Ystar(ワイスター)のVAPEアトマイザー、HELLDEMONS RDA「ヘルデモンズ」のレビューです。
直径20mmサイズに特徴的なデッキエアホール、天然石を使ったドリップチップなど個性的な仕様のMTLドリッパーです。デザインも個性的なアイテム、果たしてその性能は?
このアトマイザーの特徴
- 直径20mmという激レアなサイズ設定
- MTL特化型のニコチンソルト用ドリッピングアトマイザー
詳細をレビューしていきます。
商品提供:ベプログshop
詳細
斬新なアトマイザーを作り続けているYstarより、HELL DEMONSがリリースされました。
Ystar Technology社は2013年よりRBAアトマイザーを中心に開発、製造を手掛けており、セラミック素材や天然石を使用した特徴のある製品を手がける電子タバコメーカーです。
MTL向けのRDAで、デッキ下部にエアフローホールがついている特徴的なシステム。BF対応でマルチに使えるアトマイザーです。
本体はステンレス性、ボトムデッキは24金メッキを施し、ドリップチップは高品質のアゲート(メノウ石)という天然石を使用しています。
エアフローも特徴的で、ボトムデッキ下部にホールがついていて、吸い込まれた空気はデッキ内のコイル側近に取り込まれます。
製品名”HELLDEMONS RDA ” のロゴよりも目立つ赤文字でプリントされたNic Saltの文字。
これ、パッケージだけでなく、デッキの裏側にも大きく刻まれていました。
最近話題のニコチンソルトに最適化されたアトマイザーとしてデザインされているのがわかります。近頃MTLアトマイザーやPODデバイスなどを、VAPEデバイス各社が挙ってりりーすしているのは、ニコチン塩の需要に応じたものであることがわかります。
デッキはご覧の通り、少し変則的なシングルコイル専用デッキです。
ポストがデッキのキワに配置され、デッキエアホールはその対角線上にセットされています。デッキの詳細は詳細の項目で詳しく見ていきましょう。
カラーバリエーションは全5色。最近は5色展開のアトマイザーが多いように感じます。スターターなんかも最低5色用意されていて、カラーセレクトのバリエーションが多くて嬉しいですね。
Black / Gunmetal / Rainbow / Gold / SS
スペック
直径 | 20mm |
高さ | 20.75mm(DT、スレッド含まず) |
重量 | 28.2g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 810DT(510DTアダプター付属) |
コイル | RBA シングルコイル |
エアフロー | ボトムエアフロー(ドロー調整不可) |
素材 | ステンレス |
BF対応 | ◎ BFピン付属 |
公式サイト |
パッケージ・内容品
パッケージを開封していきます。
箱のサイズはちょっと大きめ。全面には製品のイラスト、メーカーロゴ、製品ロゴなどが。背面には付属品の詳細や製品の概要などの情報がプリントされています。
偽造防止のためのスクラッチ式セキュリティーコード入りのステッカーはパッケージの側面に貼られていました。メーカーサイト所定のフォームにこのコードを入力すると、コードが登録されたものかどうか分かる仕組みで、製品の偽造を防止します。
内容品一覧
- Ystar HELLDEMONS RDA アトマイザー本体
- クリアトップキャップ
- スペアパーツ一式(Oリング、デッキネジ)
- スコンクピン
- SS316L クラプトンコイル 0.6Ω(Best 20W-40W)
- SNSインフォメーションカード(英語)
説明書はなし。予備パーツやエクストラパーツが付属。透明なケースにはワイヤーが入っているのかと思いきや、ポツンとプリビルドされたクラプトンコイルが入っていました。過剰包装ですね、スペースに余裕があるので複数個入れておいてくれてもよいのに。
外観
まず20mmサイズというのが珍しいですよね。激レアサイズです。
そして高さが抑えられたフォルム。全体的に仕上げはキレイです。
ボトム部分がゴールドメッキされていて、キャップとの色の違いを楽しめるのも特徴的です。
エアホールがどこにも見当たらないのですが、それは後の項目で詳しく見ていきましょう。
何でしょうねこの独特なタッチのイラスト。かっこよくはないですよね?
好みなのでしょうか。呪われそうな印象を受けるのは筆者だけでしょうか。
製品ロゴもホラー系の映画やゲームに使われていそうなフォントです。
デザインは好き好きがあるのですが、ここまでの主張は必要なのかな?と疑問を感じてしまいます。
デザインはさておき、アトマイザーの構造をチェックしていきましょう。
分解
さて、軽く分解してみました。構造ごとにバラすとこのようになります。
- ドリップチップ
- トップキャップ
- デッキ
デッキはさらに細かいパーツに分解可能。各パーツの詳細を見ていきましょう。
ドリップチップ
ドリップチップは、ハーフインチサイズ(810DT)に対応。
付属のドリップチップはアゲート(メノウ石)を削り出して作った高級天然石を使用したものです。
樹脂や金属などの一般的な素材のドリップチップと異なる質感、独特の透明感がありますね。
咥えた感じも樹脂製とはことなる質感です。
このドリップチップは810DTながら、内径が細いタイプで、アトマイザーの使用用途に合わせた内径を採用したものです。デザインが独特。810DTなのにMTLユースなどアクの強い仕様です。
全長11.25mm、露出部の高さ5.5mm、外径14.5mm、内径3.4mm(途中急激に拡散するデザイン)
別途付属品として510DTアダプターが付属。別途510サイズのドリップチップを購入して取り付けることが可能です。
トップキャップ
トップキャップにはAFC機能(エアフローコントロール)が搭載されていない、単純に”キャップ”としての機能のみを持ったもの。
プリセットされている金属製のキャップの他に、同じサイズ感のクリアキャップが付属します。
構造は全く同じなので、見た目の好みに応じて使う方を選ぶことができます。
デッキはダブルOリング仕様で、縁についたリキッドがMODにふちゃくしにくいようになっていますが、キャップとデッキのクリアランスが最適なので、キャップを嵌めるときにキツすぎず緩すぎない具合になっているのが良いですね。
使いだして、リキッドが付着した状態でも、キャップをつまんでのMODからの着脱のときにも空転することなく、問題なく行えます。
キャップ裏のデザインも共通。ドーム状になっていますが、20mmサイズのため、エッジ部分が丸まっている形状になっています。
エアフローデザイン
エアフローですが、ボトムエアフローです。しかし、表側にはエアホールがない。どこにあるかといえばデッキ裏に設けられています。
ここですね。そのため、周囲4箇所に切り欠きがあり、そこから空気を導入するようになっています。
近頃あまり見ない構造ですが、初期のボトムエアフローアトマイザーに見られた構造で、このブログを始めた2016年時点においても、だいぶ古い機種(一部のメカニカル用アトマイザー)に見られた『原始的な』構造。
この構造のメリットは、ボトムエアフロー部の高さを抑えられるので、アトマイザー全体のサイズを小さくできること。逆にデメリットは、エアフローからリキッドが漏れると510スレッド部分にまでリキッドが広がってしまうことです。
今現在この構造が採用されていないのには更に理由があり、それはこの構造だとAFCをエアホールの周りに配置できない事が挙げられますが、このアトマイザーではデッキ側のエアホールを工夫して2段階にドロー調整が可能になっています。
厳密に言えば円盤式のAFCを配置すればエアフローコントロールは可能ですが、そのパーツ分の厚みが増してしまうので本末転倒。さらに構造も複雑になってしまい、コストが嵩むことが予想されます。
このエアフロー構造だとリキッド漏れしたときのデメリットについて触れましたが、デッキを確認してみると、エアホールがジュースウェルの底よりかなり高い位置に配置されていて、リキッドが漏れないようにデザインされていることがわかります。
そして、このエアフローはポストになっていて、上部にはいかにも”回してくれ”と言わんばかりの切れ込みが入っており、試しにマイナスドライバーで回してみるとクルクルと回ります。
これも特徴の一つですね。
このエアフロパーツには2mmと3mm、大きさの違うエアホールが空いていて、ドロー調整が可能になっています。ボトム側ではエアフローを調整できませんが、デッキ側で調整可能になっているんです。
壁側に向けることでエアホールを塞ぎ、反対側のエアホールを活かす仕組みです。ただし、壁側のエアホールも完全に塞げるわけではないのが注意点。
でも実際吸ってみると、ドローはあまり変わらないんですけどね。メーカーが狙っているのはこういうことなんだと思います。
また、中途半端な向きに回して味の変化を楽しむのも面白そうです。
デッキ
デッキです。シングルコイル専用デッキ。
ポストがデッキのキワにあるのが面白い構造です。
コイルクランプ部の操作はマイナスドライバーで。
デッキ全体に金メッキ加工されています。
ジュースウェルは結構深く、左右分割タイプ。それなりに保持量は多そうです。
小径アトマながらしっかり深さのあるジュースウェルで、BF専用だけでなく、普通にRDAとしての使い勝手も良好です。
コイル上部のスペースですがあまり余裕がありません。あまり高めに設置することはできない構造です。
ポジティブピン
ポジティブピンも確認しておきましょう。
デッキ裏には製品名でなく、”Nic Salt”の文字。ニコチンソルトの主張が強いです。
デッキには全体的にメッキ加工が施されていますが、510スレッド周りは地金のまま。ポジティブピンにはメッキ加工が施されています。
ピンの出っ張り具合は実測0.9mm。かなり出っ張っています。
ピンを外してもデッキのポジティブ側は分解できませんでした。インシュレーターがきつめにはまっているためだと思いますが、構造的に固定されているタイプではないので、緩めて出っ張り具合を調整するのは危険です。スコンクピンも付属。
スコンクピンのリキッド出口は、ジュースウェルの底より一段懸場所から供給されます。スコンクボトルにリキッドが逆流し辛い構造ですね。また、スコンカーで使う場合にもジュースウェルにリキッドを貯めておくことができます。
ビルド
それではビルドです。まず悪い点からですね。
このアトマイザー、塩ニコに対応したMTL専用アトマイザーを謳っている割には、細い単線のビルドに配慮されていません。何故かといえば、この写真を見てください。
何も考えず。ラフにワイヤーを固定しようと思ったら、このようにイモネジとポストの間に隙間があり、この間で固定されることがないからです。
このため、イモネジのオシリでしっかりとワイヤーを潰してやる必要がります。ちょっと面倒。
ただ、付属ワイヤーのように、細めのクラプトンであればこのようなことにはならないと思います。でも、MTLアトマですし、単線でも使いますよね。
そうかといってビルドが大変か?と言われればそうではありません。しっかりと挟んでやれば何も問題はありません。
Ni80 26ゲージ、3.0mm軸、6巻
コイルの位置はエアホールより一段高い位置にセットしてみました。コイルボトムにも空気を当てて冷却されるように意識しました。
もちろんもっと下げても良いと思います。好みやリキッドに応じてビルドを調整できる構造です。
余分なワイヤーレッグのカットですが、真っ直ぐに出して、デッキのキワでカットすると、キャップと触れて短絡する可能性があるので短めにカットします。
写真のように上に持ち上げて、上側でカットしてやるのが簡単だと思います。
ウィックを通していきます。コイル位置を高めにセットしたので、ジュースウェルの底までそこそこ距離があるので長めにカットしました。
エアホールの周りを塞ぐようにして、コイル周辺以外に空気が流れるのを防ぐようにウィッキングしました。ウィックはコイルにリキッドを供給するためのものですが、空気の流れを抑制するものとして使うこともできます。
MODに載せてみました
20mmサイズのコンパクトなアトマイザーなので、小さなデバイスによく似合います。
逆にボリューミーなサイズのMODだと持て余してしまいますね。
スラントリングを使ってもよいのですが、モノによってはエアホールを塞いでしまうのであまり調子が良くないかもしれません。
そもそも、20mmというレアなサイズなので、リング自体あまり見かけません。
そのため、このアトマイザーを購入する場合は、MODの方から検討するのが良いと思います。
感想
デザインは好みですからね。何も言いますまい。
いや、言わせてください。キャップに何も書いてなければ良かったと思います。
これが好きな人もいるとは思いますが、僕は好きにはなれません。怖い。
しかも、ご丁寧に彫り込まれているから、磨いたり削ったりして消せないんですよね。
ただ、味はおいしいです。
しかし、ドロー調整がしっかり効かず、ドローは重めのDLぐらいで、MTL特化型とは言い難いドロー。
そのため、MTLアトマとしての評価は正直低いです。だってドローが軽いんですもの。
付属のプリビルドコイルがクラプトンだった時点でこの結果は予想していたのですが、予想通りのドロー。だって、デッキエアホールは2mmと3mmですし、そんなにドローが重いわけないですもの。
しかし、味は濃く出る印象です。いや、なかなかどうして。おいしいです。
重めのDLが好きなユーザーであれば気にいるのではないかな、というアトマイザーです。
まとめ
見た目も吸い心地もアクが強いアイテムですが、ハマれば気に入るアイテムなのではないでしょうか。
直径20mmというレアなサイズ。ディスコンになってから欲しくなっても間に合いませんから、気になる人は早めにゲットしてみてくださいませ。
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