Envii(エンヴィ)のアトマイザー、Artisan RTA「アルチザンRTA」のレビューです。
このメーカーは、ハイエンドMODの中でも特に入手困難でプレミアム価格もついている”Lochness”のデザインコンセプトを受け継いだマスプロダクツ版や、クローズドシステム”FITT”をリリースし、一躍有名になりました。日本でもかなり話題になっていますね。
会社自体はUSA、アメリカはカリフォルニアにありますが、生産は他の国で行っているようです。その為、コストパフォーマンスに優れた製品をリリースしています。
そのメーカーがリリースしたRBAのアトマイザーがこのArtisan RTAです。
早速レビューしていこうと思います。
商品提供:HEAVEN GIFTS
Envii Artisan RTAのパッケージと内容品
カラーリングやデザインが洒落ているカジュアルな印象のパッケージは金属(缶)です。パッケージ内容は
- Envii Artisan RTAアトマイザー本体
- スペアパーツ一式(ガラスタンク、イモネジ、Oリング)
- ドライバーン用リング
- ビルド用六角レンチ
Envii Artisan RTAの詳細
Envii Artisan RTAは直径22mmの汎用性の高いタンクアトマイザーです。RTAに分類される本機は自分でワイヤーからコイルを作ってビルドするタイプのアトマイザーになります。デザインはアメリカで行われているのを表すように、かなりルックスは良いです。そして、製作クオリティも中々で、仕上がりも悪くない印象です。それではスペックの方見てみます。
Envii Artisan RTAのスペック
リキッド容量 | 3ml |
直径 | 22mm |
全長 | 41mm |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510 |
コイル | RBA シングルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー |
色 | Silver , Black , Rose |
envii公式サイトより
MOD接続部の510スレッドと、吸口部のドリップチップを除いた全長は36.82mmでした。
細部を見ていきます。ドリップチップは510のもので、汎用品に交換することも出来ます。付属のものは黒い樹脂製です。Oリングを用いていないのははじめて見ましたが問題なく使うことが出来ます。内径は510にしては限界ぐらいまで(7.5mm程度)広いタイプです。
リキっドチャージはトップフィル方式です。よく用いられているネジスレッドタイプではなく、切り欠きを合わせてロックするタイプで、使ってみた感触はかなり良く、簡単にロックすることができ、なおかつ何度も回す必要が無いため、素直に便利だなと感じます。
タンクは独立で機能しないタイプで、リキッド残量がある状態でのデッキアクセスはできません。トップパーツとデッキでタンクを支える構造になっています。チャンバー部とチムニー部はスレッドで分解することが可能です。チムニー内径はおおよそ9mmです。
チャンバー部分を見てみると、外見よりかなり細くなっていて、ミスト発生部はそれなりに狭いことがわかります。チムニー幅とさほど変わらないチャンバー部。
ジュースチャンネルはタンク接続部に直接ホールが空いているタイプ。大きさはそこそこ大き目で、径の小さなコイルでビルドするのはかなり難しいのではないかと予想できます。
エアホローはボトムエアフローです。AFCを用いて無段階調整が可能です。エアホールは2箇所開いています。このAFCも分解が可能になっています。
ポジティブピンはクリアロマイザーのような固定式で、調整はおろか分解することも出来ません。
デッキはかなり変わっています。Pico RTAのようにベースから完全に取れるタイプで、固定はスレッドではなく、ベースとチャンバーで挟み込む固定方法になります。ネジは六角のイモネジで横から締め込むタイプ。このあたりはビルドの項目で詳しく触れたいと思います。
Envii Artisan RTAをビルドする
ビルドです。まずはビルドする前にアトマイザーを空吸いしてみます。
全開でかなりスカスカ。全閉でもそこそこ吸えてしまいます。
その為、MTL向きではなく基本DL向きのアトマイザーです。そこそこ熱量のあるコイルビルドが必要だと思われます。
それを裏付けるように、商品提供元やメーカーのホームページを見てみると、クラプトンコイル前提のような記載があります。これが正攻法なのでしょう。
しかし、初ビルドなので、単線で巻いてみて味の傾向を探りたいと思います。今回はカンタル24ゲージ 3.0mm 6ラップで巻いてみます。実測抵抗値0.65ohm
デッキを見て最初、結構面倒くさそうなデッキだな、と思ったのですが、そのファーストインプレッションは誤りでした。ビルドはすごく楽です。この手のコイルレッグをレッグホールに落とすタイプのデッキの場合、レッグホールにコットンレッグを落とす前に長さを決めておく必要がありますが、これはレッグホールが貫通していて、裏側からニッパーで落とせるので本当にすごく楽。
コイルを巻いてから、デッキにコイルを固定した後でコイルの位置を微調整。その後コイルレッグを切断するだけです。
ドライバーン時には付属の専用パーツを用いてデッキをベースに固定してドライバーンします。このようなデッキとベースが別体のRTAの欠点として、ドライバーンがやりにくい点がありますが、これを別体パーツを用いて補っています。
ただし、出先でのリビルドなどの時にこのパーツを持ち歩かなくてはならない欠点はありますが、そのような場合はチャンバーだけ取り付ければ急場をしのげるので問題はないかもしれません。
ウィッキングですが、ジュースチャンネルをウィックで塞ぐタイプなので、そこそこ塞がなくてはチャンバー内にリキッドが漏れ出してしまうため、僕がビルドした感じとして、最低でも2.5mm径以上のコイル内径でないと難しいと思います。
今回は内径3.0mmで巻いていますが、それでもそれなりにコットンを詰めてウィッキングしています。詰め気味で供給不足にならないように、浸透の良いFiberFreaksを用いています。このウィックを用いるのは供給量の他に味の好みの部分もあります。
ウィックレッグを切断してタンクを取り付けたらリキッドチャージして使用します。
Envii Artisan RTAのまとめ
まずこのアトマイザーは直肺吸い(ダイレクトラング DL)向きのアトマイザーです。口吸い・タバコ吸い(マウストゥラング MTL)には向きません。
ドローは全閉でもMTLには軽く、全開だとスカスカです。ドリップチップで絞れば多少絞れそうですが、そのような使い方を想定していないと思います。ドリップチップの内径も設計思想が現れていると思います。その為、そのエアフローに合わせた熱量のコイルを組む必要があるため、メーカーもクラプトンコイルで真価を発揮すると言っているのでしょう。
今回の単線ビルドではエアフローを1/10以下開いた状態で、口に入ってくるミストは十分冷えているのでもっと熱量を高めてビルドすることもできそうです。この状態でもドローは軽めです。
味の傾向は単線でビルドしてみて予想外にシルキー系のミストですね。味もかなりはっきり出て、今回のビルドで4V付近だと味が濃すぎて疲れてしまうので、3.5V程度の低電圧運用で丁度よい印象です。それでも味はしっかり乗るので、コイルやウィックの消耗が少なくて良い印象です。
個人的に好きなポイントは、チャンバーからチムニー、ドリップチップまで径があまり変化せいか、ドローが非常に気持ちよく、帯状のミストが口の中に広がる点。これが良い部分と感じるため、ドリップチップで絞ってしまうのは非常にもったいないと感じます。
ビルドも楽で見た目も良い。ショートでMODとのマッチングも良い印象。
唯一の難点は、リキッド残量が残っている状態でのデッキアクセスができない点。
そして敢えて言えば、コイルビルドとコットン量に若干の熟練を要する点でしょうか。
でも、僕みたいなヘタレなベイプビルダーでも、初ビルドから漏れること無く、いがること無くビルドできているので、コイルの巻き径だけ3.0m以上ならあまり難しくないのかもしれません。
この部分だけ許容できればコスパにも優れていて非常に良いアトマイザーだと思います。
DL運用で22mm系のアトマイザーを探している人は是非チャレンジしてみてくださいませ!!
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