Cthulhu「クトゥルフ」のVAPEアトマイザー、HASTUR MTL RTA Mini「ハスター エムティーエル ミニ」のレビューです。
好評を得たHASTUR MTL RTAの後継製品でコンパクトバージョン!
よりタイトドローに特化した22mmサイズ コンパクトボディのMTLアトマイザーです。
詳細をレビューしていきます。
商品提供:ベプログshop
詳細
アトマイザー製品を多く展開する中国深センのVAPEブランド CTHULHU MODがリリースするMTLに特化(タバコのような吸い方、口吸い,マウス・トゥ・ラング)したアトマイザーHASTUR MTL RTAの小型版として新たにラインナップに加わったのが、今回レビューするHASTUR MTL RTA Miniです。
前作HASTUR MTL RTAでは直径24mmサイズが、このMiniでは22mmサイズにダウン。
更に全長も13mmほど抑えられています。それに伴いリキッド容量も3.5→2mlへ。
その他デッキデザインやエアフローなど各所も変更された、よりタイトドローに特化した製品です。
ブランド名「Cthulhu」(神話などに登場する架空の生物でタコに似た頭部を持つ)をモチーフにしたロゴマークがチャンバー部に入ります。
HASTUR MTL RTAではくっきり綺麗に入っていたロゴですが、今回の提供品ではかすれた質感。
製品クオリティにばらつきがあるのか?それともわざとこのかすれた質感にしているのか?
ただし、本体の仕上げ、金属の質感、ディティールなどは前作同様に価格以上のハイクオリティであると感じます。美しい仕上がりです。
パッケージ・内容品
各部の詳細を見ていく前に、パッケージデザインにも触れておきます。
まず、製品が入っているケースですが、Cthulhu製品はよくパッケージングが変わります。今回の製品は缶入り。今までの民芸品チックなパッケージから一転、シンプルなものです。
ラベルがセンターからずれているのご愛嬌。
内容品一覧
- Cthulhu Hastur MTL RTA Mini アトマイザー本体
- 予備パーツ(ガラスチューブ、Oリング一式、デッキイモネジ)
- ビルド用マイナスドライバー
- エクストラSSドリップチップ
- ユーザーマニュアル
アトマイザー本体の他に、予備パーツ一式、そしてスペックの異なるドリップチップ、ビルド用パーツに説明書類がコンパクトに収納されています。説明書には日本語も用いられています。
スペック
リキッド容量 | 2ml |
直径 | 22mm |
全長 | 30mm(DT、スレッド含まず) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510DT |
コイル | RBA シングルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー |
素材 | 304ステンレススチール |
Cthulhu公式サイトより
分解
最初に本体を構造ごと、大まかに分解します。写真のように左から ドリップチップ / タンク / デッキ に分けられます。タンクとデッキは更に細かく分解可能。それぞれの詳細を見ていきましょう。
ドリップチップ
まずはドリップチップから。2種類のドリップチップが付属します。樹脂製と金属製のもの。
ドリップチップ取付部は510規格なので、市販品に交換可能。
多くの汎用品が販売されているのでお好みのルックスや、構造のものをセレクトできます。
この取り付け部分のデザインはHASTUR MTL RTAのデザインを踏襲しており、トップキャップから突き出したデザインで、トップキャップを外してリキッドチャージがしやすいように設計されています。
この部分、トップキャップから4.75mmほどトップキャップから突き出していて、外形13mmほどの大きさです。ちなみに掘られている部分の深さの実測は4.6mmなので、これよりもボトムが長いドリップチップははみ出してしまうので注意です。
金属製ドリップチップ
ストローのようなルックスの金属製ドリップチップ。
内径2mmとかなり絞られています。
全長26mm、露出部の高さ22mm、外径10mm(土台部分) 5mm(咥える細い部分)、内径2.0mm
樹脂製ドリップチップ
アトマイザーに最初からセットされている樹脂製ドリップチップ。
こちらはさらに内径が細く、なんと1.5mm。ビルドを気をつけないと冷却が間に合わず、熱いミストになって火傷しそうなスペックです。バリの処置が若干雑です。
全長16mm、露出部の高さ12mm、外径12mm(土台部分) 8mm(咥える部分)、内径1.7mm
タンク
タンクのリキッドチャージ部分を最初に見ていきます。トップフィルにてチャージ可能。
リキッドチャージ部分の構造もHASTUR MTL RTAを踏襲しています。トップキャップには矢印のエングレービングが入っていて、それと切り欠きを合わせるとトップキャップを上に外すことができます。
トップキャップを回すときは、ドリップチップ取付部をつまんで回すと楽です。
簡単にロックできて、外すのも簡単です。スレッド式に比べると、かっちりロックできないので、便利な半面、不意にトップキャップが外れてしまうのが心配にもなりますが、リキッドチャージホール部のOリングによる程よいテンションがかかっているので、あまり心配はない印象です。
リキッドチャージ部分を見た後で、次はタンク自体もみていきます。
ここが大きな違い!HASTUR MTL RTAではタンクガラスの上下にOリングが設けられていたので、デッキを外すとガラスチューブも外れてしまい、リキッドを全部吸いきらないとリビルド・リウィッキングできない構造だったのを、このMiniではデッキとトップキャップパーツのサイドにOリングを入れる構造に変更。デッキとタンクを分解しても、ガラスチューブはOリングによってトップパーツに接続されたままです。
これにより、本体を逆さまにして外せば、リキッドが残っていてもデッキにアクセス可能に。この構造変更は大歓迎。運用が非常に楽になりました。
このガラスチューブですが予備部品も付属します。予備部品はすりガラス製なので、好きな方を選んで使うこともできます。
チャンバー上部はなだらかにチムニーに向かってテーパードしたデザインになっています。
ちなみにかなり細く見えるチムニーの内径は2.5mm。かなり絞り込まれており、MTLに特化していることがわかります。
エアフロー
エアフローはボトムエアフローです。
デッキ下から空気を取り込む構造で、1箇所のエアホールから空気を取り込んでいます。このエアホールには、取り込む空気量を調整するためのエアホールリングを装備しています。
このエアフローリングには、0.8mm, 1.2mm, 1.4mmと3つの穴が空いていて、ドローを調整可能にしています。チムニー内径のスペックもそうですが、このエアホールの小ささもMTLに特化していることが分かります。
このスペックを見ただけで、熟練のVaporさんであれば「人を選ぶ機材」であることが容易に想像できると思います。かなりタイトに特化した仕様です。
このエアフローリングは本体にOリングを介してハマっている構造なので、着脱可能。
分解洗浄時には外して分解洗浄可能です。本体背面には周り留めの出っ張りがあり、AFC側には溝が切られて嵌まるようになっています。
デッキ
それでは肝心要。RTAアトマイザーで最も重要なデッキデザインです。
まず、デッキのサイズですが直径13mmとかなり矮小です。このデッキには2つのポールが設けられ、シングルコイル前提の2つのスレッドが設けられています。
HASTUR MTL RTAでは2ポールながら4つのスレッドがあり、コイルをどちらの向きに巻いても対応できるデザインでしたが、デッキサイズに制約があるためか、2スレッドに変更されています。
エアホールは固定式に変更。2つの1.4mm径エアホールが設けられています。
その両サイドにはタンクからリキッドを供給給するためのジュースチャンネル。デッキサイズに比べてジュースチャンネルは大き印象で、VG比率が高いリキッドにも対応するためかもしれません。
デッキの下には空間があり、タンクの宙に浮いたようなデザインはHASTUR MTL RTAから引き継いでいます。個人的には、この構造だとウィッキングがラフでも供給や漏れに強いと感じますが、筆者のビルドに癖があるからかもしれません。
ポジティブ側は絶縁のためにインシュレーターを挟んでネガティブ側から浮いた構造。
スレッド周りにはワイヤーをはさみやすいようにせり上がった構造で、スレッド部だけが掘り込まれたようになっています。固定ワイヤーが逃げずにビルドのしやすさを考慮した仕様です。
ポジティブピン
スレッドからはポジティピピンとともにインシュレーターも出っ張っています。この個体のポジティブピンは1mmほど出っ張っていました。
ポジティブピンはデッキのポジティブポール固定用兼用なので、緩めて出具合を調整することはできません。しかも緩めるとかなりガタが出るのであまり精度が良いとはいえません。必ずちゃんと締まっているか確認して使用したほうが良さそうです。
デッキなど金属の加工はきれいなのに、インシュレータのバリなどクオリティがあまり高くないのは残念ですが、絶縁パーツとしてはしっかりと機能しています。
デッキ裏側には製品名やロットナンバーなどが入っています。
MODに載せてみました
22mmで高さの抑えられたアトマイザーなので、最近リリースされた24mm搭載可能なMODよりも、コンパクトなサイズのものにマッチする印象です。
ビルド
それではビルドしていきます。まずスペックから判断すると、VWで用いる場合はカンタルで言えば28ゲージ程度をスペースドで組んでいくのが妥当だと思えます。エアホールはもとより、チムニー内径、そして付属DTの内径が細すぎます。せめて内径2.5mmのDTが付属すればよいのに。
熱を持ってしまいそうなので筆者は温度管理ワイヤーで組んでいきます。温度管理で使うのであれば、2018年前半になってもdicodes MODを超えるものには出会っていません。
今回はスペースドです。チタンで組んでみました。最近温度管理はほぼチタンでしか組んでいないぐらいお気に入りです。Titanium 28ga , 2.5mm , 5raps
エアホール直上。伝い漏れしない程度に近づけるのはボトムエアフローのセオリーです。
これもお気に入りのFiber Freaksでウィッキングしました。このウィックはコットン(綿)ではなく原料に天然パルプをつかっていて、好きな人にはたまらない唯一無二の味を楽しめます。すでに生産終了してから歳月が流れていますが、まだ売っている店舗も散見できるので気になるユーザーは是非試して見てください。ちなみに僕はまだ数年は使えるぐらいの量をストックしています。
感想とまとめ
タイトドローのMTL特化型!コンパクトで可愛いアトマイザー!
まず見た目が良い!これは前作から同様ですが、この価格でこのクオリティ、ルックスなのは反則レベル。このサイズのタンクアトマイザーは久しく見ていない印象で、SERPENT ALTOを思い出すサイジング、と思ってALTOのスペックを改めてみると同じ全長と直径でした。納得。
HASTUR MTL RTAではデッキのエアホールをパーツによって変えられるので、ビルドの幅がかなり広かった印象ですが、このMiniではデッキのエアホールは固定。そしてエアーの取り込み部分も3種類の小径穴から選択し、チムニー内径は2.5mmと細く、付属のドリップチップも相当に絞られていることから、よりタイトドローに特化したRTAといえます。
味はかなり良いです。ただ、タイトドロー好きでないと受け入れられないだろうし、ビルドも限られるので、「幅がある汎用性が高いアトマイザー」ではありません。特化したアトマイザーで、むしろタイトドロー好きなら「これを待ってました!」という機材。
少なくとも筆者はツボです。0.8mmエアホールでドリップチップをお気に入りのものに変えてガシガシ使ってます。
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