Joyetech「ジョイテック」のVAPEスターターキット、TEROS 「テロス」のレビューです。
POD型アトマイザーを採用「オールインワンポッドシステム」携帯にも優れたコンパクトボディのスターターキットです。Joyetechでは最初のポータブルポッドシステムとアナウンスしているTEROSスターターキットの詳細をレビューしていきます。
商品提供:VapeSourcing
詳細
TEROSは片手サイズのボディ。ただし、480mAhとPOD型デバイスとしては大容量とも言えるバッテリーを搭載。コンパクトさを重視してはおらず、POD型アトマイザーを採用する他社製品にはもっと小型のデバイスも存在します。
Joyetechの設計思想としてはバッテリー容量は犠牲にできないポイントなのかもしれません。
Joyetechでは今までPOD型に近いデバイスをラインナップしてきました。それがEXCEED EDGEやATOPACK PENGUIN SE、ATOPACK DOLPHINなどですが、いずれもプリメイドコイル交換式で、PODにコイルが内蔵されたタイプはこのTEROSが初めてであり、携帯性に優れたコンパクトボディーを持つデバイスとして開発されました。
BatpackやEGO AIO ECOなどと同じ?Joyetech ECO technology搭載で、出力が低ボルテージ1.85vの定電力出力と出力電圧を抑えることで、バッテリーの減りを低減し、長時間使えるようにしています。
これらのデバイスに共通している低ボルテージ出力ですが、JoyetechではECOテクノロジーと謳っており、消費リキッド量やバッテリーの持ちが良いのは当然。出力が低いから。それに合わせたコイルを開発していると思われますが、どちらかと言えばニコチンなどのキック感を楽しむ「ニコチン摂取用のニコチンフィーダー」的な使い方を目指して開発されたものであり、VAPEリキッドのフレーバーを楽しむにはあまり向いているとは言えませんでしが、このTEROSでも同様なのか、実際に使ってみてレビューしていきます。
スペック
サイズ | H 90×W29×D12mm |
重量 | 57.5g |
出力モード | 1.85V定電圧 |
リキッド容量 | 2.0ml |
リキッドチャージ | Podサイドフィル |
エアフロー | トップエアフロー(調整不可) |
コイル | カートリッジ内臓 1.8Ω |
充電ポート | microUSB(DC 5V/1A) |
バッテリー | 480mAh |
保護機能 | ・自動カットオフ(15s) ・バッテリー電圧保護(3.3v) |
最近、Joyetech系列のVAPEブランドのスペック記載方法として、保護機能がすごく簡易的で、短絡保護や抵抗値保護の搭載すら書いていません。保護機能は重要な機能なのでしっかりと書いてもらいたいですね。
パッケージ・内容品
まずはパッケージから見ていきます。
宇宙的なデザイン?火花?ちょっとわかりませんが、マットな質感のPPに製品部分だけ光沢のあるもの、そして商品名とブランド名には箔押しと加工に凝ったパッケージを採用。なかなか良いデザインです。
背面にはTEROSロゴマークのプリントに内容品などの記載とともに、製品偽造防止のスクラッチ式セキュリティーコード入りのステッカーが貼られています。
内容品一覧
- TEROS バッテリー本体
- TEROS PODタイプカートリッジ ×2
- microUSBケーブル
- 書類(クイックスタートマニュアル、ワランティーカード、ワーニングカード)
内容品はTEROS本体に予備のPODアトマイザー、充電用のケーブルにマニュアル類が同梱されています。マニュアルは全編英語で記載されていますね。日本語の説明はありませんが、使い方が簡単な製品なので特に問題は感じません。
デザイン
それではTEROSの細部を見ていきます。
太陽光によって色が変わるフォトクロミック仕上げや、環境温度によって色が変わるサーモクロミック仕上げもラインナップしています。この写真は色違いではなく、熱で変色する特殊なペイント サーモクロミックが施されています。提供カラーはTC1(赤 – 黄)で、他にもカラーバリエーションが用意されています。
バッテリー部分の詳細
まずはバッテリー部分の詳細です。
TEROSバッテリーの下部にはJoyetechのブランド名と、その裏側の同じ位置に
製品名のTEROSのロゴ文字が入ります。凹んでいるので擦ったりぶつけたりして傷つけてしまっても文字が消えてしまうようなことはなさそうです。これ以外に文字やロゴは入っていないのでシンプルに感じるボディーデザインです。そのボディーには
TEROSの文字が入る面の中央付近に、電源状態などを表示するLEDインジケーター、その側面に内蔵バッテリー充電用のmircoUSB端子を備えています。
USB端子がベントホールも兼ねる設計でしょうか?底部分にベントホールはなし。
そして、バッテリー本体からPODアトマイザーは簡単に着脱可能です。
バッテリーとTEROS本体にはマグネット、電極が互いに設けられていて、マグネットで固定し、電極で電力を伝えます。
そして、TEROSバッテリー側には負圧(吸い込み)を検知する端子のようなものが設けられているので、PODにもその窪みがあり、PODには取り付けの向きがあるので、挿入して最後まで刺さりきれない場合は向きが逆なので付け替えます。
POD部分の詳細
それではアトマイザー部分の詳細です。
アトマイザーは「POD型」と呼ばれる形式の専用アトマイザーを使用します。コイルを内蔵し、通常は使い捨てで使用するものです。
リキッドチャージは側面にゴムキャップ式のリキッドチャージホールがあり、ここから装填することができます。コイルの寿命までリフィルが可能です。リキッドチャージホールが小さいので、スポイトボトルだと周囲から溢れてしまう可能性があるので、ユニコーンボトルやニードルボトルなど注ぎ口の先端が鋭利なものを用いるのが良さそうです。
吸い口部分はオーバル型ながら、ミストが通る部分は円形。周囲も角が取れた形状で、咥えてみると以外に唇にフィットします。特に負圧を検知してスイッチ操作する「オートスイッチ」機構のデバイスの場合、しっかりと唇を密着させる必要があるので咥えやすさも「性能」だと言えます。
しかし、このPOD は「トップエアフロー」
エアーの流れは写真の通りで、咥える部分に空気の取り込み口があるため、しっかりと唇を密着させて吸引すると空気が取り込めないような構造なので、微妙に口から話しても問題なさそうです。
実際吸引して見ても、オートスイッチの感度が敏感で、少しの負圧で反応してくれるので使い勝手に問題はなさそうです。
使い方
では使っていきます。まずはTEROSバッテリーを充電します。
USB電源に接続した付属ケーブルを、本体側面の端子に接続して充電します。充電中はLEDランプが点灯します。
次にPODアトマイザーを外して、側面からリキッドをチャージします。PODの素材が明らかにされていませんが、強メンソールを入れて1週間ほど放置しましたが、クラックなどは今の所入っていませんし、使い捨てタイプなので割れてしまったら交換できるので気にするものでもないかもしれません。
操作方法
TEROSはスイッチが無いオートスイッチのデバイスなので、吸い口を加えて吸い込めば、スイッチが自動でオンになってミストを吸引することができます。
オートスイッチの感度はかなり良く、吸引した瞬間にスイッチが入る印象で、オートスイッチの機構の完成度がかなり高いと感じます。
PODのマウスピース部分の構造的にしっかり咥えると結構タイトドロー。それもそのはず、エアホール(空気取り込み口)を同時に咥えているわけです。しかし、それでもコイルが焦げる様子もないのでこれで正解なのかも。試しに斜めに加えて、エアホールからしっかり空気を取り込むとDLできるぐらいのドローにはなりますが、味がものすごく薄い。
しっかり咥えるのが良さそうです。
注意点、チェーンしすぎてコイル周りに熱が篭ってしまうと、リキッドが過剰供給になり、細いチムニーも合間って、リキッドをストローで吸うように液体が口に飛び込んできてしまうことがあるので、チェーンのしすぎは禁物です。
注意!吹き戻しによる誤動作について
このデバイスは吸い口を加えて吸引するだけで自動でスイッチが入る「オートスイッチ」機構のデバイス。しかし、逆に息を吹きこむと『吹き戻し』という誤動作が発生してしまって、スイッチが入りっぱなしになってしまいます。15秒後には自動で電源がオフになる(オーバータイム保護)のですが、急いで電源を切りたい場合には、バッテリーからPodを外せば強制的にオフにすることができます。
誤って息を吹きこんだり、不意に吹いてしまって誤動作が発生してしまった場合には焦らずにPodを取り外し、その後再度Podを取り付ければ問題ありません。
分解と再構築
毎度おなじみ、POD分解のコーナーです。どこまで需要があるのかわかりませんが、参考のためにPODを分解していきます。まずは端子部分。
ちなみにメーカー非推奨です。あくまで自己責任でチャレンジする必要があります。
ここはズポッとハマっているだけなので、工具なしに、爪などを引っ掛けてやれば外すことができます。底部の端子部分にワイヤーを挟んでいるのではなく、長い端子パーツでワイヤーを押して触れているタイプなので、端子を外してやる必要はありません。
ビルドしたコイルはレッグを落として、横に曲げてやるだけで良さそうです。逆に分解するときは
ワイヤーレッグをまっすぐに戻してやってから、シリコンのパーツを外してやります。
シリコンパーツがハマっているだけなのでピンセットや先端の尖ったもので慎重に引き抜くだけで外すことができます。
コイルはバーチカルですね。コイルセンターにエアーが通るタイプ。ビルドも問題なくできそうです。
スペースドでビルドされています。30ゲージ程でしょうか。ただ、このデバイス、前記の通り1.85vの超低電圧出力のデバイスなので、3v以上を出力する通常のVAPEデバイスと同じようにビルドしても全く立ち上がりません。試しにカンタルでビルドしてみましたが全く味出ません。なんのワイヤー使っているんだろう。SSですかね?
変わったデバイスが好きなVAPERさんはチャレンジしてみても良いかもしれません。
ただ、筆者はバーチカルビルドが苦手なので、コイル再構築前提でこのデバイスを購入しようとは思わないですね。やはり。POD型は「お手軽に使える」のが本体の目的なので、普通にPODは使い捨てにするのが良いです。
まとめ
オートスイッチの完成度の高いニコチンフィーダーデバイス!
吹き戻しの誤動作は発生しますが、オートスイッチの完成度が高く、ストレスなくミストを吸引できるのは好印象。これまで使ったオートスイッチデバイスでナンバーワンの完成度と感じるほどの出来栄えです。
PODがトップエアフローで、リキッド漏れを心配しなくて良いのも使い勝手が良いですね。ボトム部分に結露することも全くありませんでした。本体が薄いので、POD型デバイスとしては大きく重いものの、携帯性は犠牲になっていない印象です。
ただし、Joyetechがラインナップする、他のECO technology搭載デバイス(BatpackやEGO AIO ECOなど)と比べてもミストが少なく、味も薄く、ニコチンなどのキック感も弱めです。逆にバッテリーの持ちやリキッド消費は少なく、謳い文句通りの印象です。
近頃タバコサイズデバイスでもこれよりミストは出るので、かなりミストが少ない印象。逆にこれだけミストが少ないのは「個性」だと感じます。ミストを出せないシチュエーションによってはマッチするのでは無いでしょうか。
そして、最初は「味もキックも薄いなー」と感じたのですが、PODをしっかり咥えてタイトドローで運用する分には、BatpackやEGO AIO ECOよりも味が出ます。それもそのはず、取り込む空気が少ないので、その分ミストが濃くなる。この2つのデバイスもエアフローを調整できればもっとまともに味が出るはずです。いや、出ないかな… でも、強すぎるメンソールリキッドをいい塩梅には感じるかもです。エコならコイルを高抵抗にすれば…
本体が薄くて携帯性に優れていて、なおかつバッテリー容量は大きく、消費電力が少ないので利便性は抜群。かなりミストが少ないので、周囲を気にするシチュエーションに、ニコチンフィーダーとして使ったり、強メンソールなどのキックを楽しめるリキッドでリフレッシュする用途に。
コメント