Hcigar「エイチシガー」のメカニカルスコンカーMOD、Magic Box with Maze v1.1 RDA 「マジック ボックス」のレビューです。
ハンドメイドに近い、少量生産による個人製作者がリリースする『ハイエンド』MODの流れから、3Dプリンターを使ったメカニカルスコンカー、プラスコが流行し、中国大手デバイスメーカーも挙って製品をリリースしてきました。
初めはこの流行に合わせて、素材もレジンなどを含むプラスチック製が多かったものの、金属などの他素材を用いたものもリリースされ、バリエーションが楽しめるようになっています。
今回レビューする、HcigarのMagic Box with Maze v1.1 RDA 「マジック ボックス」も金属製のメカニカルスコンカーMODとドリッパーをセットにしたスターターキットです。
それでは詳細をレビューしていきます。
商品提供:GearBest
?経験・知識が必要な上級者向け製品です!!
メカニカルMODは保護回路など一切ない、バッテリーの電気を通電させるためだけの筒です。初心者が知識なく扱うと大変危険です。
最初から使用を控えてください、とは言いませんが、ある程度の知識と経験が必要な製品です。
そして、ビルドの際にはオームメーターもしくはテクニカルMODが必ず必要です。
その為、暫くテクニカルMODのスターターでVAPEを楽しみ、理解してからはじめるのが良いと思います。
詳細
Hcigar「エイチシガー」は中国深センのVAPEブランドで、今回レビューするMagic Boxスターターキットの他にも、ハンドメイド系MODなど高額製品にも採用されるevolv DNA基板を使用しながら、携帯性や使い勝手、そして価格を抑えたVTシリーズや、同基板を使用したテクニカルスコンカーMOD inbox。そして、人気のドリッピングアトマイザー MAZEシリーズなど多様な製品をリリースしています。
今回の製品は制御基板を内蔵しない、バッテリーの電気を直接アトマイザーへと伝える「メカニカルMOD」に、ボトムフィーダー機能を備えた『メカニカルスコンカーMOD Magic Box』と、直径22mmの爆煙ドリッピングアトマイザー『MAZE v1.1 RDA』のスターターキットです。
Magic Boxは金属を使用したメカニカルスコンカーMODなので、全体の重量はプラスコと呼ばれるプラスチック製スコンカーMODよりズッシリと感じる重厚感のある仕上がりで、当然ですが重量が重い分だけ筐体に強度を感じます。
サイズ感はコンパクトですが、極端に小さくもな炒め、軽量コンパクトに魅力を感じるユーザー向きではないことがわかります。
デザインは個性の強い、オオカミのようなデザインの入った筐体で、好き嫌いがはっきりと別れそうなものです。
パッケージ・内容品
Hcigarのパッケージらしくシンプルなデザイン。内容製品が若干わかりにくく感じます。
背面には注意書き、そして内容品のインフォメーションが英語で書かれています。
内容品一覧
- Magic Box メカニカルスコンカーMOD
- Maze v1.1 RDA アトマイザー
- プラスチックボトルと予備チューブ
- アトマイザーアクセサリーバッグ(予備パーツ、六角レンチ、通常ピン、コイルとコットン)
- マニュアル、注意書きなどの書類
メカニカルスコンカーMODと、人気シリーズMAZEアトマイザーをセットにしたスターターキットで、付属品も充実しており、プリメイドコイルとコットンも付属するので、キットだけ購入すれば初回のビルドは追加して購入するものが少なくて済むように考えられています。
ユーザーマニュアルは英語と中国語で記載されていて、残念ながら日本語の記載はありません。
Maze v1.1 RDAの詳細
MAZE v1.1はHcigarの人気リブルタブルドリッピングアトマイザーシリーズの初期モデル、MAZE v1 RDAをボトムフィーダー対応にしたバリエーションです。
特徴は、直径22mmで全長も抑えられたコンパクトな躯体。そして、汎用性の高い510ドリップチップを採用し、エアフローはサイドエアフロー。なお、ドローの調整はできません。
ご想像通りの爆煙ドリッパーです。
シリーズ通して共通のエクステリアデザイン。同じ名前を冠にしながら、外見デザインが共通であることは珍しく、他のバージョンとルックスが変わらないのが特徴的です。前面にはMAZEのロゴマークが入っています
スペック
直径 | 22mm |
高さ | 25mm 20mm(DT・スレッド除く) |
重量 | 13.8g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510DT |
コイル | RBA デュアルコイル |
エアフロー | サイドエアフロー |
素材 | Stainless Steel |
BF対応 | ○ BFピン付属 |
Hcigar公式サイトより
分解
本体を分解してみると、写真左から ドリップチップ / ドリップチップアダプター / トップキャップ /デッキ に分解できます。デッキはさらに細かいパーツに分解可能です。
ドリップチップ
付属のドリップチップは510規格のもの。本体には「MAZE」と刻まれた全長の低いコンパクトなドリップチップで、内径はストレートです。ミスト発生の多い『爆煙タイプ』機材に合わせた内径の太いタイプが採用されています。
ドリップチップ取り付け部は汎用性の高い510規格で、数多くリリースされている汎用品に交換して使うこともできます。
全長10.5mm、露出部の全高5mm、外径12.75mm、内径6.5mm。
この取り付け部分はトップキャップとは別体のPEI樹脂製で、スレッドにてトップキャップに接続されており、取り外すことが可能です。
エアフローとトップキャップ
エアフローはサイドエアフロー。トップキャップ2箇所、180度の位置に設けられたエアホールから空気を取り込む構造。
このエアホールにはコントロールリングが装備されておらず、ドロー調整は不可です。エアホールが大きく、熱量の大きなコイルを設置して、ミストを多く発生する爆煙タイプドリッパーであることがこの仕様からも見て取れます。
キャップ裏はお椀型。ドーム形状で、背が低く、少ないチャンバー容量ながらミストを効率的に口まで運べるように工夫されています。
デッキ
デッキはベロシティータイプの2ポール、2スレッドデッキ。エアフローが絞れず、リデューサーなども付属しないため、当然デュアルコイルでビルドすることになります。
スレッドのイモネジは六角レンチを用いて操作します。
ジュースウェルはそこそこ深く保持量も十分だと思えます。
ポジティブピンとBFピン
今回の製品はスコンカーキットなので、初期状態ではBFピンがセットされています。通常ピンも付属。どちらも金メッキが施され、通電性と耐腐食性を確保しています。このピンはデッキのポジティブポール兼用なので、ピンの出っ張り具合を調整することはできません。
ポジティブピンのリキッド供給部はデッキから完全に出っ張っていて、ジュースウェルより上部から供給されるので、スコンカーボトルを押してリキッドをチャージすると、ジュースウェルにリキッドを貯めることができます。そして、ボトルを押すのをやめても、ボトルにリキッドが逆流しません。
MODに載せてみました
Sigelei / FUCHAI SQUONK 213 (21700/207000/18650)
Joyetech / ESPION (18650デュアル)
Wotofo / NUDGE BOX MOD (18650シングル)
Magic Boxの詳細
メカニカルスコンカーMODの詳細を見ていきます。Hcigar Magic Boxは制御基板を持たないため、保護機能や可変出力を搭載しない、言わばバッテリーの電気をアトマイザーに伝えるだけの「回路」となっており、内部には18650バッテリーを1本収納することができます。
そして、ボトムフィーダーに対応しており、スコンカーボトルを内蔵可能。そして、そのボトルを押すことで搭載したBF対応アトマイザーにリキッドを供給することができます。
個性的で主張の強いデザイン。悪魔的なオオカミをモチーフにしたようなドアパネルは凹凸があり、好きな人にはたまらないデザインになっています。
ボタンにはロック機能を搭載しています。
アトマイザーの重量が軽かったため、やはりというかMODの重量が重かったですね。重量は実測で182.8gとヘビー級。デュアルバッテリーのテクニカルMODだったとしてもかなりの重量級。重量の重さ=高級感と言えなくもないですが、日常使いして持ち運ぶにも若干躊躇する重量です。バッテリーを内蔵し、アトマイザーを搭載するとさらに重量が増すため、個人的には日常使いには支障のある重量であると感じます。
スペック
サイズ | H 85×W46×D26mm |
重量 | 182.8g(実測) |
スレッド | 510 |
バッテリー | 18650(別売り) |
BFボトル容量 | 7ml |
ロック機構 | ◎ |
Hcigar公式サイトより
アトマイザー取り付け部
Magic Boxのアトマイザー取り付け部は510スレッドが採用され、多くのアトマイザーに対応。このスレッド規格を採用するアトマイザーを搭載可能。コンタクトピンには金メッキがほどこされ、ボトムフィーダーボトルからリキッドをアトマイザーに供給するための穴が空いています。
コンタクトは若干は上下しますが、スプリングは内蔵されておらず、大きく上下することはありません。
ボタン類
通電するためのメインスイッチがMODの側面に設けられています。このボタンをパフして通電することができます。そしてこのスイッチにはロック機能が搭載されているので、ボタンを引き上げることにより、携帯時などに通電を防止することができます。でも、できることならばバッテリーは取り外して携帯するのがより安全です。
ドアパネル
Magic Boxのマグネット式ドアパネルは簡単に取り外しすることができ、内部のバッテリー&BFボトル収納部にアクセスできます。パネルは2面とも外すことができるので、バッテリーを取り外す際に背面から押し出すこともできて機能的でもあります。
内部構造
Magic Box内部にはバッテリーとスコンかーボトルを収納できるようになっています。ギリギリのサイジングではなく若干余裕があるため、筐体のサイズが大きく感じますが、大きい分収納に無理長いので使い勝手は良好です。
BFボトル取り付け部
Magic Boxに付属のボトルは二本で、白っぽい方がシリコン製で柔らかく、使い心地に優れています。もう一方、半透明ブラックのものは樹脂製で若干硬く、携帯用キャップも付属するので予備としてリキッドを入れて持ち運ぶこともできます。
分解
Magic Boxを分解してみると、やはり基板は搭載されていません。筆者は分解手順を誤ってしまいましたが、通常分解するときはコンタクトから外すのが正解です。通電のための金属部品には金メッキがほどこされ、絶縁もしっかり施されていることがわかります。
リキッド漏れなどのトラブル時を除き、分解することはないかと思いますがことはないかと思いますが分解時にはプラパーツのは破損に注意を払う必要があります。
最近リリースされるメカニカルスコンカーMODはこの製品のように、通電部がカバーされているものが多いですが、これは小さな金属部品が詰まってしまうなどの事故を防ぐためだと思われます。
アトマイザーを載せました
ビルド
ビルドの際には本キットだけではビルドできません。必ずテクニカルMODもしくはオームメーターで抵抗値計測及び、ショートの確認をしましょう。
ビルドは今回、付属のクラプトンワイヤーでビルドしています。
アトマイザー的に単線ビルドでは役不足なので、必然的にクラプトンワイヤーなど、熱量を確保できるワイヤーを用いることになりますが、ビルドのしやすさは他のベロシティタイプのデッキを持つアトマイザーと変わりはありません。
実測抵抗値が0.28ohmなのでシングルバッテリーのメカニカルでもギリギリ許容する抵抗値です。
気をつけなければならないのは、キャップの高さが低いので、上部の空間が狭いことです。今回のビルドではギリギリ上までコイルの高さをあげています。
コイルは付属のものを使用しましたが、ウィックは好みに合わせてNatieWicksを使用しました。
吸ってみたところ、クラプトンコイルを用いてもドローが軽いため、味よりみ発生ミスト量を多くするのを優先している印象で、個人的にはウィックで若干エアホールを塞いでやり、ドローを重くすることで好みに近づけることができました。基本的には爆煙ユースのでドリッパーであると感じます。
使い方
ビルド後にテクニカルMODなどでショートがないことを確認した上で、MAZE v1.1 RDAをMagic BOX MODに取り付けます。
MAZE v1.1 RDAを取り付けたのち、Magic BOX記載のバッテリー収納方向をよく見て、その向きに合わせてバッテリーを収納します。
バッテリーを収納したら、スコンカーボトルにリキッドを注いで準備します。いちいちスコンカーボトルを取り外すのが面倒な場合は、FLASK LIQUID DISPENSERなどのリフィルボトルが便利なので導入を検討しても良いでしょう。
感想とまとめ
コストパフォーマンスに優れたメカニカルスコンカーキット!!
海外通販とはいえ、4千円以下でキットが入手できるコスト面のメリットは大きく、価格設定が非常に良心的だと思えます。
製品内容に関しては22mmコンパクト爆煙ドリッパーと、重量感のある金属製メカスコMODのセット。爆煙ユースで、デザインが心に刺されば検討すべきだと思いますが、重量の重さを忘れてはいけません。
メカスコキットは冒頭に書いた通り、各社から様々なバリエーションがリリースされていますので、その選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
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