Artery(アーテリー)のVAPEスターターキット、PAL AIO 「パル エーアイオー」のレビューです。
片手サイズの1200mAhバッテリー内蔵型のAIO(オールインワン)タイプの電子たばこスターターキット。この製品はハイエンド製品であるBillet Boxをモチーフにした製品で、『マスプロ版ビレットボックス』とも言うべき商品です。
詳細をレビューしていきます。
商品提供:Everzon
詳細
ボックス型のオールインワンスターターキット Artery/PAL AIO KIT
昨年流行った製品の中にBillet Boxという製品があります。このArtery/PAL AIO KITは、『Billet Boxのマスプロ版』というコンセプトの製品です。
Billet Boxはアメリカ製のハイクオリティーで値の張る製品で、これを安価に試すことができる製品というコンセプトがPALという製品です。
当サイトではこのビレットボックスのレビューを記事にしていますのでこちらも合わせてお読みいただければと思います。
前面パネルを取ってみれば一目瞭然。
Billet Boxそのままの内部構造。バッテリー内蔵式、可変ワッテージ機能は搭載されていないものの、BOROタンクを模したタンクを内蔵できることや、着脱式パネルなど、誰がどう見ても
『Billet Boxそのまま』
Billet Boxは良い!コンパクトでかっこいいし、使ってみたいけど、ハンドメイドに近い生産体制で海外から買わなければならないし、なおかつ高額だから、気軽な製品から使って試してみたい!というニーズを満たす製品です。
中国のVAPEメーカーが作ったBBインスパイア製品。Billet Boxをモチーフに、形状やコンセプト、一部の構造を模して作り上げた『マスプロ版ビレットボックス』がこのPAL AIO KITです。
BBと違い、可変ワッテージ機能は搭載されておらず、バッテリーの電圧を直接出力。内蔵1200mAhバッテリーで、交換はできません。
アルミ合金製のボディは実測140g。コンパクトで軽量なボディーを目指したのかサイズ感はBBよりもひと回り小さく薄い印象で、片手に収まるサイジングです。
スペック
サイズ | H 91(79)×W47×D19.4mm |
重量 | 140g(実測) |
出力モード | Bypass(直接出力 3.2-4.2v) |
リキッド容量 | 3ml |
リキッドチャージ | PODのガラススライド式 |
エアフロー | ボトムエアーフロー(調整可能) |
コイル | Aspire Nautilus BVC互換 カートリッジ式 |
充電ポート | microUSB(DC5V) |
バッテリー | 1200mAh(内蔵バッテリー) |
保護機能 | ・過充電保護 ・オーバーヒート保護 ・自動カットオフ(8s) ・ショートサーキット保護 |
Artery公式サイトより
パッケージ・内容品
まずは製品のパッケージです。
白を基調にしたパッケージデザイン。背面にはセキュリティーコード入り偽造防止ステッカーが貼られているのは、中華マスプロのお決まりの仕様です。
内容品一覧
- Pal AIO1200mAh スターターキット
- Extra Coil (0.7ohm, 15-25W)
- 予備パーツ(予備ガラス、パッキン一式)
- micro USB ケーブル
- ユーザーマニュアル、ワランティーカード、クオリティーチェックカード
説明書類は英語と中国語で記載されています。図解が入っているのであらかた内容が絵で理解できるようになっています。
デザイン
本体のデザインです。
BBに比べて直線的なデザインです。
構造
気になるのはベントホール(空気穴)が用意されていない点。これはパネルを開けるとわかります。
パネルに空気が通る道が用意されており、ボトムから空気を取り込む構造です。サイドに穴を設けるのに比べて、本体デザインがシンプルに済みますが、パネルを自作する場合はこの溝を設けなければなりませんので自作派には難易度が高いですが、本家BBもバッテリー収納用の溝が掘られているので、ラウンドしてないPALのパネルの自作難易度はむしろ下がっているのかもしれません。
ディティール
本家BBでは本体中央付近に設置されていたパフボタンは、上部へと移動。本体を握ったときに親指を置く位置へと調整されており、外見的デザインよりも使い勝手を重視した場所に変更されているようです。
このパフボタン側のパネルにはブランド名であるARTERYの文字が入っています。
BBとは異なり、バッテリー充電用のmicroUSBポートが側面に用意されており、内蔵バッテリー用にリファインされています。
そして底面にはバッテリーベントホールが用意され、安全性に配慮されています。そして、この底部分にはパネルに溝が掘られているので、パネルの着脱はこの底部から行います。
パネル
前後両面のパネルを外すことができます。このパネルはマグネット式。
メーカーサイトを見ると交換可能な別デザインのパネルも用意されており、カスタマイズも楽しむことができるようです。
内部
タンクの着脱方法ですが、構造はBillet Boxと同じで、ドリップチップ取り付け部分でロックされる構造。
ドリップチップの素材は樹脂製。取り付け部分は510規格なので汎用品に交換することもできます。
全長17.0mm、露出部の高さ12.0mm、外径13mm(取付部)9mm(咥える部分)、内径4→6.5mm(途中までストレート、口元で逆テーパー)。
ドリップチップ取り付けパーツにはコインで回すための溝が掘られているので、付属のコインもしくは手持ちの硬貨などを用いて外します。外すときは反時計回りに回します。
このドリップチップ取り付け部分を外してタンクを着脱します。
ロック部分を見てみます。タンクを取り付けずにロックパーツを取り付けてみるとこのように出っ張り、このパーツでチムニー部分をロックする構造です。
そして本体側にはコイルに電力を伝えるための端子が装備されています。
タンク
タンクです。BBのBOROタンクをスリムにしたようなデザイン。
形状や構造はBOROタンクを模倣したものです、スライド式ガラスも同じ。タンクの下にエアフローが設けられているのも一緒で、「BOROタンクのサイズ違いと呼べるものです。
コイルの交換方法を見ておきます。まずはガラスパネルをスライドさせます。
このガラスやパッキンは予備が付属するので、ダメージを受けた場合は1回のみ交換することができます。
そしてまずはコイルパーツを上部にずらします。
Oリングで接続されているのでズボッと上に引き抜きます。引き抜いたら、コイルと筒のようなチムニーパーツを別々に分けます。
そして筒のようなパーツを外せば、タンクの中からコイルを取り出すことができます。
ちょっと面倒ですが、この方法はBillet Boxでも同じだったので慣れなくてはなりません。新品状態では特に問題ないのですが、仕様後に交換する場合はタンク内やコイルががリキッドで湿っているので手がベタベタになります。
コイル
最後にコイルを見ておきます。
コイルの規格はaspire Nautilus互換のBVCコイル。世界的にヒットした製品のコイルで、様々なメーカーから互換品がリリースされているので入手性に優れているのが特徴です。
このPAL AIO KITには2種類のコイルが付属します。
- LQC coil 0.7Ω (15-25W)
- LQC coil 1.8Ω (5-9W) Ceramic
どちらもMTL向けの高抵抗コイル。
バーチカルで組み込まれています。
Billet Box との互換性はあるか?
現在Billet Boxを愛用しているユーザーは、「日常使いできるBB互換機」として興味があると思いますので、ここでは互換性について触れておこうと思います。まずはタンクの互換性ですが
そもそも形状もサイズも違うので、BB用のBOROタンクは収納できません。構造的には同じなのですが、コンパクトな筐体を実現するために、タンクをコンパクト化したようです。
そして一番の問題。BB用のアトマイザーが使えるのか?Exocetの収納を試みますが…
PAL AIOのタンクの厚みがなさすぎて無理でした。そしてサイズだけではなく、PALはチムニー側にOリングがはめ込まれている構造なので、流用は難しそうです。
正直汎用性がない。BVC専用、そして1200mAh容量であればスティック・ペンタイプでよかったのでは?とすら思ってしまいます。形ありきなのか…
使い方
実際に使っていきます。内蔵バッテリーを充電するには電源に接続したケーブルを本体端子に接続します。
充電中はLEDランプが点灯。この色でバッテリー状態がわかります。次にタンクにリキッドを注いでいきます。
タンクのガラスをスライドさせて、その隙間からリキッドを注いでいきます。
リキッドチャージ時にタンクは外す必要がありません。外す必要があるのはコイル交換時のみです。
操作方法
操作方法 電源ON/OFF… パフボタンを素早く5回押す
後は電源ON時にボタンを押しながらマウスピースを加えながら吸引するだけでミストを吸うことが出来ます。
バッテリー残量表示
LEDライトの色でバッテリー残量を表します。
バッテリー残量 | LEDライトの色 |
100-50% | 青 |
50-15% | 紫 |
15-5% | 赤 |
感想とまとめ
Billet Boxを模倣した製品ながら互換性は無し!BVCコイル専用AIO
筆者個人的にはBBのタンクやアトマイザーに互換性がなく、汎用性が低いことから、BVC互換コイル製品として使うのであれば他の製品を使ったほうが良いと感じます。バッテリー容量に比べて大きく重い上に、面倒な構造なのに汎用コイルしか使えないのであればあまりメリットがあるようには感じません。
BBっぽい製品の企画を間違った方向に進めてしまった製品のように思えて仕方ないのです…
でも色々なニーズがありますから、筆者と同じような考え方の人ばかりではありません。
実際使ってみるとプリメイドコイルで十分美味しいし、悪い製品ではないので「悪くないな〜!」と思ってしまいます。BVCコイルで久々に吸いましたが、これこんなにおいしかった!と再確認しました。
BBを使っているけど、BVCコイルしか使わないんだよなーというユーザーの日常使いや、お試しに使う分には良いと思います。
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