VANDY VAPE(バンディーベイプ)のVAPEスターターキット、Simple EX「シンプル イーエックス」のレビューです。
有名人などのコラボ製品などノリにノッているVANDY VAPEがまたまた注目の製品をリリースしました。今回はアトマイザー単体ではなく、スターターキット製品。超コンパクトなスコンカーです。
このスターターキットの特徴
- 驚くほどコンパクトなスコンクMODキット
- MTLユースのRDAアトマイザーとコンパクトなバッテリー内蔵テクスコのキット
- MODばかり注目されていますが、アトマイザーも非常に優秀!
詳細をレビューします!
商品提供:ベプログshop
詳細
注目のアトマイザーをハイペースでリリースを続け、有名YouTuberとのコラボで話題をさらい、アトマイザーだけでなくメカスコをはじめ、レギュレーテッドやスターターキットなどVAPE製品の総合メーカーに発展しつつあるVANDY VAPEがまた注目の製品をリリースしました。
メカスコ(メカニカルスコンカー)はそのコンパクトさや軽量なボディー、ルックスなどから爆発的な人気を獲得しました。しかし、同じようなサイズ感で可変出力や保護機能を搭載するモデルの需要ももちろん根強くあります。
そのようなユーザーのための製品がSIMPE EXです。めちゃくちゃ小さいテクスコキット!
めっちゃくちゃ小さいです!このボディーサイズでスコンカーMODだなんて反則だなぁ、と思うレベル。
普通にバッテリー内蔵型MODとしてもコンパクトなサイズ感なのに、これでスコンクボトルを内蔵しているだなんて信じられないレベル。ちょっと大げさかもしれませんが、そのぐらいの感動を覚えるほど。
ただ、VANDY VAPEの”Small Size as a Pod system”(ポッドシステムとしての小型)POD型デバイスぐらい小さい?という意味?というのは言い過ぎですね。PODデバイスこんなにでかくないわ!いや、でかいやつもあるんですけど、もっと小さいのもたくさんありますから。
カラーバリエーションは全5色ですが、本体のフレーム部分の色は共通で、アトマイザーのキャップ部分とスコンクボトルカバーの樹脂パーツの色違いにとどまっています。
もちろんレギュレーテッドとアトマイザーは別々に使うことも出来ます。当然。
ただ、どちらも単体販売されていないキット専用モデルです。
パッケージ・内容品
本体もコンパクトならパッケージもコンパクト。定番の水色パッケージでははありませんが、SIMPLE EX本体が見える窓がついていてわかりやすいのはVANDY VAPEパッケージングの特徴です。
背面には製品の概要と付属品の詳細が書かれています。
側面には偽造防止対策のスクラッチ式QRコード。バッチナンバーやシリアルナンバーも入っています。
開封すると、本体と付属品が整理されてスポンジにディスプレイされています。
内容品一覧
- VANDY VAPE Simple EX Kit
- エアフローキャップ
- PC ドリップチップ
- デルリン ドリップチップ
- microUSBケーブル
- スペアパーツバッグ(Oリング、デッキネジ、ノーマルピン、マイナスドライバー、六角レンチ)
- マニュアル(英語)
- プリメイドコイル(クラプトン)
マニュアルは英語など各国の言葉で書かれていますが、日本語の解説はありませんでした。残念。
アトマイザーの詳細
まずは付属アトマイザーから見ていきます。
付属アトマイザーには名前がありません。つまり、このSIMPLE EXキット専用で、アトマイザー単体では販売されないモデルになります。
本体のサイズに合わせた標準サイズより少しだけ小さな直径21mmサイズ、全長の抑えられたコンパクトなアトマイザーです。当然BFピンが付属するボトムフィーダー対応アトマイザーです。
スペック
直径 | 21mm |
高さ | 26mm(クラウドキャップ、スレッド含まず) 22.5mm(510キャップ、ドリップチップとスレッド含まず) |
重量 | 14.7 g(PCキャップ装着状態の実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 一体型 / 510DT |
コイル | RBA シングルコイル |
エアフロー | ボトムエアフロー |
素材 | ステンレス |
BF対応 | ◎ BFピン付属 |
分解
まず本体を分解して見ていきます。
- ドリップチップ(510DT)
- キャップ 2種類
- デッキ
デッキにトップキャップ、そしてドリップチップというドリッパーの標準出来な構成です。パーツ総数が少ないので洗浄などのメンテナンスが楽で、リキッドの味を変えたい時に重宝する作りです。
ドリップチップ
ドリップチップは全部で3種類です。
- 樹脂製キャップ一体型
- デルリン製510ドリップチップ
- ポリカーボネート製510ドリップチップ
それぞれ見た目も内径などの構造も違うので、好みの吸い心地や見た目などで選ぶことができます。
ポリカーボネート製のトップキャップはドリップチップ一体型。内径7.5mm。
ポリカーボネート製の半透明なドリップチップはアトマイザーから口元にかけて内径が広がる逆テーパーデザイン。
全長15.1mm、露出部の高さ10mm、外径9.6mm、内径 アトマイザー側4mm エンド部5.3mm(逆テーパ)
デルリン製ドリップチップは内径3mmストレートです。
全長18.5mm、露出部の高さ14mm、外径9,2mm、内径 3mm
トップキャップ
2種類のトップキャップにはそれぞれ1つづつエアホールが開いていて、デッキサイドのエアホールをトリミングしてドローの調整が可能です。
デッキには6種類のサイズのエアホールが開いています。
- 2.5mm
- 2.0mm
- 1.5mm
- 1.0mm
- 0.8mm
- 0.6mm
MTLアトマイザーらしく小さめのホールサイズが充実しています。
トップキャップ裏の構造はどちらのキャップも同じくドーム状です。
デッキ
デッキは2ポスト2スレッドのシングルコイル専用デッキ。
サイドエアフローかと思いきや、中央にエアホールが設けられています。デッキサイドから取り込んだ空気はアトマイザー内を通り、コイルボトムから供給する構造です。
味が良いと定評のあるボトムエアフロー構造を実現しながら、デッキサイドから取り込むことで、アトマイザーの全長を抑えた構造です。
デッキエアホール直径は2.0mm。
エアホールの位置はジュースウェルの底から一段高い位置に設置されていて、リキッド漏れを極力防ぐ構造です。
ジュースウェルはそこそこ深く、それなりにリキッドを保持できるので、キットに付属のノーマルピンを使ってスコンカーではなく、通常MODでの運用も現実的です。
構造的にかなり良さげなデッキですが、ポストのコイルレッグクランプ部に関しては、ただ横に彫り込まれているだけなのでワイヤーを固定する時にねじの回転に応じてワイヤーが逃げてしまいそうな構造です。ここだけがマイナスポイントですが、サイドエアフローっぽい作りなのにボトムエアフローというユニークさは評価できます。
普通に単体販売しても売れそうなアトマイザーですね。
ポジティブピン
デッキ裏にはEXのロゴ文字、”Designed and Manufactured by VANDY VAPE”の文字やバッチナンバー、シリアルナンバーが入っています。
ポジティブピン周りのインシュレーターはネガティブ側をカバーするタイプで、ハイブリット接続などメカニカルMODでも短絡事故が起きにくい構造を採用しています。
ピンの出っ張り具合は実測で0.5mm。
ダブルピン仕様のノーマルピンも付属します。スコンカー以外でも使用可能。
ボトムフィーダーのリキッド出口はエアフローホールの直下、ジュースウェルの底から少し上がった場所から供給される構造で、スコンクボトルから押し出したリキッドをウェルに少量蓄えられる構造です。
ポジティブピンを外したついでにエアフロー部分の構造を見ておきます。
ポジティブポスト下部はエアーを通す構造になっています。ボトムとサイドのインシュレーターで絶縁しています。サイドのインシュレーターには6つのホールが空いていて、サイドから取り込んだ空気はここを通る構造です。
インシュレーター内部は1つのホールに集約される構造です。合理的な構造ですね。少ないパーツ数と背の低さを実現しながら、ボトムエアフロー構造を実現した意欲作だと感じました。
テクニカルMOD Simple EX
レギュレーテッドはキットの名前にもなっているSIMPE EXです。
コンパクトなバッテリー内蔵型(800mAh)テクニカルスコンカーです。
4mlのスコンクボトルを収納することが出来ます。
スペック
サイズ | H 58.5×W42×D24mm |
重量 | 73.5g |
抵抗値 | 0.8 – 3.0ohm |
モード | VV 5ステップ(3.3v , 3.6v , 3.9v , 4.2v , 4.5v) |
スレッド | 510 |
充電ポート | micro USB |
バッテリー | 800mAh (内蔵) |
保護機能 | ・自動カットオフ 10s ・ノーアトマイザー警告 ・低パワー保護 ・ショートサーキット保護 |
公式サイト | http://www.vandyvape.com/kit/Simple_EX_kit/ |
アトマイザー搭載部
アトマイザー搭載部には510スレッドを採用。もはや汎用となったVAPEアトマイザーの標準的な規格で、今リリースされているアトマイザーの多くを搭載することができます。
コンタクトには金メッキ、スプリング式ではありません、構造的にOリング分だけほんの少し沈み込む挙動です。基本は固定式だと思っていただければよろしいかと思います。
Oリングが3カ所に。漏れを防ぐ構造とのことですが、基本的に非分解式のデバイスで漏れたら大ごとです。漏れなくて当然ですが、漏れたらどうしましょう。分解して修理するのは一般ユーザーレベルだと難しそう。
搭載部は上面とフラットなデザイン。SIMPLE EXの厚みが22mmなので、直径22mmサイズまでのアトマイザーをオーバーハングなしで搭載可能です。
もちろん、付属品以外のアトマイザーも搭載可能です。
本体が相当コンパクトなので、22mmサイズのアトマイザーであっても、アトマイザーが大きく見えてしまうバランスなので、見た目的には全長の短いものがよく似合うと思います。
また、対応する抵抗値の範囲が「0.8 – 3.0ohm」と狭く、特にサブオーム以下の低抵抗値には対応していないので、基本的にMTLユースのRDAに限られますので、購入する際には使いたい用途とニーズを把握してセレクトする必要があります。
ボタンと液晶パネル
操作系統は本体前面のパネル部分に集約されていて、使い勝手に考慮しています。
パフボタンは上部に。サブボタンはパネル内に配置されています。パフボタンは本体と同じマットな仕上がりで、サブボタンは液晶画面と統一感のある光沢のある仕上がりです。
液晶画面を表示させるとこのような表示に。一般的なレギュレーテッドのような表示ではなく、ディスプレイには上部にバッテリー残量、下部に5ステップの出力(4.5v , 4.2v , 3.9v , 3.6v , 3.3v)が表示されます。
細かく出力を変更できるのではなく、5段階に操作します。
それでもこの大きさのスコンカーで、保護機能だけでなく可変出力まで搭載しているデバイスは今までになかったのもあり、重宝されることでしょう。
サブボタンの下側には内臓バッテリー充電用のmicroUSB端子。ここに電源を接続して充電可能です。
気になったのは、ソフトウェアがフリーズした時、バッテリー交換式ならバッテリーを外せば強制的にリセットできますが、内臓型はそうはいきません。「物理リセットボタン」を装備しているものが多いのですが、このSIMPLE EXにはそのようなボタンはありません。
とはいえ、内臓型を使っていてフリーズした経験は今までないので実際に問題が起きることは少ないのかもしれませんが、付いているとより安心でしたね。
ベントホール
本体底面にはベントホール。そして”DESIGN AND MANUFACTURED BY VANDY VAPE”の文字。
スコンクボトル収納部
リキッドを蓄え、プッシュしてドリッパーにリキッドを供給するためのスコンクボトルには本体背面からアクセスします。リキッドを供給するときはこの部分を押してリキッドを押し出して供給します。
ボトルを外したいときは、マグネット式の半透明な樹脂カバーを外して取り出します。
ボトルの容量は4mlと小ぶりなサイズ。一般的なスポンサードボトルの構造です。本体側の金属パイプにスポンサードボトルのチューブを挿入して使用する構造です。
スコンクボトルも一般的な構造。シリコン製のボトル本体にトップパーツ、キャップパーツ、チューブの4ピース構造です。
シリコン製のボトルは柔らかく、押し心地が良いのが特徴で、スムーズにリキッドを供給することができます。
以前はコストなどの問題から、安価なマスプロには樹脂製ボトルが採用されることが多く、シリコンボトルは一部の高額な製品にしか採用されていませんでした。しかし、去年(2017年)ぐらいからはマスプロにも採用され始め、今回のSIMPLE EXのようなコストパフォーマンスに優れた製品にもさいようされるようになりました。
ビルド
付属のSIMPLE EXで使うためには、抵抗値を0.8-3.0Ωに収めなくてはなりません。3.0Ωを超えることはまずありませんが、0.8Ω以上というのが重要です。
今回は付属のプリメイドコイルではなく、単線でビルドしました。
事前に抵抗値を計算してからNi80、28ゲージ、2.5mm軸、8巻(実測1.15Ω)でビルドしています。
付属のレギュレーテッドSIMPLE EXには抵抗値測定機能がついていません。保機能護はついているので短絡や抵抗値が範囲内に入っていないと保護が動作するようにはなってはいますが、できればオームメーターや抵抗値を計測できるレギュレーテッドなどを別途用意するのがより安心かと思います。
ボトムエアフローのセオリー通り、デッキエアホール直上にコイルを設置。コイルに供給されたリキッドが伝い漏れしない程度に近づけました。
コイルの巻き方向はどちらでも良いと思います。固定後にコイルにジグを通してコイル位置を調整してやれば問題ありません。
ちなみにですが、デッキの説明でも記載したとおり、ワイヤー固定のためにスクリューを回すとそれに応じてワイヤーが逃げます。特に細線だとイライラするぐらい逃げるので、片方の手でドライバーを回しつつ、もう片方の手でワイヤーを引っ張って逃げないように固定する必要があります。
最近単体で販売されているアトマイザーは、ビルドしやすいようにワイヤーが逃げづらい構造が採用しているものが多いので、このようにほんのちょっとでもストレスを感じると「ビルドしにくいなぁ」と感じてしまうのは最近のアトマイザーが本当によく出来ているからだと思います。
好みのウィックを通して左右に落としてやればビルドは完了です。
使い方
それでは使い方です。基本的な操作は以下の通り。
- 電源ON/OFF パフボタン5クリック
- 電圧変更 サブボタンで切り替え
- パフ 電源ON時にパフボタンを押しながら吸う
可変出力ですが、ボルテージの切り替えのみなので、電源ON/OFFの操作と、出力を切り替える操作しか必要としていません。簡単に使えるのも良いポイントです。
感想
小さなボディーSIMPLE EXテクスコが注目を集めていますが、実は付属のアトマイザーがすごく優秀です。
サイドエアフローのようなデザインでコンパクトさをキープしながら、ボトムエアフロー構造を実現しており、味に妥協がありません。もちろん、サイドエアフローのダイレクトにリキッドを味わえる感覚などが好きなユーザーももちろんいますが、ボク個人としてはMTLのようなタイトドローにおいてはボトムエアフローが優れていると感じています。
ボトムエアフローRDAは特にマスプロにおいては選択肢が少ないので、コスパに優れた製品にもラインナップが増えることは喜ばしいです。
味はかなりおいしいですね!
ただ、エアフローを強引なルートで導入しているためか、サイドのエアホールの大きさに比べてドローが重たく感じるし、抵抗感というか、ドローのスムーズさはありません。
それでもタイトドロー好きユーザーを満足させるだけの味は出してくれるので非常に良い出来だと感じます。
そしてSIMPE EXテクニカルスコンカーはとにかく小さい!これにつきます。
出力が5ステップなのは特に不便さは感じません。普段からボルテージを目安に出力を決めているユーザーであれば全く問題ないかと思います。メインに使うのは3.6vか3.9vになるでしょうから。
しかし、ワッテージを目安にしているユーザーは不便さを感じるかも知れません。慣れの問題ですが。
また、バッテリー容量が800mAh、スコンクボトルも4mlとと小さいのですが、高抵抗専用のデバイスと考えれば特に使い勝手の悪さは感じません。
一番のポイントは抵抗値の下限が0.8Ωだということ。爆煙ユースは出来ませんし、シングルコイルのDLドリッパーでも厳しい抵抗値なので、基本的にMTL専用機種だと考えたほうが良いでしょう。
まとめ
MTLに特化した超コンパクトなテクスコスターターキット。
他のアトマイザーを載せるために購入するのも良いと思いますが、付属のアトマイザーの完成度が高いため、一度ビルドしてみたら「これそのままつかえばいいや!」ということになりそうです。実際僕はそう感じました。
価格も安く、気軽に試せるのでスコンカー初心者にも。
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