envii「エンビー」のVAPEテクニカルMOD、Baby Ness「ベイビーネス」のレビューです。
ユニークなデザインのテクニカルMODはハンドメイドの高額な製品のデザインを、そのまま落とし込んだもの。名前からピンとくるユーザーは、「ハイエンド」と呼ばれる製品をチェックしているのではないでしょうか?そうです!あのLoch Ness「ロッチネス」のデザインを採用しているんです!
商品提供:ベプログshop
envii Baby Nessの特徴
それではenvii Baby Nessのレビューです。
このBaby Nessは、ハイエンドと呼ばれる高額なハンドメイド製品の中でも、特に入手困難なLoch Nessのデザインをそのまま用いた、上級VAPERも欲しがるルックスが最大の特徴!
http://vapingunderground.com/より抜粋
Loch Nessは生産数が極端に少なく、定価で購入できることはまずありません。一時期は$5000~$8000ほどでも取引されていた、マニア垂涎の一品!
そのデザインを、本家Loch Ness公認でenviiがマスプロダクツバージョンに落とし込んだのが今回の製品「Baby Ness」です。
Baby Nessというのは、Loch Nessのスモールバージョンの事で、過去にレビューした製品の後継機とも言える製品です。
シングルバッテリー対応になり、コンパクトで軽量。持ち運びに便利なサイズへと生まれ変わりました。
そして高級感があり、持ち心地は最高!だったものの、使い続けるとコーティングが剥がれてみすぼらしくなりがちだったラバーコーティング仕上げがこのBaby Nessでは採用されていないのも改良ポイントだと言えますね!
ヘアライン仕上げのボディーにはクリア塗装などはされていません。
サブボタンと液晶画面部分が、まるで顔のように見えるデザインが特徴的です!
Baby Nessのボディーを形作っているのは複雑な曲線で、これは人間工学に基づいたデザインを採用しています。
背面部分がえぐれたような形状の複雑な曲線が用いられていて、握った時にちょうどこの部分に手を乗せるようにデザインされています。Loch Nessと同様のエルゴノミクスデザインです。
握りやすく、そしてパブボタン部分も曲面になっていて、自然とパフボタンに親指を置くことができるデザイン。これは右手、左手どちらの手で持っても同じような持ち心地の良さを実感できます。
Baby Nessにはパフボタンと2つのサブボタンの合計3つを配置。テクニカルMODとして標準的な操作性を確保しています。3つのボタンは全て一箇所に集約していて、手を持ち替える事なく設定を変更できる使い勝手の良さを実現しています。
スペック
まずはBaby Nessのスペックから見ていきます。
サイズ | H89.87 ×W41.81 ×D29.63 mm |
重量 | 122 g |
ワット数範囲 | 5w〜80w(18650,20700) 5w〜120w(21700) |
ボルテージ範囲 | 0.5 ~ 8.5V |
温度範囲 | 200 – 600F/ 100 – 300℃ |
モード | VW /TC-Ti/TC-Ni/TC-SS(304,316,317)/温度-タングステン/温度-TFR1~5/温度-TCR |
スレッド | 510(スプリングコンタクト) |
充電ポート | microUSB |
バッテリー | 21700 / 20700 / 18650(別売バッテリー) |
保護機能 | ・バッテリー逆挿し保護 ・サーマルカットオフ ・短絡保護 ・バッテリー保護 |
envii公式サイトより
使用バッテリーの違胃による出力差事あれど、スペック自体は前作と変わらない仕上がりで、制御基板を流用してコストを抑えていることがわかります。モードや温度範囲なども同様ですね。
対応バッテリーは21700/20700に対応。そしてアダプターで18650バッテリーを使うこともできます。
カーブモードやプリヒートなども搭載する多機能です。
パッケージ・内容品
まずはenvii Baby Nessを開封してパッケージと内容品を確認していきます。
パッケージは紙製の貼り箱で、ネイビーを基調にイエローを差し色にしたシンプルなデザインで、必要な情報がプリントされています。
Baby Nessの付属品はシンプルで、本体の他には18650バッテリーを使えるプラスチックスリーブと充電用のケーブル、英語の説明書が入っています。日本語の説明書が付属しないのは残念です。
内容品一覧
- envii Baby Ness テクニカルMOD
- 18650バッテリーアダプター
- microUSBケーブル
- 説明書(英語)
スプリングコンタクト採用の510スレッド
それでは細部です。Baby Nessのアトマイザー取り付け部はMOD上部に配置されています。
スプリングコンタクト式。コンタクトピンには金メッキ加工。
取り付け部分は直径28mm。このサイズのアトマイザーをはみ出すことなく搭載可能です。
Loch Nessではキャッチカップに交換可能で複雑なスレッド部は、Baby Nessではシンプルで交換不可能なスレッドに変更されていて、コストカットもしくは需要がないと判断したのかもしれません。
少し大きめの25mmサイズアトマイザーを搭載してもまだ余裕のあるサイズです。
取り付け部分に余裕があるので、22mmや24mmサイズのアトマイザーを使用する場合はスラントリング(ビューティーリング)などで見た目のマッチングを調整もできます。
液相画面と3つのボタン
肝心の操作系統です。Baby Nessには3つのボタンと、液晶画面を備えています。
このパーツは全てBaby Nessの一部分に集約されていて、設定変更、確認が簡単にできるようなボタン配置です。見た目と使い勝手を兼ね備えたデザイン。
ボタン類は全てBaby Ness上部、アトマイザー取り付け部近くに配置されています。樹脂製のボタンで、バッテリーカバーと統一感のある質感・素材のパーツを採用しています。
若干浅い押し心地は、ボタンプッシュで音が鳴ってしまうを抑えた仕様のように思えます。
Loch Nessでは枠付きのプッシュボタンが、見た目的には安っぽい枠なしの樹脂ボタンになりました。ただ、ルックスは劣りますが、その分押す面積が広いので使い勝手は向上しているように思えます。
液晶画面にはモノクロディスプレイを採用。太陽光の下などでも視認性は抜群です。表示される情報量も十分。カーブモードなど複雑な機能でもストレスなく設定を確認できる表示領域の広いディスプレイです。
そしてBaby Ness側面下部にはパソコン接続用兼バッテリー充電用のMicroUSBポートを備え、その下にはワンポイントのデザイン性を感じるenviiのロゴマークがエングレービングされています。
この細かいロゴ使いのセンスの良さも所有欲を満たしてくれる良いディティールですね!
マグネット式バッテリーカバー
Baby Nessのバッテリーカバーはマグネット式。
一部がプラスチックの爪になっていて、この部分をひっかけてから上部をマグネットで固定する構造です。
21700 / 20700バッテリーを直接収納可能な内部は、プラスチック素材で覆われていて、バッテリーのシュリンク破れによる短絡などを防ぐ素材選びがされています。
爪とマグネット2点の3点留め構造。構造自体に問題はないのですが、精度があまり良くなく、強く押したり、持っているときに若干カパカパするのがマイナスポイント。樹脂の素地仕上げもあまり質感が良いとは言えません。
貝殻デザインの底部分
Loch NessにはないBaby Nessオリジナルなのがココ!
底部分が貝殻の内側のような模様が用いられています。ワンポイントですね。
正直プロダクト全体のデザインと統一感が無い仕様。底部なのでおいて仕舞えば隠れる部分ですのでどっちでも良いといえばそれまでなのですが、害はないので良しとしましょうw
使い方
それではBaby Nessを実際に使っていきます。まずはバッテリーカバーを外して、バッテリーを収納していきます。
収納可能なバッテリーは21700 / 20700 / 18650 の3タイプ。18650を用いる時は付属のプラスチックスリーブアダプターに入れてから収納します。
収納すると、液晶画面に「BAT TYPE 18650 or 21700」のセレクターが表示されるので、挿入したバッテリーを洗濯します。これによって最大出力が変わってくるので間違えないようセレクトします。
そして、バッテリーに関する注意事項が説明書にありましたので抜粋して直訳します。
35A+ for 18650 / 20700
40A+ for 21700
バッテリーを製造元の推奨定格出力を超えて使用しないでください。
バッテリーが破損したり、故障したりする可能性があり、火災や爆発の原因になります。
要は信頼性のあるバッテリーを収納するのを推奨する、ということで、18650/20700を用いる場合は35A以上、21700を用いる場合は40A以上の連続放電可能なスペックを持つバッテリーを用いた方が良いということです。これを満たすバッテリーは限られているので、特にハイワッテージ運用を繰り返す場合にはバッテリーの選定をしっかりとします。
次に収納したバッテリーの充電です。
外部のバッテリーチャージャーを利用しなくても、収納したバッテリーはBaby Ness本体で可能です。電源に接続したmicroUSBケーブルを本体の端子に接続して充電します。
充電はBaby Nessを立てたまま行えるので、寝かせたりする必要はありません。
設定・操作の詳細
それでは設定操作の詳細です。
- 電源ON/OFF …パフボタン5クリック
- サブボタンロック …パフボタンとサブボタン+を同時長押し
- 抵抗値ロック …サブボタン2つを同時長押し
- モード選択 …電源ON時にパフボタン3クリック
→ サブボタンでモード遷移
→モード変更時にパフボタンで移行しそれぞれ設定値変更可能です。
WATTAGE | POWER VWモード |
STAINLESS | ステンレス温度管理ワイヤーモード 下記3種類のステンレスワイヤーに対応 ・SS304 ・SS316 ・SS317 |
TITANIUM | チタン温度管理ワイヤーモード |
NICKEL | ニッケル温度管理ワイヤーモード |
TANGSTEN | タングステン温度管理ワイヤーモード |
TFR | 温度に合わせた係数を入力するモード PROFILE 1~5までと5種類登録可能200F F=1.3 400F F=2.00 600F F=3.00 |
TCR | 仕様ワイヤー別のTCR値を入力するモード 0.00050~0.00750 |
SYSTEM | システムメニュー ・SCREEN 左右反転 ステルスモード ・USB LINK ・EXIT |
EXIT | メニュー終了 |
- アドバンスドセッティング …3つのボタン同時押しで操作可能
WATTAGEモードのみ表示
NORMAL | 通常モード |
CURVE | カーブモード 5sまで (0.5sステップ) |
SMOOTH | 0.0~6.0s |
TEMPモードのみ表示
DRY SENSE | ドライカットオフ機能 好みに合わせて調整可能 数値が少ない程感度が敏感になる。 1~20 |
TEMP COMP | 温度管理各モードの微調整機能。(SS,Ti,Ni,Tu用) 個人的にはTCR値入力で対応可能なので必要ないと感じます。 1~99 |
共通メニュー
BOOST | プリヒート機能 0~48W 0.0~3.0S(0.1sステップ) |
EXIT | メニュー終了 |
アトマイザーを載せてみました
Baby Nessのアトマイザー取り付け部にかなり余裕があるので、搭載可能サイズにはほぼ制限がないと言って良いでしょう。反面、22mmなど直径の小さなサイズではそのまま載せると不釣り合いになりやすいので28mmサイズのスラントリングを用いるのが良いと思います。
まとめ:ハイエンドのルックスと持ち心地をそのまま、コスパに優れたテクニカルMODに!
プラスチックパーツの仕上がりや加工精度など、細部に若干のチープさがあるものの、高額などころかお金を積んでも手に入れることができない製品のデザインを、作り手公認で、しかも安価に手に入れることができる製品はそれだけで価値があると言えます。
機能もカーブモードやTCR、プリヒートなど先進的な機能をひととおり網羅しており、ファームウエアアップデートにも対応しています。
一番良いと感じたポイントは持ち心地!これはシングルバッテリー版のBaby Nessに特に感じる点で、スリムかつコンパクトで、なおかつ曲線で構成されたボディーは握っていて気持ちよささえ感じるものです。
ハイエンドアトマイザーとのマッチングもよく、大きなサイズのアトマイザーにも対応するのも良いポイントです。
ハイエンドへの憧れがないユーザーでも欲しくなる優れたテクニカルMODでした。
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