OBS「オービーエス」のVAPEアトマイザー、Engine II RTA「エンジン2」のレビューです。
VAPEはリキッド(液体)を使うから、漏れが気になる??液体を使うので完全に漏れを防ぐことはできませんが「漏れにくい」アトマイザーもあるんです。それが「トップエアフロー構造のアトマイザー」です。
このアトマイザーの特徴
- トップエアフローでリキッドが漏れにくい構造
- 26mmの迫力あるサイズに5mlの大容量タンク
- デッキはデュアルコイル専用
OBSでは以前から、このトップエアフロー構造のアトマイザーを展開しています。
それがENGINE RTAシリーズです。
OBSの個性的なデザインのアトマイザー。
後継機であるバージョン2がリリースされました。
早速レビューしていきます。
商品提供:VapeSourcing
詳細
OBSの個性的なトップエアフローRTAの後継機です。
初代ENGINE RTAからあまり変化していないルックス、初代も同じように個性的でしたからね。
ただし、トップキャプ周りなどディティールを見てみるとシンプルになっていて、MODとのマッチングに気を使わなくて良くなったようにも感じます。
ただし、ロゴなどの主張は相変わらず強めで、このテイストが好きなユーザー向けの製品ですね。
そして、初代25→26mmに。更にボリュームアップしたサイズ。
外見だけではなく、デッキもかなり個性的です。
スペック
OBS Engine II RTAのスペック
リキッド容量 | 5ml |
直径 | 26mm |
全長 | 42.3mm(DT、スレッド含まず) |
重量 | 56.3g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510DT |
コイル | RBA デュアルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | トップエアーフロー |
素材 | ステンレススチール |
OBS公式サイトより
パッケージ・内容品
パッケージはOBSらしいシンプルなカラーリングに、コーポレートカラーのイエローが鮮やかなデザインです。
側面には製品の偽造防止スクラッチコード入り。
内容品一覧
- OBS Engine II RTA アトマイザー本体
- 予備パーツ(ガラスチューブ、Oリング一式、デッキイモネジ)
- ビルド用プラスドライバー
- コットン・プリメイドクラプトンコイル
- ユーザーマニュアル・注意書き
コンパクトな箱の中にはアトマイザー本体に予備部品、ビルド用のコイルやコットン、そしてマニュアルなどが入っています。説明書は英語です。
分解
アトマイザーの構造を理解するために軽く分解してみました。
写真のように左から
- デッキ
- タンク
- ドリップチップ
に分けることができます。デッキとタンクは更に細かく分解可能です。
上部のパーツから順番に詳細を見ていきます。
ドリップチップ
ボリュームのあるサイズのドリップチップは以外にも510規格のものです。
そのため、付属品以外の汎用510ドリップチップでも接続可能です。
好きなドリップチップに交換可能です。
付属ドリップチップは510DTとは思えない迫力のサイズ。
素材は公開されていませんが、樹脂です。
マーブル模様が微妙ですね、、、 大理石チックなルックスのドリップチップ。
全長15mm、露出部の高さ9.5mm、外径18.3mm(土台部分) 15mm(咥える部分)、内径5→9mm(途中で急激に広がるタイプ)
トップエアフロー
このEngine II RTA最大の特徴がこのエアフローデザインです。
トップエアフロー構造で、アトマイザーの上部から空気を取り込み、その空気はチャンバーの外側を通りデッキ下部まで導かれます。
導かれた空気はコイルの下から供給される構造。
そのため、コイルから考えれば「ボトムエアフロー」なのに、デッキ下からリキッドが漏れるデメリットを排除した「いいとこ取り」のデザイン。
初代はトップエアフローで導かれた空気はコイルの上から供給される方式だったので、ここが大きく違います。
ただし、デメリットもあります。
それは、チャンバー周囲に空気の通り道を作らなくてはいけないのでその分アトマイザーのサイズが大きくなってしまいます。
そのために、このEngine II RTAも26mmと標準的なアトマイザーに比べて大きなサイズになっています。
タンクの構造
リキッドチャージはトップサイドフィルで行います。
タンク上のOBSロゴが入っているパーツを上に引っ張り上げると、このパーツがスライドして持ち上がります。
そこにはリキッドチャージホールがあり、ここからリキッドを注ぐことができます。
わざわざパーツを外す必要がないので、手間がかかりません。
そして、パーツを無くす心配もありません。
また、このリキッドチャージホールの上下にはリキッドが伝ってもれないようにOリングが設けられています。
本体を逆さまにして外せばタンクにリキッドが残っていてもデッキにアクセス可能です。
リキッドが残っている状態で、リビルドやリウィッキングができるので、リキッドを無駄にしません。
どんなタイミングでもデッキを外すことができます。
このタンクはガラスチューブと金属パーツの2つのパーツで構成されています。
金属のパーツは非分解式。分解して洗浄することはできません。
しかし、水洗いや超音波洗浄すればほぼリキッドなどが残ることはなく、エアブローすることで水滴もほぼ切ることができます。
そしてチャンバートップはドーム形状です。チムニー内径は6mm。
タンクとデッキには凸凹のハマる部分があります。これは無造作ににタンクを取り付けても回していけば溝同士が噛み合うようになっています。
ただし、ビルド後にウィックが少し飛び出しているなどすると、うまくはまってくれずに手間取ることがありました。
デッキ
今までに見たことのないポスト形状で、デッキはかなり個性的です。
ポストの下にコイルをぶら下げるデザインで、2ポスト4スレッドのデュアルコイル専用デッキです。
ジュースチャンネルが4箇所あるので、これをウィックで埋める必要があります。
エアフローも片側だけ塞ぐことができないので、シングルコイルでの運用は実用的ではありません。
デッキのサイズは直径16mm。
アトマイザー本体の直径が26mmなのとボリュームがあることを考えれば小さいサイズのでデッキです。
これはリキッドの容量と、トップエアフローの空気の通り道を確保しなくてはならないためです。
先にデッキサイズを16mmで設定すると、最終的にアトマイザー外形が26mmになってしまったということでしょう。
コイルレッグ固定用ネジはプラスドライバーで操作します。
ポストが上にあるので指が入りづらく、ビルドが大変そうです。
チャンバー部
デッキの上部にはスペースはあまりありません。
そもそも、デッキのポールが上にあるので、コイル位置の自由度はあまりありません。
そして、発生したミストはポストにぶつかってしまい、液化してしまいそうです。
チムニーが細かったり、チャンバーにスペースがないとミストがぶつかって液化してしまいます。
そうすると味はその分薄くなることが多いのです。
ただし、スピットバック(コイルで爆ぜたリキッドの粒が口に入ってくる)や荒い粒子のミストは口まで届きません
その分、ミストが細かくふわっと感じたり、上品な味に感じることがあります。
そこは使ってみないとわからないので実際に使ってみたいと思います。
ポジティブピン
底面にはOBSとENGINE II、そしてシリアルナンバーのエングレービングが入っています。
これは当然パッケージに貼ってある偽造対策ステッカーと同じシリアルナンバーで、ユーザーの手に届くまでに中身のすり替えなどが起こっても確認できるようになっています。
そして、ポジティブピンはクリアロマイザーのように固定式です。
分解できません。
0.75mm程度突起しています。
強く押してもピンが動かない構造なので、ポジティブピンにバッテリーが直接触れるハイブリッド接続にも対応します。
しかし、工業製品には誤差があります。
実際のポジティブピンの状態を確認して使うのを推奨します。
ビルド
ビルドですが、事前に言っておきます。慣れないとかなり大変です。
コイルを巻いてからポストに固定しようとしますが、ワイヤーが逃げてうまく固定できないのです。
ワイヤーを指で逃げないようにしよとしますが、ポストが邪魔で指が入りません。
何故ワイヤーが逃げてしまうのか?と言えば、固定ネジの回転でワイヤーが動いてしまうからです。
そのため、コイルレッグを固定するコツとしては、逃げてしまう方のポスト側を先に固定するほかありません。
写真のように逃げてしまう方(ねじは時計回りに締め付けるので、向かって右側のポスト)を先にどうにか固定するしかありません。
最初ビルドがすごーく大変で、、、
でも徐々に慣れてきて、数回ビルドすれば全く普通に組めました。
OBSの方、ごめんなさい!
カンタル24ゲージ 3.0mm 6巻
逃げてしまう方のワイヤーレッグが固定できれば後は簡単です。
もう片方のポストはネジを締め付ければ、ワイヤーは逃げるとは逆にポスト側に寄っていくので簡単に固定できます。
ある程度固定できたらコイルの中にジグを通して、コイルの向きと位置を調整します。
コイルが固定できたら、余分なコイルレッグを切断します。
コイルレッグはポストの上に飛び出す構造なので、雑にカットしてもチャンバーパーツに触れて短絡することはありません。
コイルの位置はエアフロー直上に置くほかなく、あまりコイル位置に自由度はありません。
コイルをエアホールに近づけすぎると、コイルからエアホールにリキッドが伝ってしまいます。
トップエアフロー構造なので、伝ったリキッドはボトムから漏れることはありませんが、リキッドがたまりすぎると「ジュルり」などの原因になってしまいます。
ウィッキングして、ジュースチャンネルからコイルにリキッドを供給します。
このウィックもエアホール周りにかからないようにします。
MODに載せる
26mmの迫力あるサイズ。
そして個性的なルックスから、合わせづらい印象があります。
しかし、ロゴの主張があるのに、デザイン自体は意外にもシンプル。
そして、ボトム部分が細くなっているのもポイントで、乗せるアトマイザーはあまり選びません。
ただし、やはり大きいので、小さめのMODにはあまり合わないと感じました。
まとめ
トップエアフローの漏れにくいRTAで、見た目がユニークなENGINE II RTA。
トップエアフローでありながら、コイルの下から空気を供給することで、ミスト量だけでなく「味」も重視した構造です。
デッキは、ポストがミストを遮断しているように感じましたが、実際吸ってみると「なんかすごく甘い」です。
ドリッパーではコイル位置を上げると甘みが強調されますが、このEngine 2 RTAは普通に組んで甘みが強い。フレーバーのディティールはぼやける印象です。
どういう原理なんだろう。。。理解不能です。
さらに味を向上させるには、チムニー6mmでドリチのボトムが5mmというミスマッチを修正すれば簡単にフレーバーのノリを向上させることができます。
見た目の大きさから「超爆煙RTA」を想像させますが、デッキサイズやチャンバー容量的に単線ビルド程度のミスト量がよく合うアトマイザーだと思います。
ルックスだけでなく味に個性があるので、リキッドがフィットすればかなりアリだと思います。
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