Geekvape ギークベイプのVAPEアトマイザー、ZEUS Dual RTA「ゼウス デュアル」のレビューです。
RTAには珍しい、リキッド漏れに強い構造の「トップエアフロー方式」を採用したZEUS RTAのデュアルコイルバージョンとしてデザインされたのが、このZEUS Dual RTA「ゼウス デュアル」です。デザインコンセプトやルックスは引き継ぎながら、デッキのデザインを変更することで、さらに熱量を確保し、多くのミストを発生するデュアルコイルに対応しました。
これによってサイズが直径25→26mmへとボリュームアップしています。
それでは詳細をレビューしていきます。
商品提供:Everzon
詳細
トップキャップ付近に設けられたエアホールから空気を導入する、トップエアフロー構造が一番の特徴です。ボトムエアフローのように、リキッドが漏れる構造ではないため、リキッド漏れに強い設計です。
金属の仕上がりはマットな質感。
ギリシア神話の主神、全知全能の存在であるZEUSをモチーフにした、チャンバー部のエングレービングは前作ZEUS RTAから引き継がれています。
スペック
リキッド容量 | 4ml |
直径 | 26mm |
全長 | 38.9mm(スレッド、ドリップチップ含まず) |
重量 | 66.6g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | ハーフインチ(810DT) / 510DTアダプター |
コイル | RBA デュアルコイル/シングルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | トップエアーフロー |
素材 | ステンレススチール |
Geekvaper公式サイトより
パッケージ・内容品
製品のパッケージはGeekvape製品の多くに見られるプラスチックが用いられ、側面2箇所にはGeekvapeのホログラムステッカーが貼ってあり、製品が開封されていないことがわかるようになっています。このステッカーを剥がすか、切断するかして開封します。
背面には製品の簡単な説明、そしてシリアルナンバー入りステッカー、そしてスクラッチ式セキュリティーコード入りのステッカーが貼られています。
内容品一覧
- Zeus Dual RTA アトマイザー本体
- ビルドツール
- ユーザーマニュアル
- スペアガラスチューブ
- プリメイドクラプトンコイル*2
- スペアパーツ一式(Oリング、イモネジ)
- デルリン製510ドリップチップ
- デルリン製510ドリップチップアダプター
- デルリン製ハーフインチサイズドリップチップ
内容品はアトマイザー本体にスペアパーツが一式、オプションパーツにマニュアルなどの書類が収納されています。コイルはプリメイドのクラプトンコイルが付属しますが、コットンは付属しません。
マニュアルなどの書類は基本英語で書かれています。マニュアルのみ多言語が用いられていますが、日本語での記載はありません。
細部
ボトムパーツには”ZEUS”の彫り文字が入ります。作りはかなり良く、Geekvape製品は日進月歩でクオリティが向上している印象を受けます。目に見える部分だけでなく、スレッドの精度やエッジの処理などディティールにまで渡り作り込まれている印象です。
分解
ZEUS Dual RTA本体を大まかに分解してみると、写真のように左から ドリップチップ / タンク /デッキ に分解可能。タンクとデッキはさらに細かく分解できます。
ドリップチップ
ドリップチップ取り付け部は810DT(ハーフインチサイズ)で、トップキャップ側にOリングが設けられたもので、汎用規格として多くのアフターパーツが流通しています。
付属品も充実しており、2種類の810DT、510DTアダプター、510DTが付属します。
デルリン製810ドリップチップ 1
ZEUS Dual RTAにプリセットされたデルリン製810DTは、外径が大きく、見た目に迫力があるタイプで、内径も11mmと大きいタイプです。
全長9mm、露出部の高さ8mm、外径19mm、内径11mm。
トップキャップの出っ張りに合わせて、ドリップチップ裏側にえぐりが入っていて、全長を抑える設計が採用されています。
デルリン製810ドリップチップ 2
エクストラとして付属するのは、途中から内径が拡散するタイプの810DT。
全長11mm、露出部の高さ6mm、外径18mm、内径10→14.5mm。
外径18mmで、トップキャップと同径でマッチしています。
デルリン製510ドリップチップ
広く流通する510ドリップチップを取り付けるためのアダプターも付属します。トップキャップに埋め込むように取り付けできるので、突起部分がなく、510DTを取り付けた時に外見上の違和感を感じない仕様。
ただ、取り外す時は出っ張りがないので取り外しが大変そうですが、
トップキャップ裏側から押し出せば簡単に外すことができます。
更に510DTも付属します。こちらもデルリン製で、内径が途中急激に拡散するタイプです。
全長15.5mm、露出部の高さ10mm、外径15mm、内径6→11mm。
タンク
リキッドチャージはトップフィル方式。ロック式のトップキャップを外すだけでリキッドを注げる便利な仕様を採用しています。
このロック部分は凸凹をはめ込むようになっていて、パッキンで適度な固さになっているので不意に外れてしまうようなことも少ない印象です。また、半周回せば着脱可能なので、スレッド式に比べて簡単にリキッドチャージができるようになっています。
タンクの中に満タンにリキッドが残っていても、逆さまにして外すことでデッキにアクセス可能。残量アリでもコイルのリビルド、リウィッキングが可能。利便性に優れています。
チャンバーの上側はドーム形状。チムニー内径は7mmです。
エアフロー
このアトマイザー最大の特徴であるトップエアフロー構造。過剰供給した状態で傾けたり、倒せば漏れる可能性はあるので「絶対漏れない」訳ではありませんが、普通に立てている状態ではリキッドは漏れません。
アトマイザー上部から空気を取り込み、デッキまで空気を導きます。
エアフローホールの周囲には、エアフローリングが設けられ、ホールの開け具合を調整することで、ドローを全閉から全開まで無段階調整できます。
このエアフローリングは分解洗浄時などは外すことができます。Oリングで機密性が確保された構造。
チャンバーとタンクの間に、空気が通るスペースが設けられており、上部から取り込まれた空気はデッキまで導かれます。
デッキ
デッキはノーポールの4スレッドデッキ。デュアルコイルビルドが可能なデッキ構造ですが、シングルコイルでのビルドも可能です。
デッキサイズは20mmです。
コイルのクランプはイモネジ。マイナスドライバーでアクセスできるスレッドは、デッキ側面に設けられています。ノーポール構造なので、マウント前に予めコイルレッグを切りそろえておく必要があります。
長方形に2か所設けられているのがエアホール。トップエアホールで導入した空気は、ここを通ってコイルに供給されます。アトマイザーとしてはトップエアフロー構造に見えますが、コイルから見ればサイドエアフロー構造とも呼べるデザインです。
タンクからウィックにリキッドを供給するジュースチャンネルは2ヶ所設けられており、この部分をウィックで埋めないとデッキがリキッドで浸されてしまうので、シングルコイルビルドの場合もジュースチャンネルを埋めることは必須です。
デッキの下からリキッドを取り込むデザインです。
ポジティブピン
ポジティブピンは初期状態で1mmほど出っ張っていました。金メッキが施されていて、通電性アップと、腐食による通電不良を防ぐ配慮です。
このピンはダブルピンになっていて、デッキのポジティブ側固定ネジ兼用ではないので多少緩めて出っ張り具合を調整できるような構造が採用されています。
試しに緩めてみました。レビューした個体に限定すれば、2.5mmほど出す分には問題は感じませんでした、スレッドの精度もよく、ガタも少ないのでよく作り込まれているなぁと感心する部分でもあります。
ただし、製品によって個体差、製品誤差もあるので、実際購入した個体は最新の注意を持って確認することを強く推奨いたします。また、筆者は基本的にはポジピンを緩めて使うことはありません。何故なら通電性が低下したり、不意にピンが脱落することが考えられるからです。
デッキ固定側のピンを外すと、ポジティブポールを外すことができます。デッキ側、インシュレーターなどの精度や仕上げはかなり良いです。
MODに載せる
Wismec /Reuleaux RX2 21700 (21700デュアル)
Joyetech /ESPION Solo (21700シングル)
Joyetech / ESPION Infinite (21700デュアル)
ビルド
それではビルドしていきます。まずはデッキのイモネジを緩めます。
アトマイザー自体の作りはかなり良いのですが、Geekvape製品で唯一不満をあげるのであればこの付属ツール。非常に使いづらい。とりあえずでついているオマケみたいなものだと理解して、別途精密ドライバーを用意することをオススメします。
それではコイルを巻いていきます。シングルで組む場合は、付属のプリメイドコイルのようにクラプトンコイルの力を借りるのが良いと思いますが、ここでは単線で組んでいきたいと思います。
アトマイザー自体は26mmサイズですが、デッキがタンクを取り囲んでいるので、デッキ自体は20mmサイズ。単線デュアルで十分だと思います。
CoilMonsta Kanthal 24G , 3,5mm , 8raps
ポールレスデッキなので、デッキマウント前にコイルレッグを切りそろえておきます。ポールレスデッキは慣れないと手間に感じますが、慣れれば問題ありません。
固定時はコイル高だけ気にしてやり、固定後にジグを通して向きや位置を微調整するスタイルです。
その後ドライバーン。
コイルの高さを再確認します。サイドから入ってくる空気が、コイルボトムから供給されるのを目論んで、コイルを少しだけ高めに設置しています。
あとはウィッキングして、リキッドをチャージすればOKです。ちょっとウィックが多すぎました。思ったよりジュースチャンネルが小さいので、透いてやらないと収納しきれません。あまりコイル熱量をあげすぎると、供給が間に合わないかも?
感想とまとめ
リークレス構造のトップエアフローデザイン!デュアルコイルの爆煙RTA!
爆煙と書きましたが、見た目の迫力ほど「超爆煙向き」の機材ではなく、デュアルコイルでほどほどのミスト量で楽しむRTAだと感じます。確かに、エアフローは全開だとスッカスカなのですが、チャンバー容量やジュースチャンネル的にあまり適しているとは言えないので、単線ビルドで対応できるぐらいの、若干軽めのDL運用ぐらいがちょうど良いと感じます。
味は、サイドエアフローのようなダイレクトな味。そして、ミストの質感は細かく柔らかい印象で、ミドルハイトのRDAのような印象ながら、高さがあるため、RTAっぽさも感じます。チェーンし続け本体が熱を持ってくるとまた印象が変わってくるのですが、基本的にはドリッパーら行くなと比喩される部類の味である印象です。
漏れを気にしなくて良いのは、相当なアドバンテージです。その上で、このレベルの味が楽しめるので、後は見た目のテイストが気にいるかどうかだと思います。
コメント
今更ですが、ここで買えます的なところの下の商品がアマゾンで売ってるバッタもんなんですが、大丈夫だったのでしょうか
ご指摘ありがとうございます。確認後修正いたしました。