VANDY VAPE(バンディーベイプ)のベイプアトマイザー、GOVAD RDA「ゴバッド」のレビューです。
VANDY VAPEは中国深センの電子タバコ機材メーカーで、主にアトマイザーをリリースしている新興メーカー、最近では本作の他にPULSE RDAなども有名です。
本作はシングルコイル前提のドリッパーアトマイザーで、デュアルエアフローシステムが特徴的です。
早速レビューしていきます。
商品提供:VapeSourcing
VANDY VAPE GOVAD RDA のパッケージと内容品
シンプルなパッケージ。高級感や質感は弱いのでもう少しデザインの改善が欲しい。
側面にはモデル名や色、シリアルナンバーが入ったステッカーが添付されています。
内容品一覧
- GOVAD RDAアトマイザー本体
- ドリップチップ(3種)
- 510DTアダプター
- 予備パーツ(Oリング、ネジ)
- ビルド用プラスドライバー
- ユーザーマニュアル
VANDY VAPE GOVAD RDA の詳細
VANDY VAPEのベイプアトマイザー、GOVAD RDAはドリッパータイプのアトマイザーで、ワイヤーからコイルを作製して、自分でビルドするタイプです。
基本的にはシングルコイル前提のアトマイザー、デュアルエアフローシステムと、充実した付属品が特徴的です。
GOVAD RDAのスペック
直径 | 24mm |
高さ | 26.3mm ※ドリップチップ、510スレッド除く |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 810DT(ハーフインチ)/510DTアダプター付属 |
コイル | RBA シングルコイル |
エアフロー | ボトムエアフロー/サイドエアフロー |
素材 | Stainless Steel |
BF対応 | 対応なし |
色 | Silver , Black |
VANDY VAPE公式サイトより
全高は実測で26.43mm。メーカー公表サイズと若干差がありますが、誤差範囲内でしょう。ドリップチップと510スレッドは含みません。
分解してみました
左からデッキ/キャップ/ドリップチップ、大まかに分解すると3ピース構造になっています。ドリッパータイプのアトマイザーの為、パーツ点数は少なめです。デッキは更に分解可能。
ドリップチップ
黒いデルリン製のドリップチップがなんと3種類と、510DTアダプターが付属します。
様々なバリエーションがあり、14mm/16mm/17.5mmサイズを選べます。このスペックから見れば、内径が変わるのかと思いきや、これは全て外径で、内径は同一。
メーカーサイトを見ていると、内径が異なり、機能が選べるのかと思いきや、要はルックスと加え心地が選べる仕様です。
トップキャップの方にOリングが設けられているハーフインチ(810DT)タイプです。
14mmサイズは、外径14mm、内径9.7mm、高さ8.8mm。
厚みが薄い直径14mmです。
16mmサイズは、外径16mm、内径9.7mm、高さ7.4mm。
少しボテッとした印象で厚みが増した16mmサイズ。
17.5mmサイズは、外径17.5mm、内径9.7mm、高さ7.5mm。
更に厚みの増した17.5mmサイズ。ワイドボアの記載がありますがボアは全て同一。
トップキャップとエアフローシステム
エアフローはデュアル。サイドフローとボトムエアーフロー、2箇所設けられています。
サイドフローはトップキャップとデッキのエアホールの合わせ具合で無段階調整可能で、全閉にして殺すことで、ボトムエアーフローだけでの運用も可能です。
キャップに設けられたエアホールは計4箇所。
デッキの前に先取りでエアホール部分だけ見ていきますが、エアホールは4箇所ではなく、6箇所設けられていて、取り込み部分を変えることが出来ます。
なんとボトムエアーフロー側も調整可能です。素晴らしい構造ですが、残念なのはデッキ側サイドエアフローホールもとも回りしてしまう点。
これにより、ウィックがデッキに噛んでしまって、ウィッキングばかりか、引っ張られてコイルが崩れてしまうことも発生するため、調整の際には注意が必要です。
外側にAFCを設ければこのようなことにはならなかったと思いますが、継ぎ目が増えてしまい、ルックスが悪くなるので採用しなかったと個人的には推測しています。
このため、サイドエアフロー側も供回りする仕様です。
また、ビルドの際に外すことでコイル位置の調整も容易になります。
キャップ裏は今流行のドーム形状になっています。
デッキとボトムフローシステム
デッキはクランプ式で、2ポール2クランプデッキ。基本的にはシングルコイルで組みやすいようにデザインされていますが、デュアルで巻け無くもない構造です。
ポール部分には金メッキが施されていて、通電性の向上と、酸化による通電不良を防ぐ仕様になっています。
ジュースウェルはそれなりに深いですが、エアホールがサイドとボトムにあるため、あまり多く保持するのは現実的ではありません。
ボトムエアフローのホールが有るため、構造的にBF(ボトムフィーダー)運用はできません。
サイドフローのエアホールはデッキサイドから取り込まれ、そのまま上に向かっていく構造です。
ポジティブピンも金メッキ仕様。ポジティブ側固定兼用なので調整不可です。
分解してみると正ネジで取り外し可能。ポジティブ側のパーツには全て金メッキが施されていて、ネガティブ側とは2つのPEEK製インシュレーターパーツで隔てられています。
VANDY VAPE GOVAD RDA をビルドしてみました
さてビルドです。構造的にボトムエアフローを調整したり、全閉にすることが出来ないため、ボトムエアーフローを活かし、サイドフローはサブ的な扱いの考えのもとビルドしていこうと思います。
エアホールの大きさからも分かる通り、ドローはそこそこ軽めで、基本的にはDL前提のアトマイザーです。
デュアルで組んでいったほうが結果は出そうな印象ですが、試しにシングルで巻いていきます。
クランプ式ですが、ネジがかなり長いため、どちらもネジを完全に外す必要はありません。コイルレッグが通るぐらいにネジを緩めたら、両方とも通してしまってからとりあえずレッグが外れない程度にねじを締めてからコイルの位置決めをします。
コイルジグを通してコイル位置を調整し、位置を決めてからネジを締めてクランプをロックしてコイルレッグを固定します。
コイル位置は伝い漏れしない程度にボトムエアフローホールに近づけます。
サイドフローエアフローホールは更に下部のため、このコイル位置で問題なさそうです。
コットンにはFiber Freaks Cotton Brendを用いました。コットンレッグはふわふわさせています。
好みにしたがい、コットン量は若干少なめ。ウィッキングして気が付きますが、再度エアフローのコットンレッグ側の両サイドは意味が無いのではと思います。コットンでホールが塞がれてしまいますし、デュアルでバーチカルビルドなどしない限りは活かせないと思います。
VANDY VAPE GOVAD RDAを使ってみました
Joyetech eVic-Basic(内蔵バッテリー)
Eleaf ASTER (18650シングル)
VO Tech Dagger 80W Box Mod(18650シングル)
さて、暫く使用してみました。
◎見た目とクオリティ
ロゴと文字のエングレービングはありますが、比較的シンプルなルックスです。
クオリティ的には外見上、キャップとデッキの質感があっていなく、段差があるなどの問題はありますが、キャップとデッキのクリアランスや、実用的な部分にクオリティ的問題は感じられません。
良くも悪くもマスプロダクツだな、という印象です。
◎価格
定価$30程度。提供先ショップではディスカウント価格で購入可能です。
◎機能面、運用性
デュアルエアフローシステムは斬新です。
サイドエアフローの考え方はHadaly RDAなどにインスパイアされたようなデザインですが、ボトムエアフローも設けることでオリジナリティを出しています。
機能的に素晴らしいのはボトムエアフローも調整可能である点。構造的に調整不可だと思いきや、ちゃんと調整できます。しかし、デッキ側サイドフローホールもとも回りしてしまうのは残念。ウィッキングによってはボトムエアフロー調整の時にデッキにウィックが噛んでしまって、引っ張られてコイルも崩れてしまうことが発生しました。
ビルドは基本的にはシングルコイルであり、楽な部類になります。
細かい部分では、デッキのウェルが深く、デッキ構造が複雑なため、洗浄後の水気飛ばしが若干煩雑です。
◎ドロー
基本的にDL(直肺吸い、ダイレクトラング)向けのドローです。
サイドフロー、ボトムフローともに全閉でもタイトドローにはなりません。
MTLできなくもないですが、この状態ではAFCの隙間からエアーが流れている状態で、コイル周りの気流のコントロールが難しいため、MTLユースであれば他のアトマイザーを選択すべきです。
ボトムフロー全開で、かなり軽いドロー。
加えてサイドも全開で、ボトムだけ全開の2倍ぐらい軽いドローです。
◎ミストの質感、味
ビルド次第と常套句を放っておきますが、今回のビルドはスタンダードなものであると思います。このビルドにおいては、相当ダイレクト、直接的な味と質感です。
今回のビルドにおいては、エアフローはボトムだけ生かし、1/3ほど開けています。DLで運用し、エアフローは僕の吸い方、ドロースピードでちょうど釣り合いが取れている塩梅です。
味が濃く、直接的でウェットな質感のため、味の機微を感じるタイプではなく、リキッドセレクト的にはわかりやすいフレーバーをセレクトするのが良いのかな、と思います。
そして、試しにボトムを全閉にして、サイドだけ開けてみると、かなり味の印象が変わります。ダイレクトさ、ウェット感はそのままに、甘さが抑えられ、フレーバーが広がる。直接的な中に味の機微も感じられるようになりました。
両方開く運用もできますが、ボトムを調整するとサイドのデッキ側ホールが供回りしてしまうので、若干不便さも感じます。
このように同じビルドでありながら、エアフロー調整幅が広いため、対応力に相当優れています。
超個人的意見ですが、ハイエンドアトマイザー含めて、シングルコイルドリッパーでは味において現段階で最高クラス。自由度の高いエアフローと、無理のないキャップ高(無理に全高を低くしようとしない設計)が聞いているのだと考察しています。
VANDY VAPE GOVAD RDAのまとめ
パッケージデザインと、撮影時の本体の質感から正直ナメてました。
これは相当優れたRDAです。煙みたいに細かく柔らかいミスト付き、MTL運用の方には向かないアトマイザーですが、DL運用で、ウェットなミスト、ドリッパーのダイレクトな味が好きな人には「味と質感」の観点からかなり優れています。
個人的な主観では見た目があまり好きではないのが残念ですが、相当おいしいです。
マスプロ品で、ヒット製品のいいとこ取り感はあるものの、ある程度のオリジナリティーもあり、価格が安くて味が非常に良い典型ではないでしょうか。
ビルドが簡単で初心者、これからビルドを始めたい人にも推薦できる優れたシングルコイルドリッパーでした。
コメント
ボトム部分もキャップになってるのでビルドの際に外すと楽に組めますよ
ご指摘誠にありがとうございます!!