Geekvape「ギークベイプ」のVAPEアトマイザー、Blitzen RTA 「ブリッツェン アールティーエー」のレビューです。
ミスト多めのDL向けRTA。特徴的なのはエアフロー。RTAでありながら、サイドエアフローから取り込んだ空気はそのままデッキへ。ダイレクトにコイルを冷却できる構造です。
そしてBlitzenとは?ドイツ語で「雷」という意味だということです。
それではレビューして行きます。
商品提供:VapeSourcing
パッケージと内容品
内容品一覧
- Blitzen RTA アトマイザー本体
- 予備パーツ(5mlバブルガラスチューブ、予備ガラスチューブ、Oリング、ネジ)
- 付属品(エクストラドリップチップ、510DTアダプター)
- ビルド用ツール
- ユーザーマニュアルなどの書類(日本語なし)
Blitzen RTA の詳細
直径25mmで全長が抑えられた、ボリューム感があり、ガラス部分が狭く、個性的なルックスを持ったRTAです。製品名やロゴが主張するので好き嫌いが分かれそうではありますが、今までになかったと言って良いと思います。
クオリティはマスプロなりのクオリティながら、面取りなどには抜かりはなく、素手で分解しても手の皮を切ってしまうようなことはありませんでした。レビュー品はブルーカラーになりますが塗装ムラや剥がれはないものの、皮脂よごれがついたままペイントされた形跡が残っておりました。
スペック
リキッド容量 | 2ml/5ml |
直径 | 25mm |
全長 | 36mm(ドリップチップ、510スレッド除く) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 810DT(ハーフインチ) / 510DTアダプター |
コイル | RBA デュアルコイル/シングルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | サイドエアーフロー |
素材 | ステンレススチール |
Geekvape公式サイトより
分解
簡単に構造ごとに分解してみます。写真左から デッキ / タンク / ドリップチップ になります。タンクはさらに細かく分解可能。デッキもパーツを外すことができます。
ドリップチップ
付属品が充実。ドリップチップが3つと、510DTアダプターが付属します。
アトマイザーのドリップチップ取り付け部は810DT(ハーフインチ互換)でOリングはアトマイザー側に設けられています。510DTアダプターも付属するため、市販されているリプレイスメント用ドリップチップを使うことができます。
アトマイザーに最初からセットされているのはハーフインチサイズ、レジン製で見た目にこだわったドリップチップ。全長11mm、露出部の高さ6mm、外径18mm、内径10→15mm。
唯一510サイズで付属するドリップチップは黒い樹脂製で、内径が途中から広がるタイプのもの。全長15.5mm、露出部の高さ10mm、外径15mm、内径6→11mm。
透明なドリップチップは810サイズ。全長15mm、露出部の高さ9.5mm、外径13mm、内径10mm。
タンク
リキッドチャージはトップフィル方式。トップキャップを外すだけで、上部からリキッドを注ぐことができる利便性の高い仕様です。
リキッドチャージホールは2箇所。ホールが大きいのでスポイトボトルなど先端が太いものでも問題なくチャージ可能です。
タンクは単体で保持されるタイプ。その為逆さまにて外すことで、リキッドが満タンに入っていても構わずにデッキを外すことができます。コイルのリビルドやリウィッキング時に非常に便利な構造です。
チャンバー部分はお椀型、ドーム形状です。チムニー系がかなり太く、リキッドの味をダイレクトに感じられそうな仕様です。
タンクを分解する場合には付属の専用工具を用いて分解します。
タンクは3ピース構造。ベース&エアフロー / ガラスチューブ / トップパーツから構成されています。工具を使わないと分解できないので、チャージ時などに不意に分解してしまい、リキッドが漏れてしまうなどの事故を防ぐことができます。
タンクからデッキへのリキッドの供給は、タンクに設けられたジュースチャンネルから供給されます。
5mlタンク
標準の2mlタンクの他にバブルタンクが付属。交換するとリキッド容量を5mlに増やすことができます。バブルタンクを使用する場合はチムニーにもエクステンションチューブをつける必要があり、全長も長くなります。
全長の実測は42.49mmで、6.62mmほど全長が長くなります。そして、直径も28mmオーバーと増してしまうので、利便性と携帯性を天秤にかける必要があります。
エアフロー
エアフローはRTAには珍しい完全なサイドエアフローで、片面16個の小さな穴が、両側2カ所に空いています。このエアホールはエアフローリングでトリミングして、ドローを調整可能。
チャンバーを見てみると、外側に開いたエアホールがそのままデッキに供給される構造であることがわかります。ボトムエアフローで取り込んだエアーを、デッキサイドから供給するタイプは多くあるものの、ダイレクトにサイドフロー構造のRTAは稀です。
ポジティブピン
ポジティブピンには金メッキが施されています。ダブルピン仕様で、ポジティブ側固定兼用。緩めて使うことで調整可能だとも言えますが、事故防止のためにも筆者としては調整をオススメできません。
デッキ
デッキはノーポールデッキ。4スレッドで、ポジティブ側とネガティブ側2つづつのスレッドが設けられています。
スレッドをフルに使うことでデュアルコイルビルドに対応。もちろんシングルコイルビルドも可能です。
ジュースチャンネルはサイドからデッキにリキッドを供給します。ジュース漏れを防ぐために、ウィックでこの部分を塞いでやる必要がありそうです。
スレッドにはイモネジがセットされており、マイナスドライバーで操作してコイルレッグを固定します。
チャンバー側には溝が刻んであり、デッキの特定の部分と合わさり、デッキを特定のつながり方を実現しています。
ビルド
デッキのイモネジはマイナスドライバーで操作します。付属のツールは正直使いづらいので、100円均一のものでも構わないので精密ドライバーを用意するのをオススメします。
今回カンタル24ゲージ、3.0mm、6ラップ巻きました。デュアルコイルでビルドしていきます。シングルでもビルドできそうですが、チャンバーの高さがあまり余裕ないので、シンプルにデュアルで巻いた方が味が出ると思います。シングルで巻く場合にはクラプトンコイルなど熱量の高いコイルを用いるのが良さそうです。コイルレッグの長さはデッキにマウントする前に切りそろえておく必要があります。長さをある程度目算するなり、測るなりして決めておきます。
とりあえずデッキに固定した後で、コイル内にジグを通して向きや高さを調整してやります。
ジュースチャンネルを横にして、コイルも横向きになるように配置して、ジュースチャンネルにコットンを導けるようにビルドします。
ドライバーンして2つのコイルを同調します。片側にだけ熱が入ってしまう場合は、熱が入りづらい方のコイルの固定イモネジを閉めてやったり、セラミックピンセットでつまんだり、触れたりして調整してやります。そもそも巻き数や同一でなかったり、いびつな形であると同調できませんので注意が必要です。
ビルドの途中でも確認しますが、最終的にチャンバートップにコイルが当たって短絡していないか?クリアランスは適当かを確認する必要があります。
個人的にはエアホールがもう少し低い位置であり、そして上部のみトリミングできるエアフローリングが付属していたらビルドの幅が広がると感じました。
ウィックにはNATIVE WICKSを使用しています。
コットンでジュースチャンネルを埋めてやりますが、ぎゅうぎゅうに詰める必要はありません。ふわっと乗せてやれば漏れることはないと思います。逆に詰めすぎてしまうと供給が間に合わずにイガってしまう印象です。
ウィッキングまで終わったら、タンクを取り付けてリキッドチャージしてやれば準備完了です。リキッドを注いでからしばらく放置してみて、リキッドが滲んで来なければ、その後漏れてくることはまずないと思います。ジュースチャンネルのコットン量が適切でないとイガってしまったり、逆に漏れてしまったりします。
使用例
Modefined(Lost Vape) / Sirius 200W (18650デュアル)
Eleaf / iKuu i80 (3,000mAh内臓)
まとめ
ダイレクトなサイドフローの味をRTAで!サイドフロー独特の吸気感を楽しめるタンク!
ダイレクトにリキッドの味や、荒目の粒子のミストを楽しめるRTAは数多くあるものの、サイドからダイレクトにエアーを取り込めるRTAは稀です。メリットとしては外気をダイレクトに取り込めるので、外気温が低い状態では特に、チェーンを続けてもアトマイザーが熱を持ってもフレッシュなエアーをダイレクトにコイルに取り込める点ではないかと思います。
それを実感するのは、チェーンスモークを続けても味が変質しないと感じるからです。
ただし、ジュースチャンネルの大きさに対して、エアフローホールが大きく、不釣り合いだと思う部分もあり、基本的にはかなり絞っての運用があっていると思います。絞ると言ってももちろんMTLに向いた機材ではありません。
リキッドの味をダレイレクトに感じたい。でも、タンクの利便性は捨てがたい!というユーザーは試して見ては?味のバリエーションに持っていても良いと思えるアトマイザーでした。
コメント