Rad Customsというブランドをご存知ですか?
「知らない」のも無理はありません。
何故かと言えば「一人のレザービルダーが展開するブランド」だからです。
元々は一人のVAPE好きが、VAPE製品全般のカスタムのために始めたブランド。
その中でもレザーケースがVAPEファンの中で話題になり、個人オーダーレベルで様々なカスタムケースを請け負うようになり、一部のコアなファンの中では「VAPEカスタムケースの第一人者」として認知される存在に。
僕も含めて熱狂的なファンは多く、それには裏付けされた理由があります。
このRad Customsの後を追ったレザービルダーがカスタムケースを展開していますが、第一人者としての地位が不動のものになっているのには理由があります。
ここではその詳細を紹介して、その魅力に迫ります!!
自身がヘビーなVAPEユーザー
まず、主催のRad customs(taison_0619)さん自体が相当コアなVAPEファン!
Instagramなどでもご自身の愛機を披露していて、そこからインスパイアされている製品も多い。
ココ重要!もちろん優れたレザービルダーが、その製品のファンである必要はありません。しかし、好きだから、ヘビーユーザーだから「ここもうちょっとこうだよなぁ」とか細かい部分に気がついたりすることも多くあるのではないでしょうか。
厳選した素材を使用している!
何といってもレザープロダクツで重要なのは素材の選定です。まず、素材そのものが良質であることはもちろん、天然のものなので、個体差や生きていた時についた傷などの特性がありますが、RadCustomsでは素材の選定のこだわりがあります。
これは大手のレザーメーカーには絶対できないことです。
何故なら、通常大手のレザーブランドは皮を革に仕上げる「タンナー」から直接仕入れを行っており、その際の商慣習(付き合い)として、その仕入れ方は「このレザーを〇〇枚。もしくは〇〇デシ」(皮の単位はデシ 10×10cmで計測)という方法をとっています。
そして、その中で革に欠損(焼印の跡、治癒傷や床ずれなど)があっても通常返品することはできません。これは色物の革だとロット差で明らかに色が違っても同じで、この段階で生じた「使えない革」はメーカーのコストに上乗せされる。イコール最終的に製品価格が高ってしまいます。
何故大手が小規模ブランドと同じことができないかと言うと、それは使う革の量の圧倒的な違い。革に欠損があるからといって使えない革を弾いていたら使用する全体量が確保できません。また、使用量から仲卸を介さずにメーカー(タンナー)と直接取り引きすることによって、欠損がでたとしても仕入れ価格を抑えているのです。これは逆に小規模メーカーにはできないことです。
僕は元々10年以上国内大手のハンドクラフト系レザーブランド勤務でしたので内情がよくわかっています。
Rad Customsは職人一人が展開するブランドなので、より良い製品を最終的に納得の行く価格で提供できるように、手間暇を使って素材を厳選しています。
仕上げにこだわっている!
正直、革の値段なんていくら高い革でも、牛革であればかの有名なフランスのブランドが使う最高級レザーですら1DS 200-300円ほどです。
いくら素材が良くても、レザー製品に必要なのは腕の良さとかける手間暇です。
原材料の値段はたかがしれているのはどの業界でも一緒だと思います。「原価はいくら?」っていうのは原材料の値段ではなくて、全てのかかったコストを指していると考えたほうが良いでしょう。
例えばあなたが10時間かかってあるものを作ったとします。その原材料費が1000円だったら販売価格はいくらになりますか?1000円じゃ当然売れませんし、あなたの人件費が出なくては作る意味がありません。最終的には10,000円以上になってトントン。利益を考えればメーカー品であれば20,000円以上になって当然です。
それを高いと感じるか?やすいと感じるか?は最終的にできた製品次第だと思います。
そういう意味ではRadCustomsのレザーグッズは価格以上の価値があると感じますね!
今回オーダーした「With」は流行りのminifit用ケース。小型デバイス用の小さなケースなのに「ハンドソーイング 手縫い仕上げ」です。手縫いはその名前の通り、機械ではなく人の手で一糸一糸縫い上げていくために手間と時間がかかります。時間がかかるということはもちろんそれだけコストがかかるということですが、このWithは大手レザーブランドでは真似のできない「価格設定」を実現しています。
よく勘違いされますが「手縫いが優れている」ということは決してありません。レザーの手縫いには通常番手の太い糸が用いられるの、糸自体が切れにくいので手縫いのほうが良いと勘違いされます。しかし、糸が強い分、糸が切れないので、縫い目のある革部分が切れてしまい修復不可になることがあります。
では何故この製品に手縫いが使われているのか?といえば答えは簡単で、ミシン縫いするのならばこのケースのような革の合わせ方は出来ません。革を重ねる部分が出てしまうのでその部分だけ盛り上がってしまいます。そのために「デザインと見た目」を兼ね備えた手縫いを採用。適材適所ですね!
そして、最初に値段聞いた時、「その金額で本当に利益でるの?」と思ったほど。
もちろん、決して安くはありません。本体のデバイスよりもケースのほうが高いという矛盾も秘めていますが、それでもモノとしての価格はロープライスだと言える出来です。
小さい小さいケースながら、革のコバは全てスリックされています。これは革なる縫い部分にまで施工されていて、「本当にこだわってるなぁ」と感じる分です。しかもハンドスリック。手間かかってますね、、、
更に驚くのがこの部分。上がエアフローホール用の穴で、下がLEDインジケーター用の穴。
このオーバル型のホール、キレイに開いていると気がついた人は鋭い!この穴用にジャストサイズの専用ツールまでオーダーしたとのこと!こだわりが半端ない!
これだけ小さい穴だと、ハンドツールでは熟練のレザービルダーであっても工具の大きさ的に物理的に綺麗に切り抜くことはできません。そのため、「ポンチ」と呼ばれる専用の抜き工具を使いますが、汎用性のある円形やベルトホールなどはレザークラフト用として販売されていますが、この特殊な大きさになると工具を特注するしかありません。
通常、販売数が大きく見込める製品であり、なおかつ何型もバリエーションを増やす場合は専用工具や抜き型を作成することもありますが、Withのようにニッチな製品にまでスペシャルツールを投入する心意気に触れ惚れそうになってしまいます。
SNSなどで同じようにminifit用のケースを作成しているビルダーさんの写真を見たりしますが、正直ここまでのこだわりを感じるものはありません。あ、ひていしているのではありませんよ。それぞれの良さがありますからね!ただ、RadCustomsのこだわりが度を超えているということですw
使い勝手に裏打ちされたデザイン!
このmifitケースのWithですが本当に使い勝手とルックスを兼ね備えています。
まず前面。きちんと全体をレザーケースが包んでいるのに、しっかりと機能的な部分(LEDインジケーターとエアフローホール、そしてスイッチ)は生かしています。これ重要!
ルックスを重視するあまり、どこか機能を妥協し無くてはならない製品もありますが、これはどこも犠牲にしていない。LEDインジケータは問題なく見ることができるし、エアフローもしっかり空いている。
そしてメインスイッチもレザーケースをかぶせているのにもかかわらず、レザーに切れ込みを入れることによってしっかりと押すことが出来ます。素晴らしい。
もちろん、バッテリーを内蔵するデバイスなので、充電できなくては意味ありません。
このケースでは、スリーブを外すことなくmicroUSB端子から充電可能で、簡単にアクセスすることができる「手間いらず」仕様です。
そして、もちろんPODはスリーブを外すことなく脱着可能です。リキチャも問題なし。あえて問題点をいるならば、エアフローから多少漏れたリキッドでスリーブが汚れることがあります。これはケースである以上防ぐことができないので、改善は難しいと思いますね。
そして、超小型の無くしやすいものに最適なのが、背後についたDカン。付属のディアスキンネックストラップを使ったり、別にフックなどを用意して腰からぶら下げることも可能です。
このDカンを本体に接続しているパーツのデザインも良し!見えない部分にまでこだわってますね!
アメリカを感じさせながらもシンプルなデザイン!
主催のtaison0619さんは自身がピックアップトラックに乗らてていたり、ブランドロゴにもシボレーをモチーフにしたり、ピンストが好きだったりとアメリカンカルチャーが好きであると全力で伝わってきます。
僕ものアメカジ全盛時代を通ってきたアラフォー世代なので、この趣向がベストマッチ!
ただ、アメリカっぽさを感じながら、コッテコテのアメリカンデザインではなく、上品さも感じるシンプルなデザインなので、レザー好きにとっては普遍的とも言えるルックスになっているのも嬉しいポイントです。
付属品のデザインにも凝っている!
個人オーダーのブランドですが、付属にもこだわっています。
パッケージボックスにはメーカーロゴ。そして、今回の製品から製品証明書が付属するようになりました!もちろん、修理などのメンテナンスの相談もすることが出来ますよ!
もちろんイマイチなところはある!
そんな僕も大好きなRadCustomsにもイマイチな部分はあります。
それはパーツが安っぽいということ。ナスカンやDカンが浅草橋などでよく見るやつです。レザー製品では定番だけど、パーツ自体が安い汎用品なのでレザーと作りの良さに付属が追いついていません。
わかります!オリジナルパーツ高いですよね。特にソリッドだったりシルバー925でハンドメイドなんてなったらこのケース代よりも高くなっちゃいます。
そこは最終製品価格との折り合いになってきますが、このケースの場合はそもそも収納するデバイスが低価格なのでコストはそこまでかけられないのでこれで良いと思います。
あえて言うならです!敢えて!
ありがとう!宝物がもう一つ増えました!
いいでしょ?欲しくなりますよね!
でも、最初今回のアイテムはオーダーしない予定でした。何故かと言えば僕のVAPEに対するポリシーからです。
- 小型デバイスはコンパクトさが命 それをスポイルするレザーケースは不要
- 液漏れでレザースリーブが汚れるのが嫌
- 首からなんて絶対下げない
でも。でもね!実際の製品の写真を見て、このために専用工具を作っちゃったりというこだわりを見ているうちに欲しくなり、、、なおかつ以前オーダーしたPicoスリーブと同じレザーでのオーダーを開始したりともうこれオーダーしないでどうする!?という事になっちゃいました。
結果:超満足!!
本体のデバイスよりも高いケースですが全く後悔はしていませんね!むしろ、ケースのためのデバイスという逆転現象とまで感じていますよ。最高!
このケースの受注はまだこれからも受付するそうです!興味ある方はRad customs JPN familyに参加して機会を伺ってみてくださいませ〜!!また、電タバ貴族のVAPE SHOP Nexmokeにも再入荷の予定があるそうなのでチェックしてみてください。
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