exvape「エクスベイプ」のVAPEアトマイザー、eXpromizer V4 MTL RTA「エクスプロマイザー V4」のレビューです。
ドイツデザインのアトマイザーに待望の「リークレス機能」を備えた最新機種が追加!
MTLに特化した人気シリーズの実力は?
このアトマイザーの特徴
- 23mmサイズのMTLタンクアトマイザー
- ドイツデザインの人気アトマイザーのシリーズ
- トップエアフローでリキッドリークなし
前作はかなりの話題作で愛好者も多いアトマイザーですが、このeXpromizer V4は前作を超える完成度の高さと同じく味の良さを実現したアトマイザーに仕上がっていました!
MTLアトマイザーとしての完成度が高い逸品の詳細をレビューしていきます。
商品提供:ベプログshop
eXpromizer V4の詳細
eXpromizer V4は、ドイツでデザインされた第4世代のMTL RTAです。
V4の名前の通りシリーズとして続く製品で、前作V3を大幅にアップデートしたアトマイザーです。
ドイツデザインですが、前作と同じく中国で生産されているようで、コスパに優れているのは変わりありません。
前作eXpromizer V3 Fireのレビューはこちら
前作までと大きく違うのがリークレス構造です。
エアフローデザインをトップエアフローとすることで、物理的にリキッドが漏れることを無くしたアトマイザーです。
デッキは前作のデザインをさらにアップデートして、よりビルドしやすく構築されています。
カラーは3色と前作に比べてバリエーションがシンプルに。
ブラシ仕上げの(BRUSHED)、磨きがかかった鏡面仕上げの(POLISHED)、ブラックアウトされた(BLACK)のラインナップです。
それではより詳細を確認していきます。
スペック
リキッド容量 | 2ml(4mlサイズもラインナップ) |
直径 | 23mm |
全長 | 56mm |
重量 | 76g |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510DT |
コイル | RBA シングルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | トップエアーフロー(デッキボトムエアフロー) |
素材 | ステンレススチール、パイレックスガラス、PEI |
メーカー公式サイト | http://expromizer.com/ |
パッケージ・内容品
マットな質感で前作よりも高級感を感じるパッケージデザイン。
側面に偽造防止ステッカー、背面にシリアルナンバー入り。
内容品一覧
- EXVAPE eXpromizer V4 MTL RTA アトマイザー本体
- 予備パーツ(ガラスチューブ、Oリング、デッキプラスネジ、ドリップチップキャップ)
- ビルド用ツール(プラスドライバー)
- ユーザーマニュアル(英語)
ユーザーマニュアルは英語とドイツ語で記載されています。
デザイン
ルックスは前作とは全く異なっていて、所感は「マスプロ製品に近づいた」というもの。
ハイエンド製品に近いシンプルなデザインの前作とは違い、ロゴが入っていることや回す部分にローレット加工では無く模様兼用のデザインが入っています。
よく言えば「製品としてこなれてきて完成度が上がった」とも言えますが、悪く言えば「みんなが持っている大量生産品に近づいた」
シンプルでロゴの主張がなく、どこか上品だった前作とは全く異なる雰囲気ですが、細部の作り込みなどの完成度は今作も負けず劣らず良い出来です。
分解
まずは、eXpromizerV4を分解してみます。
構造ごとに大まかに分解するとこのようになります。
- デッキ
- タンク
- ドリップチップ
一般的なRTAと同様の構造を踏襲していますが、前作のeXpromizer V3同様にかなり細かく分解することができる構造になっています。
ただし、チャンバー部分だけはトップエアフロー構造になったためか分解することはできないため、前作のように全てのパーツが分解可能な構造、と言うわけでは無くなりました。
大まかですが洗浄の際に必要最低限分解すると、写真のような7パーツに分けることができます。
RTAとしてパーツ点数は多めな部類には入るのですが、少なくともパーツがかなり多かった前作よりは間違い無くパーツが少なく、分解が楽で組み立て時に迷うことがなくなりました。
ドリップチップ
510サイズのドリップチップは汎用品に交換することも可能です。
付属品は金属の土台に樹脂製キャップをドッキングする2ピース構造で、デフォルトの黄色い半透明樹脂製(PEI)のものと黒いもの(POM)を好みで付け替えることができます。
トップキャップに接続される部分はフラットで、チムニーを通ってきたミストがスムーズに流れるようにデザインされています。
内径はMTL向けに細くなっていて2.5mm(ベース部分)、2.9mm(樹脂チップ部分)と若干キャップ部分の内径が広めになっています。
タンク
スクリュー(ねじ)式のトップキャップを外すだけで、タンクに簡単にリキッドを注ぐことができます。
前作ではポップアップ式のサイドフィルだったものが、一般的なスクリュー式トップフィリ方式に変更されました。
トップキャップ側面には厚みがあるだけでなく、デザインと滑り止めの機能を兼用した凹凸模様が施されているので、簡単に取り外し可能です。
ただし、トップキャップを回すときにはタンク部分を反対の手などで抑えるなどしないと、パーツ点数の多いeXpromizer V4では他の部分が緩んでしまうことがあるので注意します。
タンク部分は細かく分解可能な構造。また、デッキ部分と完全に別体となるため、逆さまにして外せばタンクにリキッドが残っていてもデッキにアクセス可能です。
リキッドを無駄にすることなくコットン交換やコイル交換ができる構造です。
ただし、タンクを外すには少しコツがいります。
前記の通り、パーツ点数が多く取り外しできる部分が多いため、タンク着脱の際にはタンクボトムの金属部分とジュースコントローリリングをしっかりとつまんでから回して外します。
他の部分をつまんでしまうと、タンクが分解ししまってリキッドが漏れてしまうなどするので、タンク取り外しには多少の慣れが必要です。
レビューで使用した個体は、どのスレッドもスムーズに回るので分解脱着に手間取ったり、ストレスに感じることはありませんでした。
ちなみにジュースチャンネル(タンクからデッキにリキッドを供給する部分)が側面にあるため、タンクボトムからのリキッドチャージ(ボトムフィル)はスムーズには行えませんが、注ぎ口に柔軟性のあるユニコーンボトルであれば不可能ではありません。
トップキャップがスクリュー式なので、締め込んだときにタンク内の空気が圧縮されてデッキに過剰供給され、漏れの原因になることがあるため、漏れ対策としてボトムフィルは有効なのですが、eXpromizer V4はトップエアフロー構造なのでボトム部分に物理的に漏れる箇所がないため、漏れ対策は必要ないかもしれません。
タンクはデフォルトではアクリルのものがセットされています。
色味からドリチと同じPEIかと思いきや、アクリル製なので耐薬品製が低く、メンソールやリモネンなどのリキッドでクラックが入る可能性があります。
ドリチがPEIなのだからここは統一して欲しかったですね。
それとは別にパイレックスガラス性のチューブも付属するので、入れるリキッドや見た目の好みに応じて使い分けることができます。
ただ、樹脂タンクの場合はチャンバー部分の『EX』のロゴがほとんど見えないのですが、ガラスタンクにすると丸見えになってしまいます。
エアフローデザイン
このeXpromizer V4はトップエアフローのRTAです。
そのため、エアホール(空気の取り込み口)はアトマイザーの上部に設置されています。
トップエアフロー最大のメリットは、アトマイザー下部にエアホールがないため、物理的にリキッドが漏れないというものです。
ただし、多くのトップエアフローRTAと同じく、アトマイザートップから取り込まれた空気は内部を通ってデッキボトムから供給されるため、過剰にデッキにリキッドが供給されるとその空気の取り込み口を塞いでしまうことは避けられません。
ボトムエアフローRTAであればそうなるとリキッド漏れが発生しますが、トップエアフローRTAの場合は漏れ出すエアホールがボトムにないので、外部にリキッドが漏れることはありませんが、空気の通り道をふさいでしまい「ジュルり」の原因になります。
アトマイザートップのエアホールから取り込まれた空気はタンク上部のパーツ、そしてチャンバーの外側を通ってデッキまで供給されます。
6ホール式のエアホールは、そのまま裏側まで貫通しています。
デッキ部分で空気を集合させるデザインなので、取り込み口とチャンバー部分で小さなホールで空気がセパレートさせる意味がよくわかりませんが、おそらく何かしらの意味合い(増えなりの減少など味以外の部分)があるのでしょう。
このトップエアフロー部分には6つの小さなホール(およそ0.5mmほど)が空いていて、エアフローコントロールリングを回してエアホールをトリミングしてドローの調整ができます。
全開でホール6個オープン、全閉でホールを全て塞ぐことが可能です。
また、エアフローコントロールリングはタンクとトップキャプで挟まれていますが、トップキャップを締め込んだ状態でも回して操作することができます。
ドローは全開および5個開けた状態ではそこそこ軽めのMTL向けドロー、全閉にするとほぼ吸えないほどタイトなドローとなります。
ジュースコントロール
このeXpromizer V4には、最近リリースされるアトマイザーには珍しいジュースコントロール機能を搭載しています。
ジュースコントロールとは ジュースチャンネルの供給量を調整できる機能です。
ハイエンドRTAに搭載されたことから、一時期マスプロRTAにも多く搭載され流行した機能ですが、パーツ点数が増えることで値段が上がったり、マスプロ機では精度が悪くしっかり機能しないものもあったりと言うこともあってか最近はあまり搭載される機種が少なくなっています。
しかし、気圧差や気温差によって漏れが生じたり、ビルドによって供給量を変えたい時には非常に有効な機能です。
デッキのジュースチャンネルをタンク部分の窓を回すことによって閉じたり開いたりすることができます。
もちろん全閉にして携帯時の漏れをふさいだり、ビルドや出力によってジュースホールの開き具合を微調整することもできます。
ジュースチャンネルを操作する方法はMODに付けた状態で、アトマイザーボトム部分の均等に切り欠き模様が入っているリングを回せばジュースチャンネルを閉じたり開いたりできます。
このリングは軽い感覚でスルスル滑らかに回るので調整はしやすいのですが、不意に回っていることがあるので、アトマイザーを使用するときにはジュースチャンネルの開き具合を目視するのが良いでしょう。
ガラスタンクだと見やすいのは当たり前ですが、PEIタンクでも問題なく目視できます。
デッキ
デッキは2ポール2スレッドで、シングルコイル専用です。
中央にエアホールのあるスタンダードなデッキは、同じくドイツのアトマイザーKayfunを彷彿とさせるデザインです。
というより、ジュース供給部分以外はそっくりで、Kayfunオマージュ系のデッキデザインであることは一目瞭然。
eXpromizerの前バージョンであるV3から引き継いだデッキデザインです。
デッキサイズは直径13mmです。
前バージョンとの相違点はポストの長さ。
トップエアフローとなったV4ではリキッドリークの心配がなくなったため、ポストとエアホールをを上に伸ばして、漏れ体制を上げる必要がなくなったため、ジュースチャンネルからの距離が短くなっています。
ポストのデザインも一新されていて、前出のKayfunにならったコイルレッグをカットしやすいガイド付きのポストデザインにアップデートされています。
供給などの細かい部分はもちろん違うし、ルックスは全く別物なのですが、デッキやチャンバーなど味に影響する部分はkayfun5を思わせるデザインで、これで味が出ないわけがない!と言うデザインですね。
ジュースチャンネルは3ホール式で、ジュースコントロールによって開き具合を調整することができます。
またデッキエアホール部分はジュースチャンネルよりもかなり高い場所にあって、V3よりも漏れを考えないデッキデザインではあるものの、十分に「ジュルり」対策は考えられたデザインです。
ただ、MTLタンクにしてはジュースチャンネルのサイズやウィックを詰める部分が大きいので、特に巻き径の小さなコイルを用いる場合は、この部分をしっかりと埋めてやらないとジュルりに直結しますので注意が必要です。
もし巻き径の小さなコイルをビルドする場合は、コイルに通すウィック以外にも、ジュースチャンネル部分を埋めるウィックを別に設置する方法も検討するべきでしょう。
チャンバースペースは余裕があり、コイル高の自由度を確保しています。
自分の好みによってコイルの高さを変えて、味を変化させることが可能です。
チャンバートップはチムニーに向けて傾斜したテーパードデザインです。
チムニー内径2.6mm
ポジティブピン
ポジティブピンはデフォルトだとかなり出っ張っていて、完全固定されない調整可能な構造。用途に合わせて調整することができます。
締めこもうとして回していくと、どこまでも入ってしまうので、ほどほどに出っ張らせて使用します。
ポジティブピン周りの絶縁体がシリコンゴムのような弾力性のある素材であるのが若干気がかりですが、ピンはデッキ側にしっかりと接続されて、振れがでてネガティブ側と接触することはないのでこれで十分なのでしょう。
メーカーの分解図を見ると、デッキはさらに分解できる構造なのですが、通常これ以上分解する必要はありません。
分解する場合は、マイナスドライバーなどを用いてポジティブピンの奥にあるパーツを回してまずデッキのポジティブポストを分解して進めますが、あまり分解する意味はありません。
フィッティング
23mmサイズなのでiStick Picoにも乗るのでは?と思いましたが、ジュースコントロールのギザギザリング部分が23.5mmほどあるので載せられませんでした。
eXpromizer V4のビルド
それではビルドしていきます。
MTLタンクなので高抵抗向きなのですが、細線の巻き数少な目が好みなので、今回はNi80・27ゲージ・3.0mm軸・5巻で組んでみました。
もちろん小径で巻いても良いと思うのですが、ジュースチャンネル部分が大きめなので、巻き径が小さめのコイルだとウィッキングが大変そうなので試しに3.0mmで巻きました。
デッキのポストの間隔は3.0mm軸で巻いても余裕があります。
MTL向けクラプトンワイヤーなども余裕で使えそうな間隔です。
V4はポストデザインがアップデートされて、スレッド横にガイドがあるため、コイルを固定したらそのまま横に出してカットするだけで非常に簡単にビルドできます。
ウィックレッグの長さに迷いましたが、若干長めにカットしました。
イメージとしてはウィックレッグを「M字」にしてやると良いでしょう。この長さで丁度良かったです。
詰めすぎず緩すぎるぐらいの感触でウィッキング。
デッキを見た時には「ウィッキング間違うと漏れそうだな」と思ったのですが、意外に簡単です。少なくとも負圧供給型のRTAよりは間違い無く簡単です。
ある程度漏れなくしてやれば、あとはジュースコントロールで調整することができます。
このビルドで味も良いし、漏れはもちろん、ジュルりも一切ありません。
感想
前作もMTL向けのアトマイザーだったのですが、エアホールのサイズやチムニー及びドリップチップ内径が大きく、使ってみると「意外と軽めのドローがマッチする」チューニングでした。
しかし、より小径サイズ(エアホールやチムニーそしてドリチ内径など)を用いることで、よりタイトなドローに特化したアトマイザーに再構築したのがV4です。
実際吸ってみてもドローはかなりタイトで、これなら本格派MTLユーザーも納得できる完成度だと感じました。
しかもリキッド漏れもしないのです!
また、初見ではウィッキングが大変そうだと感じたのですが、実際にやってみると全くもって簡単で、逆に拍子抜けでした。
ただ、巻き径の小さめのコイルだと苦労しそうですが、ウィッキングに失敗してもリキッドが漏れないのは良いですよね。
個人的にはV3はあまり刺さらなかったのですが、V4はかなり気に入っています。
まとめ
味に関する部分はほぼ前作同様でありながら、エアーの経路を変えることで23mmという絶妙なサイズ感でありながらリキッドリークレス構造を実現した良作です。
太くはなったものの、2mlバージョンということもあって高さが抑えられているのもポイント高いですね。
それだけでなく、よりタイトドローMTL向けのスペックになって、MTL好きには嬉しいアップデートです。
ドイツデザインでありながらも、低価格を実現した満足度の高いアトマイザーでした。
コメント