Promist Vapor「プロミスト ベイパー」のVAPEアトマイザー、Peta Tank「ペタ タンク」のレビューです。
JUSTFOGからリリースされたFOG1というペンタイプのスターターキットは、リリースしてから一年以上経過した今も高い人気を誇る商品です。
特にその「味」に定評があり、VAPEをこれから始めるユーザーだけでなく、自分でコイルをビルドしたり、カスタマイズを楽しむ「上級者」まで、幅広いユーザーに愛される製品です。
当サイトでも常にアクセスが絶えない人気記事です。
その定評ある味を実現しているのは「プリメイドコイル」の設計そして製造クオリティの高さからで、今回の製品はその「Fog1コイルを使えるハイクオリティーなクリアロマイザー」です。
汎用性が高いクリアロマイザーのプリメイドコイルといえば、世界的にはkangertechのOCCコイルや、aspireのAtlantis BVCなどが流通量的にもメジャーであり、これらを採用した方が「商業ベース」では採算が取れやすいと考えますが、あえて「味にこだわった」Fog1コイル採用の先駆者的な商品として開発された、挑戦的な商品。
早速レビューしていきます。
商品提供:ベプログshop
詳細
JUSTFOG FOG1のコイルを使用できる「クリアロマイザー」として開発されたのが、このPeta Tank。リリースするのはショートトールでコンパクトなサイズで人気のリブルタブル製品として絶大な人気を誇った「Pico RTA」を送り出した、PromistとYellowKiss。このPico RTAと同じコラボ製品となっています。
要は「FOG1コイルを使用できるクリアロ」なのですが、非常に美しいブラシ仕上げのボディーは「SUS304」を使用しており、中国製マスプロダクツとは一線を博するハイクオリティーな仕上がりになっています。
製品クオリティが高い、ということは当然価格も高く、クリアロマイザーとしてはかなり高額な価格。1万円代中盤ほどの設定であり、同じコイルを使用する以上「味に違いはない」ため「FOG1何本買えるんだ?」という価値観とは相性が悪いと感じます。
モノとしてのクオリティの高さに、自分が拘れるユーザー向けの製品、この点は時計などに近い製品であると感じます。
マクロレンズでアップにしてみるとそのクオリティの高さに驚きを感じます。
ちなみに、こういったハイエンド製品の撮影は非常に楽です。何故なら、ホコリの付着であったり、油分の残りなどが少ないため、「下準備」が少なくて済むからで、また、写真を撮りながら自分自身が納得できるクオリティの写真がすぐに撮れる点からも、それだけ製品の仕上がりが良いと感じます。
スペック
直径 | 22mm |
全長 | 36mm |
重量 | 45g |
リキッド容量 | 3.6ml |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510DT |
コイル | JUSTFOG FOG1用コイル |
エアフロー | ボトムエアーフロー 調整可能 |
リキッドチャージ | トップフィル |
素材 | ・材質:SUS304製ブラシ仕上げ ・PMMA製タンク(3.6ml) ・デルリンドリップチップ |
パッケージ・内容品
パッケージはコンパクトにまとまったシンプルなデザインの針箱に収納されており、パッケージには発売元のPROMIST VAPORと、設計を担当するyellow KISSのロゴがプリントされ、コラボ商品であることがわかります。
開封部には未開封であることを証明すべく、2ヶ所にステッカーが貼ってあるので、剥がすかカッターなどで切って開封します。背面にはセキュリティーコードが入っており、このコードを所定のURL(https://peta-tank.com/auth/)に入力することで、メーカーに管理された商品であるかどうかが判別可能です。
本体とドリップチップはスポンジの緩衝材に守られて収納されています。
内容品一覧
- Promist Vapor/Peta Tank アトマイザー本体
- デルリンドリップチップ x 1
- スペアOリング(3種 x 2)
- JUSTFOG FOG1 0.8Ωコイル x 1
- 日本語/英語説明書兼保証書(メーカー保証3ヶ月間)
内容品は、Peta Tank 本体に、ショートドリップチップ、そして予備のOリングに説明書が付属します。説明書は英語/日本語表記が用いられているので、日本のユーザーにもわかりやすい説明です。
分解
製品の分解図が説明書に載っているのでこちらを参考に分解してみます。
構造ごとに分解すると、写真のように ドリップチップ / タンク / コイル / ベース に分解可能です。
ドリップチップ
Peta Tank付属のドリップチップは高さが抑えられたデルリン樹脂製のドリップチップで、これはPico RTAのオプションとして設定されていた”Pico Short DT”を改良して更に咥え心地を追求したもの。
タンクに直接接続される部分は510規格なので、汎用品に交換することも可能です。
デザインのマッチングも良い、全長の短かな専用のドリップチップ。
MTL/DLの中間に位置する新しいボアサイズのドリップチップです。
全長12mm、露出部の高さ7.15mm、外径11.5mm、内径6→4mm(途中で急激に内径が細くなるデザイン)。
トップフィルでリキッドチャージ可能
Peta Tankのリキッドの装填はスレッド式のトップキャップを外すだけでチャージ可能なトップフィル方式を採用。利便性を追求。タンクを抑えながら、3mmほどの厚みで指でもつまみやすいトップキャップをクルクル回して着脱します。
スレッドの硬さも適切で、開けずらさは感じませんが、固く締まって固着して締まった場合にはVAPEバンドなどを使用することで外しやすいかと思います。
タンクにはPicoRTAのリキッドチャージホールよりも大きい直径3.2mmサイズのリキッドチャージホールが4つ空いており、2箇所は空気抜き穴としても機能します。
このトップキャップですが、PICO RTAのパーツと互換性があり、エングレービング入りSSや、クリア(PMMA)、ウルテム製など多くの種類のトップキャップに交換して使用可能。カスタマイズも楽しめます。
タンク
Peta Tankのタンクはチムニーパーツがコイルにセットされたタイプ。その為、リキッドを空にしなければリキッドチャージができません。この仕様になった原因として考えられるのは2つ。
・パーツ点数を減らしてコストを抑え、販売価格も安くしたかった
・PICO RTAとタンクを共通にすることで、カスタマイズ性を重視したかった
僕個人としては、リキッドが残っている状態でのコイルの交換を重視しているので、タンクは独立型のして欲しかったですが、どこを重視するかで仕様は変わってくるので致し方ありません。
タンクもPICO RTAと互換性があり、スモークタンクやウルテム製に交換してカスタマイズ可能。
エアフロー
Peta Tankのエアフローはボトムエアフロー。コイル下から空気を取り込みます。エアホールは1.5mm径 *5で、AFCでトリミングしてドローを調整可能。
デッキ側には5つの凹みのような目印が入っていて、エアホールが何個開いているか?一目でわかるのが非常に便利。AFCからエアホールを覗かなくても、少し遠くからでも判別可能。ちなみに写真では1つ穴(その1/3ほど)のみ開いています。
レビュー前にSNSで、ドローが軽いという書き込みを見たのですが、5つ穴式でも、その穴もトリミングできるので、ドローはそれなりにタイトに設定でき、FOG1程度のドローを実現できるので筆者としては全く問題は感じませんでした。
このエアフローリングは着脱可能。
ベースパーツにOリングを介してはまっている構造で、分解洗浄時には着脱可能。使用時にはベースとMODで挟み込んでいるので不意に無くしてしまう心配もありません。
ポジティブピン
ポジティブピンははめ込み式で調整不可。十分出っ張っているので安心感を感じる仕様。
アトマイザーのボトムには、PROMISTと、yello KISSのロゴ、そしてシリアルナンバーが入ります。
ポジティブピンははめ込み式。インシュレーターはPEEK製で、一般的なクリアロマイザーに使用されているゴムのような素材よりも耐久性と耐熱性に優れていますが、コイルを外して逆さまにするとピンが外れてしまうので、洗浄時やコイル交換時に無くさないように注意が必要。
デッキを完全に分解するには専用工具が必要。この穴、PICO RTAユーザーであれば専用工具が必要なことはご理解いただけるのではないかと思います。
ちなみにこの部分を分解する専用工具は、RBAユニット「KangerTech OCCジェンダーオプション」に付属しますが、なくてもピンセットなどを用いれば分解可能。
通常は分解を必要としませんが、このような構造になっています。
コイル
さて、クリアロマイザーの心臓部、プリメイドコイルです。まず、コイルには「専用コイルキャップ」と表記されている延長パーツが付いています。これを使って、タンクの長さとコイルの長さを合わせているのでコイル交換の際にはこれを外す必要があります。
コイル交換時には入っていたリキッドでベタベタなので、ティッシュなどでつまんで外せば手を汚さずにコイル交換が可能かと思います。ちなみにこのOリングが固定されておらず、ただ乗っているだけなので紛失しやすいので注意です。
コイルは冒頭などでも記載している通り、JUSTFOG製のFOG1のコイル。
MTL用の0.8Ω (12-17W)のプリメイドコイルが1つ付属し、予備は付属しません当然ですが、0.5Ω(15-25W)コイルも使用可能で、DLにも対応しています。
Ni-Cr(ニクロム)ワイヤーを使用した、味に定評のあるコイルです。このコイルについてはFOG1のレビューで詳細を記載済み。また、リビルドについても記事を書いていますのでそちらも合わせてご覧ください。
コイル取り付け部分ですが、深さにかなり余裕があります。
このスレッド分ジュース容量を稼ぐデザイン。リキッド容量を重視した設計。
使い方
それでは実際に使ってみたいと思います。本体の他に、「テクニカルMODとバッテリー」と「リキッド」を用意します。
今回は22mmサイズのPETA Tankにあわせ、コンパクトなEleaf iStick Picoにマウントしました。PICO RTAよりも若干背が大きいので「長い感」を感じますが、ルックス的な可愛らしさは健在です。
次にトップキャップを外してリキッドを注いでいきます。あえてスポイトボトルのリキッドを注いでみましたが、全く問題なくチャージ可能でした。チャージホールが大きくなった恩恵ですね。
PMMA製のタンクですが、リキッドを入れる前は曇りガラスのように中が見えませんが、リキッドを入れると中が透けて見えます。でも、RTAのチャンバーと違ってプリメイドコイルが見えてしまうのは個人的にはあまりかっこいいとは思えずに微妙だと感じます。ただ、リキッド残量はわわかりやすいと思います。
MODに載せる
感想とまとめ
コイルですが、最初全然「味が出ないな」と感じていたのですが、忘れてました。
やはりスピットバックプレートを外した方が美味しい!タンクに装填したリキッドを吸いきってから一度コイルを外し、プレートも外すといつも使っているFOG1と同じ味がしました!
ハイクオリティなFOG1のアトマイザー部分のみ!愛着を感じるユーザーに!
冒頭で記載したことと思いっきり被ってしまいますが、味を引き出すパーツであるプリメイドコイルが共通なので、基本的に味は同じ。ワッテージやボルテージの設定を変更できるのが唯一の違いですが、その設定はFOG1と同じく3.46V程度(抵抗値のばらつき次第ですが、付属コイルだと16.5Wでした)での運用がオススメで、そうなると味はもう誤差範囲。味を求めて買う製品ではありません。
やはり製品のクオリティであったり、手持ちのハイエンドなMODとのマッチングを求めて購入を検討する製品です。僕個人としてはPICOとの共通性は捨てて、PETA Tank独自での使い勝手の向上を目指してほしかったと感じますが、こんなニッチなニーズを製品化してくれたこと自体が素晴らしいとも感じます。こだわれるユーザーは是非チェックしてみてください。
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