Hotcig「ホットシグ」のVAPEアトマイザー、CAPSTONE RDA「キャプストン」のレビューです。
Hotcigがリリースする24mmサイズのドリッパー。シングルコイルとデュアルコイルに対応したショートトールサイズで使い勝手の良い製品です。スコンクピンが付属し、ボトムフィーダーにも対応。
このアトマイザーの特徴
- 24mmサイズのシングルコイル&デュアルコイル対応のサイドエアフローRDA
詳細をレビューしていきます。
商品提供:ベプログshop
詳細
Hadesの名前はギリシャ神話「冥界の王」の名前に由来しています。
デッキはデュアルコイル&シングルコイルに対応したデザイン。
ルックス的なデザインは、22mmサイズのNERISSA RDAに酷似しており、デッキデザインもまた同様であることから、これやCASTLE RDAの24mmデュアルコイル対応バージョンという位置付けの製品、といった印象です。
スペック
直径 | 24mm |
高さ | 22mm(DT、スレッド含まず) |
重量 | 37.0g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 810DT / 510DT(アダプター) |
コイル | RBA デュアルコイル/シングルコイル |
エアフロー | サイドエアフロー |
素材 | ステンレス |
BF対応 | ◎ BFピン付属 |
パッケージ・内容品
パッケージは黒を基調にしたシンプルなもので、前面には窓付で実際の製品が見る事ができるわかりやすいもの。背面には内容品の詳細などの情報とともに、製品偽造防止対策のスクラッチ式セキュリティーコードの入ったステッカーが貼られています。
開封します。Hades本体や付属品はクッション材に保護されて収納されています。
内容品一覧
- Hotcig Hades 24mm RDA 本体
- スペアパーツ一式(Oリング、ネジ)
- ノーマルピジティブピン(BFピンプリセット済み)
- 510用ドリップチップアダプター
- ツール(マイナスドライバー)
- プリメイドコイルx2
- ユーザーマニュアル(英語)
コットンは付属しませんが、プリメイドコイルやツールも付属するので、ウィックとワイヤーカット用のニッパーだけ用意すればファーストビルド可能です。
外観
ルックスはNERISSA 22mm RDAをさらにシンプルにしたような2段デザイン。
外見のクオリティーはまずまずです。キャップの仕上がりは悪くないんですよ。一年前の製品だったら「綺麗」だといっているレベル(他メーカーのクオリティー向上が目覚ましいので、今現在では普通レベル)
ただ、デッキの作りは甘いです。荒い。性能や使い勝手関係ない部分なのでその分手を抜いてコストカットしているんでしょうけど、Hotcigのアトマイザー全般に言える事です。
ただ、スレッド周りの精度や、インシュレータ周りがガバガバだったりはしないので、単純に見た目に粗さが残っている程度なので実用上は全く問題ありません。
このHades RDA専用のロゴマーク「Jを2つ組み合わせたみたいなやつ」が大きく入っていますが、このロゴは何をモチーフにしたものなのでしょう。やっぱりHadesの”H”なのでしょうか。これ、要りますかね?
裏側にHADESってエングレービングしてあるだけで十分なような気もしなくもないのですが。
というのは個人的な趣向による部分なので、もちろんかっこいいと感じる人もいると思います。
分解
まずは本体を構造ごとに大まかに分解します。
- ドリップチップ
- トップキャップ
- デッキ
3つの構造体に分ける事ができます。デッキはさらに細かいパーツに分解可能。
ドリッパーなのでパーツの総数が少ないので、分解洗浄が非常に簡単。リキッドのフレーバーを変えたい時などにサッと洗って洗浄できるのが最大のメリットです。
ドリップチップ
ドリップチップの取り付け部は810DTサイズ(ハーフインチ)です。トップキャップ側にOリングが用いられているタイプで、付属品ではない汎用品も取り付け可能です。
付属のドリップチップ以外に、510DTを取り付けるためのアタッチメントも付属。黒い樹脂製。
810DTはおそらくPEIと思われる黄色い半透明の樹脂素材でできています。
全長11mm、露出部の高さ6mm、外径16mm、内径8.2→11mm(逆テーパー)
トップキャップ
トップキャップはワンピース構造。ドリップチップ部分のOリング以外は分解不可です。
デッキとトップキャップに同じサイズのホールが空いていて、このホールの合わせ具合でドロー調整する構造。トップキャップがエアフローコントロールリングも兼用しているタイプ。RDAでは一般的な構造です。
全開から全閉まで無段階にドローを調整可能。デッキのエアホールの周りは、ポストではなく回してもデッキとの境目が露出する事がないので、きっちり全閉にする事ができます。
このエアホール、キャップ側は対角線上にはなく、微妙にずれた位置にあるので、片側だけ開いてシングルコイルに対応することもできます。このずれた仕様はなかなか今までになかった考え方なのではないでしょうか。いや、あったかもしれませんが、あまり見られません。大抵は3つ穴式だと思います。
ちなみにシングル版的な位置付けのNERISSA RDAやCASTLE RDAはこのようにエアホールがずれている仕様ではありません。
キャップ裏はドーム形状。デッキのポスト部分の除いた部分がお椀のような形状になっています。
デッキ
デッキは4スレットデッキ。シングルコイルとデュアルコイルの両方に対応しています。
デッキにはPVDコーティング(真空蒸着の一種)されているらしいのですが、よくわかりません。サビのようなものが付着していたり、削りが粗いなーという印象が強いです。
特徴的なのがエアホールの仕様。メインのエアホールは両側から、斜め45度上に向けて空気を供給します。
エアホール部分がデッキのサークル中央から外れた部分にあるのと、キャップのエアホールがずれていることでシングル&デュアルに対応してい流のですが、これを考えた人はすごいですね。
そのほかにも、それよりも小さいエアホールがジュースウェルの底付近に設置されており、そのまま真横にエアーを供給します。マルチエアホール構造。
気になるのが一番下のエアホールがウェルの底から1mmも上がっていない場所に設置されていることで、そのままリキッドが漏れてしまいそうですが、
デッキのエアホールに繋がる部分が斜め上に上がっているので、そうそう漏れることはないかと思います。
でも、あまりリキッドを供給してしまうと、下側のエアホールは埋まってしまいますね。
アトマイザーの高さをあげればその分余裕が生まれるのですが、背の低さ(ルックスの良さ)も実現するために妥協した部分だと思われます。
Oリングは2重、デッキのヘリにはつば付き。
ジュースウェルは5mmほどの深さがあり、全体がつながっているので保持料は十分なのですが、それを活かしきれていないのが若干残念です。あまりリキッドは保持しない方が良いでしょう。
ポジティブピン
ポジティブピンの出っ張り具合は実測0.56mmほど。
ノーマルピンの他に、スコンクピン(BFピン)も付属。どちらも金メッキが施されています。
このピンはデッキのポジティブ側固定ネジ兼用なので、緩めて出っ張り具合を調整することはできません。ネジがきっちりしまっていることを確認して使用しないと大変危険ですので、使うときにはチェックしてから使用します。
スコンクピンの出口はジュースウェルの底から。スコンクボトルから押し出したリキッドはデッキ下から供給され、リキッドはウィックに供給されます。ただし、ウィックに染み込みきれないリキッドはボトルを押すのをやめた途端にボトルに逆流してしまい、ジュースウェルに保持することはできません。
スコンクピン上部にはプッシュしたリキッドが勢いよく飛散するのを防止するガードのようなものがある作りになっています。
ビルド
それではビルドです。
折角デュアルコイルに対応していることですし、シングルでもビルド可能なのですが、エアフローの仕様から見てもデュアルコイルに特化している印象なのでデュアルで巻いていきます。
カンタル24ゲージ、3.0mm軸、6巻
ネガティブとポジティブポストが隣り合っているのが特徴。コイルレッグをリターンで組んで固定します。デュアルですがビルドは楽な印象です。
適当に固定して、コイルレッグの長さだけ確定させたのちに、コイル内にジグを通して位置を調整してやります。
その後、余分なコイルレッグを切断して、ドライバーン。コイルの高さは結構高めにセットして、ボトムエアフロー的な扱いをしてやりました。ただ、コイル位置はもう少し下げた方が美味しかったです。
ウィックをコイルに通して、適当な長さに切断します。
両側にコットンレッグを落としれやれば完成です。
MODに載せてみました
シンプルなルックス。そして背が低いので載せるMODのテイストを選びません。
悪くないんではないでしょうか。
感想
運用などについては、一般的なデュアルコイル対応RDAとさほど変わりません。ビルドは楽な印象ですが、特別に優れているとは感じません。普通です、普通。気になる点は、キャップとデッキが周り留めで接続されていないので、キャップを回しても空転してしまい、MODから外しにくいことが多々ありました。
ドローは当然DL向け。エアフローはきっちり絞れますが、当然MTL向けの機材ではありません。
味は上品ですね。どこかRDAっぽくない、RTAのように曖昧間接的な味です。もちろんドリッパーなので直接的ではあるのですが、マルチエアホールでミストが拡散されるからでしょうか、特にデュアルコイルビルドではRDA特有のガツンとくる感じが少なめです。
もし、そのようにダイレクトに味わいたいのであれば、シングルコイルをセンターに設置するのがいい感じなのですが、それだと記事中でも出てきたHotcigの22mmRDAでも大差ないんですよね。でもクラプトンなどのゴツいコイルで組む場合はそれらだとエアフロー的に足りないので、こちらを選択することにはなると思います。
上品な表現で運用したい場合は良いと思います。リキッドを選ぶ機材といった印象です。
ただ、爆煙DL対応リキッドでそういう表現がハマるリキッドって少ない気がします。少なくとも僕の好みではないというのが率直な印象です。
まとめ
考えられた構造で、しっかりとシングル&デュアルコイルに対応したどリッピングアトマイザー。
作りに粗は見えるものの、運用上問題なく、特に見える部分には気を使って制作されています。
味に若干の個性はあるものの、コイル位置やビルドで自分好みの味を追求できる「ビルドの楽しみ」を味わうことができるRDAでした。楽しみながら使えると思います。
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