Geekvape(ギークベイプ)のVAPEアトマイザー、BARON RDA「バロン」のレビューです。
背の高さが抑えられた24mmサイズのショートハイトドリッパー。デュアルコイル専用の爆煙仕様RDAで、特徴はインナーキャップ式による「多機能エアフローシステム」です。
このアトマイザーの特徴
- 24mmサイズのショートハイト デュアルコイル爆煙ドリッパー
- デッキエアフローホールが可変式!インナーキャップを搭載。
全長が短いデュアルコイル爆煙ドリッパー。詳細をレビューしていきます。
商品提供:Everzon
詳細
Geekvapeのデュアルコイル爆煙ドリッパー、BARON RDAです。
BARONは『男爵』という意味、英国貴族の最下位らしいです。貴族的なネーミングです。
スタンダードなデザインに、大きなロゴの主張。24mmサイズのサイドエアフロードリッパー。
デッキはオールドスタイル。2ポスト2スレッドデッキです。ど定番のデザインですね。
このBARON RDA、片側だけエアホールを開くことができず、また、シングルアダプターなども付属しないデュアルコイル専用のアトマイザーです。
特徴的なのはデッキデザインではなく、キャップデザイン。
デッキに直接エアホールが空いているのではなく、インナーキャップを採用することで、デッキエアホール形状の変更が可能なのが特徴的な構造です。
カラーバリエーションんは豊富な全7種類。基本定番カラーですが、あまり見ないバイオレットカラーなどもラインナップされています。
SS / GUNMETAL / BLACK / GOLD / RAINBOW / VIOLET / BLUE
スペック
直径 | 24mm |
高さ | 21.8mm(DT、スレッド含まず) |
重量 | 38.0g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 810DT |
コイル | RBA デュアルコイル |
エアフロー | サイドエアフロー |
素材 | ステンレス |
BF対応 | ◎ BFピン付属 |
公式サイト |
パッケージ・内容品
パッケージはGeekvapeがリリースするアトマイザー共通のプラスチックケース入り。
前面にはGeekvapeロゴマーク、BARON RDAの製品ロゴが。背面には製品の情報、内容品詳細、シリアルナンバー入りステッカー、製品偽造防止のスクラッチ式セキュリティーコード入りステッカーなどが貼られています。
また、中身のすり替え防止対策として、プラスチックケース側面2ヶ所にはホログラムステッカーが貼られ、未開封の証明となっています。
内容品一覧
- Geekvape BARON RDA アトマイザー本体
- スペアパーツ一式(Oリング、デッキネジ)
- エクストラパーツ(810ドリップチップ、510ドリップチップアダプター)
- プリメイドクラプトンコイル *2
- ビルド用ツール(六角レンチ、アーレンキー)
- ユーザーマニュアル、ワランティーカード、ワーニングカード(英語)
説明書などの添付書類は全て英語で書かれていました。
外観
24mmサイズ、全長約22mmのショートトールサイズドリッパー。
デザインは”BARON”の文字が入っている部分がえぐられたようになっているのが個性的ですが、割とスタンダードなもので、奇をてらったものではないのでMODにも合わせやすいデザインです。
中央部分がえぐられているので、この部分がつまみやすく、キャップは外しやすいように感じました。
ただ、”BARON”の文字がかなり大きく入っているので、この部分は好き嫌いが分かれそうですね。
仕上がりは中々の出来で、マスプロダクツ製品としての完成度は高いと感じます。
分解
まずはじめにBARON RDAを構造ごとに分解してみました。
- ドリップチップ
- ミッドキャップ
- デッキ&インナーキャップ
このように3つの部位に分けることができます。また、公式サイトの図がわかりやすいので拝借しました。インナーキャップとミッドキャップが用いられているのが特徴的な構造です。
ドリップチップ
トップキャップのドリップチップ取り付け部分はハーフインチサイズ(810DT)
付属するドリップチップを取り付けできるのはもちろん、汎用品として様々な種類のドリップチップが売られている規格品なので、付属品以外を取り付けることもできます。
付属するドリップチップは2つ。
プリセットされているのは、マーブル模様が鮮やかなレジンドリップチップ。樹脂製。内径は途中から急激に拡散する構造です。
全長12mm、露出部の高さ7mm、外径16.7mm、内径9→12mm
もう一つ、エクストラパーツとして付属するのがPMMA製ドリップチップ。こちらも樹脂製。内径は逆テーパーデザインで徐々に内径が太くなる構造です。
このドリップチップ、単体で購入しても良いぐらい見た目も構造も良さそうな作りです。
全長14mm、露出部の高さ9mm、外径17mm、内径8.5→9.8mm
また、810DTよりも内径が細い510DTを取り付けるための金属製アダプターも付属します。
トップキャップ
ミッドキャップを外してみると、デッキにインナーキャップが接続されていることがわかります。
分解の項目でも触れた通り、このBARON RDAにはインナーキャップが用いられた構造で、今までにあまり見なかった構造になっています。
ミッドキャップとミッドキャップにはそれぞれエアホールが空いていて、この2つのキャップの合わせ具合でドロー調整が可能になっています。
キャップのエアホールは円の対角線上に2ヶ所設けられており、両側が対照に開く構造。片側のみを開くことはできません。
ミッドキャップ最上部の側面にローレットが刻まれていますが、その部分をつまんで回すための実用的な仕様ではなく、装飾的な意味合いで用いられているます。
インナーキャップはデッキにOリングを介してハマっている構造。
デッキとインナーキャップには凹凸があり、この部分を合わせて接続します。
インナーキャップには2種類の穴(縦の長穴4つ、円形12穴)が空いていて、コイルに対してどちらのエアホールを選択するかをユーザーが決められます。
Geekvapeではこのエアフローシステムを『多機能エアフローシステム』とネーミング。
インナーキャップはビルド後であっても外して付け替えることが可能です。
ミッドキャップとインナーキャップの合わせ具合でドロー調整が可能です。
もちろんエアホールを全閉にすることもできます。
ただし、DL向けの爆煙ドリッパーなので、エアホール全閉にしてもタイトドローにはなりません。DLで吸うのには若干重ためのドローかな?ぐらいまでは絞ることができます。
また、ミッドキャップとデッキには凹凸があり、ミッドキャップの凸と、デッキの凹を合わせて接続することで周り留めとして機能します。
この仕様によ理、キャップがくるくるとどこまでも空転することなく、凸凹によって一定の部分までで回転が制限されるので、ミッドキャップをつまんでのMODからの着脱が可能になっています。
キャップの裏側は綺麗なドーム形状です。
ドリップチップに向けてなだらかに。ミストをドリップチップまで誘導するようなデザインです。
デッキ
デッキはど定番の2ポスト2スレッドデッキです。デュアルコイル専用。
潔いデッキデザインですね。今となってはもっとビルドが簡単にできるデッキデザインが重宝されているためあまりみることが少なくなった構造です。
特徴的なのは、ポストが中央で壁のようにせり立っていること。
昔からよくあるスタンダードな構造ですが、空気の流れなどを考慮してデザインされたポスト形状だと思われます。
また、ポスト上部の両側が斜めに傾斜しているのもポイントです。
デッキのジュースウェルには”BARON” “Geekvape”のレーザー刻印入り。
ジュースウェル全体がつながったデザインで、保持量が確保されています。
スレッドにはマイナスドライバーで操作可能なイモネジがプリセットされており、付属品として六角レンチで操作可能なイモねじも付属。どちらでも好きな方をセレクトできます。
ポスト上部の両側が斜めにカットされた部分は、空気の流れよりも、ドリップチップからリキッドを垂らした時に、ここにぶつかって両側にセパレートされるようにデザインされたもののようです。
ポジティブピン
デッキ裏には、”BARON” “Desined by Geekvape” モデル名やシリアルナンバーなどがエングレービングされています。
ポジティブピンの出っ張り具合、実測0.97mm。かなり出っ張っていました。ハイブリッド接続を意識した仕様です。(実際にハイブリッド接続のメカニカルで使用する場合には、実物の状態を確認してから使用します)
ノーマルポジティブピンの他に、スコンクピン(BFピン)も付属します。
スコンクピンのリキッド出口は、ジュースウェルから一段上がったポスト中間部から供給されます。そのため、スコンカーで使った場合にもジュースウェルにリキッドを保持することができるとともに、スコンクした時にコットンに染み込みきれなかったリキッドがスコンクボトルに逆流することなく使用できます。
ビルド
ビルドです。ドローを確認すると、全開だとほぼ抵抗感のないスカスカドローから、全閉でも少しだけタイトなDLドロー。付属コイルのようにクラプトンコイルでミストもくもくが本来の用途だと思います。
しかし、絞れば単線ビルドでもいけそうなので単線好きの筆者は今回も単線で巻いていきます。
カンタル24ゲージ、3.0mm軸、7巻
巻き系はそこそこにして、巻き数で熱量を確保するようにしました。
コイルレッグの長さを決めて固定した後に、コイルにジグを通してコイル位置を調整してやります。
2ポスト2スレッドデッキに慣れているユーザーは簡単にビルドできると思います。しかし、4スレッドなどコイルレッグごとにスレッドが用意されているデッキに慣れているユーザーは最初は苦戦するかもしれません。
コイル位置は高めにセット、これは筆者の味の好みから。
エアホールに近づけるビルドから、このぐらいの高さまで、コイル設置位置には自由度が確保されているのがこのBARON RDAの良さでもあります。
コイルビルドが終わり、ウィックを通したら、インナーキャップをはめてコイル位置を最終確認します。
最後にミッドキャップをはめてみて、コイルがキャップと触れていないかも確認します。
ドリップチップからコイルが丸見えですね。スコンカーでなく、ノーマル運用するときはドリップチップからリキッドをダバーッと注ぐだけで運用できます。
MODに載せてみました
感想
背の高さが抑えられているのに、コイル位置の調整幅がそれなりに確保されています。
また、デッキエアホールが可変式で、流行りのマルチホール式と、よりドローが軽い長穴式を選べるので地味だけど良さそうな構造だな、と思ったのがファーストインプレッションです。
ですが、実際に使ってみると味もフレーバーもしっかりと出ませんでした。
うーん、このアトマイザー難しいですね。
推測するに、おそらくインナーキャップとミッドキャップの気密性が確保されていないからでは、と仮説を立てました。
エアフローホールを全閉にしてドローを絞っても、そこそこドローが軽く、ミッドキャップとインナーキャップの隙間から空気が入ってしまっていること。
そして、インナーキャプ上部とミッドキャップ上部にはOリングなどが設けられておらず、隙間が空いています。
このことから、コイル周り以外にも空気が流れ込んでいるのではないでしょうか。
そのために気が抜けたような、薄まった味に感じてしまうのです。
むしろドローを絞るとこの傾向がはっきりとわかり、逆にエアホール全開だとさほど気になりません。
つまり、単線ビルド向けアトマイザーではないということ。
そのため、このBARON RDAは全開セッティングのクラプトンコイル向けアトマイザーだと感じました。
クラプトンコイルであれば味が薄いということもなく、ちゃんと美味しく楽しめます。
まとめ
クラプトンコイル前提のデュアルコイル爆煙ドリッパー。
マッチングが良いアトマイザーです。BARONロゴの主張が若干強めですが、全体的にはシンプルで合わせやすいデザイン。作りが良いので、モノとしての満足度も高いのではないでしょうか。
背が低い爆煙ドリッパーを探している人向け!
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