Ystar(ワイスター)のVAPEアトマイザー、Beethoven RTA「ベートーヴェン」のレビューです。
他社とは一線を画する素材使いやルックスが魅力のYstarから、透明なアトマイザー!?上から下まで樹脂素材を使った見た目にもこだわったRTAがリリースされました。
このアトマイザーの特徴
- フルレジンで統一感のあるルックス!クリア素材のRTA
- デュアルコイルでDL専用。爆煙タンクアトマイザー
味、すごくいいです。程よくウェットでリキッドの味をダイレクトに感じられる”ドリッパーライク”な味。デュアルコイルRDA好きも納得できると思います。実際僕がそうですから。
ただ、それだけに残念なポイントも。それでは早速レビューしていきます。
商品提供:ベプログshop
詳細
外装部分にクリアな樹脂素材を使うことで、今でになかったルックスを実現したアトマイザー。
見た目は涼しげですね。
Ystarというメーカー、セラミック素材のアトマイザーNuwa RDAだったり、若干変わり種の機材がお好きのようです。
Beethoven RTA、名前の由来は、、、
チャンバーパーツのマークを見るまでもなく、ドイツの有名作曲家に由来しています。
亡くなってから200年近く経っているのでもちろん公式グッズではありません。
VAPE機材の名前は、神話や伝説上の名前から拝借しているものが多いですが、近世の偉人の名前にまで手を出したのか。
ベートーヴェンという名前と爆煙デュアルコイルRTAとの関連性はなく、見た目部分だけのモチーフにしているように感じます。
カラバリめちゃくちゃ多いです。全8色。といってもブラックカラー以外は樹脂部分のカラーが違うだけなんですが、それでもこれだけバリエーションを展開するのはストックリスク的に大変そう。しかし、ユーザーとしては選択肢が多いの分には何もデメリットはありません。
スペック
リキッド容量 | 5.5ml |
直径 | 24.7mm(バブルチューブ 27.5mm) |
全長 | 38.2mm(DT、スレッド含まず) |
重量 | 58.0g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510DT |
コイル | RBA デュアルコイル/シングルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトエアーフロー |
素材 | ステンレススチール |
メーカー公式サイト |
パッケージ・内容品
パッケージです。ブラックカラーのペーパーボックス。前面には製品写真とロゴ、背面には内容品の詳細と偽造防止対策でおなじみのスクラッチコード入り。パッケージは大きめ。
クッション材に保護されて入っています。細かい付属品はクッション材を持ち上げた下に収納されています。
内容品一覧
- Ystar Beethoven RTA アトマイザー本体
- 予備パーツ(イモネジ、Oリング、スレートガラスチューブ)
- ビルド用マイナスドライバー
- プリメイド クラプトンコイル
- 交換用AFCリング(25.5mmと26.2mm)
デザイン・外観
チューブを挟むトップキャップ、AFCのパーツに加え、ドリップチップにまで半透明のクリア素材を使った見た目にこだわったRTAです。素材は“resin material”レジン製です。ガラスほどの透明度はなく、半透明で、若干曇ったような質感です。
上から下まで統一感のある素材使いによる見た目の統一感が最大の魅力です。
作りに関しては若干の荒さが目立ちます。金属の肌の仕上がり、質感があまり良くないなどが気になりますが、中国製のコスパに優れたアトマイザーだということを考慮すれば納得できるレベルです。
もちろんバリなどもなく、エッジ部分は面取りされているので、素手で分解しても手の皮を切ってしまうようなこともありませんでした。当たり前に聞こえますが、僕がVAPEを始めた頃の製品の一部は、見た目が綺麗でもスレッド部分やエッジ部分が鋭利なままで、素手で分解すると手に傷がついてしまうような仕上がりのものも沢山ありました。
それが普通だと思っていましたので、分解の時はゴム手袋をするのがデフォルトになっていましたが、今の製品は割とどのメーカーのものでも仕上がりが向上しており、Ystarというあまり有名でないメーカーの製品であっても同じように丁寧に仕上がっているように感じます。
分解
各部の詳細を見ていく前に、本体を分解して大まかな構造を見ておきましょう。
- ドリップチップ
- デッキ
- タンク
このように3つの部位に分けることができます。デッキとタンクは更に細かく分解可能。
それでは各パーツの詳細を見ていきます。
ドリップチップ
ドリップチップの取り付け部分は、汎用品も使える510規格です。
もちろん、付属のドリップチップも510ドリップチップ。
トップキャップのベース部分は金属部品で、レジン樹脂パーツと組み合わさってこの見た目になっています。金属パーツにはベートーベンからインスパイアされた音符などのモチーフが入っています。
ドリップチップはレジン樹脂製です。内径が途中から急激に広がるデザイン。
全長13mm、露出部の高さ8mm、外径15mm、内径 アトマイザー側6mm エンド部9.5mm(途中で急激に広がるデザイン)
タンク
まず、タンクのトップキャップを外します。
トップキャップだけ取り外し可能で、外した下にある大きな二つのリキッドチャージホールからリキッドをタンクに注ぐことができるトップフィルを採用。2018年にリリースされるRTAとしては標準的とはいえ、利便性の高い仕様です。
リキッドチャージホールが大きいので、注ぎ口が大きめのスポイトボトルでも問題なく使うことができます。
また、タンクのメインパーツであるチューブ(透明な筒部分)はチャンバーパーツにOリングで保持されているので、本体を逆さまにしてデッキを外すことで、タンクにリキッドが残っていてもデッキにアクセス可能です。
この作りも、今リリースされているRTAはほぼこの構造になっている標準的な作りと言えます。
アトマイザーにプリセットされているのは、一部が盛り上がったデザインのレジン樹脂製バブルチューブです。外径27.5mm リキッド容量5.5mlと大容量。
その他の付属品として、ガラス製のストレートチューブも付属。リキッド容量は不明ですが、バブルチューブよりも外径が小さいので、それに応じて蓄えられるリキッドの容量も減ります。
また、上下のパーツと異なる素材のため、見た目の統一感もイマイチです。
ただ、レジンは樹脂素材で、対薬品性に優れているとは言えない素材であるので、樹脂に攻撃性のあるリキッド(柑橘系やメンソール系など)を使いたい場合はこのタンクを使うことが必須です。
しかし、よくよく考えれば、ドリップチップなど他の部分にもレジンが使われているので、タンククラッシャーリキッドの運用には向いていません。
特にドリップチップはボトム部分に液化したミストが溜まることが避けられないので、このようなリキッドで運用した場合は確実にクラックが入ることでしょう。
その為、Beethoven RTAを購入検討する場合は、運用するリキッドについても注意が必要です。
チャンバートップはドーム状。
チムニー内径は6.2mmと太めで、爆煙タイプのRTAに必要なドロー、空気の通る量を買う欲しています。
チムニー部分が若干突起しているのはおそらくわざとこのようにしているのでしょう。
ボトムエアフロー
デッキの下から空気を取り込み、コイル下から供給するスタンダードなボトムエアフロー構造です。
エアフローホールは円の対角線状に2箇所、エアフローコントロールリング(AFC)を装備。AFCには3つの穴が空いています。
交換用のAFCリングも付属。(25.5mmと26.2mm)何故か0.7mm違いという中途半端な大きさです。2mm違いでスラントリングのように、MODに載せた時の大きさのマッチングを出来るものかと思ったんですが違うようです。
Ystarによると「交換用AFCリング」としか書いていないので、サイズ違いかどうかも微妙ですが、実測したり重ねてみると若干大きさが違うのでサイズ違いなのでしょう。微妙です。
デッキ
デッキは4スレッドのポースレスデッキ。コイル固定のネジはイモネジ でデッキサイドからマイナスドライバーで回します。あらかじめコイルレッグの長さを決め打ちするタイプですね。
デッキのエアホールは全部で4箇所、一つのコイルにつき2カ所からエアーを当てる構造です。メインとなる円周に近い方には大きなエアホール、補佐的に中央からコイルを挟み込むようにエアーを当てる構造です。
ジュースチャンネルは左右に2カ所。大きめなので熱量の大きなコイルで組んでも供給が間に合うようにデザインされています。デッキ下から供給するデザイン。エアホール部分より低くすることでリキッドが漏れにくいように配慮されています。
また、デッキの下にスペースを置く構造の方がウィッキングが楽だと個人的には思っています(漏れず楽、供給不足にもなりずらい) RTAはドリッパーに比べて、ウイッキングにコツが入ります何故ならば、ちょうど良い供給具合がキモだからで、足りなければ漏れるし、多ければ供給不足になります。ビルドにも慣れが必要ですが、それを補う構造の良さも重要です。
基本はデュアルコイル前提のデッキですが、ジュースチャンネルを埋めさえすればシングルコイルでも組めそうです。
ただし、エアホールの相互関係から想像するに、シングルコイル向きではないと感じます。
チャンバーパーツを重ねてみると、デッキ上の空間はこの通り。多少の余裕があり、コイルの設置についても自由度があるのが特徴です。
ポジティブピン
デッキの裏にはYSTARのロゴ、Beethoven RTAのエングレービングが入っています。割とシンプル。
ポジティブピン、かなり出っ張ってます。実測0.9mm
ピンはデッキ固定兼用の構造ですが、デッキはかなり硬く、ピンを外したぐらいでは外すことができませんでした。インシュレーターとのクリアランスがギチギチなのでしょう。しかし、個体差などもあると思うので、構造的にはピンを緩めて使うのは危険だと思います。
ビルド
それではビルドしていきます。各部の仕様を見てみると、シングルコイルで組めなくもないものの、デュアルコイル専用と考えた方が良さそうです。しかも、チャンバー内径や510ドリップチップを採用していることから、あまり熱量の高いコイルに向いているとは思えません。
付属のNi80 クラプトンコイルよりも単線向きだなと僕は感じました。デッキエアホールが大きいんですけど、それを生かすのであればチャンバー内径はもう少し太めで、ドリップチップも810DTの方が良いと思います。
ただ単に単線の方が好きなんですけどね。単線で味が出るアトマが好きなんです。
カンタル24ゲージ/3.0mm/6巻(実測0.34Ω)
ポールレスは慣れるまで面倒に感じますが、コイルレッグの長さを揃えるコツさえ掴んでしまえばむしろ楽にビルドできると感じています。
とりあえずでコイルレッグの長さだけ統一してカット。一度にカットするのではなく、何度か当てがって少しづつ長さを詰めていきます。コイルレッグをとりあえず固定してから、ジグを通してコイルの向きや高さを微調整すると簡単にビルドできます。
それぞれのコイルを2つのエアホールが交わるポイントにコイルボトムが来るように調整しました。
ウィッキングはジュースチャンネルにそっと乗せる程度にしました。あまり詰めすぎると供給が間に合わず、足りなければ漏れます。ちょうど良い塩梅はビルドに慣れるしかありません。
MODに載せる
涼しげな見た目ですね。オールクリアなアトマイザーはなかなかありません。24mmサイズな上に、チューブ部分は27.5mmもありますが、大きさをあまり感じないルックスです。
悪くないですね。
感想
超個人的な感想になってしまいますが、特に夏場はタンククラッシャーリキッドしか常飲していません。
それもあって、外装がフルレジンのアトマイザーは微妙ですね。同じようにリキッドの好みによっては、見た目は好きだけど使えないよ!という人も少なからずいるでしょう。
そして、デュアルコイルの爆煙タンクなので、その機材を生かすリキッドを考えてもマレーシアリキッドなど甘々清涼剤入りのリキッドが思い浮かぶんですよね。多分クラックが入る、、、
もちろん、リキッドの好みは人それぞれなので、爆煙RTAで楽しめる樹脂攻撃性がないリキッドを常飲している人にはいいと思うんですが、僕は使えないかなぁ。と言いながらレビューはがっつり清涼剤の入ったリキッドを、ガラスタンクで運用しました。だって他に吸いたいと思うリキッドがなかったんですもの。
味はかなりいいんですけどね!程よいダイレクト感とウェット感、ドリッパーライクな味だけど、RTAらしい上品さもあってなかなかのものです。ただ、ドリップチップはあまりいい構造じゃないですね、外した方がおいしかった。味に関しては僕はかなり好きです。それだけに好きなリキッドで安心して運用できないのが悔しいのです。
リキッドが5.5mlも入るのも良いですね。ただ、僕はストレートガラスしか使ってないのでその恩恵を享受できていませんが。
気になったのは、全体的にスレッドが硬いです。特にタンク部分とデッキをねじって取り付ける部分が硬いです。20分ほど超音波洗浄したあと、無水エタノールにつけておいたのですが、切削粉が残ったようなゴリゴリという回し心地は変わらず、スレッドを回した時の気持ち良さはありませんし、うまく取り付けできなかったり、外すときにめちゃクタ硬くなってしまうこともありました。精度と作りはあまり良くないようです。
まとめ
程よくダイレクトにリキッドの味を感じることができるドリッパーライクな味と、他の機材にはない涼しげなルックスという大きな特徴を持ったタンクです。
ネーミングとチャンバー部分の楽譜マークがあればもっと売れるんじゃないだろうか、というのは僕の個人的な意見ですが、それを含めても魅力的な機材だと思いました。
ミスト多めの爆煙で便利に使いたいニーズを満たしたアトマイザー。デュアルコイル好き向けのRTAです。
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