ArMoR Modsのベイプアトマイザー、ArMoR 1.0のレビューです。
世界的に人気のアトマイザー。スコンカーにも対応した背の低い22mmドリッパーです。
価格的にも入手性的にもハイエンドに位置づけられるアトマイザー。
早速レビューしていきます。
ArMoR 1.0のパッケージと内容品
パッケージはシンプル。封筒のようで中にエアパッキンが貼ってあるものがパッケージなっています。
内容品一覧
- ArMoR 1.0アトマイザー本体
- 510ドリップチップアダプター
- BFピン
- ビルド用六角レンチ
- 予備パーツ(Oリング、イモネジ)
ArMoR 1.0の詳細
ArMoR 1.0はベイプ用のアトマイザー、ドリッパータイプになります。22mm径、背が低く、ルックスが良く、BFにも対応。昨今のメカスコンカーブームの中、人気が出るのもうなずけます。
ArMoR 1.0のスペック
直径 | 22mm |
ネジタイプ | 510 |
ドリップチップ | 専用ワイドボア/510(アダプター付属) |
コイル | RBA デュアルコイル/シングルコイル |
エアフロー | サイドエアーフロー |
素材 | ステンレス |
色 | Silver |
専用ドリップチップを含む全長はおよそ25mmです。※510スレッドを含まず
510アダプターを接続した全長はおよそ17.5mm。※510スレッドを含まず
ドリップチップはトップキャップの一部も兼用しているタイプで、取り外すと簡単にデッキの確認やリキッドチャージができます。
付属品として、専用ワイドボアドリップチップと510ドリップチップアダプターが付属するので、汎用品も使うことが出来ます。
専用ワイドボアドリップチップの内径はおよそ8mmです。
専用品、アダプターともに底部がすり鉢状になっており、ミストの流れに考慮したデザインです。
このアトマイザーはM attyとも作りが似ていますが、この部分からも作りの違いを見ることが出来ます。Mattyのドリップチップはエンドから緩やかにテーパーしている構造です。
キャップを背面から見るとこのようになっています。外見から見るよりもミスト発生部は狭く、ドリップチップに向かって徐々に絞り込まれています。
ドームの上に煙突が立っているような内部構造に見受けられます。
キャップは3ピース構造です。スリーブ/エアフローパーツ/トップ固定リング。
上部の固定リングはスクリュー式になっており、このパーツでエアフローパーツを固定しています。
エアフローパーツはスリーブに下からはまっています。エアフローパーツにはOリングが設けられていて、ここからのリキッドやミストのにじみを防いでいます。
エアフローリングのエアフロー周りには2本の溝が掘ってあります。この溝によってエアホールを全閉にしても。溝を通りエアーが混入するためエアホールが完全には閉じられません。
純正のエアフローパーツには2箇所エアホールが開いており、スリーブのエアホールとの合わせ具合で無段階でドロー調整可能です。
しかし、この構造、ホールを3つにすることでシングルコイルに向けたエアフローにも対応できると思うのですが、何故そうしなかったのか?疑問で仕方ありません。
あ、それでも溝が切ってあるから完全には塞げないのか。じゃあ溝が切ってないエアフローパーツが必要ですね。
エアフロー調整をする時は上部の固定リングを時計回りに回してエアフロー調整する事が出来ます。固定リングは締めていってもエアフローパーツがロックするのではありません。
何故時計回りに回すのかというと、反時計回りに回すと、固定リングが緩んでしまうためです。
デッキは2ポール2スレッドのデッキです。ポール間が極端に狭く、マイクロコイルでも楽にビルドできるようなデッキになっています。
シングルコイル用のPEEK製リデューサーも標準で付属します。リデューサーにはOリングも設けられていて丁寧な作りと設計に感じます。
ジュースウェルはそこそこの深さ。よく見ると、デッキ縁も内部にえぐらていて、少しでもジュース保持容量をかせぎたい!という作りての設計思想を伺い知ることが出来ます。
ジュースウェルの底の仕上がりもマスプロダクツにはない丁寧な仕上がりで、サンドブラストをかけたようなマットな質感になっています。
ポジティブピンはポジティブ側固定兼用の為調整不可です。
ノーマルピン、BFピンともに金メッキ仕様になっており、どちらも六角レンチで回すことができます。そしてどちらもエッジがラウンドしており、バッテリー短絡を防ぐ設計思想で、細かい気遣いを感じます。
BFピンエンド部はジュースウェルより高い位置で、BFボトルにリキッドが逆流せず、ボトムフィーダーで使用しても、ジュースウェルにリキッドを保持できるデザインです。
ArMoR 1.0をビルドする
さて、ビルドです。
珍しく最初はシングルで組んでみることにします。何故か?ノーマル状態のエアフローは片方閉じる運用ができないため、この状態でどの程度味が出るのか知りたいためです。
エアホールは閉じないものの、リデューサーを取り付けた状態と取り付けない状態では、同じエアフローの開き具合でもドローが違うので多少はリデューサーが効いているのだと思います。
今回は単線での性能を見たいため、カンタル26ゲージ 3.0mm 5ラップで巻いていきます。
コイルレッグ固定部が2つのポーツとも同じ高さの為、レッグを予め形成しておかないで固定するとこのようになってしまいますが、気にせず固定します。
固定後、コイルにジグを通してコイル位置を調整します。
自分の好みに従ってコイル位置は高めに設定。
エアホール位置よりも高い位置。コイルボトムに若干エアホールがかかるかかからないかで調整します。
そしてウィッキングはコイル両側を塞いで、エアーの流れを抑制します。なるべくコイルワキ以外を通る空気を少なくします。
さて、これで吸ってみます。
うん、それなりに味は出るしミストの質感も悪くないですが、薄いですね。
これ絶対リデューサー側からもエアーが混入していると思います。
エアフローパーツには溝が刻んであるので、完全密着は難しく、ウィックでも完全には塞げないため、構造的に無理だと思います。
実証するためにシングルエアホールのベルキャップを装着。
トップ裏の構造が違うので単純に比較はできませんが、こちらのほうが味が出るので、間違いないと思います。
アフターパーツで純正シングルエアフローパーツの販売も有るらしいですが…
しかし、このベルキャップ、エアフロー調整ができないため、このビルドの場合エアホールを1/2以下に絞りたい。
さて、諦めて本命のデュアルでビルドしていきます。
ワイヤーはカンタル26ゲージ 2.5mm 5ラップで巻いていきます。
デュアルでもビルドは楽ですね。特にマイクロコイル派の自分的にはポール間が短いので非常にビルドしやすい印象です。
デュアルも同様にコットンでエアーの通り道を作ってやり、コイルに干渉しないエアーを極力少なくします。
そしてやはり良いな!と思うのはドリップチップを取るだけでデッキ状態の確認ができる点。これは非常に良い。
◎見た目
見た目ありきのアトマイザーだと思います。個人的には非常にカッコいいと思います。
サイズ感も良く、昨今のスコンカーブームもありルックスだけで欲しい人もいるのではないでしょうか。
◎クオリティ
非常に高いです。アラは全く見えません。素人目には最高レベルのクオリティに見えます。
◎価格
$95(+shippingなど)とクオリティに比べた価格は安いとさえ思えます。
一度国内販売された際も15,000円程度と決して安くはないですが、仕上がりに対する価格は十分見合っていると思います。
◎機能面
機能面は一般的な22mmサイドフローRDAと大差ありません。
マイナスポイントは、シングル用のエアフローがオプションパーツなしには実現できない点。
エアフローパーツが脱落しづらくなっているのは優れた設計だと思います。
◎運用性
ビルド難易度は標準的です。マイクロコイル愛好家にはビルドしやすいですが、コイル全長が長いビルドが好きだと逆にビルドはしづらいと思います。
◎ドロー
ドローはかなり軽いドローから、そこそこタイトドローまで調整可能で、ドローの調整幅が広く、ビルド自由度が高いのが魅力。
ただし、純正状態では超タイトフローには対応しません。
良い点はM attyと同じく吸気が帯状で入ってくるのが心地よい点。
Oattyも吸気が心地よいですが、このArMoRもその部類に入ります。
◎ミストの質感
多くのサイドフローRDAと同じく、このArMoRもビルドに寄る影響を大きく受けます。
要はビルド次第です。
その為、AoMoR特有と思われるミストの質感や味と言うものはないと言えます。
スタンダードなデザインのサイドフローRDAであれば、ビルド次第で大抵同じような味が再現できてしまうため、味やミストの質感に特筆すべき点はありません。
ArMoR 1.0のまとめ
ArMorの良さ。それはルックスとクオリティ。そして設計にあると思います。
細かいところまで手が行き届いた、作り手の思いを反映するアトマイザー。
そして、オプションパーツが豊富なのも魅力であり、逆に言うと「お金がかかるアトマイザーだな」ということになります。
味やミストの質感に特別なものは感じませんでしたが、良いものを使っているという実感にニンマリしてしまうアトマイザーです。
ただし、入手難易度は高めです。
本家から入手する方法は、まずArMoR Modsのfacebookページで時たま行われる販売グループへの参加をするためのスレッドが上がるタイミングでfirst x1をすることで、販売グループに招待されます。
しかし、販売グループに入ってから更にリスト販売が行われるため、まずは秘密の販売グループに入る必要があります。
国内でも再び販売が行われることを願いつつ今回の記事を締めたいと思います。
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