SUNBOXが人気のメーカーだというのを不動のものにしたモデルです。
リリースから数年が経過した今も欲しがる人が絶えない人気アイテム。
それがMOONRAKER(ムーンレイカー)というデバイス。
イタリアのSUNBOXのMODDER「Volpi Paolo」氏が作り上げた世界的に認知された人気モデルです。
SUNBOX MOONRAKER+の詳細
MOONRAKERシリーズの特徴はステルスタイプのテクニカルMODということです。
ステルスタイプとは、本体内部にアトマイザーを収納することができる機能を持ったモデルで、特に全長の長いRTAなどを、長さを抑えて収納することができるのがメリットです。
マスプロなどを含めても、ステルスMODは数が少ないのですが、その中でもMOONRAKERシリーズはアトマイザーの出っ張り具合を自由に調整できるエレベータ機構を搭載しているのが人気の理由です。
アトマイザーを本体内に収納できるステルスMODですが、多くは調整ができないタイプです
価格の安いマスプロダクツの中にもいくつかステルスMODがありますが、全て調整できないタイプ。
調整できるタイプはMOONRAKER以外に見たことがありません。
人気の理由はそれだけではありません。
思い浮かぶ限りあげても数々の理由があります。
- ルックス・デザインが良い
- 本体サイズがコンパクト
- パネル交換でカスタマイズ可能
- 汎用性の高い18650バッテリーを採用
特に今回のバージョンは日本のVAPEショップが特別に製作者と掛け合って実現したモデル。
通常のペイントモデルではなく、無垢のアルミニウムを削り出しのまま仕上げた無骨かつインパクトを感じるスペシャルカラーバリエーションと、最強の温度管理モードとの呼び声の高いdicodes基板を搭載した特別バージョンです。
スペック
サイズ | H 92×W52×D27.5mm |
重量 | 150.0g |
搭載可能アトマイザーサイズ | ~φ23mm |
アトマイザー搭載部 | 510(六角レンチ手動調整式) |
マテリアル | アルミニウム |
充電ポート | なし |
バッテリー | 18650シングルバッテリー |
制御基板 | dicodes BF60 |
パッケージ・内容品
ハンドメイド製品ですが、しっかりした貼り箱の高級感のあるパッケージに収納されています。
「SUNBOX」ロゴの箔押し入り。側面には「MOONRAKER」のステッカーが貼られていました。
内容品は必要最低限。必要なものがコンパクトに収納されています。
内容品一覧
- SUNBOX MOONRAKER+ テクニカルMOD本体
- ポジティブピン調整用六角レンチ
- dicodesユーザーマニュアル(英語)、NiFe30ワイヤー、SUNBOXカード
本体とバッテリーキャップ、dicodes基板のマニュアルにSUNBOXのカードが付属します。
外観・デザイン・ディティール・魅力など
アルミニウムのボディーが特徴のSUNBOX MOONRAKER+。個性的なデザイン・ルックス。
今回レビューするモデルは「MOONRAKER+」です。
従来の「MOONRAKER」とは異なるモデルで、その証として、本体側面には「MOONRAKER+」のエングレービングが入ります。
では従来のノーマルモデルとは何が違うのかといえば、最初は搭載基板の違いだと思っていたのですが、サイズが違うようです。
それがわかるのがこのパネル部分。
ノーマルモデルでは本体のサイズがパネルギリギリなのに対し、この「MOONRAKER+」ではパネル下部の長さが長くなっていることがわかります。
これはノーマルモデルとパネルサイズは共有することで、オプションパーツの汎用性は残しつつ、本体サイズを若干大きくしたものです。
何故大きくしたのかといえば、それは基板搭載部の容量を稼ぐためだと思われます。おそらく1cmほど全長が長くなっていることがわかります。
元々タイトな設計だったため、基板を取り付ける自由度が低い仕様だったものを、アップデートしたバージョンということになります。
その基板搭載部は本体ボトム部分からアクセスできます。
六角レンチで取り外し可能な2本のネジ留めになっているので、このネジを取り外すと基板にアクセス可能です。ただし、通常このパネルを取り外す必要はありません。
ノーマルサイズの「MOONRAKER」も分解してみたことがあるのですが、基板マウント方法は発売当時のものとは若干異なります。
ノーマルサイズは基板搭載部の容量が小さく、タイトな作りだったため、基板上部に絶縁テープが貼られていましたが、スペースに余裕のある「MOONRAKER+」では基板はむき出しです。
この部分で気になるのは、底面のパネル部分に黒い部分があるのですが、この文は基板とは繋がっておらず、何のためにこのディティールになっているのかは定かではありません。
トラブルがあった際にこの部分を突き破って基板のメインボタンを押せるようになっているのでしょうか?
しかし、基板に直接マウントされているメインボタン部分とも若干ずれた場所にあります。
MOONRAKER+には3つのボタン(側面のメインボタン、前面の下部にプラスマイナス2つのサブボタン)を備えた3ボタンMODです。
一般的なMODと変わりなく、dicodes純正MODと変わらない操作性を実現しています。
ボタンには本体と同じ削り出しの金属素材が使われています。クリック感をしっかりと感じるタイプで、小さい「カチカチ」音あり。
搭載基板はdicodes BF60です。dicodesの優れたVAPE汎用チップを搭載したMOONRAKERのスペシャルバージョンです。
パネルにはE8の文字。SUNBOX E8シリーズの証であるエングレービングが入っています。
このモノクロディスプレイを搭載するパネル部分も分解可能です。
SUNBOXからリリースされているオプションパーツ(以前はカーボンやケブラー、スタビライズドウッドなどのパネルがリリースされていました)や、サードパーティー製パーツ、自作パーツなどに交換してカスタマイズを楽しむことができます。
背面はシンプルなデザイン。ボトム部分に「SunBox」のロゴマークがエングレービングされています。
パネルはマグネット式。3つの磁石で本体にマウントされているので、取り外し部分(パネル下の突起した部分)から簡単に取り外し可能です。
中にはバッテリーマウント部分(18650バッテリー専用)と、アトマイザー収納部が設けられています。
バッテリーは本体上部から収納します。収納部分には、スクリュー式バッテリーキャップが設けられているので、反時計回りに回して取り外し、18650バッテリーを収納します。
収納方向は内部に記載がある通りプラスが下側です。
バッテリーキャップですが、今までSUNBOX MOONRAKERシリーズには、バッテリーキャップに合わせる樹脂製オープナー(星型部分にぴったりはまる形状の専用品)が付属していましたが、本作には付属しませんでした。
専用の形状なので若干開けずらく感じます。
MOONRAKERには充電用microUSB端子などが設けられていなため、バッテリー充電の都度バッテリーの取り外しが必須なので、若干使い勝手に何を感じる部分です。
アトマイザーマウント部分は510スレッド。収納可能なアトマイザーサイズは直径23mmまでです。
ポジティブピンは手動調整式。
付属の六角レンチを使い、マウントするアトマイザーのポジティブピンの長さに合わせて調整することができます。
MOONRAKERの一番の特徴がエレベーター式のアトマイザーマウント部分です。
アトマイザーを本体内部に隠すことができる「ステルス」機能はもちろん、アトマイザーの長さに合わせてマウント部分をスライドさせることができるので、無段階にアトマイザーの飛び出し具合を調整することができます。
アトマイザー搭載部を上下させるには、マウント部分側面にある真鍮製のロックナットを反時計回りに回してロック解除。
好みの高さにスライドさせたらロックナットを時計回りに回してロックします。
ドリッパーももちろんマウントできますが、基本的には背の高いタンクを搭載することに特化していて、長いタンクをコンパクトに持ち運びできる部分において、一番のメリットを享受することができます。
アトマイザーを自分好みの飛び出し具合に無段階調整できるMODは、特に数の少ない「ステルスMOD」の中でもMOONRAKERシリーズ以外に存在を知りません。
搭載可能なアトマイザーサイズが23mmとなっている通り、23mmサイズのBY-KA V7がギリギリ収納できました。
しかし、干渉ギリギリのサイズなので、当然ですが24mmサイズは収納できません。
ネガティブな部分
もちろんネガティブな部分もあります。
まずは価格。このMOONRAKER+は、ハンドメイドに近い生産体制で制作される「ハイエンド」と呼ばれる製品。
大手メーカーに大量生産されているマスプロダクツと比べものにならないほど高額です。
このMOONRAKER+の特別バージョンは、日本国内のVAPEショップにて75,000円ほどで販売されたモデルです。
そして入手製も悪いため、簡単には手に入りません。このバージョンも15個ほどの限定で特別に販売されたモデルです。
そして、この個体のシリアルナンバーは200番台でした。
この番号がモデルの通し番号だとしたら、MOONRAKERは200台ほどしか存在しないことになります。
それだけ貴重なモデルであり、裏を返せば入手は困難です。
その上、SUNBOXの製作者はこのモデルの生産終了をアナウンスしていることから、今後は手に入らない可能性もあります。
ただ、生産終了がアナウンスされた後でこの限定モデルが販売されたこともあるので、今後限定などで復刻やリニューアルする可能性はあります。
また高額な価格の製品だからといって、必ずしもハイグレードかつハイクオリティーではありません。
ハンドメイドに近い生産体制で制作させているため、コストパフォーマンスが悪いことは言うまでもありませんし、特に今回のモデルはペイントが施されていない無垢のアルミニウムを使用しているため、初期傷が目立ちます。
これまでの写真では出来るだけ傷が目立たない角度で撮影した写真を掲載しましたが、逆に傷が目立つ角度で撮影するとかなり初期傷が確認できます。
隅々まで行き届いた製品クオリティーは望めません。
しかし、このモデルは表面加工が施されていないため、使っていけば傷が増して、それが味になるモデルでもあるので、この部分が気になるのであれば購入しないほうが良いとも言えます。
そのため、デメリットとは感じないでしょう。
一番気になった部分は、ボトムプレートのネジのザグリ加工が不十分なので、ネジがどちらも若干飛び出してしまっているため、デスクなどの置いた時にグラついてしまいます。
しっかりと立てて置いておくのに不安が残る部分です。
この対策としては、立てておくのではなく、倒して置くことで解決できます。
使い方
使い方はdicodes基板共通の操作ですので割愛いたします。
詳細はdicodes純正MOD「dicodes Dani Box / dicodes dani box mini 」などで紹介していますのでそちらをご覧ください。
感想
性能的にはdicodes基板を搭載している他のMODと変わりありません。
dicodes純正のdani boxであれば、このMOONRAKER+の1/3ほどの価格で入手できてしまうので、単純に性能を重視するのであればそちらをセレクトするのが良いでしょう。
このMOONRAKER+の魅力は長いタンクを本体に隠して収納できる機能性と、ルックス・デザインの良さに他なりません。
その部分に3倍の価格を払うことができるかが購入の決め手になると思います。
価格に見合った価値があるかと言えば、感じる部分は人それぞれでしょう。
全体の製品クオリティーで見ればdicodes純正MODの方が作りやクオリティーが高いため、疑問に感じる部分はあります。
しかし、ブランド力や希少性、そして唯一無二のフォルムと、他に類を見ない無段階調整式のステルス機能など魅力の多いデバイスでもあります。
リリースされてから数年来変わらない人気を誇っているモデル、機会を待って入手してみるのも良いと思います。
まとめ
ネガティブな部分はあるものの、欲しい人にとっては魅力の部分の方が大きいであろう魅力的なモデル。
大事に扱われることが多いため、新品だけでなくセカンドハンド(中古)も稀にですが流通することがあるため、入手するのは困難ですが機会を伺ってみるのも良いと思います。
SUNBOX公認の [SUNBOX STORE] や [SunBox Store jp] にも並ぶ日が来るかもしれません。
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