Desire(デザイア)のドリッパーアトマイザー、Mad Dog RDA「マッドドッグ」のレビューです。
DesireのアトマイザーといえばYURI RDAが有名です。
このYURI RDAは非常に優れたアトマイザーで、値段が安く、味が美味しい。
僕も普段から使っているどころか、メインの一番機として現在も稼働中です。
値段が安いからとかではなく、本当に僕好みの味なんですよ!
そして、その構造の良いところをそのまま24mmにしたようなアトマイザーがこのMAD DOG RDAです。斜めエアフローが特徴的。
それでは早速レビューしていきます。
商品提供:GearBest
Desire Mad Dog RDAのパッケージと内容品
背面には製品偽造防止用のスクラッチ式コード入りステッカが貼られています。
内容品は
- Mad Dog RDA本体
- 予備パーツ(Oリング、ネジ)
- ビルド用六角レンチ
シンプルなデザイン、コンパクトなパッケージング、そして最低限の付属品が揃っています。
Desire Mad Dog RDAの詳細
Mad Dog RDAはその名の通りRDA、ドリッパータイプのアトマイザーです。直径は24mmの大口径で、基本爆煙、クラウドチェイス向けのアトマイザーと言えます。
Desire Mad Dog RDAのスペック
直径 | 24mm |
高さ | 37.5mm |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | ハーフインチDT |
コイル | RBA デュアルコイル |
エアフロー | サイドエアーフロー |
素材 | アルミニウム、マグネシウム合金、PEI(ポリエーテルイミド樹脂) |
色 | Black , Blue , Red , Gold , Silver , Green |
GeekVape公式サイトより
キャップ前面には大きく”Mad Dog”のロゴ、そしてドリップチップには”DESIRE”のメーカーロゴが入っています。
ドリップチップと510スレッドを除いた全長は実測で26.59mmでした。
大まかに分解すると、左から、デッキ/キャップ/ドリップチップの3ピースに分解可能。
デッキパーツは更に分解可能です。
ドリップチップはハーフインチ規格で汎用品と交換可能。
ドリップチップ側ではなく、キャップ側にOリングが用いられています。
ドリップチップとアトマイザー下部に使用している素材はPEI(ポリエーテルイミド樹脂)で、調べた所、有名なULTEM(ウルテムは商標、製品名)もこの素材の一種です。
耐熱性、耐熱水性に優れ、難燃性、機械的強度に優れ、絶縁性に優れるなど優れた特性を持つ”スーパーエンジニアリングプラスチック”を使用しています。
ドリップチップにはメーカーロゴがプリントされています。
ドリップチップの内径は約10mm、高さは約6.4mmでした。
キャップ裏は完全なドーム型ではないものの、角部分がラウンドしています。
個人的に、細かすぎないほど良いミスを楽しめるのではと期待してしまう構造です。
そして、デッキに嵌まる部分が一段掘られていて、デッキが付いた時にデッキとキャップの段差がなくなるようにデザインされています。
アルミ製の為非常に軽量で、持った感触というかつまんだ指から感じる熱の伝導具合がステンレスとは違います。
デッキは太めのワイヤーもクランプ可能な2ポール4スレッドデッキ。
マグネシウム合金製のデッキは金メッキ加工されています。
エアフローを片側閉じる運用ができないため、基本デュアルコイル前提のアトマイザーです。
4つのスレッド部の高さが水平なのでコイル足の処理が多少面倒くさそうにも見えますが、最近のアトマイザーが親切すぎるだけで、十分ビルドしやすいように思えます。
ジュースウェルはかなり深めでそれなりな量のリキッドを保持できそうです。
クランプポールに”Mad Dog”のレーザー刻印が入っているところに拘りを感じます。
デッキ下のPEI樹脂パーツは着脱可能です。
この厚みは1.5mm。
デザイン性もよく、キャップ開閉時にデッキとキャップの間に付着したリキッドが、キャップに押されてMODを汚してしまうのも防いでくれます。
リキッドがアトマイザーから漏れた時も、MODのスレッド周りがベチャベチャになるのを緩和してくれます。
しかし、気になるのは通電性。
特にメカニカルMODでの使用の場合、ネガティブ側の通電において、アトマイザーボトムとMODを完全に密着させて電気の流れを確保したい所。
この樹脂パーツを外すことも出来ます。
しかし、スレッド高が樹脂パーツ分長くなるので、大抵のMODでは宙に浮いてしまう形になります。
ハイブリッド接続のメカニカルチューブで使用する場合、スレッドが貫通しているので、バッテリーの長さをMOD側で鑑賞できる場合はアトマイザーボトムでの通電性を確保する意味でも、樹脂パーツを取り外して使用したほうが良いかもしれません。
YURI RDAでも特徴的だった“斜めエアフロー”はこのMAD DOGでも採用されています。
サイドフローでありながら、コイル設置場所によっては、ボトムエアフローのような味、そしてその中間の味も出すことができる優れたシステムだと僕は思います。
この斜めエアフロー、YURI RDAがオリジナルだと思い込んでいたのですが、詳しい方に聞いた所、HOBO DriftarRDAがオリジナルとのこと。
そして、今Facebookで話題になっているNYX MODSのRDAもこのエアフロー構造を採用しており、斜めエアフロー好きの自分的には気になるアトマイザーが増えて嬉しい状況になっています。
エアフロー調整はキャップのエアフローホールを回して調整することが出来ます。
ポジティブピンは分解可能で、デッキ固定を兼用していません。(デッキは圧入されています。)
そのため調整は可能で、ネジを緩めることでピンの長さを調整することが出来ます。
しかし、ネジが緩い状態での使用は通電性を損ねる可能性や、脱落の危険があるため僕個人的にはオススメしません。
ハイブリッド接続のメカニカルで使用する場合は、バッテリー着脱の都度ポジティブピンの状態を確認するなどの細心の注意を持って扱いましょう。
ポジティブ側のポールもデッキ下のマイナスネジを緩めることで外すことが出来ますが、これは製造上の理由からの構造なので通常外すことはないと思います。
Desire Mad Dog RDAをビルドしてみる
ファーストビルド 24ゲージでビルドしてみた
ファーストビルドは空吸いしてドローを確認すると、予想通りスカスカのドローだったので、カンタル24ゲージで組んてみます。
ラップ数は6ラップ、3.0mmです。コイルレッグは固定できればあまり気を使っていません。
固定できたらコイルジグを通してコイル位置と向きを調整してやる方法です。
マウント時にコイルレッグを成形してやったほうがコイルの見栄えはきれいになりますが、同調が取れてホットスポットが出来なければあまりコイルの見栄えは気にしていません。
コイル位置はエアフロー付近に設置して様子を見ます。
ウィッキング出来たら吸ってみます。
エアフローは1/3ほど開けてみましたがかなり軽いドローで、DL向けです。
予想通り細かいミストでシルキーな印象。味の出方も上々で、品のある優しい味です。
大抵の人はこのビルドの方向で満足できるのではないかと思います。
セカンドビルド 26Gでビルドしてみた
失敗を前提に26ゲージでも組んでみます。
カンタル26ゲージ、2.5mm 5ラップです。
コイル位置は思いっきり上げて、キャップのボトムから数ミリ離すイメージで設置します。
コイルサイドの空気の流れを遮って、コイル脇からのみエアーが抜けるのをイメージしながらウィッキングします。
自分の感覚よりコイルレッグが長すぎたのでコイルがガタガタになってしまいましたが、熱の入り方に問題はなし。
これも想像通りで、ダイレクトで荒いミストと細かいミストが入り交じった風合いになりました。味もより直接的になりましたが、エアフローを1/10ぐらいに調整してもやはりエアーの割合が多く薄まった印象になってしまいます。
このエアフロー、調整は可能なのですが、エアフローを閉じ気味にして絞っても、デッキ側の幅が変わらない構造なので、この傾斜している部分で拡散してしまっているような印象を受けました。逆に言えば拡散して流速と密度が下がるので、ミストもシルキーになるのではと考察します。
サードビルド やはりベストバランスは24Gか?
さて、コイル位置の勝手がつかめた所で再びカンタル24Gで巻いてみます。
巻数を一巻き落として5ラップ、3.0mmで巻き、コイル位置は少々上げ気味にします。
出来ればコイルを中央に寄せたいのですが、中央側からもエアーを抜きたいので程々に寄せるイメージで位置を調整しています。
そしてコイル位置も中央に寄せるのではなく、デッキのエアフローの傾斜ギリギリにセット。
これは、エアフローを閉じるのを前提にした考え方で、その部分にダイレクトにエアーを当てたいからです。
このウィッキンググもコットンでエアーの流れる場所を制限するイメージ。
コイル周りからのみエアーが流れるのを意識しています。
やはりよりダイレクトで、フレーバーは濃くなりました。
しかし、ドーム型のトップキャップやデッキのポール位置(中央側からあまりエアーが抜けない構造)のせいか、ダイレクトミスト好きには物足りないミストになっている印象です。
逆にシルキー、細かいミスト好きは満足できるのではないかと思います。
ただし、このビルドの抵抗値は0.2ohmなので、シングルメカチューブでは僕は使いたくないと思いました。
Desire Mad Dog RDAを使ってみた
暫く使ってみましたが、ビルドの項目の通り、直肺吸い(ダイレクトラング DL)向けの爆煙アトマイザーという見たままのアトマイザーです。
◎見た目
こればかりは好みですが、ロゴの主張が人によってはうるさく感じるでしょう。もう少しシンプルでもよかたと個人的には思います。クオリティ的には悪くない印象です。
◎ドロー
スカスカです。全開でスカスカで、絞ってもMTL(タバコ吸い、口吸い)に向いたドローに調整することは出来ますが、デッキの傾斜部分でミストが拡散される印象で、ウィッキングを工夫しても満足のいく味を出すのは困難だと思います。
◎ミストの質感
細かく柔らかいミスト。コイル位置を調整して乱暴で荒いミストを出そうとしても構造の恩恵でミストは細かく出る印象です。
◎味
ビルドによります。優しく上品味から、かなりダイレクトで濃い味まで出すことが出来ますが、ミストが細かくなるので、ベリーウェットで口の中にリキッドが残るような味を出すのは困難です。
◎運用性
ビルドは簡単です。デュアルコイルですが、コイル足の固定も簡単なので、コイルの見栄えを気にしなければ後からいくらでも調整可能です。
ジュースウェルも深く、リキッドの保持量も十分。
810DTで上からのドリップも楽々です。
Desire Mad Dog RDAのまとめ
見た目の無骨さ、デザインよりも柔らかく細かい質感のミストを楽しむことができる優れたRDAでした。
斜めエアフローは個人的にも好きで、サイドフロー的にもボトムフロー的にも使えるのが良い点だと思います。
価格も安いので柔らかく細かいが好きで、MODとのマッチングを考えてアリなら一つは持っていても良いアトマイザーでしょう。
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