WISMEC(ウィスメック)のVAPEアトマイザー、KESTREL「ケストレル」のレビューです。
メッシュヒーターという独自のシートコイルを搭載したRDTAタイプのアトマイザーです。リブルタブルタイプでありながらコイルビルドを必要としないので簡単に使える?
このアトマイザーの特徴
- シートタイプコイル採用!スコンカーで使えるタンク搭載アトマイザー
こんにちは、Hiroです。
このKestrelは単体でも販売されている商品ですが、テクニカルスコンクスターターキット『LUXOTIC SURFACE』の付属品として入手される方が多いと思います。
キットのレビューは別記事にて記載していますのでよろしければこちらもどうぞ。
それでは、VAPE専門レビューブログを1200日以上ほぼ毎日更新を続ける筆者が詳細をレビューしていきます。
商品提供:VapeSourcing
WISMEC KESTRELの詳細
KESTRELはスコンクスターターキットのために開発された『スコンカー対応アトマイザー』です。
このKESTRELにはシート状のメッシュヒーターが採用されていて、シートコイルをRDTAデザインのアトマイザーに用いるという画期的な構造で、今までになかった発想を形にした製品です。
スコンカーでも簡単に手間いらずで使えるアトマイザーとして開発されています。
ちなみに、ケストレルの名前は『小型のハヤブサ』の名称に由来しているようですね。
構造はこのようになっていて、デッキ部分のデザイン以外はRDTAと同じような構造です。
カラーは3色ですが、ボディーカラーは3つのバリエーションとも共通で、ドリップチップ部分のみ異なるバリエーションが用意されています。
スペック
リキッド容量 | 2ml(4mlバージョンもラインナップ) |
直径 | 24mm |
全長 | 36.7mm |
重量 | 34.6g |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 810DT |
コイル | Mesh Heater |
リキッドチャージ | サイドフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー |
マテリアル | ステンレス、ガラス |
メーカー公式サイト | https://www.wismec.com/product/kestrel/ |
ディティール
ドリップチップ
付属のドリップチップはレジン樹脂製。スペックは内径8mm→5.5mmにすぼまる構造。マーブル模様の見た目にこだわった810DTがプリセットされています。ハーフインチ互換サイズの汎用ドリップチップに交換して取り付けることもできます。
トップキャップ
トップキャップには対角線上に2つのエアホールが設けられていて、デッキエアホールをトリミングするAFC(エアフロー調整リング)としても機能します。
ドローは無段階で、全開から全閉まで調整可能です。
トップキャップ裏側はドーム上やテーパードしてはおらず、フラットデザインです。
キャップ内部にはストッパー(周り留め)の溝が彫られてるので、ある一定以上は回らないようになっています。そのため、キャップをつまんでMODからの着脱が可能になっています。
メッシュヒーター
このKESTREL最大の特徴がコイル部分。通常のワイヤーコイルではなく、シート状のメッシュヒーターを採用しています。
サイドエアホールから取り込まれた空気は、メッシュヒータの上部に供給されてミストを発生する構造です。
WISMECのサイトではMesh Heaterとしか説明されていませんが、このシートコイルには見覚えがあります。そうです、JoyetechのNCFilmヒーターとそっくりです。
おそらくは同じ部品の流用パーツでしょう。WISMECはご存知の通りJoyetechやEleafと同系列企業なので、ベーステクノロジーや一部パーツを流用していることでも有名です。
ちなみにメッシュヒーターの抵抗値は実測0.28Ωでしたので、抵抗値的にも仕様が合致します。
ウィックのみを交換できる構造になっていますが、若干手間がかかります。CUBIS MAのように、デッキ部分を外しただけではウィック交換ができず、細かいネジや複数の部品を取り外す必要があります。
この部分については、ビルドの項目で詳細を記載しています。
タンク
タンク部分は簡単に分解できるようになっているので、洗浄時に工具いらず。素手で簡単に取り外すことができます。ベースパーツとガラスチューブの2ピース構造で、一般的なRDTAと同じような作りです。
タンクにはサイドフィルでリキッドチャージします。トップキャップを持ち上げると、エアホールとは別の穴、デッキサイドにリキッドチャージホールが設けられているので、チャージするときはアトマイザーを倒して、側面からリキッドを注ぎます。
チャージホールはオーバル型で大きい形状なので、先の太いボトル(スポイトボトル)などでも問題なくチャージすることができます。
ポジティブピン
ポジティブピンはノーマルピン・スコンクピンとも金メッキ加工されていて、導電性と耐腐食性を兼ね備えた使用を採用。アトマイザーボトムには『KESTREL』と『WISMEC』のロゴがエングレービングされています。
ポジティブピンの出っ張り具合の実測は0.57mmでした。
ポジティブピンはタンクのボトムパーツ固定ネジ兼用となっていて、そのままデッキのポジティブ側を固定する構造ですので、ピンを緩めて出っ張り具合を調整することはできませんので、しっかりとポジティブピンを締めて使用します。
しかし、プリセットされているスコンクピンが破損しやすいので注意が必要です。レビューした個体は分解組み立て時に少しのトルクをかけただけで簡単に折れてしまいました。
スコンクピンはネジに穴を開けているので元々破損しやすいのですが、それにしてももろ過ぎました。個体差の可能性もありますが、分解時には注意して作業する必要があります。
そのため、今回のレビューではスコンクして使うことができませんので、ノーマルピンを使用してのレビューとなります。
KESTRELのビルド
それではビルドです。とはいっても、メッシュヒーターを採用しているのでコイルビルドは必要ありません。ですが、分解が必要なので手間いらずとはいかないのがKESTRELの構造です。
トップキャップを外しただけではウィック(コットン)の交換ができず、若干面倒な作業が必要となっています。
手順は以下の通りです。
- 2本の小さなネジを外してインシュレーターを外す
- メッシュヒーターを取り外す
- ウィックを交換する
RBAと比べればコイルビルドが必要ないので時間は短縮できますが、それでも小さく紛失しやすいネジを2本も外してインシュレーターとヒーター、ウィックを外す手間は面倒です。
凝った構造になっているので、ウィックだけを外すことができないのが難点です。
また、メッシュヒーターの下にウィックを敷かなくてはならないので、コットンの消費量が多いのも欠点と言えるでしょう。
コットンはデッキに敷くようににしてセット。ウィックレッグはジュースチャンネルに通していきます。タンクの下まで届かせる必要はなく、プリセットされているコットンをお手本にしてジュースチャンネル(タンクとつながっているホール部分)を塞げばOKです。
ピンセットを用意すると手際よく作業できるので、必須ではないですが別途用意すると良いでしょう。
感想
ウィック交換に手間がかかる
シートコイルを使っている理由は「コイルビルドいらず」事と「手間がかからない」という2つの理由からだと思います。
確かにコイルビルドは必要ありません。
しかし、手間いらずというわけではなく、逆にウィック交換のみにフォーカスすると一般的なワイヤーコイルビルドのRBAの方が簡単で手間いらずです。
ウィック交換が結構面倒なんですよ。しかも、小さいパーツを外さなくてはならないので煩わしい。
スターターキット用に簡単に手軽に使える機種を開発したはずが、あまり成功したとは言い難い完成形です。
味が良くない?
しかも、味が良くないです。
良く言えば淡く上品な味とも言えるのですが、爆煙アトマとして味が薄いのは致命的。めちゃくちゃ薄いです。
というのも当然で、エアフローがコイル上部に供給されるトップエアフローのような構造なので味は出なくて当然かと思います。
かつてこんなに味が薄いアトマがあっただろうか?というほどの味の出方。
若干炊き気味(4.2~4.4v)にすると多少味が濃くなりますが、今度ではリキッド供給が間に合わずに焦げ気味の味がします。この後まで味を出すのは無理でしょう。
まとめ
シートコイル採用でコイルビルドが不要なのは大きなメリットですが、残念ながらウィック交換が面倒な上に、味も良くないという残念な結果になってしまいました。
キットの付属品としてだけでなく、アトマ単体での販売も行われていますがスターターキットのおまけ程度の完成度です。わざわざ買う価値はないでしょう。使い勝手も味も良くないのですから当然です。
しかし、一応提供品ですので商品リンクを貼る事をお許しくださいませ。
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