Vandy Vape(バンディーベイプ)のVAPEアトマイザー、KYLIN M RTA「キリン エム タンク」のレビューです。
メッシュシートコイル特化型のタンクアトマイザーは、トップエアフローでリキッド漏れに強い構造です。
このアトマイザーの特徴
- 26.7mmサイズ!
- メッシュコイルに特化したRTA
- トップエアフローでリキッドリーク(漏れ)に強い!
味が良い!そしてビルドが簡単で、漏れ知らず!
と優れた点が多いアトマイザーなのですが、一つだけ気になることが…
詳細をレビューしていきます。
商品提供:VAPE STEEZ
KYLIN M RTAの詳細
KYLIN M RTAはVandy Vapeがリリースする、RTA(Rebuildable Tank Atomizer)です。
エアホールがアトマイザー上部に設けられた『トップエアフロー構造』
コイルより下に、リキッドが漏れるエアホールがないので、リキッドリークを防ぐ構造。
複雑な内部構造を必要とするため、以前は限られたアトマイザーにのみ採用されていましたが、ここ最近トップエアフロー構造のアトマイザーがかなり増えました。
ただし、そのメリットの反面、サイズが大きくなってしまうというデメリットも。
トップエアフローでありながら、斜め上(トップサイド)からエアーをデッキに供給することによって、ラウンドしたシートコイル全面を冷却できるように工夫された構造です。
このKYLIN M RTAは、メッシュシートコイル採用のトップエアフローRTAという2つの大きな特徴を持った斬新でユニークな製品です。
“M”はMESH(メッシュ)の頭文字ですね。
しかし、このデッキ、どこかで見たような気が… この件についてはデッキの項目で詳しく解説します。
充実のカラーバリエーションは全7色で、特にブラック系のカラーが充実しています。
それでは、KYLIN M RTAのより詳細を見ていきましょう。
スペック
リキッド容量 | 3ml(バブルチューブ4.5ml) |
直径 | 26.7mm(24mmはベース部分のみ0 |
全長 | 32mm(510スレッド、ドリップチップ含まず) |
重量 | 69.2g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 専用品 |
コイル | RBA メッシュコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | トップエアーフロー(デッキトップサイドエアフロー) |
素材 | ステンレススチール |
メーカー公式サイト | http://www.vandyvape.com/ |
パッケージ・内容品
内容品一覧
- Vandy Vape KYLIN M RTA アトマイザー本体
- パーツ(バブルガラスチューブ、Oリング、デッキネジ、スプリング、510ドリップチップアダプター)
- ビルド用ツール(プラスドライバー、メッシュコイルローリングジグ)
- メッシュコイル(A1 M COIL 0.15Ω)
- コットン
- ユーザーマニュアル(英語)
デザイン
ユニークなデザイン。
これまでリリースされたKYLINシリーズアトマイザーのデザイン的な特徴を引き継ぎながら、新たな個性を獲得した機種としてリデザインされた特徴のあるルックス。
チャンバーにはこれまでリリースされたKYLINシリーズ同様に、”KYLIN”の文字が入ります。
KYLINシリーズアトマイザーのレビューはこちらから。
ちなみにサイズは、メーカー公式には24mmとなっているのですが、これはあくまでベース(土台)部分のサイズであって、最も直径が大きなタンク部分は26.7mmもあります。
これを24mmサイズと言ってしまって良いのか?
商品のサイズは、通常最大部で測りますよね… 確かにメーカーのWEBサイトにはベース部分のサイズであると表している図が載っていますが、メーカー公表サイズに習ってVAPE SHOPなどでは24mmサイズと表記されているところも多いので、ユーザーは勘違いしてしまうかもしれません。
24mmをゆうに超える大口径サイズで、ベース部分のごく限られた場所のみが24mmですのでお間違えなく。
分解
KYLIN M RTAの構造はごくごく一般的なRTAと同じで、大まかには3つのパーツに分けることができます。
- デッキ
- タンク
- ドリップチップ
もちろんさらに細かく分解可能。
アトマイザーを構成するパーツはこの通り。
パーツ点数はあまり多くないので、分解洗浄が簡単です。
ドリップチップ
ハーフインチサイズ(810DT)のドリップチップが接続可能なトップキャップ
810レジン樹脂ドリップチップと、510ドリップチップアダプターの2つが付属します。
レジン樹脂の細かいマーブル模様が美しい付属品の内径は9.5→12mm(逆テーパー)と、爆煙スペックの大口径サイズです。
タンク
トップフィルでリキッドチャージが可能です。
チムニートップギリギリまでリキッドチャージすることができるので、タンクの見た目よりリキッド容量が多い(3ML)ですね。
一応ガラスチューブに続くホールがありますが、あまり気にすることなく溝部分に無造作にリキッドを注げるのが良い点です。
このパーツの優れている点、キャップ裏がフラットなので、ネジを締め込んで行った時になタンク内圧の上昇を防ぐことによって、リキッド漏れを防ぎます。
といっても、元々トップエアフロー構造なので漏れにくいのですが。
それだけでなく、タンク容量を確保するための仕様でもあります。
トップキャップ側面にはデザイン製と実用性を兼ね備えた模様が刻まれているので、薄いパーツですが開閉しやすくなっています。
ちなみにタンクを構成するガラスチューブは、金属製タンクトップパーツのOリングによって保持される構造です。
したがって、アトマイザーを逆さまにしてからデッキ部分を回せば、リキッドを吸い切らなくてもデッキパーツを外すことができます。
リキッドを無駄にすることなく、コイルやウィックの交換が可能です。
構造的にはボトムフィル(タンク下部の隙間からリキッドを注ぐ方式)も可能なのですが、チャンバーパーツとチムニーパーツにはあまり隙間がないため、使い勝手が悪く、実用上現実的ではありません。
26.7mmとビッグサイズアトマイザーにしてはタンク容量は3mlと少ないのは、メッシュコイルをマウントするデッキ部分と、そのデッキに合わせたチャンバーおよびエアフロー構造によって、タンク容量が小さくなってしまっているからです。
このデメリットを補うために、4.5mlバブルチューブも付属します。
一部が盛り上がったデザインのガラスチューブによって、その分多くのリキッド容量を確保できます。
ただし、バブルチューブを使用すると、ただでさえ26.7mmと大きなサイズなのに、それを超える30mmサイズとなってしまいます。
また、一部が盛り上がったデザインのガラスパーツは、ぶつけるなどして破損するリスクが高くなりますので、取り扱いに注意が必要です。
エアフローデザイン
エアフローホールは「マルチエアフローホール」を採用。
片側19個の小さな穴が空いたAFC(エアフローコントロールリング)を回転させて、ドローが調整できる仕組みです。
ドローは軽く、全開だとほぼほぼ抵抗感を感じないスカスカに近いドロー。
ただし、AFCがしっかりと機能するため、段階的にドローが変化し、全閉になるとDLがギリギリいけるぐらいかなり重いドローにまで絞ることができます。
タンクキャップを外すことで分解可能なAFCパーツには、アトマイザーの凸と噛み合う、凹みが掘られていて、これがストッパーとして機能します。
エアホールはデッキへと斜め下に向かって掘られていて、メッシュコイルのトップサイドからエアーを供給する構造です。
デッキ
既視感のあるデッキデザインは他社製のアトマイザーそっくりです。
これらの製品は、いずれも著名人とのコラボ製品で、それらをデザインした#Mr.JustRight1はこのKYLIN M RTAについての動画をアップしていることから、無許可で同様のデッキデザインを採用しているようです。
要は”模倣”ということですね。
確かに知的財産権に守られていなければ、同じような機構・デザインの製品を出しても法的に問題はありませんが… どうなんでしょうね。
VAPEデバイスってそういうの多いですよね。
Profile UNITY RTAの優れた性能に、さらにリキッドが漏れないというメリットをプラスしたような製品なだけに、デッキデザインはもやっとしてしまいますね。
ユーザーとしてはしっかりと許可を得るなりして欲しかったな、というのが率直な感想です。
センター部分がスプリング式で、ウィックを上に押し上げ、上部のシートコイルに密接させる構造は、「ウィックが密着していないとイガる」というシートコイル採用のアトマイザー最大の弱点を無くす機構。
このパーツの素材は公開されていませんが、模倣された機種と同様にセラミックのように耐熱性のあるものが使われているようです。
ただ、スプリングの力が弱いので、できればもう少し強いスプリングが良かったですね。
シートコイルに特化したクランプデッキは、メッシュコイルを挟みやすいように、幅が広いクランプを2つ配置し、シートコイルだけでなく通常コイルのマウントも可能です。
側面のプラスネジを緩めると、このクランプの中にもスプリングが仕込まれていて、自動的にシートコイルを挟み込む隙間が空く機構です。
ただ、ネジはあまり長くないので、4回転ほどさせると取れてしまうので、回しすぎには注意します。
外れてしまうと、スプリングも外れてしまうので、再び取り付けるのが大変です。
大きなジュースチャンネルで、爆煙に必要なリキッドをタンクからコットンに供給します。
ミスト発生部
ミスト発生部のトップは綺麗なドーム型。チムニー内径6.5mm
コイルトップにはあまりスペースがなく、エアホールから取り込んだ空気を効率よくメッシュコイルに当てられるようにデザインされています。
ポジティブピン
かなり出っ張ったポジティブピン(実測1.22mm)
ゴールドメッキされたピンはフラットで、マイナスドライバーや六角レンチでそうさできないクリアロマイザーのようなもの。
しかし、クリアロマイザーのフローティング方式ピントは違い、固定型です。
何故ポジティブピンが固定式なのか?
それはデッキの内側部分がスイベルのように回転して、チャンバー部と連結されるためです。
この構造によって、タンク部分を取り付ける時に合わせ部分を気にすることなく、ただまわすだけでとりつけかのうになっているのです。
そのため、ピンを着脱したり、分解することができないようになっています。
ただしデッキ部分はある程度分解することができます。
ポジティブポストや中央のスプリング部分、クランプ部などは分解することができます。
ポジティブポストを分解するときは、まず中央のスプリング機構を外してから、ポジティブピンに直結していると思われるネジを回して外します。
KYLIN M RTAのビルド
KYLIN M RTAのビルド方法は、製品パッケージに手順が書いてありますので、その通り美ビルドしていきます。
- メッシュコイルを用意する
- 専用ジグにメッシュコイルを巻きつける
- 丸まったメッシュコイル
- これをデッキにクランプする
- ウィックをセットしてカットする
- 完成
とりあえず手順通りにやっていきます。
まずはメッシュシートコイルとジグを用意します。
シートコイルをジグに巻き付けます。
かなり簡単です。力は必要なく、弱い力で巻きつければ自然と丸まってくれます。
このジグは専用のもので、KYLIN M RTAのデッキに合わせたものなので亡くさないようにしましょう。
この専用ジグがあるだけで、ビルドがかなり簡単になります。
丸まったシートコイルをデッキにクランプします。
ジグで丸まっているので、ネジを緩めてマウントし、締め込むだけ。
非常に簡単です。
これは手順にはありませんが、一応ドライバーンしてホットスポットが発生していないか確認しました。
30Wほどかけてみましたが、ホットスポットはありませんでした。
この手順は必要ないかもしれないですね。
そしてウィックを通します。
ウィックの量は多めにしましょう。
何故かといえば、シートコイルにコットンが触れていないと、イガってしまうためでです。
このために、コイルにコットンを密着せるため、デッキ中央にスプリング機構が備わっていますが、ウィックの量がそもそも少ないと密着しません。
若干きついぐらいに詰めた方が良いでしょう。
ウィックを通したら、説明書通り斜めにカットしていきます。
こんな感じですね。
いや、これいいのかな?全然ジュースチャンネルが埋まっていないんだけど…
不安になって、ネットや有名Youtuberなどのビルド例を調べてみると、ほぼほぼジュースチャンネルを埋めたビルドばかりで、メーカー推奨の方法でビルドしているものはありませんでした。
普通に考えれば漏れますよね。
でも、KYLIN M RTAはトップエアフロー機構なので、リキッドが漏れることはなく、しかもできエアホールもトップサイドにあるので、ジュルらないのでは?と思って試しにこのままリキッドを入れてみました。
結果は、ドローを絞れば若干ジュルるものの、全然使えます。
絶対デッキエアホール位置よりもリキッド入れたら漏れるだろう、と思ったのですがそんなことはありません。
デッキ内はどうなっているのかといえば、多少は供給過多になっていると思われますが、逆さまにしてもリキッドは落ちてこないので、いい感じにリキッドは堰き止められています。
ジュースをたっぷり含むと、問題ないウィックの形になっているので、全く問題ありません。
しかも、供給がいい感じで、かなり味は良いですね。
RTAというよりもRDAに非常に近い味わいです。
試しにジュースチャンネルを埋めるウィッキングも試しました。
いい感じに見えるのですが、これだとリキッド供給が追いつきません。
イガるまではいかないのですが、最初に試したウィッキングに比べて、明らかに味は薄いです。
メーカー推奨の「ウィック斜めカット」が良いと思います。
ミストはかなりきめ細かくて、ふわふわ系のミスト。
アトマイザーのマッチング・使用例
ベース部分が24mmサイズなので、以外にもサイズ制限のないMODであれば、小さめのものでもマッチしてしまいます。
ただ、24mm制限のあるMODなどだと、タンク部分が引っかかって載せられないものが大半だと思います。
感想とまとめ
おいしくて使い勝手が良い!ビルドも簡単!
すごく良いですね!
特にメーカー推奨のビルド方法でウィッキングすると、本当にドリッパーのような味わいで本当に美味しい。
爆煙でありながら、しっかりとウェットな印象のミストの濃い味を楽しめるので、気軽に楽しめる爆煙タンクとしての使い勝手は最高レベルです。
製品としての完成度は高く、味も楽しめるアトマイザーでした。
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