EHPRO「エプロ」のVAPEアトマイザー、Bachelor X RTA「バチェラー エックス」のレビューです。
EHPROのBachelorといえば、2年ほど前話題になったアトマイザーで、今回の製品はその製品名を再び用いたものになります。
しかし、同じ製品名を用いているとはいえ、仕様や用途は別の機種になり、直径25mmサイズ、810ドリップチップ、シングルコイルデッキのミスト量多めのDL向けRTAとなっています。
それでは詳細をレビューしていきます。
商品提供:VapeSourcing
詳細
Bachelor X RTAは中国深センのVAPEブランドであるEHPROがリリースするRTAアトマイザーです。EHPROはスターターキットやリブルタブル製品を含め、多くの製品をリリースしており、本サイトでは以前今回の製品の前身とも言えるBachelor Nano RTAをレビューしたことがあります。
今回レビューするBachelor X RTAは直径25.2mmサイズ、センタービルドシステムを持つシングルコイル前提のデッキが特徴です。
現代的なルックス。Bachelor Nano RTAでは工業製品的で実用のみしか考えられていないようなデザインでしたが、他メーカーのマスプロダクツ同等程度の見た目だと言えます。
金属の質感はそれなりで、高級感は感じませんが、バリや面取りなど実用上は問題ない製品クオリティです。
スペック
リキッド容量 | 3.5ml/5ml |
直径 | 25.2mm |
全長 | 43mm 33.5(DT・スレッド含まず) |
重量 | 51.5g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 810DT |
コイル | RBA シングルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー |
素材 | ステンレススチール |
パッケージ・内容品
製品イラストを用いたパッケージデザイン。黒を基調にしたシックなデザインで、赤が差し色になっており、安っぽさは感じないデザインです。
背面には製品の概要などが書かれています。セキュリティーコードの記載されたステッカが貼られており、製品の偽造防止を意識していることがわかります。
内容品一覧
- Bachelor X RTA アトマイザー本体
- 予備パーツ(ガラスチューブ、Oリング、イモネジなど)
- ビルド用六角レンチ
- オーガニックコットン
- 書類(ユーザーマニュアル、クオリティーチェックカード)
書類は基本的に英語で書かれており、日本語の記載はありませんが、写真による説明も入っていて言葉がわからなくても理解できるように配慮されています。
分解
アトマイザーを分解してみると、写真のように左から ドリップチップ / タンク / デッキ に分解できます。
ドリップチップ
本体に付属のドリップチップは1種類。マウスピースともなる部分で取り外し可能です。
ドリップチップの取り付け部分は、ハーフインチサイズ(810DT)。汎用性が高く、市販のハーフインチサイズドリップチップをそのまま取り付けることもできます。アトマイザー側にOリングが設けられています。
付属のドリップチップはPEI樹脂製。耐熱性と耐薬品性に優れた素材で、アトマイザーで発生した熱を唇まで伝えづらいのも特徴です。
全長13mm、露出部の高さ8mm、外径16mm、内径9.5→12mm。
タンク
リキッドを3.5mlも蓄えることができるタンク。このタンクへのリキッドチャージはトップフィルで手間なくできる仕様。キャップの側面には溝が刻まれていて、取り外ししやすいよう配慮されています。
トップキャップを外すと大きくリキッドチャージホールが設けられており、リキッドチャージが楽にできることがわかります。また、先端の太いボトルでのチャージも可能です。
タンクは逆さまにして外すことによって、リキッドが残っていてもデッキにアクセスできるので、リキッドがタンクに残っていてもコイルのリビルドやリウィッキングを途中ですることができるので便利です。
このような使い方を想定してか、ガラスチューブとトップパーツとの接続には幅広のパッキンが用いられているのも嬉しい点です。
チャンバー上部はチムニーに向かってテーパードしており、ミストの流れを意識した仕様です。
5mlタンク
標準3.5mlタンクの他に、リキッド容量を5mlへとアップできるガラスチューブも付属します。ただし、この5mlタンクに交換した場合、直径がこの部分のみ28mmへと増すので、搭載するMODによってはサイズに制限があるので注意が必要です。
5mlタンクはルックスも個性的。容量アップの使い勝手だけではなく、見た目の好みでこのタンクをセレクトするのも良いと思います。
エアフロー
エアフローはボトムエアフロー構造を採用。コイルの下にエアーを当てることにより、効率的にコイルを冷却するとともに、その空気の流れにミストを乗せることができるので味に定評のある構造です。反面、ビルド次第ですが、漏れが発生するリスクがあります。しかし、リキッドを貯めることができる構造のアトマイザーで完全に漏れを防ぐことは構造上できないので、ビルドが適正であれば実用上問題はないと思います。
このエアホールは左右2箇所設けられています。
ボトムエアフローのエアホールには、ホールの大きさを調整することのできるエアフローリングを装備しており、ドロー(吸い込み)調全開から全閉までの間、無段階で調整可能です。
デッキ
デッキはシングルコイル前提のデッキ。メーカー曰く「センタービルドシステム」と銘打っており、2ポール4スレッドで、コイルレッグの向きに合わせてスレッドを選択できるビルドの利便性を考慮したデッキ。
デッキセンターには大きく開いたエアホール。デッキには金メッキが施されています。エアホールはジュースチャンネルから一段上がった場所にあり、リキッドの伝い漏れを防ぐデザイン。
ジュースチャンネル、エアホールともに大きく、熱量の高いコイルに対応するデッキデザインです。
スレッドにコイルを固定します。固定用のネジは六角のイモネジです。
デッキは宙を浮いたような構造で、デッキの下からリキッドを供給するデザインです。
ポジティブピン
ポジティブピンにもデッキ同様に金メッキが施され、通電性アップと、腐食による通電不慮などを防ぐよう配慮されています。デッキのポジティブポールはこのポジティブピンを抜いても引き抜くことが容易ではないのでポジティブピンを緩めれば出っ張り具合を調整することはできると思われますが、筆者個人的にはネジの脱落やポール外れなどの不慮の事故を招く可能性があるためにオススメはできません。
絶縁体であるPeekインシュレーターとは別に、リーク防止のOリングが用いられている点に、メーカーとしての丁寧さを感じます。
MODに載せてみました
Eleaf / iStick Pico 21700 (21700/18650シングル)
Eleaf / TESSERA (3,400mAh内蔵バッテリー)
Modefined(Lost Vape) / Sirius 200W (18650デュアル)
ビルド
ビルドしていきます。仕様からもわかる通り、シングルコイルながらDL向け。爆煙志向よりのアトマイザーですので太めのワイヤーで巻いていこうと思います。デッキのネジは六角レンチで緩めることができるので、コイルの巻き方に合わせて緩めます。
コイルを巻いたら、一方のイモネジは外してしまうと楽にマウントできます。もう一方のイモネジは外さずに、溝の中を通すようにしてコイルを設置します。
カンタル24G、3.0mm、6raps。コイル的に役不足だと思いますが抵抗値なども考え、この程度に留めます。仕様的にはメーカーの写真の通り、クラプトンコイルを用いるのが正解だと感じます。
コイルを仮設置したら、コイルレッグの長さを決めたのちにイモネジを締めます。
その後コイルジグを使って、コイルの高さを調整します。ビルドはこれ以上無いというほど簡単な部類に入る機種です。
ボトムエアフローなので、セオリー通りエアホール直上に設置。コイルと比較してみても、デッキのエアホールがかなり大きいことがわかっていただけると思います。
コイルビルドが完了したら、ウィッキングします。コットンにはNativeWicksを使用しました。
このデッキが宙に浮いているタイプは、ジュースチャンネルを適当に埋めてやり、あとはエアホールにウィックがかからなければOKなので、詰め過ぎに気をつければ比較的ウィッキングは簡単だと個人的に思います。
ビルドが終わったら、ウィックにリキッドを供給したのち、タンクを取り付け、リキッドチャージすれば準備完了です。
使ってみましたが、エアーを絞れば今回のビルドでも十分だと感じますが、デッキのエアホールが大きいため、本領を発揮するのはクラプトンコイルなどを用いるのが良いかと思います。
感想とまとめ
シングルコイルの爆煙志向RTAアトマイザー!!
ミストを多く発生する「爆煙」ニーズながら、デュアルコイルはビルドが面倒!というニーズに合わせたもので、シングルコイルの運用性の良さをクラプトンコイルで補う考え方に合っている製品です。
ドローは全開ではスカスカで、チャンバー容量も十分。チムニーはあまり絞られていないので、爆煙ドリッパーのようなダイレクトかつ多くのミストを楽しめます。
「凡庸な仕様だし、似たような製品を過去にレビューしたはず」と思いレビューを見返してみるものの、ニッチなニーズなのか同ジャンルの製品はあるものの、デッキデザインやエアホールの仕様など、同様の製品は見当たらなかったため、25mmサイズを許容できるユーザーには良い選択肢になると感じました。
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