INNOKIN「イノキン」のVAPEスターターキット、JEM/Goby Starter Kit のレビューです。
VAPEデバイス各社からリリースが続く、タバコのような吸い方(MTL マウス・トゥ・ラング)に特化した、スリムなスターターキット。機能を絞ることで、コストパフォーマンスと本体サイズをスモール化したテクニカルMODと、スリムな小径アトマイザーをセットにしたスターターキットです。
iSUBシリーズで有名なINNOKINからは、後発ながら、より使い勝手に配慮した製品がリリースされましたので詳しくレビューしていきます。
商品提供:HEAVEN GIFTS
パッケージと内容品
最近リリースされるINNOKIN製品は共通のパッケージで、白を基調にして、製品イラストをシンプルに用いたデザインです。
背面には注意書きと、内容品の詳細などが記載されています。
そして、製品のシリアルナンバーとスクラッチ式のセキュリティーコード入りステッカーも貼られています。
このセキュリティーコードはINNOKIN公式WEBサイト(www.innokin.com)所定のフォームに入力することで、メーカーに正規登録されたコードか表示されるような仕組みになっており、偽造防止のコードとして機能しています。
スリーブの中には内箱が入っており、引っ張り出して内容品を確認します。
内容品一覧
- JEM バッテリー
- JEM Tank クリアロマイザー
- JEM Coil *2
- クリアロマイザー予備Oリング
- microUSBケーブル
- クイックスタートガイドなどの書類
冊子で付属するのは注意書きで日本語の項目もあります。
この注意書きにはVAPEに関する一般的な注意書きが記載されており、製品の使い方に関しては英語で記載されたクイックスタートガイドに書かれています。
英語でしか書かれていませんが、図解入りのわかりやすいものです。
JEM/Gobyの詳細
iSUBシリーズで一時代を築いたINNOKINがリリースするMTL特化型のスリムなスターターキットがJEM Starter Kitです。
一時期はクリアロマイザーが主力商品であったように記憶していますが昨今では同じくMTL特化型のペンタイプスターターEndura T20や、爆煙ペンタイプのRip Tide Criosなどスターターキットにも力を入れています。
様々な製品がリリースされており、総合VAPEデバイスメーカーとして成長しているように感じます。
アトマイザーとテクニカルMODは、多くのVAPE製品と同じく、510スレッドが用いられ、完全にセパレートします。
ただし、基本的にはキットのみで販売されており、どちらかのみを購入することはできないようです。
スリムで携帯性に優れてはいるものの、長さはそれなりにあるので、手のひらからははみ出してしまうサイズ感です。ただし、厚みも抑えられており、ポケットやバッグの中でかさばらない印象です。
スペック
サイズ | H 127.5×L22×D16.5mm |
重量 | 58.5g |
出力モード | 5 Level Wattage Adjust (10W, 11W, 12W, 13W, 13.5W) |
リキッド容量 | 2ml |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー(調整可能) |
コイル | カートリッジ式(1.6ohm JEM Coil) |
充電ポート | microUSB |
バッテリー | 1,000mAh(内蔵) |
INNOKIN公式サイトより
クリアロマイザー JEM TANK の詳細
スターターキットに付属するのはスリムなクリアロマイザー、JEM Tankです。基本的に本キット専用品で単体販売はされていないようです。
このサイズ感ながら、競合製品の多くがボトムフィルなのに対し、パーツ点数を増やすことでトップフィルの利便性を実現しています。そして、タンク部分が完全に分解できるので洗浄が容易に行えるのも個人的には利便性が高いと感じます。
スリムなクリアロマイザーです。シンプルな形状で、スタンダードなデザインです。ボトム部分には製品名であるJEMのエングレービングが入っています。金属の質感はそれなりで、皮脂よごれのように見えるシミは、ペイントムラだと思われ、脱脂剤を使っても除去できませんでした。部分的にはアラが見えるものの、全体的な作りは廉価な大量生産品としては悪くないと感じます。
スペック
直径 | 14.5mm |
高さ | 39.63mm(DT・スレッド含まず) |
リキッド容量 | 2ml |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 510DT |
コイル | カートリッジ式(1.6ohm JEM Coil) |
エアフロー | ボトムエアーフロー |
リキッドチャージ | トップ |
素材 | ステンレス、ガラス |
INNOKIN公式サイトより
分解
部位別に大雑把に分解してみました。写真左から ベース / プリメイドコイル / タンク /ドリップチップ です。
ドリップチップ
ドリップチップの取り付け部分は汎用品が多く流通し、リプレイスメントも可能な510規格。そして付属品は通称くびれタイプと呼ばれる黒い樹脂製のドリップチップです。
全長17mm、露出部の高さ12.5mm、外径10.5mm、内径4mm。
タンク
リキッドチャージは利便性の高いトップフィリング方式。競合製品はパーツ点数を減らし、コストを抑えるために、リキッドチャージの際は一度タンクを取り外し、底部分からリキッドを注ぐボトムフィリング方式を採用するのに対して、パーツ点数が増え、コストが増してしまうトップフィルをあえて採用し、利便性を追求しています。
リキッドチャージホールが大きく、スポイトボトルなど先端の太いものでも問題なくチャージ可能です。
コイル交換の際、タンクを逆さまにして、チムニー部より水位が低ければ取り外して交換可能です。ただし、リキッドが満タンに近い状態では取り外すことができません。
タンクは完全に分解可能。洗浄が容易です。そして、予備のガラスチューブも付属し、ガラスが割れてしまってもリカバリー可能です。
エアフロー
エアフローはボトムエアフロー方式。コイルの下から空気を取り込む方式で、効率よくコイルを冷却し、発生したミストをスムーズに口まで運ぶので味に定評のある構造です。そのデメリットとして、完全にリキッド漏れを防ぐことが困難な構造ですが、プリメイドコイルの出来が良ければほぼ漏れを気にすることはありません。
エアホールの周囲には、エアホールを一部塞ぎ、ドローを調整できるエアフローリングを装備。このAFCも取り外して内部をクリーニングすることができます。
ポジティブピン
ポジティブピンは調整不可。ベースパーツにゴムのような絶縁体を介して接続されテイル、クリアロマイザーの多くに採用されている構造です。基本的には取り外さずす必要はありません。
プリメイドコイル
付属のカートリッジ式プリメイドコイルは専用品です。1.6ohm JEM Coil が付属します。
高い抵抗値からも分かる通り、味重視と呼ばれるMTLに特化した吸い方を実現するコイルです。
ワイヤーは単線で、バーチカル、スペースドでビルドされています。
バッテリー JEM Battery の詳細
スリムなテクニカルMODです。本体の大部分はメタリックな質感のペイントが施された金属パーツで構成されており、全面のパネル部分は樹脂製。このパネルにはメッキが施された3つのボタン(パフボタントサブボタン2つ)が配置されており、電源ON/OFFの他に設定調整ができることを示しています。
また本体にはメーカー名と製品名である、”INNOKI” “JEM”のプリントが入ります。
スペック
サイズ | H 75×L22×D16.5mm |
重量 | 36.5 g |
ワット数範囲 | 10W, 11W, 12W, 13W, 13.5W |
モード | VW |
スレッド | 510 |
充電ポート | microUSB |
バッテリー | 1,000mAh(内蔵) |
INNOKIN公式サイトより
アトマイザー取り付け部
アトマイザー取り付け部分は510スレッドでアトマイザーと接続します。スプリングコンタクトではないものの、若干の調整幅があるようで、押してみると弾力性のような調整幅を感じます。
ボタンとLEDインジケーター
本体の全面パネルには3つのメッキが施されたボタンが配置されています。電源ON/OFFやパフなどを行うパフボタンの他に、設定変更を行うサブボタンも。
このサブボタンは本体設定変更にしようします。電源をONにしてサブボタンを操作してみると、写真のようにLED表示が移り変わります。このようにワッテージ変更が可能であり、10W, 11W, 12W, 13W, 13.5W 五つの設定に変更することができます。
このインジケータの他にパフボタンの下にはバッテリー状態を表示するインジケーターも備えられています。残量の詳細は公開されていないものの、Full(緑) , Half(黄色) , Low(赤)の3段階に変化します。
使い方
- 電源ON …パフボタン5クリック
- ワット数調整…サブボタンで操作
後は電源ON時にボタンを押しながらドリップチップを加えながら吸引するだけでミストを吸うことができます。
充電端子
本体底部には内蔵バッテリー充電用のmicroUSB端子が設けられています。ベントホールは設けられていませんが、この端子がベントホールを兼ねているものと思われます。
使い方
充電する
本体の使用を開始する場合、まずはバッテリー本体の充電を行います。DV5V電源に接続したmicroUSBケーブルを本体端子に接続して充電を行います。
リキッドをチャージする
次にアトマイザーにリキッドをチャージします。不安定なアトマイザーを本体に接続して倒れないように配慮してリキッドを注いで行きます。
アトマイザーのトップキャップを外し、トップフィルにてリキッドを注ぎます。タンクにリキッドをチャージしたのち、プリメイドコイル内のコットンにリキッドが浸透するまでしばらく放置したのちに使用します。
まとめ
MTLに特化!機能を削り、スリムさとコスパを実現したスターターキット!
後発製品らしく、各社がリリースした製品を参考にされていると思われます。そのためより使い勝手に配慮された製品です。トップフィルと完全分解可能なアトマイザーの構造は利便性が高く、また、バッテリーに関しても表示がワッテージなのでわかりやすいと感じました。
味に関しても卒なく美味しいという印象で、リキッドのフレーバーを選ばない印象です。
ですが、競合製品と比べて特記する点はなく、味に関しては「50歩100歩」であると言えます。コイル抵抗値や出力も同じようなスペックなので、あまり差別化できる点がない印象です。
近未来的で近代的なルックスと、利便性が気に入れば、この製品をチョイスするのが良いと思います!
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