DIGIFLAVOR「デジフレーバー」のVAPEアトマイザー、ETNA MTL RDAのレビューです。
18mmサイズの小径アトマイザー、近頃ニコチンソルトなどの需要から、MTL向けデバイスのリリースが相次ぎますが、このETNAのように小径アトマイザーもちらほら見るようになってきました。
このアトマイザーの特徴
- 18mmというレアな小径サイズのドリッピングアトマイザー
- シングルコイル専用のMTL特化型
詳細をレビューしていきます。
商品提供:Everzon
詳細
ETNA MTL RDAは18mmサイズのドリッピングアトマイザーです。
小径アトマイザーといえば、古くはイタリアから。
そのイメージに従い、このETNA RDAは2人のイタリア人デザイナー”Giuseppe Pappalardo and Salvatore Agrosì”によるものです。残念ながら存じ上げないのですが、おそらくその道では有名な方なのでしょう。
今まで小径アトマイザーといえば、それこそイタリアの少量生産品がメインで、その他にも『ハイエンド』と呼ばれる高額な製品しかなく、価格の安い大量生産品であるマスプロにはなかったジャンルですが、需要とともに製品のバリエーションが増えるのは喜ばしいことですね。
デッキを確認すると、2ポストのシングルコイル専用。小径アトマイザーに合わせたMTLユースの製品であることがわかります。DIGIFLAVORも「タバコやフルーティーな風味のニコチンソルトリキッドに最適化した」と謳っていますから、紙巻きタバコのようにタイトなドローを実現できるのでしょう。
また、エアフロー部分が変わっていますね。デッキエアフローのパーツは交換可能です。このETNA RDA、キャップを回してドローを調整することはできません。
ドロー調整は、専用のエアフローパーツを交換することで可能です。画像のように付属のパーツを交換してドローを自分の好みやビルドに合わせて調整することが可能です。
カラーバリエーションは充実の6色。定番的な色にブルーを追加。奇抜なカラーリングは用意されていませんが、一般的に合わせやすいカラー展開ですね。
GOLD / BLUE / BLACK / GUNMETAL / RAINBOW / SS
スペック
直径 | 18mm |
高さ | 25mm(DT、スレッド含まず) |
重量 | 26.6g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510DT |
コイル | RBA シングルコイル |
エアフロー | サイドエアフロー |
素材 | ステンレス |
BF対応 | ◎ BFピン付属 |
公式サイト | http://digiflavor.com/project/etna/ |
パッケージ・内容品
それではパッケージを開封していきます。
パッケージのデザインはDIGIFLAVOTのコーポレートカラーを使った定番のデザインです。
コンパクトなサイズの紙箱。全面にはメーカーと製品ロゴ、製品が見える窓付き。背面には製品の情報がプリントされています。
また、スクラッチ式のセキュリティーコードの入ったステッカーも貼られ、開封部には剥がすと元には戻らないホログラムステッカーを添付。これにより中身のすり替え防止と、コードの確認をすることでの製品偽造を防止しています。
内容品一覧
- DIGIFLAVOR ETNA MTL RDA アトマイザー本体
- エクストラドリップチップ
- スペアパーツ一式(Oリング、デッキネジ、ノーマルピン)
- エアフローパーツ モジュール x2
- ツール(ビルド用六角ドライバー、エアフローパーツ着脱用六角レンチ)
- プリメイドコイル
- コットン
- ユーザーマニュアル、その他書類(英語)
説明書などの書類に日本語での記載はありませんでした。基本的に英語で書いてあります。
外観
トラディッショナルな小径RDAアトマイザーのルックス。
シンプルなデザインに、主張が抑えられたように小さめのロゴマークをエングレービング。
上品なルックスのアトマイザーです。
真新しさはありませんが、18mmサイズだとサイズ的成約もあるのでシンプルな方が好ましいかと思います。
その中でも特徴的なのが樹脂パーツの使い方。スラントリングとトップキャップ上部、ドリップチップを同じ素材で統一することで一体感を演出。そして、熱が気になる部位に用いることで機能性も確保。合理的な設計思想を感じ取ることができます。
ドリップチップとトップキャップ上部は唇が触れる部分の熱を。そして、スラントリングはMODに熱を伝えないヒートインシュレーターとして機能します。
作りもなかなかキレイですね。見える部分はもちろんですが、デッキもそれなりです。
分解
はじめにETNA RDAを構造ごとに分解してみました。
- ドリップチップ
- トップキャップ
- デッキ
- スラントリング
4つの部位に分けることができます。トップキャップとデッキはさらに分解可能です。
それでは、各パーツの詳細を順番に見ていきましょう。
ドリップチップ
ドリップチップは510規格のものを取付可能です。
付属品は2つ。同様のデザイン・素材のドリップチップは、全長と内径が若干異なるもの。内径はどちらもストレートタイプ。好みに応じて使う方をセレクト可能です。
右:全長16.5mm、露出部の高さ11mm、外径9.5(12.5)mm、内径5.5mm
左:全長20mm、露出部の高さ14.5mm、外径9.5(12.5)mm、内径5mm
トップキャップとエアフローデザイン
トップキャップは基本ワンピース構造ですが、上部に”ヒートガード”機能を持つ樹脂パーツがセットされています。
直径18mmサイズ、なおかつ全長が抑えられたアトマイザーなので、本体に熱がこもりやすく、特にトップキャップ上部が熱くなりやすいため、唇に触れる上部付近をガードする仕様です。
デザイン的にもワンポイントになっていますね。
そして、トップキャップのサイドにはエアホール。ご覧の通りのサイドエアフロー構造です。
トップキャップを外してみると、デッキにも同じように同径のエアホールが空いています。
キャップを嵌めるときは、このエアホールの位置をあわせてスポッとはめ込みます。キャップエアホール付近に、デッキサイドのOリングを咬みやすいので注意して嵌めます。
それでは、トップキャップにAFC機能が搭載されているのかといえばそうではありません。
トップキャップとデッキにはピッタリとハマる凹凸が彫り込まれていて、これを合わせて接続することで周り留めともなり、また、エアホールの位置をピッタリと合わせる事ができます。
つまり、トップキャップを回して、エアホールの位置をずらし、ドローの調整はできません。
では、ドロー調整はどうするのか?といえば、デッキのエアフローパーツを交換することで可能です。
付属するエアフローパーツは以下の3種類です。
付属のエアフローパーツ
- 1.2mm シングル
- 0.8mm デュアル(2つ穴)
- 0.8mm トリプル(3つ穴)
つまり、付属品を使うと3段階にドロー調整が可能ということです。
さらにオプションパーツとして4種類のエアフローパーツが用意されています。
別売りのエアフローパーツ
- 1.0mm デュアル(2つ穴)
- 1.0mm トリプル(3つ穴)
- 1.5mm シングル
- 1.8mm シングル
合計すると7段階にドロー調整が可能。ただし、この別売りオプションパーツは、ドローが軽めな用途に合わせたもので、タイトドロー向けではありません。
MTL向けアトマイザーなので、もっとエアホールが小さいものがラインナップされていると嬉しかったですね。0.6mm、0.8mm、1.0mmシングルの3種類は最低欲しかったと思います。
このエアフローパーツは、デッキの外側からネジで固定されています。エアフローホールに接続されている六角ネジがそのパーツ、このパーツは真ん中に穴が空いている”スコンクピン”のような構造になっていて、エアホールから空気をエアフローパーツに流します。
スレッド式なのでしっかり締め込めば、途中で空気がリーク(漏れる)心配もありません。
構造は非常に合理的。難点はドロー調整が面倒(パーツの交換が必要)ですが、ドローを固定して使うユーザーであれば特に問題はないでしょう。
ただし、コイルに対してボトムから空気を当てる構造なので、コイルを外さないとドロー調整ができないのがデメリットです。これは、エアフローパーツの上にコイルを設置するためで、物理的にコイルが邪魔してエアフローパーツを外すことができないからです。
コイルビルド後に「もうちょっとドローがタイトな方が良いな」と思っても、一度コイルを外さないと交換はできませんので注意。
エアーの流れは、Digiflavor公式サイトの画像がわかりやすいので貼っておきます。一般的なサイドエアフローの構造ですね。
キャップの裏側はキレイなドーム形状。今や定番のキャップ裏構造を採用しています。
デッキ
デッキです。ポストは小径サイズを活かした2ポストデッキ。ポストは円周に近い場所にセットされています。
デッキサイズに似合わない、ゴツめのポストデザイン。ポスト自体でスペースを占拠してしまいますが、大きめのコイル固定ネジ(イモネジ)と、切れ込み式のポストで少々太めのワイヤーでもがっちりとロックします。
ポストには切れ込みが入っている方式で、強度や耐久性を考慮して、少々ごついデザインになっていると思います。コイルをクランプするときはイモネジを完全に外す必要はなく、写真のように隙間を作る程度に緩めてやれば、コイルレッグのワイヤーを通すことができます。
18mmと小径サイズのアトマイザーですが、ジュースウェルはきちんと確保されているのもスペックの一つです。
ポストの下と、エアフローパーツの下には繋がったデザインのジュースウェルが確保されていて、小さいサイズながらも多くのリキッドを保持できるようになっています。エアフローホールはその上に、なおかつ上に向かって空いているので、リキッドが漏れにくいデザインにもなっています。
小径アトマイザーというと、BF専用機のようなイメージもありますが、これだけウェルが確保されていれば通常のRDAとして十分に実用的です。
ポジティブピン
最後にポジティブピンを確認しておきましょう。まずはデッキの裏を確認します。
デッキの裏には色々と情報が入っています。”Designed in Itary” イタリアデザインであること。 “ETNA” 製品名 “ETNA by GP / AS for Digiflavor” 2人のデザイナーのイニシャルとメーカー名 など。
プリセットされているのは金メッキ処理されたスコンクピン。かなり出っ張っていて、実測1.05mm。
これだけ出ていればハイブリット接続のメカニカルMODでも十分に実用可能です。ただし、このようなMODで使う場合には、実際手元にある製品の状態をしっかり確認することが必須です。
スコンクピンのリキッド出口はジュースウェルから少しだけ上がった位置から供給されます。
もちろんノーマルピンも付属します。このピンはデッキのポジティブポスト固定ネジ兼用なので、緩めて出っ張り具合の調整をすることは構造上できませんので、ピンはしっかり締め込んで使用します。
ビルド
ビルドです。まず、ドローを確認すると、MTL向けRDAですが、そこまでドローはタイトではありません。
それもそのはず、用意されているエアフローパーツ(モジュール)の3つは、『1.2mmシングル , 0.8mm デュアル , 0.8mm トリプル』というスペックを見れば分かる通り、そこまでタイトなものではありません。
タイト目なDLにも対応できるぐらいのサイズです。
この中で一番ドローがタイトなものは、面積を計算すれば分かる通り0.8mm デュアルのものです。できるだけドローをタイトにしたいのでこのパーツをセレクトしてビルドを開始します。
本当は0.8mmシングルがあればベストなんですが、どうしても、というユーザーは片方のエアホールを耐久性のあるパテなどで塞いでしまっても良いと思います。
今回はニクロムワイヤーでビルドしました。もちろん、付属のプリメイドコイルを使っても良いと思いますが、筆者の好みからマイクロコイルのほうが好ましいのでワイヤーから巻いています。
Ni80 27ゲージ、2.5mm、5巻
クランプ部に通してコイルレッグの長さを確認したら固定。余分なコイルレッグはカットしますが、ポストからキャップまでの距離が確保されているのでラフにカットしても問題ありません。短絡が心配であれば、ポストの側面にワイヤーを這わせるための溝が掘られているので、そちら側にワイヤーを引っ張って、ポストのへりでカットするのが良いでしょう。
コイルはエアフロー直上にセット。この写真を見れば分かる通り、コイルビルド後はエアフローパーツの交換(ドロー調整)はできませんので、ドローは予め決めておく必要があります。
後はウィックを通し、適当な長さ(ウェルの底に届く程度)にカッしてセットすれば完成です。
リキッドチャージですが、通常上から垂らすとき、ドリップチップを外してラフにだばーっと注いでもエアホールからだばーっと漏れたりしません。これはデッキエアホールが小さいためだと思います。大きなサイズのエアホールパーツを使うときはラフに注ぐと漏れると思いますので注意です。
MODに載せてみました
18mmの小径アトマイザーなので、小さなサイズのデバイスによくマッチします。
Simple EXにベストマッチですね!カラーもそうですが、樹脂の使い方も似ているのでまるで専用品みたいです。
その他の小型機種にももちろん似合います。18mmサイズですが、スラントリング付きなので不格好にはならないですね。
感想
味から語っていきましょう。
普通においしいです。最近のレビューの常套句になっていますが、だってふつうに美味しいんですもの。
いや、大体のアトマイザーがある一定以上のレベルに行っているので、それを超えるレベルって正直難しいと思うんです。だから”普通”にうまい。味の方向的にはあっさり。淡白な印象。
でも、期待通りかといえば答えは”NO”です。
構造やデザインは良いと思いんです。少しの個性はありながらシンプルなデザイン。
煩わしさはあるものの、合理的なエアフローパーツ交換式ドロー調整機構。
ダメなのはエアフローパーツのバリエーション。詳細項目でも触れましたが、何故MTLを謳っておきながらドローが絞りきれないのか?ドローが軽い、それが期待通りの味が出ない原因です。
これがもっとドローを絞ったパーツが用意されていたら印象は違っていました。
その証拠に強引にエアホールを0.8mmシングルにして吸ってみるとかなりおいしいじゃありませんか!
チャンバー容量的に、軽めのドロー方向にビルドするには向いていないので、もっとタイトにすべきだと思います。
更にチャンバートップにもう少し余裕があったらなお良かったですね。少しだけキャップを持ち上げると味が改善するので、余裕不足です。ウェルなど使い勝手の方を優先させた結果だと思いますが、もう少し性が高くなっても良いから味も重視してほしかったと思います。
個人的には
18mmサイズは少ないながらもバリエーションが増えてきましたね。
少し前にレビューしたBoomStick Engineering Reaper MTL RDAやVandy Vape BERSERKER MTL RDAも同じようにマスプロでありながらイタリアデザインの18mmアトマイザーでした。小径アトマイザーが気になっているユーザーはそちらも確認して検討するのが良いかと思います。
個人的には味ではBERSERKER、ルックスではこのETNAが好みです。
まとめ
パーツのバリエーションに不満がありますが、工夫次第ではおいしく吸えるアトマイザーです。
それはもちろん、レアな小径18mmサイズというだけで価値があると思います。コンパクトなMODへのマッチングは最高で、これでしか成し得ないセッティング、ルックスを実現できます。
小径アトマイザーにロマンを感じるユーザーさんはチェック!以外にディスコンになってから「あのとき買っておけば….」と後悔するのが貴重な商品ジャンルの製品です。
まだ在庫が潤沢にあるうちにチェックしてみてください。
コメント