているものはこのWASP NANO MTL RTAが初めてかもしれません。
全3色のベーシックなカラーバリエーションは、WASPシリーズ共通です。
この製品がヒットすれば、初代WASP NANOのように様々な素材が増えることも予想されますが、現段階では基本カラー3色のみがラインナップされています。
それでは、スペックや詳細などを見ていきましょう。
スペック
リキッド容量 | 1.2ml(バブルタンク 2ml) |
直径 | 22mm(バブルタンク 25.6mm) |
全長 | 40.9mm |
重量 | 28g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | トップキャップ一体型(交換不可) |
コイル | RBA シングルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー(デッキサイドエアフロー) |
素材 | ステンレススチール |
パッケージ・内容品
内容品一覧
- Oumier Wasp Nano MTL RTA アトマイザー本体
- バブルガラスチューブ
- 予備パーツ(カラーOリング、デッキネジ、チャンバー、トップキャップ)
- ビルドツール
- ビルドパーツ(プリメイド0.2Ωコイル・コットン)
- ユーザーマニュアル(英語)
Wasp Nano MTL RTAの詳細
デザインはオーソドックス、RTA定番のデザインです。
しかし、AFCにWASP NANOのトレードマークが入っていることももちろんですが、一番大きな特徴は「スケルトン仕様」、チャンバーパーツが樹脂でできていて、デッキが透けて見えるのが一番のポイントです。
クオリティーかなり良好です。とても廉価な商品には見えません。
本体だけでなく、パッケージデザインや付属品の収納方法も良く、開封時から気持ちよさを感じるんです。付属品が丁寧に整頓されて、しかも折り目なども一切なく入っているのはVAPE製品では珍しいですね。
ビニール袋に入った小さなパーツまでもが、キレイに入っているんです。
パーツは大きく分けて4つ、RTAとしてはかなり少ないです。
タンク部分も簡略的で、ドリップチップはトップキャップ一体型。
ハイクオリティーながらも低価格なのは、こういった簡略的な設計によるものなのでしょう。
ドリップチップ
ドリップチップはトップキャップ一体型なので、交換はできません。
一般的なRTAのように510ドリップチップの交換式ではありませんので、注意しましょう。
予備含め合計2つが付属しますが、どちらも全く同じものです。
PETG素材の樹脂製ドリップチップは、エンド部分が逆テーパー状に拡散するデザイン(内径3.5mm→6.5mm)
タンク
リキッドチャージはトップフィル、トップキャップはスクリュー(ねじ)式です。
ドリップチップ一体型のトップキャップは、PETG製。
スレッド部分も樹脂なので、耐久性が気になります。
分解写真の通り、タンクは3つのパーツから構成されています。
チャンバートップは逆テーパーデザイン。チムニーに向けて緩やかに傾斜しています。
一般的には金属素材が用いられることが多いチャンバーパーツですが、ルックス重視のPETG樹脂が用いられています。
PETGの特徴
- 耐熱温度は200度程度(非晶性樹脂なので融点はない)
- 透明度が高い(アクリル並み)
- 耐衝撃性(ポリカーボネート並み)
- 耐候性が低い(紫外線により劣化が進行しやすい)
コイルの熱による変形が心配です。ただ、衝撃には強く、透明度が高いので見た目は良いです。ただ、紫外線に弱い素材なので、屋外でずっと使うと色が変わってしまうようなことになりそうです。
ちなみにPETを改質した(非結晶化)素材なので、耐薬品性に優れた素材です。
メンソール・ミント系だと全く問題なしです。
試しに最強タンククラッシャーリキッドを入れて3日放置してみましたが、透明Oリングがデロっとしてしまったぐらいで、タンク部分にはクラック等はありませんでした。
結構強いです。
ちなみにタンクは2種類付属します。
- 1.2MLサイズ ストレートガラスチューブ
- 2MLサイズ バブルガラスチューブ
インナーは樹脂なのに、アウターチューブはガラス。割れやすい。
ここも樹脂だったら破損に強くてよかったですよね。
タンクだけでなく、「ドリップチップ行った型トップキャップ・チャンバーパーツ」も予備が付いてくるので、合計2セットがキットに入っています。
金属に比べて耐久性が低い素材なので、予備が履いているということなのでしょう。
どうせだったら、予備は金属製で510DTが使えるものが良かったな、と。
バブルチューブにすれば2MLリキッドが入ります… ってリキッド容量少ないですね。
ストレートで2MLじゃないんですよ。バブル使ってようやく2MLです。
エアフロー調整
ボトムエアフロー方式、AFC付きでドロー調整可能です。
片側5つ穴、内径大きめ(1.5~1.6mm)。
エアホール結構でかいんですよ。MTLアトマとしてはちょっとでかすぎなホールサイズで、しかも左右の穴が連動して開くタイプなのでドローは軽め。
全閉でようやくMTL向けにはなるんですが、それでも軽め。
タイトドローにはなりません。
重めのDL~ちょっと軽めのDLぐらいに向いています。
デッキ
WASP NANOシリーズ伝統のデッキデザイン、2ポスト2スレッドのシングルコイル専用です。WASPといえばこのデッキデザインですね!
WASPオリジナル、ではないんですが、多分この手のアトマで一番売れたのがWASPでしょう。何故かといえば、めちゃくちゃ安かったからです。
エアホールもシリーズ共通のコイルサイド方式。
シリーズと違うのは、大きな穴が空いているのではなくて、片側3つ穴であること。
これはMTL向けに変更されたということ。
しかし、エアホールサイズは内径1.5~1.6mmとちょっと大きめ。
ポスト間はかなり余裕があり、mmです。3.5mm軸で巻いても余裕のあるサイズ。
もちろんゴツめのクラプトンコイルなどのビルドにも対応しています。
ただし、チャンバートップの素材は金属ではなく樹脂なので、あまり発熱量の多いコイルや、コイル位置を上げすぎると溶けてしまうことが考えられます。
コイルクランプ部分の作りもシリーズ共通。細線ワイヤーでも逃げにくいように切削加工されています。試しに30gaのワイヤーを無造作にクランプしてみましたが、全く問題なくくわえてくれます。
デッキ下にジュースチャンエルがあるデッキ構造。
この構造好きなんですよ。何故かといえばウィッキングがシビアじゃないからです。
ラフにウィックを落とせば漏れることなく、過剰供給もなく使えると思っています。
たとえちょっと過剰供給されても、コイルボトムエアフローじゃないから漏れにくいのもメリットですね。
ポジティブピン
そこそこ出っ張っています。実測0.65mm。
デッキのポスト固定ネジ兼用なので、緩めて調整は不可。きっちり締めて使います。
Wasp Nano MTL RTAのビルド
さてビルドです。付属のコイル、結構星ワイヤーで巻いてあるんですが、意味不明な0.2Ωという抵抗値、どこにも書いていないんですが、おそらく温度管理対応ワイヤーだとは思うんですが、素材がわからないと温度管理にも使えないので今回は使いません。
せめて素材ぐらい書いておいてくれれば良いんですが…
エアホールスペックやデッキ構造的に、タイトドローMTL向けではないと判断(実際ドローが結構軽い)したので、ちょっとだけ太めのワイヤーで巻いてみました。
結果は細線よりも、単線だったら26ゲージぐらいが美味しいです。
コイルクランプはストレスなし。かなり細いワイヤーでも逃げることなく固定できます。
コイル位置は若干高め。位置はリキッドや好みに応じて調整すると良いでしょう。
上げると甘みが強くダイレクトな味なり、下げるとミストが細かくなると感じました。
ワイヤーがカットしやすいデッキ形状、エグリが入っているのがポイントですね。
しかもチャンバーが樹脂素材なので、ちょっと長めに切って触れてもショートはしません。
でも、熱が伝わったら溶けそうなので、触れない程度短く切ったほうが良いでしょう。
コットンはデッキ周囲ぐらいの長さにカットしました。
ウィッキングするときは、コットンにリキッドを含ませながら作業したほうがやりやすいです。ジュースチャンネルをすべて埋めるのではなく、ふわっとの説程度緩めにしました。
これで漏れも供給不足もありません。
といっても、そこまでシビアじゃなくて、かなりアバウトな感じで大丈夫です。
透明なチャンバーはきれいなのですが、やっぱり水滴が付きますよ…
アトマイザーのマッチング・使用例
感想とまとめ
コスパ良好!クオリティーも十分な重めのDLで美味しいアトマイザー!
樹脂素材ってどうなん?って思っていたんですが、悪くはないです。
ちょっと心配… でもロングパフしてもチェーンしても大丈夫なので、コイル位置やゴツメのコイルで巻かなければ問題ないと思います。
味もかなり美味しいです!
というより、重めのDLが好きなのでそう思うのかもしれませんが、コイル位置を上げめにしたので、ダイレクトに甘さを感じられるセッティングが、自分好みのリキッドとマッチしました。
ただ、MTL向けのアトマイザーではないですね。タイトドロー好きには向きません。
結構気に入っただけに、付属品に金属素材もあったらなぁ…と思ってしまうのが本音でもあります。
実験してそこそこ耐久性がある、とはわかっても、より強い素材を求めてしまう性格なのですよ。
ルックスも個性的で良いし、22mmかつ短いので使い勝手が良いですね!
WASP NANOシリーズ共通のコスパの良さも魅力です。
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