WISMEC(ウィスメック)のVAPEアトマイザー、TROUGH「トゥローフ」のレビューです。
爆煙向け新規格コイルを採用したクリアロマイザーは、30mmビッグサイズボディーに、新規格VT headを搭載!
このアトマイザーの特徴
- 30mmサイズ!メッシュコイル採用の爆煙クリアロマイザー
- 新規格『WISMEC VT Head』を採用
最近プリメイドの完成度が高い製品が増えてきましたが、このTROUGHもそのうちの一つ。
肝心の味は、かなり美味しいですね!ダイレクトかつウェットな印象ミスト、俗に言う「ドリッパーライクな味わい」を楽しめるおすすめの製品です。
詳細をレビューしていきます。
商品提供:VapeSourcing
WISMEC TROUGHの詳細
TROUGHは、大手VAPEデバイスメーカー”WISMEC”がリリースするアトマイザーです。
プリメイドコイル交換型の「クリアロマイザー(通称クリアロ)」と呼ばれるジャンルの製品で、コイルビルドは必要としないカートリッジ交換タイプ「気軽で簡単」に使えるアトマイザーです。
また、この製品は爆煙と呼ばれる「多くのミストを発生する」セッティング向けの製品です。
構造やデザイン的には「ごくごく一般的なクリアロ」といったものですが、味の決め手となる「心臓部」のプリメイドコイルには、WISMECが最新技術を投入した新規格コイルを採用しています。
コイルについてはプリメイドコイルの項目で詳細を解説しています。
直径30mmと迫力のサイズ感のクリアロマイザー。
しかし、30mmなのはバブルチューブの最大部分であって、ベースリング部分は25mm、AFC部は27.5mmと段階的に拡大したデザインなので、スペックほどの大きさは感じません。
それでも大きいのは否めませんが、6.5mmもの容量があるタンクサイズを考えれば納得できるサイズ感です。
定番色を網羅したラインナップは『Gold , Silver , Rainbow , Black』の4色展開です。
それでは、WISMEC TROUGHのさらに細かい部分を見ていきましょう。
スペック
リキッド容量 | 6.5ml |
直径 | 30mm |
全長 | 50mm |
重量 | 61.5g |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 810DT |
コイル | WISMEC WT head |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー(コイルボトムエアフロー) |
素材 | ステンレススチール |
メーカー公式サイト | https://www.wismec.com/product/trough/ |
パッケージ・内容品
内容品一覧
- WISMEC TROUGH アトマイザー本体
- WT01コイル(0.35Ω)
- WT02コイル(0.2Ω)
- スペアパーツ(バブルガラスチューブ、Oリング、パッキン)
- ウィック
- ユーザーマニュル(日本語表記あり)
何故かキットには『コットンウィック』が同梱されていたので、このコイルは「再構築可能」もしくは「ウィック交換可能」な構造なのかな?と勘違いしましたが、カートリッジ型プリメイドコイルなので、リビルドやリウィッキングはできません。
おそらく、通常とは異なる特別なウィックを使った製品なので、コイルに使用されたウィックを付属させることで、ウィック単体での感触をユーザーに確かめてもらうためのものだと思われます。
デザインとディティール
デザインは「スタンダード」定番的なデザインですが、ディティールに特徴を感じます。
ちなみに「TROUGH」は『かいばおけや槽』という意味らしいです。
上下のリング部分の加工が特徴的で、ハードでありながらスタイリッシュな外観デザインと、回転させる部分のグリップ力を高めることで、使いやすさを実現しています。
ローレットや溝加工などの定番加工ではなく、より細かな加工の特徴的なルックスです。
また、EEVPという革新的な真空めっき技術が使われていて、発色の良さと優れた耐久性、そして環境にも優しい特殊技術を使って作られているそうです。
EEVPについては、検索してもヒットしなかったので詳細は不明。
構造と分解
構造的には一般的なクリアロマイザーとなんら変わりなく、「ど定番」的な構造ですね。
パーツ点数は5点と少なく、最近主流になっているクリアロの構造、といった印象です。
ドリップチップ
ドリップチップはトップキャップ側にOリング(シリコンの半透明)が設けられているハーフインチサイズ(810DT)なのですが、深さが4mmと浅く、汎用品を取り付けると土台部分が収納しきれずはみ出してしまいます。
サイズ的には取り付け可能ですが、ルックスを考えると「付属DT専用」と考えた方が良いでしょう。
付属品は樹脂製で、大理石のような模様が入っているデザイン。
内径は8.5→11mmと、徐々に広がるテーパードデザイン。
タンク
クイックスライド式のトップフィル構造
トップキャップにある目印部分をスライドさせるだけで、ジュースチャージホールを露出させることができます。
一見閉じているように見えるシリコンパッキンには切れ目が入っていて、ユニコーンボトルの先端をそのまま差し込むことができます。
パッキンの密閉性を高め、リキッド漏れを防ぐ仕様です。
ただし、リキッドチャージホールが小さいので、先端の細い容器に特化しているため、スポイトボトルでのチャージは難しいのが欠点です。
トップキャップはボールロック式で、全閉・全開状態には適切な力加減で固定され、不意に開かないようになっています。
今まで発売されたどの機種よりも若干固めで、しっかりとロックされる印象なのですが、スライドしにくいなど使い勝手は悪化していません。
2ピース構造のタンクは、ガラスチューブとトップキャップで構成されています。
構造的に逆さまにすれば多少リキッドが残っていてもコイル交換のために分解できるのですが…
写真はタンクに1/3ほどリキッドが残った状態で逆さまにしたものです。
タンク上部にリキッドの逃げがなく、逆さまにしてもあまり水位が変わらないので、実質的に「タンク内のリキッドをほぼ全て吸い切らないと」コイル交換不可と考えた方が良さそうです。
ボトムエアフロー
ボトム部分に大きく開いた2箇所のエアフローホールから、大量の空気を取り込める爆煙仕様のスペック。
このエアホールにはAFC(エアフローコントロールリング)を備え、全閉から全開まで無段階にドローを調整可能です。
ドローは軽く、全開状態だとほぼ抵抗感のないスカスカドロー(若干音なりあり)、対して全閉だと精度の高いAFCがしっかりと機能するためにDLできないぐらいのタイトドローまで調整幅は広い作りの良さ。
AFCには周り留め(ロック機構)が備わっていて、コイル交換や分解作業しやすいようになっています。
AFCリングは分解不可能な構造です。
ポジティブピン
ポジティブピンの出っ張り具合は実測0.76mm
かなり出っ張っていますが、多くのクリアロに採用されている「フローティング方式」
固定されておらず、スレッド部にゴムパーツではまっているだけなので、ハイブリッド接続では使用できません。
必ず保護機能を搭載したテクニカルMODで使用します。
プリメイドコイル
コイルには新規格「WISMEC WT Head」を採用しています。
これまでの爆煙コイルよりもひとまわり大型のコイル規格で、現時点では3種類のコイルがリリースされています。
- WT01 Single 0.35Ω Head(30-50W)
- WT02 Dual 0.2Ω Head(30-70W)
- WT03 Triple 0.15Ω Head(50-90W)
爆煙向けの新規規格だけに、コイルサイズがかなり大きいです。
TROUGHに付属するのはこのうちの2つ(WT01,WT02)です。
このコイルには3つの特徴があります。
爆煙に特化した新規開発のコイル、先進技術が使われているようですね。
1つ目は360°方向リキッドリーディングシステムです。
コイルに合わせてジュースホールからウィックまでの経路を最適化し、ウィックの配置も調整することで、漏れを防ぎ、なおかつ供給不足にもならないように調整されました。
2つ目は30%木材パルプ+ 70%オーガニックコットンの使用です。
コットンだけではなく、耐熱性に優れた木材パルプを使用し、風味と耐熱性を強化しています。
3つ目はダイヤモンド型ヒーターです。
メッシュコイルには、メッシュ間に余裕のあるダイアモンド(ハニカム状)形状を採用し、より多くのミストを発生させる事に成功しています。
TROUGHの使い方
TROUGHクリアロマイザーの使い方は、一般的なクリアロと同様です。
まずは、別途テクニカルMODを用意し、本体を接続します。
リキッドチャージ前にMODに取り付けるのは、クリアロ本体が転がったり、倒れたりするのを防ぐためです。
トップキャップをスライドさせて、チャージホールからリキッドをタンクに注ぎます。
リキッドを注いだのちしばらく放置します。
爆煙タイプのクリアロ用プリメイドコイルは、ウィック量が多いので通常よりも若干長めに放置すると良いでしょう。
放置せずにそのまま使用してしまうと、ウィックが乾燥した状態で熱が入ってしまうので、焦げて使い物にならなくなってしまいます。
置く時間は環境(外気温やリキッド粘度などの要因)によって異なりますが、最低でも10分ほどは置いた方が良いでしょう。
アトマイザーのマッチング・使用例
直径30mmとかなり大型のクリアロですが、ベース部分は25mm、AFC部分も27.5mmとなっているので、大型のデュアルバッテリーMODなどであれば問題なくマッチします。
ただ、コンパクトなシングルバッテリーMODだと、アンバランスになってしまうのは否めません。
感想とまとめ
言ってしまえば「大きなサイズの普通のクリアロ」なのですが、その大きなサイズはより爆煙に特化したコイルを収納するのに最適化したためのもの。
ドリッパーに近いダイレクトでウェットな印象の味わいは、クリアロを超えた美味しさですね。
ちょっと前のクリアロでは味わうことができなかった方向性の味わいで、ここまで美味しいのであればRBAでコイルビルドするメリットはコストだけ、になってしまう日も近いと思わせる完成度です。
そしてリキッドが漏れないのも秀逸です。
爆煙コイルでありながら、リキッド漏れにも強くて、試用期間中に漏れはおろか、リキッド滲みや結露もなく、ストレスフリーで使用できました。
ただ、チェーンしすぎると若干焦げ味になってくることがあるので、特にリキッド粘度高めのリキッドでは注意が必要です。
ただでかいだけでなく、使い勝手や味わい、そしてリキッド漏れなどトータルでの完成度が高い製品でした。
気軽に爆煙を楽しむのなら、クリアロもアリです!
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