INNOKIN「イノキン」のVAPEアトマイザー、Ares RTA「アレス アールティーエー」のレビューです。
VAPEデバイスのブームとして、MTL(口吸い、タバコのような吸い方。マウス・トゥ・ラング)に向けた製品が次々にリリースされています。
当サイトでも、MTL向けリブルタブル・タンク・アトマイザーのレビューは昨年から多くレビューしています。
一度ブームというか、火がつくと各社から矢継ぎ早に製品がリリースされるのがVAPE業界。
主にアトマイザー製品をメインに扱うメーカーの製品ばかりでしたが、今回はテクニカルMODやスターターキットを多くラインナップする大手メーカー、INNOKINからのリリースです。
ちなみにAresの名前は、おそらく ギリシャ神話のオリンポス十二神の一で、戦いの神。
VAPE製品は神話などから名前が囲繞されるものが多いですね。
それでは、早速レビューして行きます。
商品提供:INNOKIN
パッケージと内容品
シンプルなパッケージのデザイン。製品イラストが書かれています。
背面には内容品情報や注意書きの記載。
そして、シリアルナンバーとスクラッチ式セキュリティコードの記載されたステッカーが貼られています。
セキュリティーコードはINNOKIN公式WEBサイト所定のフォームに入力することで、登録されたコードかどうか表示される仕組みで、製品が偽造されたものでないか証明される仕組みです。
スリーブ式の外パッケージの中に、スライドで取り出せるインナーボックスが入っています。
インナーボックスには2人の写真が。これは有名な写真なのでしょうか。Innokin公式サイトの商品説明ページに2名の名前があるので彼らの写真なのかもしれません。
内容品一覧
- ARES RTA アトマイザー本体
- オーガニックコットン
- プリメイドコル*2
- ワイヤー1m
- 予備パーツ(スモークガラスチューブ、デッキネジ、カラーパッキン)
- エクストラ ドリップチップ
- ビルド用ドライバー
- Phils Build Tool
- Dimi build tool
- ユーザーマニュアル
説明書は英語で記載されたものが入っています。
英語がわからなくてもわかりやすい図解入りなので迷うことはないと思いますが、このレビューでも詳細を書いて行きますのでぜひ参考になさってください。
Ares RTA の詳細
多くのMTL向けRTAと同様のスタンダードなデザイン。デザインはシンプルながら、メーカーロゴや製品名、そしてリキッドチャー部分のプリントなど文字情報が多く、実用重視と言った印象を受けます。
24mmサイズかつ全長も4cmオーバーとボリュームを感じるサイズ感で携帯性に優れているとは言えない反面、5mlものリキッド容量を確保し、リキッド燃費の良いMTL向けアトマイザーとしては十分すぎるスペックを誇っています。
ペイントや金属の質感、ディティールなどはそつなく作られており、さすが大手メーカー製品といった出で立ちです。
スペック
リキッド容量 | 5ml |
直径 | 24mm |
全長 | 42.16mm(DT・スレッド含まず) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510DT |
コイル | RBA シングルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー |
素材 | ステンレススチール |
INNOKIN公式サイトより
分解
本体を構造別に簡単に分解すると、写真左から ドリップチップ / タンク / デッキ となります。
ドリップチップ
ドリップチップの取り付け部分は、アフターパーツが多くリリースされる汎用規格510が採用されています。付属品のドリップチップは2種類で、形状も仕様も異なる黒い樹脂製のドリップチップが付属します。
シンプルなルックスの内径ストレートのドリップチップが初期状態でセットされています。
全長17mm、露出部の高さ12mm、外径10mm、内径4mm。
エクストラとして付属する、中間部分がえぐられた通称”くびれタイプ”のドリップチップは内径が若干テーパードしています。
全長17mm、露出部の高さ12mm、外径10.5mm、内径5→4.5mm(テーパー)。
タンク
AresRTAのリキッドチャージはトップフィリング方式。大手メーカー製品らしく、デザインよりもわかりやすさ優先で、アトマイザーの上部には “PUSH TO FILL” と矢印が書かれている部分があり、この部分を押してトップキャップ内のリキッドホールからリキッドチャージ可能です。
パーツを着脱することなく、スライドさせるだけでチャージできるため、利便性を重視した仕様です。デメリットとしては分解ができないので、神経質な人はこの隙間が完全戦場には向かないと思われるかもしれませんが、通常あまりきになる部分ではありません。
多くのスライド式トップキャップを持つアトマイザーと同じく、全開時と全閉時には、中に仕込まれたボールで、スライド部分がロックされるようにデザインされているので、不意に開いてしまったり、チャージ中に閉じてしまうことが無いように配慮されています。
そしてこのタンク部分はトップパーツにOリングを介して接続されており、注意深く外すことでタンクにリキッド残量がある状態でもデッキを取り外すことができるので、リウィックやリビルドの利便性が高く、使い勝手が良い設計です。
ただし、逆さまにした時にタンク内の”ARES MTL RTA”と書かれた部分より水位が高い状態(タンクにリキッドが満タン近くある場合)は取り外すことができません。
このタンク内、チャンバー部分の天井は綺麗なお椀型。ドーム形状になっています。
そして予備のガラスチューブは薄い色がついたものが付属します。
エアフロー
エアフローはコイル下から空気を取り込むボトムエアフロー。効率よくコイルを冷却し、ミストを口まで運びことで味に定評がある機構です。しかし、味に優れている反面、構造的に漏れが完全に防ぐことができず、RTAにおいてはウィッキングにコツが必要であり、慣れないとリキッド漏れを招くことがあります。
このエアホールの周りにはエアフローリングが設けられ、エアホールをトリミングして取り込む空気量を調整し、ドローの軽さを調整できます。
このエアホールに関しては説明書に記載がある通り、調整のバリエーションが豊富。
長方形の窓の外に、エアホール一つ分の窓も空いているので、エアホール一つをトリミングすることで、好みのドローを探ることができます。
ポジティブピン
ポジティブピンには金メッキが施され、サビを防ぎ、通電不良を防ぎます。ポジティブピンを抜いてもデッキのポジティブ側は圧入されているようで、外れなかったため、ネジを緩めて使うことで調整可能だとも言えますが、不慮の事故防止のためにもネジを緩めて使うのは危険です。
デッキ
デッキは2ポール2スレッドデッキで、シングルコイル前提のデッキ。デッキデザイン自体は他メーカーでもよく見る形状なのでオリジナルティはありません。デッキは宙に浮かんだようになっていて、ジュースホールがボトムにあり、下からリキッドを供給する形状です。
エアホールが中央にあるボトムエアフローの典型的なデザイン。個性的なのは、エアホールが9つの小さい穴になっている点。この部分は固定式で、イモネジなどで調整することはできません。
このエアホールとジュースチャンネルの間にはしきりのようなものが配置されており、リキッドも伝もれに配慮されたものと推測されます。
ジュースホールが大きく、粘度の高いリキッドにも対応できる仕様です。供給量の調整幅が高い仕様です。
スレッドから、チャンバーまでは若干距離があり、コイルレッグが若干飛び出しても短絡が起きないように配慮された配置です。
ビルド
ビルドです。付属品にビルドのツール(ジグとドライバー)が付属するので、初めてRBAをビルドするユーザーにも優しい付属品が特徴です。ワイヤーも付属するので、コイルを試しに巻いて見るもよし、プリメイドコイルをセットするも良しです。
ジグのポールがスクリューになっているものは、スペースドコイル用のジグで、このスクリュー部分にワイヤーを巻きつければ簡単にスペースドコイルが巻くことができます。
今回は付属のスペースドコイルをセットしました。カンタルワイヤーだと思われ、3.0mm、7ラップで、抵抗値は1.0ohmでした。
MODにセットしてドライバーンします。一部に熱が集中していないか、正常に熱が入るかをチェックします。
ウィックだけは付属のものではなく、NATIVE WICKSを用いました。ウィックによって保持力や吸い上げなど細かく異なるので、味も変わるので好みのウィックを探すのも面白いと思います。
コットンレッグはタンク下まで伸ばしてやり、タンクの底のリキッドまで吸い上げられるようにしています。
ビルドが終わったらタンクを取り付け、トップフィルでリキッドをチャージすれば使うことができます。
使用例
Smoant/Charon 218W Box Mod (18650デュアル)
感想とまとめ
付属品が充実!大手メーカーならではの配慮が初心者にも優しいMTLタンク!
ビルドやドリップチップなどの付属品が充実しており、初めてのRBAアトマイザーとしてもちろん推薦できるVAPEアトマイザーで、特にタバコから移行したユーザーの初RTAに向いています。
理由はMTLに特化しているからで、タバコに近いドローでVapingできます。
その他のマスプロMTL RTAのと差ですが、デッキと外に露出しているエアホールが比較的大きいので、極端なタイトドロー向きではありません。程々までしか絞れないので超タイトドロー好きには物足らないドローです。
そして、わかりやすい反面、ルックス的にはあまり良いとは思えないプリントや刻印も個人的にはマイナスポイントですが、使い勝手的には申し分ないと思える仕様です。
24mmのサイズ感が許容できるユーザーには、5mlと大容量のリキッド容量も使い勝手の良いアトマイザーだと思います。
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