JUSTFOG(ジャストフォグ)のVAPEスターターキット、FOG1 「フォグワン」のレビューです。
ネット上で相当美味しい!クリアロマイザー並だ!いや、RTAの味がする!と高評価が目立つスターターで、話半分に聞いてもオールインワンタイプにしては味を追求したタイプなのかなと想像させてくれるスターターです。
このスターターキットの特徴
- スターターキットを超えたおいしさを実現するニクロムコイル
- スリムコンパクトなペンタイプ
そのほかにも割れにくいポリカーボネイトタンクや逆テーパーの味重視ドリップチップにハイクオリティーなボディーペイントなど優れた点が盛りだくさん!
結論から言うと、評判通りにおいしいスターターキットでした!これは本当に良い製品です!
それでは早速レビューしていきます。
JUSTFOG FOG1の詳細
JUSTFOGがリリースしたオールインワンスターターキットFOG1は直径20mmのペンタイプVAPEです。
電力を供給するバッテリーと、リキッドを気化させるアトマイザーが一体化しているオールインワンタイプの電子タバコ製品。
20mmサイズのペンタイプですが、全長が113.5mと短いため、コンパクトなサイジングが魅力、片手に収まるポケットサイズです。
オールインワンペンタイプのロングセーラー商品、eGo AIO(長さ118mm×太さ19mm)とさほど変わらないサイズ感が魅力です。
スペック
大きさ | H113.5×W20×D20mm |
重量 | 82.9g |
リキッド容量 | 1.99ml |
バッテリー容量 | 1,500mAh |
出力ワット | 定電圧出力 ・24W(0.5ohmコイル時) ・15W(0.8ohmコイル時)※どちらも約3.46ボルト出力 |
コイル | OCC Bottom Coil 0.5ohm(DL)/0.8ohm(MTL) |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー |
ドリップチップ | 510 |
保護機能 | ・短絡保護 ・オーバーヒート保護 ・過充電保護 ・過放電保護 |
JOSTFOGの製品説明が非常に細かく、細かいところまで気にするような正確の方が設計者もしくは社内にいる会社だな、と思わせてくれます。非常に細やかな説明に好感が持てます。
各種保護機能を搭載し、リキッド容量は約2ml、バッテリー容量1,500mAhと必要十分。流石に0.5ohmコイルでチェーンし続けて一日持たせるのは難しいですが、MTL運用の0.8ohmコイルでポイントポイントで吸う運用方法であれば、一日これだけでも行けそうなスペックです。
そして、定電圧出力も良いポイントです。バッテリーの電圧を直接出力する「直接電圧出力」だと、バッテリー残量の変化とともに味が変わってしまいますが、定電圧出力だと味が変わらないメリットがあります。出力ボルテージはおよそ3.46Vです。
パッケージの開封
白を基調にしたシンプルなパッケージデザイン。
背面には製品偽造防止用のスクラッチ式コード入りステッカーが貼られています。
スライド式の外箱をから内箱を取り出します。この内箱の中には本体と付属品が入っています。
内容品一覧
- FOG1スターターキット本体
- OCC Bottom Coil 0.5ohm
- OCC Bottom Coil 0.8ohm
- 予備パーツ(Oリング)
- 説明書(英語)
バッテリー部分の詳細
FOG1の塗装にはPVD(Physical Vapor Depositionの略で、物理蒸着法の意味)ブラックコートが用いられています。
電気を使い、プラズマ雰囲気中で金属蒸気を蒸着させる真空蒸着の一種で、ここで用いられている金属の種類は公開されていませんが、非常に硬い優れたコーティング技術です。
ただし、カッターのように尖ったもので表面をなでてみた所、簡単に傷が入ったので、そこまで硬いわけではなさそうですが、通常の使用で傷だらけになるのは防いでくれそうです。
本体底面にはバッテリーベントホールが設けられており、万が一の際の安全性に配慮しています。
本体正面にはLEDインジケーターとメインボタン(パフボタン)が設けられています。
LEDインジケーターは電源のON時/パフ時に点灯しますが、色でバッテリー残量を教えてくれるデザインです。
電池残量 | LEDの色 |
100 – 60 % | 白 |
59 – 30 % | 青 |
29 – 0 % | 赤 |
パフボタンの背面には充電用microUSB端子が配置されており、1A充電に対応しています。
2Aなどの急速充電には対応していないの注意が必要です。
分解してみました
分解してみます。全パーツはこのように構成されています。
左から
- ドリップチップ
- アトマイザートップキャップ
- コイル/タンク
- エアフローリング
- バッテリー本体
となっています。これ以上はOリングなどのショートパーツのみ取り外すことが出来ます。
ドリップチップ
ドリップチップ取付部は510規格を採用。黒い樹脂製のドリップチップです。
付属の黒い樹脂製のドリップチップは逆テーパードデザイン。
内径 5mm → 7.15mm と口元に向かって緩やかに広がる逆テーパーデザイン。構造だけ見てもおいしそうなデザインしていますね。単純に内径を絞っているだけのDTに変更するとかえって味が出なくなりそうです。
タンク部分
バッテリーからアトマイザーは完全に取り外すことが出来ませんが、リキッドの味を変えたい時などの際の洗浄が比較的簡単にできるような構造になっています。
水洗いは推奨できませんが、筆者はバッテリーにダメージがない用に注意しながら手早くやってしまいます。通常は拭き取るなどして、リキッドが混ざらないようにするのが良いと思いますし、香りが強いリキッドを用いる場合には専用にしたほうが良いと思います。
タンクにはドイツ製ポリカーボネートを使用
割れにくく、燃えにくい素材。強度に優れ、像が踏んでも壊れないなどの優れた性質がありますが、耐薬品性に優れているとは言えないようです。アルカリ水溶液、酢酸や一部のアルコールに弱い為、調べた限り、リキッドの成分によってはクラック等が生じる可能性があります。
ただし、強メンソール(Tropwen,SubZero)やタンククラッシャーリキッド(Berry Brast)で2週間運用しましたが、クラックは一切ないため、そこそこ耐性はありそうです。
追記
3つのFOG1を3ヶ月、Tropwen,SubZeroで運用していますが全く問題ありません。そしてガラスタンクと違い、本体を落下させても割れてしまうリスクも少ないと思います。数回落として本体に傷は入りましたが今の所割れなどは発生していません。
ただし、柑橘系リキッドのリモネンでクラックが入ったとの報告も。
コイル
2種類付属します。どちらもNi-Crワイヤー(長寿命)を使用。ウィックは日本製オーガニックコットンです。
- OCC Bottom Coil 0.5ohm(DL用 ダイレクトラング・直肺吸い)
- OCC Bottom Coil 0.8ohm(MTL用 タバコ吸い・口吸い)
『長寿命ワイヤーを使用』 ワイヤー自体は長寿命でも、いつも先にダメになるのはウィックですし、ガンクには関係ないので、あまりワイヤーの寿命を謳うのはどうかと思います。
ボトムのエアホールを見てみると径が異なっており、ドローの違いを実現しています。
それぞれ抵抗値が異なることから一定ボルト出力のバッテリーのため、ワッテージがそれぞれ異なります。計算した所、約3.46ボルト出力の低ボールテージ出力となっているようです。
一定電圧出力のため、直接出力(バッテリー電圧をそのまま出力するバッテリー)と比べて、バッテリー残量で味が変化することがないのが特徴です。
コイルのリキッドホールは外側から見えないステルス仕様になっており、コイル下部に溝が設けられています。
上部にはスピットバック防止のプレートが取り付けられていて、リキッドが爆ぜて口に入ってくるのを防ぐ構造です。
コイル部分を見てみると、横ビルドのスペースドコイルが設置されています。
プリメイドコイルの筐体は上部は非分解式(ペンチでなどで回しましたがびくともしません)のため、コイルボトムから撮影しました。
この写真は0.8ohmコイルですが、0.5ohmコイルも同様にスペースドで組まれています。
使い方
まずは本体を取り出し、バッテリーの充電を行います。USB DC5V 1A電源に接続したmicroUSBケーブルを本体に接続し本体を充電します。
充電が完了したら次はアトマイザーにコイルを取り付けます。
2種類のコイルから好みのドローに合わせてコイルをセレクトします。
コイルを取り付ける時はタンクを外したほうが作業しやすいと思います。
タンクを外し時は、タンクの凸と、ベース部分の凹を合わせるようにします。
これはタンクの回り止めですね。ついてなくても問題がない機能ですが、おそらくトップキャプを回した際にタンクも供回りして、Oリングでしか接続されていないタンクが緩んでしまうのを防止するようになっているのではないでしょうか。細やかな設計の配慮が見えます。
コイルを取り付けた後はリキッドをチャージします。リフィルの際にはトップキャップを外すだけでチャージ可能です。
コイル内のコットンにリキッドが浸透するまでの間、10分程度放置するのをお忘れなく。
タンク横にはMAX表示があり、このラインまでリキッドを入れることが出来ます。
トップキャップにはチャイルドロック機能がついています。
スプリング式でただ回すのでは空転してしまうので、下に押さえつけながら回して締めます。
開ける時も同様に押しながら回す必要があります。
準備が済んだら使用していきます。
後は電源ON時にボタンを押しながらドリップチップを加えながら吸引するだけでミストを吸うことが出来ます。
ドロー(吸い込みの軽さ)はこの部分、リングを回すことで無段階に調整できます。
エアホール(穴)を開ければ開けるほど軽くなり、逆に閉じれば重くなります。
FOG1の味をさらに良くする方法
さて、ここからは魔改造編です。
FOG1のコイル内に設置されているスピットバック防止のプレート、細いラジオペンチでつまんでガっと取り出すことが出来ます。普通はそのまま使用すると思いますが、僕のように魔改造が好きな方はご参考までに。
プレートのお陰でスピットバックは防ぐことができますが、折角の美味しいミストがこのプレートにぶつかって液化してしまい、口まで届かないため、味の部分で絶対的に不利だと僕は考えたため、通常状態で暫く使ってから外してみました。
スピットバックは長時間放置した後に発生しやすいため、放置したあとの最初のパフは口元から外して一度パフしてやればほぼスピットバックは問題にならないと思いますが、コイル個体差やリキッドによっては発生するかもしれません。
そして案の定、断然こっちのほうが味が良い!
ペンタイプとかクリアロとかいう括りを超えて普通以上に美味しい!
その証拠にRBAを持ち運ばずにこれだけ持って出かけることが出来ます。これほんと美味い。リキッドによっては、話盛らずにこれで充分って手放しで思えるレベルです。
感想
2週間強使用してみました。個人的にはかなり気に入っています。特にTropwen専用機として、これだけ持ち出す運用が可能、実際ここ数日仕事場にはこれしか持っていっていません。充分美味しく吸えています。
今まで1年強、様々なサブ機を試しました。その他にRBAのメイン機を必ず持ち歩いていましたが、これは“味”において満足できる初めてのサブ機であると個人的には思っています。
◎見た目
シックでシンプル。ロゴの主張が少なく、シチュエーションを選ばずに使用可能。スタンダードなデザインは奇抜さやオシャレ感はないが安定して使える安心感があります。
◎サイズ感と重量
小さくコンパクト。20mm径で、標準的なアトマイザーサイズよりも小径かつ、全長も短いのでポケットに入れておけるサイジングです。重量は実測で85gと相当軽く、携帯性が非常に高いです。
◎クオリティ
ディティールまで行き届いた感を感じます。見える部分以外にもドリップチップの仕上げや、タンクの質感、トップキャップのチャイルドロックを押した時の感触などmade in CHINAですが、日本企画製品や某リンゴコンピューターのようなハイクオリティマスプロダクツの香りを感じる製品だと言えます。
◎価格
他のペンタイプオールインワンスターターと大差のない価格設定です。マスプロダクツ品として標準的な価格帯の製品。
◎機能面
ペン型スターターとして標準的な機能。操作はON/OFF/パフのみ。保護機能、標準的なアトマイザー部にボトムエアフローでドロー調整可能。
気になるのはeGo AIOなどのスターターと違い、ボトムエアフローの為、構造上過剰供給による漏れが気になる所ですが、2週間の運用中では、漏れどころか滲みや結露も全く問題になりませんでした。「漏れない」も立派な機能です。
ただし、気圧差が発生する環境では運用していないので、高地や飛行機移動などでの漏れが発生する可能性は否定できません。
◎運用性
リキッドチャージはトップフィル。チャイルドプルーフで子供のいたずら防止を防ぐ保護機能の反面、昨今多いスライド式の利便性にはかないません。電圧が固定式で、低ボルテージ出力の為、ガンクの発生も抑えられていると思います。
唯一不便なのはタンクにリキッド残量がある状態でのコイル交換が出来ません。
ボトムエアフローのため構造上完全に漏れは防ぐことができません。環境や使い方によっては多少の漏れが発生します。3本を3ヶ月ほど、交換コイルを10個ほど使っている中で運用して、2度ほど少量漏れたことがありましたがかなり漏れは少ないと感じます。
◎ドロー
コイルによって異なります。
・OCC Bottom Coil 0.5ohm(DL用 ダイレクトラング・直肺吸い)
ギリギリ直肺いけるドローから、相当軽いドローまで対応。
エアフローリングは2/3〜全開まではほぼ変わりません。
・OCC Bottom Coil 0.8ohm(MTL用 タバコ吸い・口吸い)
タイトドロー(DLかなりきつい)から直肺ギリギリドローまで。エアフローリングは1/2〜全開まではほぼ変わりません。
◎ミストの質感と味
どちらのコイルでも細かく柔らかいミスト。若干のウェット感はあるもののどちらかと言うと乾いたミスト。RTAやクリアロマイザーの質感で、オールインワンタイプのそれとは感じないような質感を感じます。味自体も若干薄膜が被っている間接的な味わいですがかなりでている印象です。
しかもこれが3.5V以下の低ボルテージ出力で実現されていることがすごいと思います。
コイルは完全に好みに最適化されていて、どちらが美味しいというよりは好みであり、リキッドのセレクト次第だと思います。
個人的には0.8ohmコイルのほうが吸い方が合っていないのにもかかわらず美味しいと思います。味重視の高抵抗ならこれで本当美味しいと思います。
しかし、0.5ohmコイルでもDL運用で充分美味しいと感じますが、このミスト量だとデュアルの濃度が欲しくなってしまうのも事実です。いや、充分美味いんですけどね…
どちらかと言えばMTLで0.8ohmコイルの方がおいしいと感じます。
そして、この機種が合わない人はミスト量多めセッティングが好きな方だと思います。0.5ohmコイルではそこそこミスト量多めですが、やはりシングルのミストですし、低ボルテージですし、味が特別濃くもないため、好みのが合わない、リキッドと吸い方が合っていないのだと思います。
まとめ
FOG1は久々に手放しで素晴らしいと思える製品です。コイルのランニングコストにだけ目をつぶれば、これを常飲リキッド分揃えればよいのではないか、と思えるほどの出来です。
構造上漏れを完全には防げないため、eGo AIOの代わりに推薦するのはどうなのだろうと思っていましたが、普段普通に使っている分には全く問題ないですし、味が雲泥の差なのでもうこっち買ってください!と言っちゃいます。
入門者・初心者はもちろん、中・上級者のサブ機、いや!荷物が増やせない時のメイン機として十分活躍してくれるレベルです。ガンクのたまりにくい常飲がある人はそれ専用機でも良いと思います。
特にスピットバック防止プレートを外すとホント美味しい。マジで良い製品です!!
昨今オールインワン系のスターターでも味に定評があるモデルが増えています。RBAの自分の好みに近づけていく作業や、味も勿論美味しいけど、利便性に味を兼ね備えたデバイスも良いですよね!
2019/1/31追記
未だに人気の絶えない機種で、多数のアクセスをいただいております。その人気に裏付けられている通り『価格・美味しさ・利便性・ルックス』など様々な点から最強と言って良いほどのスターターキットです。これを超えるスターターキットはレビューから1年以上が経過しましたがまだ現れていません。筆者も携帯用として現役で愛用する優れたスターターキットです。
コメント
FOG1 のリビルト参考してみます。私も縦にしたりステンレスにしたりしていますが漏れました また良い方法ありましたらアップしてください。
西山
ボトムエアフローなので構造上伝い漏れは発生するため、完全に漏れを防ぐことは物理的に不可能なので試行錯誤してみてください〜。