Animodz(アニモッズ)のVAPEアトマイザー、doggystyle 2K18「ドギースタイル」のレビューです。
世界的大ヒット製品”doggystyle 2K16″の登場より2年が経過した2018年、”2K18″として後継機がリリースされました。
そのdoggystyle 2K18をレビューしていきます。
高価な価格帯『ハイエンド』としては異例とも言える大ヒットを博した前作2K16は、リリースより2年が経過した今も人気の製品で、メーカーから生産がリピートされ、ショップに入荷するごとに即完売。
それにとどまらず、セカンドハンド(中古品)であっても、時にはプレミアム価格で取引されるほどの価値を生み出した製品でもあります。
詳細
フランスのハイエンド系VAPEデバイスメーカーが、少量で生産するアトマイザーの一つがdoggystyle 2K18です。
前作と同じく、22mmサイズ、背が低いコンパクトなサイズ。そしてシンプルで洗練されたルックスが特徴です。
本作は、デザインのガイドラインを共通としながらも、より利便性を向上させたアップデートバージョです。
- トップフィリルに対応
- ジュースコントロールを搭載
可愛らしいコンパクトなルックスは健在ですが、前作と比べると若干背が高くなっているのが本作です。
前作は話題になっていて、非常に気にになる製品でしたが、その時に他のレビューで手いっぱいであったのと、購入資金がなかったこと。そして、その頃はタンククラッシャリキッドをメインに吸っていたので、クラックが入りそうな樹脂タンクのアトマイザーに興味がなかったことなどが原因で購入を見送っていましたが、今回は運良く購入できるチャンスがあったので入手してみました。
性能が気になるところ、早速詳細を詳しく見ていきましょう。
スペック
リキッド容量 | 3.5ml |
直径 | 22mm |
全長 | 39.0mm(DT、スレッド含まず) 32.2(スレッド含まず) |
重量 | 38.2g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510DT |
コイル | RBA シングルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー |
素材 | ・本体 ステンレススチール ・タンク Quadrant ・ドリップチップ デルリン |
メーカー公式サイト | http://www.animodz.fr/ |
パッケージ・内容品
パッケージです。ハンドメイド生産に近いハイエンド製品のため、マスプロダクツ(大量生産品)と比べると簡素なパッケージ&付属品です。
犬のシルエットがポップな印象のパッケージデザイン。ひと目でAnimodzのプロダクツとわかるデザイン。
中にはスポンジ系の容器が入いっていて、その中に本体と付属品が収納されています。
内容品一覧
- Animodz doggystyle 2K18 アトマイザー本体
- 予備パーツ(Oリング、デッキネジ)
中に入っているのはアトマイザー本体と予備パーツのみ。日頃中国製のマスプロダクツばかり触れていると物足りない付属品ですが、少量生産のハイエンド製品の付属品は大体このぐらいの簡単な内容です。
中にはパッケージすら無い(エアパッキンぐるぐる巻き)製品もあるので必要十分でしょう。
と言いながらも、マスプロの数倍する価格設定なのだから、ビルド用のツールぐらいつけてほしいというのが本音です。
外観
まずはデザインと作りから。
デザインは前作同様のルックス。若干背が高くなっているので、間延びしているようにも感じますが、それでも十分に小さなサイズ。可愛らしいルックスです。
作りはキレイですね。普段から中華マスプロばかりレビューしている筆者には十分綺麗に見えます。
しかし、最近のマスプロはキレイなだけでなく、切削油や削りカス、ホコリなどの付着物も少なく、クオリティー向上しているので、それと比べると残留物(若干のかすのようなもの)が目立ちますが、少量生産品の多くがそうなので、最近ではむしろ「マスプロほどのクオリティは求めてはいけません」と逆転しているようにも感じます。
しかし、作りに関してはマスプロより数段上ですね。手間を掛けて磨きなどの仕上げが行われていることがわかります。
すりガラスのように半透明になっているQuadrant製タンクの中には、Animodzのトレードマーク、肉球をモチーフにしたロゴが薄く透けて見えます。
この半透明のタンク、リキッドを入れると透明度が上がります。
トップキャップにはレーザー刻印。”ANIMODZ SINCE 2012″ “DIGGYSTYLE”の文字入り。
シンプルなルックスにあまり似つかわしくない文字入りのトップキャップは賛否両論ありそうなデザインです。
個人的には文字は入っていないほうが良かったのではと思いますが、自体もシンプルで、それほど邪魔だとは感じません。
分解
最初に分解してみましょう。まずはざっくりと構造ごとに分解してみます。
このような3ピース構成。ドリップチップ/タンク/デッキです。続いて全部のパーツをばらしてみます。
これで全て分解し終えた写真です。(Oリングを除く)タンクにしてはパーツ総数が少ないでのがわかります。シンプルな作りで、全部をばらしてメンテナンスするときにも簡単です。
タンクの構造自体はColud One RTAと同じような構造ですね。タンク自体がシンプルなチューブ(管)ではなく、構造体になっているデザイン。
ただ、タンク攻撃性の強いリキッドを愛飲するユーザーとしては、リモネンなどの柑橘成分でクラックが入ってしまうタンクのみしか付属しないのは残念。せめてこの価格ならば、ウルテムタンクやメタルタンクを標準装備にするか、ガラスタンクを標準にしてほしいところです。
ドリップチップ
ドリップチップから順番に見ていきましょう。ドリップチップは汎用規格、510のものを取付可能。
付属ドリップチップは樹脂製。デルリン製です。
仕上がりが綺麗なドリップチップ。マスプロ品のクオリティとは比較になりません。内径はストレートですが、エンド部が拡散したタイプ。
全長11.5mm、露出部の高さ7.2mm、外径12.2mm、内径 5mm
ドリップチップは付け替え可能ですが、注意点としては付属品と同じ、もしくはそれより小さな外形のドリップチップでないとトップフィルの際にいちいちドリップチップを外さなくてはなりません。
ドリップチップの周りにOリングが設けられていますが、これはトップキャップ部分のもの。この部分の詳細は次のタンクの項目で見ていきましょう。
タンク
タンクです。まずはリキッドチャージについてです。このdoggystyle 2K16アトマイザーはトップフィルに対応。前作はボトムフィルのみに対応していましたが、利便性を考慮してトップフィルに変更されました。
リキッドチャージする際は、上部のステンレス製トップキャップを外してリキッドをタンクに注ぎます。
ドリップチップはつけたままチャージ可能。タンクの上部にはリキッドを注ぐためのリキッドチャージホールを装備しています。スポイトボトルなど先端が太い容器でも問題なくチャージ可能。
ただし、サードパーティー製ドリップチップを用いるときは、直径12.2mm以下を選ばないと、チャージの都度外さなくてはなりません。
トップキャップは珍しいOリング式。スレッド式ではありませんが、外側・内側の2箇所に設けられたOリングで完全にリキッドを遮断し漏れを防ぎます。
しっかりとハマるので不意に取れてしまうようなこともありません。
このトップキャップを外すときは、側面の模様(滑り止め)をつまんで、回しながら持ち上げると楽に外すことができます。
そしてボトムフィルにも対応しています。
もちろん、構造的にリキッドが残っている状態でもデッキにアクセス可能な構造です。
タンクを構成するチムニー&チャンバーパーツは、樹脂製のタンクにハマっている構造です。
タンクの全てを分解すると、タンク / チムニー&チャンバー / トップキャップ から構成されています。
鏡面になるまで磨き込まれたチャンバーパーツに、手間のかかった仕上がりを感じることができます。
チャンバーの上部はドーム形状。チムニー内径は5.15mm。
ジュースコントロール
タンクからリキッドをデッキに供給する部分、ジュースチャンネルを開閉できる機構を装備。
これにより、リキッドチャージ時や携帯時のリキッドリークを防ぎます。このジュースコントロールの開閉は、チャンバー部を回すことにより可能。ドリップチップを回すことで連動してこのパーツを回転させることができます。
デッキとチャンバーのクリアランスはギチギチではなく、多少の隙間があるので、完全にジュースチャンネルを塞ぐことはできませんが、ある程度塞ぐことができるので、ジュースコントロールとしては実用的です。
純正品のタンクではジュースコントロールの開閉確認が可能ですが、色の濃いリキッドでは見えなくなる可能性もあります。
ボトムエアフロー
エアフローはボトムエアフロー構造。
デッキの株から空気を取り込む構造です。オーバル型の小さめなエアフローホールが一つ設けられています。
このエアフローホールには、エアフローコントロールリングを装備、全開から全閉まで無段階でドローを調整可能。なおかつ、AFCはOリングでハマっている構造で、分解も可能。
ただ、このエアフローリングには周り留めの突起などは設けられておらず、デッキからタンクを外す際にこの部分をつまむとくるくる空転してしまい、タンクが外しにくく使い勝手が悪いのが残念。
ユーザーの中には、エアフローホールに適当な大きさの棒を突っ込んで周り留めとしてつかっているユーザーもいるぐらいですが、周り留め加工をすれば済む話なので、次のアップデートでは実装してほしい部分です。
デッキ
デッキです。デッキのデザインは前作同様です。
筆者は前作を所有しておらず、使ったこともありませんが、写真を見る限りまるっきり同じように見えます。2ポスト2スレッドのシングルコイル専用のデッキです。
前作と違うのがジュースチャンネルの部分え、ジュースコントロールが実装されたことにより、形状が変更になっているように感じます。
このデッキデザインがdoggystyleのアイデンティティー。中央にデッキエアホール、それを挟むようにポストが配置されたシンプルなデッキデザイン。デッキのデザインも含めてシンプルで美しいデザイン。
チャンバースペース。デッキの上部にも若干の余裕があります。
ポジティブピン
ポジティブピンを確認しておきましょう。
デッキの裏側には刻印など一切なくシンプルな形状。
ポジティブピンの出っ張り具合の実測は0.32mm。あまり出っ張っているとは言えません。
このポジティブピン、デッキのポジティブポスト固定ネジ兼用なので緩めて出っ張り具合の調整は不可。緩めてもデッキ側が出っ張るだけで、ポジティブピンは出っ張らないので、緩めてもメリットがなく、危険なだけなのでしっかりと締め込んで使用します。
ビルド
ビルドです。イメージしていたのよりドローはタイトではないですね。もっとMTL向けアトマイザーなのかと思っていました。もちろん、絞ることもできるのですが、そこまで軽いドローにはならないので、少し重めのDLで使うのが良さそうな印象です。
そのため、24Gで組みたいと思ったのですが、デッキのポスト間がかなり狭いんですよ。
とりあえずカンタル26ゲージ、2.5mm軸、5巻で組んでみたのですが、26ゲージでも2.5mm軸でギリギリのサイズです。24ゲージだと2.0mm軸じゃないと無理そうです。
このようにキワキワです。エアホールは大きめですが、ポスト間がせまいので、大きな巻軸のコイルには対応していません。
ただし、コイル位置を上げ気味にすればこの問題は解決できます。
後はウィッキング。ジュースチャンネルの底まで届かせたほうが、タンクのそこまでリキッドを吸えそうです。ウィッキング最後の写真を取り忘れました。
感想
このDoggystyle 2K18 、前作が各所で大絶賛。ユーザーの評価も高いので、もっとおいしいかと思っていたんです。確かにおいしいのですが、期待値を超えてくることはありませんでした。
思ったより対応力も低く、好みに合っているなら悪くはないのですが、デッキエアホール径もいじれないし、ビルドも限られるし、味に対する価格性能であればマスプロのほうが上ですね。
ただ、チムニーが短めなタンクとしてはおいしい部類の製品だとは思いますが…
手放しで超おいしいから買い!とは言えないのが残念です。
というのも好みじゃないのかもしれません。甘みよりもフレーバーをはっきり感じられる味に仕上がっているのかもしれません。
でも、でもですよ!待ってください。VAPEって味だけですか?
僕自身のVAPEに対するプライオリティは味がトップですが、ものに対する評価やデザインを優先する方も多々いると思います。
そういう意味では、このdoggystyle 2K18というプロダクツの出来については、この評価が当てはまりません。
まず、作りが良いですよね。残留物は多少ありますが、ユーザーが洗浄すればよいだけのこと。一度手間を掛ければその問題は解決です。作りはマスプロ以上です。
ルックスや、デザインもよく、doggyオリジナリティがあります。
この出来、可愛らしいデザインは持っていてニンマリできるやつなんです。それだけで価値があると思いませんか?
電波時計のほうが正確でも、機械式時計を愛用する人はいなくならないのと同じことだと思います。
まとめ
正直すごく美味しい評価を下せなかったのは残念ですが、トータルすると満足感の高い製品だと思います。
モノとしての完成度に愛着を見いだせる人向けの製品。2年以上愛される付けている製品なので、この先も末永く愛用できるのではないかと思います。
しかし、残念ながら、国内VAPEショップで販売が開始されるど同時に、文字通り「即完売」ショップに寄っては秒殺だったようです。
また、海外有名ショップでも「完売」が続いている人気製品なだけに、入手は困難ですが、この先も生産されるアイテムだと思いますのでチャンスを見計らってみてください。
→ Animodz公式サイト http://www.animodz.fr/
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