CoilART(コイルアート)のVAPEアトマイザー、SALT RTA「ソルト」のレビューです。
激レアな超スモールサイズ!直径18mmサイズのRTAはこれまでに数えるほどしかリリースされていない貴重なサイズです。シングルコイルのMTLに特化したタンクアトマイザーがSALT RTAです。
このアトマイザーの特徴
- 18mmサイズ!MTLに特化したシングルコイルRTA
詳細をレビューしていきます。
商品提供:Everzon
詳細
このサイズ感!一番の特徴はサイズでしょう。
RTAとしては大変珍しい18mmサイズです。一般的な22mmサイズから直径で4mmしか違わないのにも関わらず、ものすごく小さなサイズに感じるのは、22mmに比べて24mmが巨大に見えることからも、その4mmが大きな差なのはVAPERさんであれば即座に解るかと思います。
1000記事以上のレビュー記事を執筆している当ブログでも18mmサイズのタンクアトマイザーは初(ドリッパーは感ずは少ないもののそこそこある)であり、今までの製品を調べても数えるほどしかありません。
デッキは見ての通り、シングルコイル専用のデッキです。
アトマイザーの直径も小さいのですが、デッキのサイズはさらに小さく、デッキエアホールも小さなMTLに特化したデッキであることが瞬時にわかるサイズです。
カラーバリエーションはメーカーサイトによると5つのバリエーションが用意されているのですが、複数の大手VAPE通販サイトを見てみると、そのうちの2色(SilverとBlack)が主に取り扱われており、他のカラーリングは取り扱いがありません。銀と黒だけ?
Gold / Blue / Gunmetal / Silver / Black
スペック
リキッド容量 | 2ml (バブルチューブ 3.5ml) |
直径 | 18mm(バブルチューブ 21mm) |
全長 | 35mm(DT、スレッド含まず) |
重量 | 30.9g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510DT |
コイル | RBA シングルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー |
素材 | ステンレススチール |
メーカー公式サイト |
パッケージ・内容品
パッケージデザインはCoilARTブランド共通のデザイン・サイズのものです。
黒と黄色を基調しにたカラーリング。前面にはブランドロゴと製品名に製品の写真がプリントされ、背面には内容品の情報よ製品の概要、そして偽造防止スクラッチ式セキュリティーコードが入っています。
スリーブから内箱を引き出し、開封すると中には付属品がたくさん!特にコイルのバリエーションが多い!
内容品一覧
- CoilART SALT RTA 2ml アトマイザー本体
- バブルチューブ 3.5ml
- ビルド用マイナスドライバー
- アクセサリーバッグ(予備パーツ)
- プリカットコットン
- ヒューズクラプトン 0.65ohm(2x30G / 40G , Ni80 ,Φ2.5mm , 20-35W) x2
- プリビルドコイル1.15ohm(Ni80 28G ,Φ2.5mm , 10-20W) x2
- プリビルドコイル1.6ohm(Ni80 30G ,Φ2.5mm , 6-15W) x2
- マニュアル、クオリティーチェックカード(英語)
コイルのバリエーションはなんと3種類。それぞれ2つづず合計6個ものプリメイドコイルが入っています。
それぞれに用途が書かれており、バリエーションは以下の通りです。
- For Low Nic Salts 1.15ohm Ni80 28G ,Φ2.5mm
- For High Nic Salts 1.6ohm Ni80 30G ,Φ2.5mm
- For ejuice 0.65ohm 2x30G / 40G , Ni80 ,Φ2.5mm
ニコチンソルトリキッド用のコイルが二つ付属することからも、このSALT RTAは世界的にも流行している『ニコチン塩リキッド』に合わせたRTAであることがわかります。
だから”SALT” RTAなのでしょう。
ニコチンソルトの濃度を調整するのではなく、ニコチンソルトの濃度に合わせたコイルをセレクトする発想ですね。
また、ノンニコチンのリキッドを使うときには、高抵抗のヒューズドクラプトンが推奨されています。
説明書も付属します。複数の言語で書かれていますが、残念ながら日本語は用いられていません。しかし、図解入りなので、ざっと見ればリブルタブル製品に慣れているユーザーであれば理解できる内容だと思います。
外観
分解
SALT RTAを構造ごとにざっくりと分解してみました。このように3つの部位に分けることができます。
- ドリップチップ
- タンク
- デッキ
タンクとデッキはさらに細かく分解可能です。これより先では各部の詳細をより詳しくみていきます。
ドリップチップ
まずは上部のパーツから。ドリップチップは510規格を採用。付属品は1つのみですが、同じ規格の汎用品を使うことももちろんできます。
付属品はSALT RTA本体と同じくステンレス製。咥えやすいくびれタイプ(唇に合わせて側面がえぐられているデザイン)で、接続部にはダブルOリングが用いられています。
内径は3mmストレート、MTLユースに合わせた狭めの内径をセレクトしています。
全長17.2mm、露出部の高さ12.7mm、外径10mm、内径 3mm
タンク
続いてタンクです。まずはリキッドチャージですが、トップフィル方式を採用。また、タンクの構造できにボトムフィルにも対応していますが、通常使うときにはトップフィル、トップキャップを外すだけでリキッドチャージ可能な方式でチャージするのが便利です。
トップキャップはスクリュー式。
回して外しやすいように、キャップ側面には縦に細かく溝が彫られています。キャップの直径は本体よりさらに小さい15.9mmで、厚みも薄めですが、この溝によって素手でも全くストレスなくキャップを回して外すことができます。
また、デザイン的にもAFCと同じデザインで統一感を感じますね。ローレットではなく縦溝なのが懐中時計のようなクラシカルなイメージを感じさせます。
トップキャップを外すと大きなジュースホールが設けられています。
本体の直径は18mmと小さいものの、大きく開いたジュースホールのおかげで、先端が太いスポイトボトルなどでも問題なくリキッドチャージできるのが便利です。
リキッドリークを防ぐOリングは土台側に設けられており、これはキャップの開閉では外れにくいようになっているのでストレスは感じません。
ボトムフィル可能だということは、タンクがジュースで満たされている状態でもデッキにアクセスができるということです。SALT RTA本体を逆さまにして外すことができます。
ただし、タンクのガラスチューブは上部のOリングで接続されているだけなので、脱落には十分注意が必要です。また、外すときにトップキャップ部分を持ってしまうと、トップキャップが緩んでリキッドがだばっと漏れてしまうのでこの部分にも注意が必要です。
タンクは3つのパーツ(トップキャップ , チャンバー&チムニー , ガラスチューブ)で構成されており、ガラスチューブはプリセットされているストレートガラスチューブの他にも、予備として一部が盛り上がったデザインのバブルチューブが付属します。
見た目のデザインが変わるだけでなく、一部が盛り上がっているので容量も通常の2mlから3.5mlにアップしますが、当然ガラスチューブ部分の直径はアップします(21mm)
デザインの好みや、容量などの使い勝手の好み合わせて使う方を選ぶことができます。
チャンバートップはドームのようになだらかな形状を採用。チムニーに繋がっている部分も面取りされており、空気およびミストの流れを阻害しないように配慮されているのがわかります。
ちなみにチムニー内径は4.5mmと太めです。
ここ、惜しいなぁ。ドリップチップが直径3mmなので、接続部でミストがぶつかってしまって液状化することは想像に容易い。ドリップチップを4.5→3mmのテーパーデザインにするか、チムニーをそうするかして欲しかったですね。
試しにチムニー内径より大きな内径サイズのドリップチップを使ったら味が改善しました。
エアフロー
エアフローデザインはボトムエアフローです。
デッキ下から空気を取り込むデザイン。このエアホールにはAFC(エアフローコントロールリング)を装備し、取り込む空気の量を調整可能です。
デッキには7穴、7種類の穴が空いていて、7段階にドローを調整可能(ただし、穴を中途半端に開けることもできるので、実際には無段階とも言える)
ホールのバリエーションは以下の通りです。
MTLに合わせたタイトドローを実現するために、小径のエアホールが空いているのに好感が持てますが、実際に吸ってみると、そのスペックよりもドローは軽めです。
というのも、AFC下部にはOリングが設けられているのですが、上部には設けられていません。その上部の隙間から空気を吸ってしまっているのです。精度があまり良いとは言えず、AFC上部を指などで塞いで見るとドローが変化するのがわかります。
そのため、最小の0.6mmエアホールであってもドローは想像以上に軽め。精度が良いアトマイザーの1.2mm以上ぐらいのドローであると感じます。折角スペックにこだわっているのに残念な部分です。
着脱可能なAFCですが、デッキに凸、そしてAFCに凹があり、この部分を接続することで、AFCをつまんでデッキを取り外す時の周り留めとして機能します。
デッキ
デックは2ポスト2スレッドのシングルコイル専用デッキです。
2つのポストに1つづずスレッドが設けられており、コイルに空気を供給するためのエアホールもひとつ。MTLアトマイザーらしい小さめのエアホールですね。
ポストのコイルレッグ挿入部は左右で高さが同じもので、コイルレッグの高さ違いを干渉できるようにはなっていません。コイル固定にはイモネジを採用、マイナスドライバーで操作します。
ジュースチャンネル(タンクからリキッドをウィックに供給するための穴)は2箇所、MTLアトマイザーにしては大きいホールで、付属プリメイドコイル、クラプトンコイルのように熱量が大きなコイルでも供給に問題がないように配慮されています。
リキッドの供給は下部から。
多少ウィックを下の伸ばしてやらないと、タンクが空になるまでリキッドを吸い上げられないデザインですが、このようにデッキが宙に浮いているようなデザインの方がウィッキングで漏れずらく、供給不足になりにくいと僕は感じます。
チャンバースペースは上部に余裕あり。しかし、ボトムエアフローなので、ビルドのセオリー的にはエアホール直上に設置するのが良いと思います。
惜しいのは、エアホール部分の突起具合が小さく、ジュースチャンネルからつたい漏れしそうな部分。スペースにも余裕があるので5mmぐらい出っ張っていたらもっとよかったのにな、と思ってしまいます。
使っていても、つたい漏れは全く発生していないので問題はないのかもしれませんが。
ポジティブピン
最後にポジティブピンを確認しておきましょう。
アトマイザーの裏を確認すると、”SALT RTA” “DESIHNED BY COILART”と刻まれています。ポジティブピンには金メッキが施されています。
かなり出っ張っています。実測0.82mmでした。
ピンはデッキのポジティブポスト固定ネジ兼用の構造なので、ピンを緩めて出っ張り具合を調整することは構造的にできません。緩めても、ポジティブピン側を押すと、逆にポスト側が出っ張ってしまうので意味がありませんのでやめた方が良いです。
ビルド
それではビルドです。付属コイルで組んでみても良いと思います。Ni80でもドローを絞るのであればニコチンソルトでなくても楽しめると思います。
そしてクラプトンコイルはDL向きですね。
でも、ドローを確認しても軽めなのですよ。これはエアフローの項目でも書いた通り、AFCの上部のクリアランスから空気を吸ってしまっているためだと思います。指で塞ぐとドローが変化するので間違いありません。
エアホールを最小にしてもドローは軽めのMTL向けぐらいなので少し太めのワイヤーで巻いてみました。
カンタル26ゲージ、2.5mm軸、6巻
エアホール部分の突起が弱いのであまりコイルを近づけすぎないようにしました。この後吸ってみて、さらに下げてみましたが今のところ漏れは発生していません。
デッキエアホール径が小さいと、リキッド漏れしずらいですね。
最後にウィッキングです。少し長めにウィックをカット。
ジュースチャンネルを埋めます。デッキに対してジュースチャンネルが大きめなので、少しだけきつめに詰めないと漏れます。でも、詰めすぎると供給不足になるのでちょうど良い塩梅を探ってください。
ジュースを最後まで吸えるように、少しだけそこまで垂らしました。
MODに載せる
18mmサイズのスーパーコンパクトなRTAなので、当然ですが小さなサイズのMODによく似合います。
可変ワッテージが必要なければ、これもすごく小さなサイズのMODに合わせるのも良いのではないでしょうか。各社から18mmを乗せることが可能なサイズのバイパスモードオンリーのスターター用デバイスがリリースされています。
もちろん18650シングルバッテリーサイズのMODにもよく似合いますが、エアフローホールのデザイン、高さ的にスラントリングは使えないので段差を埋めるすべはありません。
感想
褒める点はたくさんあるのですが、まずはダメな部分から。
AFC周りの精度が悪い!記事の中でも2度ほど触れた通り、エアホールのスペックの割にドローが軽めなのは、AFC周りから二次エアーを吸ってしまっているからです。
惜しい!エアホールのスペックはすごく良いのに。なんで0.6mmだけ開いてもこんなに軽いの!?
試しにテグスを挟んでみたら、ものすごくタイトなドローにできるので、これを最初から実現して欲しかった。
エアホールの大きさ通りのドローを実現したい方は、本体とAFCの間にテグスやテープなどを挟んでみてください。洗浄の都度のメンテナンスは増えますが、タイトドローが実現できます。
味はすごく良いといわけでもなく、ダメというわけでもない印象です。
十分においしいのですが、飛び抜けて優れた味というわけでもありません。デッキもチャンバースペースも狭いので、濃厚な味を期待したのですが、思ったよりもすっきりした味です。
僕としてはフルーツ系やメンソール系などのリキッドと相性が良いと感じました。
でも、このコンパクトさでこれだけの味が実現できているなら良いのではないでしょうか。
MTLユースでそこそこ美味しいクリアロを凌駕する程度の実力派持っていますよ。
そして、タンクの項目でも触れましたが、ドリップチップを合わせたものに交換することで、少し味が改善しますのでお試しあれ。
まとめ
サイズだけでこのアトマイザーの存在価値は計り知れません。
しかも見た目も良い。爆煙アトマイザーばかりリリースしていたCoilARTのアトマイザーとは思えません。世界的にもMTLが流行しているので、バリエーションをリリースしておきたいのでしょう。
しかし、こんなニッチなニーズのアトマイザーをよくリリースしてくれたものです。それだけで感謝ですね。
システム全体のサイズを抑えたいユーザーにとってはもってこいのアトマイザーだと思います。
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