こんにちは、Hiroです。
この記事はVAPEレビューを1200日以上ほぼ毎日更新し続ける筆者が、2年以上売れ続けるヒット製品同様に優れた製品なのか?詳細をレビューしていきます。
OUMIERのVAPEアトマイザー、WASP NANO RTA「ワスプナノ タンク」のレビューです。
ロングセラーアトマイザー『WASP NANO RDA』のタンク版としてリリースされた、シングルコイル専用のサイドエアフローデッキのDL特化型アトマイザーです。
このアトマイザーの特徴
- WASP NANO RDA のタンクバージョン
- シングルコイル専用サイドエアフローデッキのDLアトマイザー
商品提供:VapeSourcing
WASP NANO RTAの詳細
OUMIERの人気ドリッパー WASP NANO RDA のタンクバージョンとしてリリースされたのが、今回のWASP NANO RTAです。
では、WASP NANO RDAとは?
このアトマイザーが人気の理由は、安い・味が良い・コンパクトでそれなりに見た目が良いというシンプルなもので、2017年にリリースされてから2年以上コンスタントに売れ続けてるロングセラー商品です。
構造はシンプルなデュアルサイドエアフロー方式で、味が出るのは当然のデザイン。
オリジナルの構造とは言い難いものの、その当時のハイエンドアトマイザーなどの流行りの構造を取り入れるだけでなく、カスタム感のあるルックスも受け入れられてヒット商品に。
要は「手頃で丁度良い製品」だったわけですね。
WASP NANO RTAはそのコンセプトを引き継ぎ、RTAでありながらサイドエアフロー構造のデッキをそのまま搭載した製品に仕上がっています。
もちろん、コストパフォーマンスに優れた製品という特徴も引き継いでいます。
見た目だけで、ドリッパーそのままのデッキが搭載されているのがわかります。
カラーは全4色が用意されていて、定番カラー的なカラーリングを網羅しています。
全色を羅列すると《 SS(シルバー) , Black(ブラック) , Rainbow(レインボー) , Gold(ゴールド) 》となっていて、ドリッパーバージョンの定番カラーにレインボーカラーを追加したラインナップになっています。
スペック
リキッド容量 | 2ml |
直径 | 23mm |
全長 | 35.2mm(スレッド含まず) |
重量 | 32.8g(実測) |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | トップキャップ一体型 |
コイル | RBA シングルコイル |
リキッドチャージ | トップフィル |
エアフロー | ボトムエアーフロー |
素材 | ステンレススチール、PETG、パイレックスガラス |
メーカー公式サイト | http://www.oumiervape.com/http-oumiervapecom-wasp-nano-rta-p00046p1html-p00046p1.html |
パッケージ・内容品
パッケージはOUMIERらしいデザイン。ロゴのデザインはWASP NANO共通のものが使われています。
パッケージスリーブを取り外すと、中から見覚えのあるデザインの内箱が。
RDAバージョンと共通デザインが使われています。内箱の側面には偽造防止ステッカーが。
内容品一覧
- OUMIER WASP NANO RTA アトマイザー本体
- ツール
- 予備パーツ(Oリング、デッキネジ、ガラスチューブ)
- コットン
- プリビルド クラプトンコイル
- ユーザーマニュアル(英語)
冊子状のマニュアルが付属(英語)日本語の記載はありませんでした。
デザインとディティール
ロゴの主張が無く、シンプルなルックスも魅力的だったドリッパーバージョンとは違い、WASP NANO RTAのチャンバー部分には大きく『WASP NANO』のロゴマークが入っています。
シンプルな見た目が好きなユーザーには受け入れられないであろうディティール。
ある程度の知名度を獲得している製品だけに、アイデンティティーとしてロゴが刻まれているのは仕方がないことなのかもしれません。
分解すると、タンクでありながらパーツ点数が少ないことがわかります。
デッキパーツやOリングなどのショートパーツを除いて、5ピースで構成さえれているので、分解洗浄の手間が少なくメンテナンス性に優れています。
ドリップチップはトップキャップ一体型。これもドリッパーバージョンの特徴をデザインに落とし込んだディティールが採用されていて、「見た目でWASP NANOらしさ」を表現したデザインを採用しています。
ドリッパーバージョンのトップキャップには510ドリップチップが接続可能でしたが、WASP NANO RTAのトップキャップにはドリップチップを取り付けることはできませんので注意が必要です。
何故かといえば、ドリップチップ内部が逆テーパー構造になっているからで、内径5.5mm→9.5mmまで拡大した構造になっていて、ワイドボアドリップチップとしてそのまま使える構造になっているからです。
ドローを絞って使いたいユーザーにとっては不便な仕様ですが、WASP NANO RTAはDLに特化したアトマイザーなので割り切った仕様になっている潔さを感じます。
このドリップチップはトップキャップ兼用なので、スレッドをくるくる回して外すことでリキッドチャージホールからリキッドをタンクに注ぐことができます。
素材はPETG樹脂製で、半透明のものが使われています。
PETGは、医療機器にも使われるある程度の強度確保された素材(PETの強化版で耐衝撃性、耐薬品性、耐水性など)で、PODなどにも使われていることからも対薬品性に優れた素材ではあるものの、プラスチック攻撃性のあるリキッドを用いるとクラックが入る可能性があるため、リキッドによっては不安を感じる素材です。
特にスレッド部分が弱そうなので、リモネンなどを使ったリキッドで運用するとバキッと割れてしまいそうな不安感を感じます。
せめてトップキャップは金属製で、それにアタッチメントとしてドリップチップを取り付ける構造だったらよかったのにな、と感じざるを得ません。耐久性に不安を感じる仕様です。
基本的にはトップリフィルで運用するアトマイザーですが、構造的にはボトムフィルにも対応しています。そのため、リキッドがタンクに残っていてもデッキにアクセス可能です。
吸っている途中で味が落ちた時にも、ウィックを交換したり、コイルを巻きなおすことができるので、リキッドを無駄にせず運用ができます。
このタンクは3ピース(ガラスチューブ、チャンバー&チムニー、トップキャップ)で構成されたシンプルなデザイン。
パーツ点数が少ないためメンテナンス製に優れながら、必要最低限以上の機能を持った合理的な構造。
- ストレートガラスチューブ 2ml
タンクの容量は2mlと実用的な容量を確保しています。TPDにも対応したリキッド容量を採用。
チャンバー部分の構造はドーム形状を採用。
チムニー内径は直径6mmと太めで、DLアトマイザーらしいスペックです。
デッキ下のボトムエアフローホールには、ドロー調整するためのAFC(エアフローコントロールリング)を装備。無段階でドローの調整が可能。
3つ穴式のエアホール、ドローは軽めで全開だとほぼ抵抗感のないスカスカドロー、絞ってもMTL向きのタイトドローにはなりません。
DLに特化したアトマイザーとしてのスペックを備えています。
AFCは洗浄時などに外して洗えるように、取り外し可能です。ストッパー付きなので、AFCをつまんでタンクの取り外し作業ができます。
デッキはドリッパーバージョンのデッキデザインをそのままタンクに搭載した構造です。
デッキ直径16mmと小さいものの、デッキデザインはドリッパーそのものという形状です。いつもドリッパーバージョンをリキッド試飲用として運用している筆者には見覚えのある形状ですが、サイズがかなりコンパクトなので『小さいなぁ』と感じるサイズ感です。
ちなみに、このデッキデザインはOUMIER独自のものでなく、過去にも他メーカーから同じようなエアフロー構造のアトマイザーはすでにリリースされている(古くはWotofo Serpent SMMなどかなり前から存在します)ので、WASP NANO RTAの登場は遅すぎた印象があります
エアフローデザインよりも、ポストデザインにオリジナルティーを感じます。ポストのデザインもドリッパーバージョンと同じで、ポストの左右にコイルクランプ部分が設けられたデザイン。
この構造も他のアトマイザーでも採用されているデザインなのですが、今やWASP NANOらしさを感じる部分だと感じるようになっています。
ジュースチェンネル(タンクからリキッドを供給するホール部分)は左右にあり、タンクが宙を浮いている構造で、下から供給するタイプです。
サイドエアフロー構造のデッキデザインは、リキッド漏れしにくいというメリットも。
ワイヤーが逃げないように加工された固定部分も引き継がれていて、単線ワイヤーでもビルドしやすいデッキデザインに、使い勝手の良さを感じます。
イモねじはマイナスドライバーで操作します。
チャンバースペースを見てみると、ポスト上部にもある程度の空間の余裕が確保されているので、コイル位置をある程度高めに設置できるビルドの自由度が確保されています。
ちなみにデッキパーツのOリングがサイドはめ込み式ではないため、タンクの着脱で外れやすく、紛失しやすいので注意が必要です。
横にはめ込むタイプを採用してくれればより使い勝手が良かったので残念です。
デッキの裏側にはインフォメーションのエングレービング入り。OUMIERのメーカーロゴや、WASP NANOの製品ロゴが入ります。
ポジテティブピンの実測0.5mmでした。あまり出っ張っていません。金メッキ仕様のポジティブピンを採用。
ちなみにポジティブピンはデッキのポジティブ側ポスト固定ネジ兼用なので、ネジを緩めて出っ張り具合を調整することはできない構造です。
使うときはポジティブピンをしっかりと締めて使用します。
使用例
23mmサイズなので、搭載サイズに制約のあるMODにも対応しているのがポイントです。
また、背が低く抑えられているので、コンパクトサイズのMODにもよく似合います。見た目はかなり良い印象です。
WASP NANO RTAのビルド
ビルドはまず、付属のクラプトンコイルで巻いてみました。
抵抗値の実測0.2Ωでした。かなり低めですね。
これで美味しくても当然、という印象になってしまい、アトマイザーの性能というよりもミスト量で味を出す「コイルが良いから」的な印象になってしまうため、単線でもチャレンジしてみます。
いつもWASP NANOのドリッパーバージョンを巻いているセッティングで巻いてみました。
巻いて感じるのがデッキ直径が小さいために、ポスト感覚が狭いということ。3.0mm軸で巻いてもマウントはできるのですが、ドリッパーのように余裕があるわけではないので、巻き系を少し小さくする方が良いかもしれません。
ビルドは簡単です。
初心者にもビルドしやすいと思います。ポストの形状も、ワイヤーが逃げずらくなっていますし、何も考えずにイモネジ回すだけで固定できます。
シングルコイルなので手間もかかりませんね。
コイル位置は同じく高めで設定。コイルが半分ぐらい飛び出すぐらいでビルドした方が美味しいので、タンクでも同じようにビルドしてみます。
ちなみにコイルの余分なワイヤーをカットするポイントは、デッキ部分が若干凹んでいるのでカットしやすくなっています。
ただし、ドリッパーと違ってチャンバーがメタル製のWASP NANO RTAでは、きっちりとカットしてチャンバーと触れないようにしないと、触れてしまうとショートしてしまうので注意が必要です。
ウィックをタンクの底まで落としてやればビルドは完了です。
感想
ネームバリューのあるドリッパーのタンクバージョンということで期待している方が多いと思うのですが過度な期待は禁物です。タンクとドリッパーというのは根本的に違うものです。
デッキデザインに共通性こそあれど、リキッド供給部分に違いがあるので同じ味が出るわけがありません。
そんな前置きをした上で感想を述べていくのですが、WASP NANO RTAの完成度が低いわけではありません。
程よくダイレクトな味わいのミストが楽しめるDL専用タンクとして、この価格のアトマイザーとしてはよくできていると思います。
ただ、もっとダイレクトに、濃い味わいを楽しめる機種もありますので、ドローは軽いアトマイザーとしては中途半端な味わいであることも確かです。
そして、このアトマイザーじゃないとという特別感は感じません。それはWASP NANOのドリッパー版でも同じだったのですが、このRTA版も「手頃な価格・コンパクトでそれなりに見た目が良い」という特徴は引き継いでいます。
もちろん「味が良い」に関してもドリッパー版と同じなのですが、では他のタンクアトマイザーと比べて味わいにオリジナリティーを感じる味なのか?と言われれば答えはNOです。
今までにもデッキサイドエアフローのタンクはリリースされており、それらと似た傾向の味わいです。
ただし、そのような機種は多くはなく、ここ最近のリリースはないので、手軽に手に入る低価格で見た目もそれなりに良い、デッキサイドエアフローのアトマイザーを今買いたいといえば、筆頭としてこのWASP NANO RTAが挙がるとは思います
注意点としては、WASP NANO RDAよりも懐が狭いということ。ドリッパー版はそれなりにドローを絞って愛用するユーザーも多く、DL専用ながらもタイト目からスカスカまで幅広いドローで楽しめるアトマイザーでしたが、RTA版はドローの軽いスカスカに特化したアトマイザーです。
ドリップチップの取り付けができないだけでなく、ドローを絞っても重くはできないので基本DLでも軽めのDLに特化している機種になります。
まとめ
味わいに関しては正直「中途半端」ではあるものの、背が低くコンパクトなサイズのDLアトマイザーとして、見た目は良いと思います!
23mmサイズという微妙なサイズ感ですが、24mmと比べてたった1mmでここまでコンパクトに感じるか、というほど可愛らしく感じるサイズ感も魅力です。
コスパに優れたシングルコイルDL特化アトマイザーとしては「アリ」だと思います。
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