Smoant(スモアント)のVAPEスターターキット、Pasito「パシート」のレビューです。
2019年発売のVAPEデバイスの中で『最もVAPEユーザーに話題になっている製品』がこの製品ではないでしょうか。
良くある二番煎じの“トランシーバータイプのPODデバイス”にしか見えませんが、このPasitoはなんと!世界初のリビルドできるPODデバイスなのです。
このスターターキットの特徴
- 世界初の自分でコイルビルドできるPODデバイス
- プリメイドコイルはDLとMTLに対応
- トップエアフローでリキッド漏れに強い
詳細をレビューします。
Smoant Pasitoとは?
SmoantがリリースするPODデバイス Pasito「パシート」です。
プリメイドコイル交換式のPODデバイスは珍しくもなんともありませんが、RBAユニットを収納可能なPODデバイスは今までにありませんでした。
いや、待てってくださいよ?
PODデバイスって「簡単お手軽で便利」なのが売りだったんじゃないの?
いえいえ、PODデバイスは今やVAPEの主流ともなっていて、気軽に楽しめる利便性の高いものだけでなくサイズも大小様々、用途もニーズに合わせて多様化しているのです。
多種多様のデバイスが出ている中で、自分でコイルをリビルドできるPODデバイスが登場するのは必然だったのかもしれませんね。
サイズはPODデバイスの中ではちょっと大きめなものの、BOX MODタイプなど既存のVAPEデバイスに比べれば十分コンパクトです。
このサイズ比較については「詳細」の項目で、他のデバイスとの比較を掲載しています。
カラーバリエーション
カラーバリエーションは全4種類《赤・青・黒・ガンメタ》に加えて、先日SS(ステンレス)も追加されています。
スペック
サイズ | H 102× W38× D18mm |
重量 | 90g |
出力 |
定電圧出力(3.2 V – 4.2 V)最大25W |
リキッド容量 | 3ml |
リキッドチャージ | PODトップフィル |
エアフロー | トップtoボトムエアフロー(調整可) |
コイル | プリメイド交換式 |
充電ポート | USB TYPE-C(5V1A) |
バッテリー | 1,100mAh |
保護機能 |
|
メーカー公式サイト | https://smoant.com/pasito-rebuildable-pod-kit |
パッケージ・内容品
「パッケージなんて」と言ったばかりなのですが、Pasitoのパッケージングは凝っていてかっこいい!決して高額な製品ではないんですが、良デザインパッケージは所有欲を満たしてくれますね。
PASITOのパネルデザインをそのまま用いたパッケージデザイン。ちょっと良いですよね。
内容品一覧
- Smoant Pasito バッテリー本体
- Smoant Pasito Podカートリッジ
- Smoant Pasito DTL Coil(0.6Ω Mesh)
- Smoant Pasito MTL Coil(1.4Ω Ni80)
- USB TYPE-C 充電用ケーブル
- QCカード、ワランティーカード(英語)
説明書ないじゃん!なんてことはありませんよ。パッケージを観音開きすると、英語と中国語ですが使い方が書いてあります。
簡単な内容なんですが、そもそもPODデバイスなので簡単に使えますから、心配ご無用です。
Smoant Pasito の詳細
デザインはLostVape Orionがオリジナルとなり、それ以降様々なメーカーから似たようなデザインのデバイス(Geekvape Frenzy・SMOK Trinity Alphaなど)がリリースされている「トランシーバータイプ」のボディーデザイン。
そのため、斬新さは感じない。「またこのタイプね」と感じてしまう。
製品の品質
LostVape Orionは高級志向で高額でしたが、以降リリースされる類似デザインの機種は「コスパを兼ね備えた」ものが主流になっていて、このSmoant Pasitoもそれに習っていると思われます。
安いけどルックスはそれなり が昨今の大型サイズPODデバイスの流行り。
ルックスが良いので、一見「高級機種か?」と見間違うほどですが、近くで見ると意外とチープ。
何故チープなのか?といえば、「スタビライズドウッド」パネルがイミテーションだからに他ならないでしょう。このパネルは、本物のスタビではなくプリント。
光沢のあるもので、近くでみるとプリントされたものだとわかるのです。
ただ、遠目で見るにはそれなりにリアル。悪くはないです。
また、本体の素材はアルミニウム(航空グレード)で、多くさに比べて軽く、実際に持ってみるとスカスカ感を感じる重量。実用的には軽いに越したことはないのですが、ずっしりとした質感は「高級感」とも感じるので、持つと安っぽく感じます。
また、アルマイト調のメタリックペイントの質感が今一つで、この仕上がりも安っぽさを助長していると感じます。あくまで高級機種と比べれば、ですけど。
とはいえですよ、「4千円以下でこの質感」を考えれば十分健闘していると言えると思いますけどね!これが1万円だったら「うーむ」ですけど。
日常使いする実用品としては、必要十分。いやむしろ綺麗でかっこいいですよ。
大きさ
左から順番に
- Eleaf iStick Pico + Vandy Vape BERSERKER V1.5
- Smoant Pasito
- UWELL CALIBURN
- Justfog Q14 + Dvarw 16 RTA
事前情報では結構でかいと噂だったんですが、やっぱり小さいですよ。
だって、でかいとは言ってもPODデバイスですもの。
でも、PODっていうことにこだわらないのであれば、小型ステルスMODの方がコンパクトなので、RBA(自分でビルドするアトマイザー)にこだわるのであれば、何もPODとである必要はないと思います。
ただ、PasitoはRBA含めて5千円程度で買えるという圧倒的なコスパも魅力ですよね!
バッテリー
それではPasitoの細部を見ていきましょう。
Pasitoの側面には2つのボタンと、内蔵バッテリー充電用のUSB TYPE-C端子を備えています。
- ファイアボタン パフ操作と電源操作
- VWボタン 出力調整
2つボタンがあるので、複雑な操作を必要とせず、直感的に出力調整が可能です。
出力とバッテリー残量は、前面パネル上部にわからないようにインストール(ステルス)されているインジケーターライトによって表示されます。
Pasitoの出力は「定電圧出力」なので、バッテリー残量によって出力が変わる「バッテリ電圧出力」と違い、残量の影響を受けません。
つまり、自分の意思に反して、味が変わってしまうというデメリットがないのです。
また、この5つのLEDは出力を5段階に調整可能であるとともに、バッテリー残量も5段階と細かく表示することができるのが嬉しいですね。
多くのVAPEスターターでは、大体が3段階表示で、少ないと残量小になるまでわからない2段階表示のものも多いですから。
この出力を制御しているのが、Smoant独自の制御基板『AntChip』です。
以前から「SmoantのテクニカルMODは美味しい」と言い続けていますので、ようやくSmoant製品が一般的に認知されたと思うと嬉しい限りです。
裏面にはしっかりとバッテリーベントホールを装備して、安全性に配慮。
ちなみに内蔵バッテリーは、ボックスタイプPODデバイスとしても、ちょっぴり多めの1,100mAhで、充電用端子にはUSB TYPE-Cを採用(充電電流は1A)
裏表方向がないので、差し込む時に「どっちだっけな?」と確認する必要がないので、非常便利です。
POD
カートリッジとバッテリーはマグネットで接続される方式。
カチッとと簡単取り付け。そこそこ強め。
PODカートリッジは、コイル内蔵型ではなくプリメイド交換式です。
つまり、「ペンタイプスターター」と同じく、コイルのみを交換できるので、コスパに優れています。
しかし、コイル交換という面倒な作業が必要なのと、PODカートリッジを使い続けなければならない(つまり洗浄が必要)といデメリットも持ち合わせています。
ちなみにPODの素材は「PETG」で、ある程度の耐薬品性は持ち合わせていますが、リモネンなどのプラスチック攻撃性ある物質を含むリキッドではクラックが入る可能性があります。
もし、割れてしまうなど破損してしまった場合には、交換用POD単体が購入可能です。
さて、このPODカートリッジは3パーツ構成で、POD本体からコイルとドリップチップを取り外すことができます。スクリュー式です。
レジン製のドリップチップは内径5mm。
ドリップチップは、トップキャップ一体、ドリップチップだけを汎用品などに交換することはできません。
しかし、大ヒットしているPasito、サードパーティ製ドリップチップが種類豊富です。
510DT用のトップキャップや、用途に特化したドリップチップが売られています。
ドリップチップ一体型トップキャップはスクリュー式、外すとコイルが丸見え。
このコイルとタンクの間からリキッドをチャージできる「トップフィル」チャージ方式なので、リキチャの時にわざわざPODをバッテリーから外す必要はありません。
非常に楽にリキッドチャージできます。
エアフローコントロールはレバー式、今までになかった方式では?
写真の状態が全開状態で、下げれば全閉にできます。
ただ、全閉にしてもドローは軽めで、MTL向けではありません。
タイトドローにしたい場合は、この部分を指で押さえるか、テープを貼るなどして調整する工夫が必要です。
コイル
ボトムパーツに取り付けてコイルをインストールします。
Oリングタイプなので、ネジ回す必要はなく、スポッとはめ込むだけです。
これでリキッド漏れはほぼないので、楽に運用できます。
ただ、透明タイプのOリングは、リキッドによってはデロデロになったりするので、特にリモネン(レモンなど柑橘に入っている成分)入りのリキッドでは注意。
そもそもリモネン入りリキッドだと、PODが割れたりするので、ガラスタンクのアトマ推奨です。
付属のコイルは2種類、DLとMTLに特化したコイルです。
- Smoant Pasito DTL Coil(0.6Ω Mesh) 推奨出力:L4/L5
- Smoant Pasito MTL Coil(1.4Ω Ni80) 推奨出力:L1/L2
もちろん、コイル単体での購入も可能なので、必要なコイルを購入することができます。
RBAユニットでコイルをリビルドする
冒頭で書いた通り、Pasito最大の特徴は「初のリビルド可能なPODデバイス」です。
そのため、このRBAユニットをレビューしなくては、Pasitoをレビューする意味がありませんので、しっかりとレビューしていきます。
なお、このRBAユニットは別売です。
Pasito本体には付属しませんので、別途購入が必要です。
付属品・パッケージ内容
内容品一覧
- Smoant Pasito RBA本体
- 510アダプター
- 予備パーツ(Oリング、ネジ一式)
- スクリュードライバー
- コットン
- ワイヤー
RBAユニットの詳細
直径10mmの極小RBAユニットです。
プリメイド交換式のデバイス用に、RBAユニットが発売されるのは今に始まったことではなくて、以前からある手法。SUBTANKのRBAユニットなどが有名ですよね、懐かしい。
ただし、小さいとはいえ、プリメイドコイルとして考えれば大きなサイズですから、これを内蔵させるために、PODも大型化する必要があるのです。
小さい割にはポストの感覚はしっかりと取られていて、4.5mmも離れています。
これだけ離れていれば、ワイヤーによっては3.5mm軸で巻くこともできますし、クラプトンコイルなどのゴツいコイルでビルドすることもできそうです。
ちなみにエアホールもちょっと大きめで、MTLだけでなくDLにも特化したコイルビルドができそうです。エアホール直径2mm。
このユニットで変わっているのが、コイルクランプ方法。
ポストの側面にワイヤーを固定するホールがあるので、ちょっとビルドが難しそう。
なお、このホール。かなり小さく見えますが、22Gのワイヤーでも余裕のある大きさなので、クラプトンワイヤーでも余裕でクランプできそうです。
ただ、ポストが細いので、目一杯トルクをかけてネジを締めこむと、ポストが破損する可能性もあるので、気をつけないといけませんね。
ビルド
それではビルドです。
510アダプターが標準装備なので、テクニカルMODにマウントして抵抗値計測やipad ができるのが非常に良いですね!つまり、この製品は他のテクMODやオームメーターを持っている人向けの製品、ということです。
Pasito本体とRBAユニットだけでは使えませんのでご注意を。
まず、ネジ頭でワイヤーをクランプしようとしましたが、頭が小さくて固定は困難ですね。
ネジ頭が大きな同じピッチのネジに交換すると、キャップと触れて短絡するのでこれもできません。
なるほど、ポスト間隔を最大限に確保しつつ、コイルクランプもしなきゃならないいいとこ取りが、このデッキデザインなのかとここで納得。
コイルレッグをS字にあらかじめ曲げておく方法もありますが、普通に通してもビルドできます。
片方通したら、もう片方は曲げて差し込めばOKです。
デッキの矮小さと、クランプ部の難解さに「ビルド難しいんじゃない?」と思ったのですが、それほどでもないですね。
あとはウィックを通して、ジュースチャンネル埋めてやれば完成です。
結構適当にウィックレッグしたんですが、伝い漏れもなくて調子良いです。
ビルド、それなりに慣れた方であればかなり簡単です。
ビルドは慣れれば割と簡単ですが、パーツ自体が小さいので510スレッドやRBAユニット本体の締めすぎには注意!締めすぎると固くて外れなくなってしまい、工具を使わないとビクともしなくなってしまいます。
Pasitoの使い方・操作方法
では使っていきましょう。
まずは自分の使いたいコイルをセットします。
その後に、トップキャップを外してコイルとPODカートリッジの隙間からリキッドをタンクに注いでいきます。
間が狭いので若干やりにくいですが、ユニコーンボトルなら難なくチャージできます。
スポイトボトルだと難しいです。
ちなみにリキッドが残っている状態でのコイル交換は、PODカートリッジを横にすればできます。
満タン状態じゃ無理ですけど。残量を半分ぐらいにすれば外すことができるので、リキッドを捨てなくてもコイル交換できるのが良いですね。
コイルにかからないぐらいリキッドが減れば、スポッとコイルを抜いても、リキッドは漏れません。
リキッド残量は素通しなので見やすいです。
ちなみに、エアフローは「トップ to ボトム」なので、リキッド漏れが発生しても外にリキッドが漏れ出さない構造です。
操作方法
操作はすごく簡単です。
- 電源ON/OFF… ファイアボタン5クリック
- 出力変更…VWボタンを押す
- Vaping…マウスピースを咥えてスイッチを押しながら吸い込む
電源操作、パフ操作、出力調整しか必要としません。
Pasitoを使った感想
真打ち登場!ですよね!
「まだレビューしないの?」「いつレビューしますか?」「Smoant製品なのに?」
と言っていただいた皆さま、お待たせしました!
右葉曲折あってレビュー遅れましたが、やっとレビューできましたよ…
ほんと色々あった。
で、感想なんですが、すごく良いです!!
当然ですよね、SNSでも大絶賛で話題の製品ですから。というかもう皆さん買っちゃいましたよね、っていうぐらいよく見ますよね。
実は手元に来るまではそんなに期待してなかったんですよ。
何故かといえば「もっとでかいと思っていたから」
他のトランシーバー型PODと比べてでかいじゃないですか。
でもやっぱりPODなんですよね。十分コンパクト。
味
すごく良い!これがあれば、持ち運び用はこれで良いと思ってしまうぐらい良い!
RBAユニットは自分好みにビルドできるのは当然なんですが、プリメイドもかなり良いですね!
そして、ちゃんと「出力5段階調整」が付いているのがミソで、これがいい仕事してます。
ドロー
ドローだけ中途半端ですね。
DL派の人は満足できると思うんですけど、MTL派の人には軽すぎるドロー。
ちゃんとエアフローチャンネルが付いているんですが、隙間から漏れるというか。
基本的にMTLには向きませんね。DL派のためのドローです。
操作すると若干絞れるんですが、ほんの少ししか変わらない。
eGoAIOの適当エアフローに近い間隔。
このチャンネル部分を、テープなどで塞ぐとタイトにできるんですが、かっこ悪いですよね。
漏れ・ジュルりなどの問題点は?
漏れは当然ありません。トップエアフローですから。
でも、初期ロッドはPODの作りが悪くて、じわ漏れが多発すると評判になったようですが、おそらく改善されたのか今回のレビュー品で漏れは全くありませんでした。
Oリングが多いのでちょっと心配でしたが、非常に優秀ですね!
経済性も良い
当然プリメイドコイル交換式なので、POD内蔵型よりもコスパに優れています。
RBAユニットがコスパに優れているのはもちろん、2種類の交換用コイルも一個あたり300円ほどなので、ビルドユースでないユーザーにも受け入れられている一因にもなっています。
ビルド目的で買うのであれば、RBAユニットが安いので、予備を持ち運ぶのも良いですね。
まとめ
ヒットするには理由がありますよね。
Pasitoは「かっこ良い!おいしい!安い!」が揃った優れたPODデバイス。
なおかつ、自分でコイルビルドまでできてしまうという、ヒットするのが必然だと言えるほどの完成度です。
初心者からVAPE上級者まで楽しめる懐の深さも魅力です。
持ってない人は買った方が良いですよ、これは!!
コメント
ビルド無しで比べた場合、カリバーンと比較してどちらが味が出てる感じですかね?
気になっている方が多いようで、同じような質問を良くいただきます。
そのため記事にまとめましたので、よろしければご覧ください。
https://vape-circuit.com/kit/caliburn-vs-pasito/